2020/05/09

2020年5月9日(土)昨日8日、海外市場の動き

2020年5月9日(土)昨日8日、海外市場の動き

市場は新型コロナウイルスの収束や経済活動の再開期待を強く意識した動きへ。

米雇用は2050万人減少し1930年の大恐慌後で最大の減少。失業率14.7%と第2次大戦1982年11月の10.8%を超え戦後最悪ながらそれでも予想を下回る。米労働相は4月の米失業率は実質20%の可能性を発表。

結果は織り込み済みでボトムアウトしたような反応に、米株の上昇は止まらず、債券利回りも強含み、原油価格は上昇。そして為替相場はドル売り傾向が続くも、円売りも強くリスク回避の動きは全く見られず。

為替相場は、米雇用は最悪予想より良かったとの結果を受けたドル買いやコロナウイルス関連の材料や、米中ハイレベル電話会談の結果を受けた動きも限定的。変動時間を考えればオプションカットからロンドン・フィキシングの影響を受けた動きが感じられる。

この時間を境にして EURUSD1.0876、GBPUSD1.2467まで上昇しピークアウト後に値を下げている。一方、資源価格に敏感なAUDUSD、NZDSUDの動きは穏やかピークアウトするも傾向としては強さを維持している。

USDJPYの動きは他の通貨と異なり、米雇用統計のデータが最悪予想より良かったことで直接反応した円売りの流れに一時106.72まで上昇。米国市場に入りドル売りの流れに一時106.39まで円高へと動くも、他の主要通貨でドル買いも弱まり、特にNZDJPY、AUDJPYでの円売りが強まる中で、終盤にかけ106.75まで再上昇。引け間際には材料は不明(ただ単に値を下げたかったのか?)106.615で引けている。

注目の米中ハイレベル電話協議では、お互いに玉虫色の声明を発表するも、トランプ氏は「中国とは非常に苦しい状況にあるとコメント」。WHOは新型コロナウイスル感染源が蝙蝠の可能性を指摘、ドイツは人為的な発生を主張する米国を非難。何といったらいいのだろうか?

カナダの雇用統計は失業率13.0%(予想16%)、新規雇用者数-199.38万人(予想-400万人)と最悪の数字ながら予想より改善し、USDCADは一時1.3909まで下落し1.3900の壁に跳ね返されるも1.3942と戻りも限定的。

ユーロ圏財務相会合は、5400億ユーロの新型コロナウイルス対策のうち、救済基金の欧州安定メカニズム(ESM)を活用し加盟各国のGDPの2%に相当する信用枠を設定することを最終承認。なんとか一安心ながら信用枠は全体で最大2400億ユーロとなるが、新型コロナ対策についてはまだ合意に至らず。ラガルドECB総裁はユーロ圏で1.5兆ユーロの追加借り入れが必要になると語る。

欧米株は上昇し、ダウは+455.43(+1.91%)で終了し、日経先物も20230近くとなっている。原油価格(WTI)も強く24.72ドル近くで推移、米10年債利回りも0.69%と強含む。


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FRBは来週の米国債購入の計画を発表、今週の1日80億ドル→70億ドルに減速へ。

カドローNEC委員長は8日、追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る議会との協議を中止した。複数州による経済活動再開の行方を見極めるため、今月は新たな刺激策を検討しない。

カドローNEC委員長は、米雇用統計は完全に期待外れで困惑。中国は貿易合意を履行しようとしている。

米雇用は2050万人減少し1930年の大恐慌いこうで最大の減少、失業率14.7%と第2次大戦1982年11月の10.8%を超え戦後最悪。

米労働省は、4月の失業率が戦後最悪となる14.7%に悪化したことについて、働いていなくても就業者と見なされる「隠れ失業者」が多数いたと認め、実際の失業率は20%近くに達した可能性があると明らかにした。休暇取得などの理由による欠勤扱いの就業者数は1150万人だったが、このうち欠勤理由が「不明」な人は800万人強に上ったと指摘。その上で「追加で750万人相当がレイオフによる失業者と見なされるべきだった」とし、こうした人を加味した失業率は19.5%に達したとの見方を示した。4月は新型コロナへの不安から多くの人が労働市場への参入を見合わせた。現在の統計では、積極的な職探しをしていない人は労働力人口に含まれない。

