2020/05/16

直近のIMMデータから

直近のIMMデータから

集計日が5月12日(火)のCFTCのIMM通貨先物のポジションから、円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドルの7通貨ペアの変化を見てみましょう。先週末5月15日(金)とは3日間のずれはありますが、全体の傾向を読み取ることができます。

7通貨の合計ではネットポジションは買い越しで18,839→15,488と前週から3,351コントラクト買い越し額が減少し、全体のポジションはドル売り越しを9週続けていますが、直近だけを見ると3週連続の減少となりドル高思考となっています。

全体の変化を見ると、ユーロ、円、スイスがロングを維持し、ポンド、カナダドル、豪ドル、NZドルはショートで変わらず、ショートポジションはすべて小幅ながら拡大しています。おかしなもので旧英国連邦の通貨が全面的に弱くなっており、リスク回避の流れが続いています。逆に、リスク時に選好される円とスイス、そして、安全資産の部類に入り、ドルに次いで世界で最も取引量が多いユーロをロングにしている状態に変化はありません。

まず、前週5月5日(火)と5月12日(火)のIMMポジションの変化を、集計日の終値ベースと比較してみてみましょう。

円のネットポジションは27,214→27,937と円買いが723コントラクト拡大し、USDJPYは106.537→107.108と円安方向に動いていますが、円ロングのポジションの額から見ると積極的な円買いとは言い切れず、