ミシガン州は11日から製造業を再開(7日)新型コロナウイルスの流行で自動車メーカー各社が打ち出した従業員数千万人のレイオフ(一時帰休)措置の解除に向け、大きなハードルが取り除かれた。

米中通商協議、中国の劉鶴副首相と米国のライトハイザー通商代表部(USTR)代表およびムニューシン財務長官が8日に電話協議。 USTRは声明で「合意の成功に必要な政府インフラストラクチャーの創造に向け良い進展が見られているとの見解で一致」と説明。「現在の衛生上の世界的な緊急事態にもかかわらず、両国は合意の下で義務が適時に履行されることを全面的に予想」しているとした。中国商務省は、通商合意の実施に向けて両国が協力して好ましい環境を作り出すことで合意したと発表。マクロ経済と公衆衛生を巡る協力を強化することでも合意したと明らかにした。

トランプ米大統領は、電話協議は順調に進んだようだとしつつも、新型コロナウイルスのパンデミックを受けて自身の見方が大きく変わり、合意時のような興奮は感じないと語った。中国とは非常に苦しい状況にあるとコメント。この事態が発生する数カ月前、素晴らしい貿易合意を成立させた。合意は1カ月前に効力が生じ始め、実り始めたが、その後この事態が起き、効果が打ち消されてしまった。8日には「誰も中国と貿易合意を結んでいなかった。その理由は、誰もできなかったから、中国にその気がないから、また米国を一方的に食い物にするのが中国の態度だったからだ。われわれは年間5000億ドル(約53兆3000億円)も損をしていたのだ」と発言。「そのため、私はかなりあれこれと悩んでいる。まだ何も決めていない」と話した。(ブルームバーグ)

トランプ大統領は、米雇用統計の内容は「完全に予想されていた」と指摘。「民主党でさえ私の責任だとは言っていない。私なら職を取り戻すことができる。トランプ大統領は、経済活動が停止した背景を踏まえれば、雇用の状況は急速に改善し得ると自信を示し

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ラガルドECB総裁は8日、新型コロナウイルス対策として、ユーロ圏で今年1.5兆ユーロ規模の追加借入が必要になり得る。欧州共通の財政対応が望ましく、対応は迅速かつ大規模で均整の取れたものでなければならないと強調

ユーロ圏財務相は8日、5400億ユーロの新型コロナウイルス対策のうち、救済基金である「欧州安定メカニズム(ESM)」を活用し加盟各国のGDPの2%に相当する信用枠を設定することを最終承認。信用枠は全体で最大2400億ユーロ(2600億ドル)となるが、新型コロナ対策についてはまだ合意に至らず。また、ただ高水準の債務を抱え、新型コロナの影響が深刻なイタリアが信用枠を活用できるかは不明。現在は手続きを巡る承認待ちとなっており、融資は数週間以内に利用可能となる見込み。2022年末まで実施される。

国際通貨基金(IMF)は世界経済の見通しについて、最新の予測を発表した3週間前より悪化しているとの見方を示した。また、金融市場には混乱の波がさらに押し寄せる可能性があるとしている。IMFチーフエコノミストは、発展途上国の対外的な資金需要はIMFが以前に予測した2.5兆ドル(約266兆円)を大幅に上回るとの見方を示した。

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ロウ総裁は、声明で「このような異例な状況の中、国民の経済的福祉を推進する理事会の任務に沿って、豪中銀は景気回復に向けた架け橋を構築する上で引き続き役割を担う」と語った。

豪中銀四半期金融報告は、GDPは2020年が-6%、2021年+6.0%を見込む。CPIは2020年6月時点で-1.0%、失業率は2020年6月時点で10%と予想。雇用・インフレ環境が進展する前に金利を引き上げることはない

モリソン豪首相は、新規の新型コロナウイルス感染者が1日当たり20人を下回ってきたことを受け、感染の抑制継続を前提に3段階に分けて7月までに経済活動を完全に再開する計画を発表した。次のステップは経済の信頼を再構築すること。3段階の経済活動再開に向けた計画を内閣が承認。85万人の仕事が回復すると見込む。

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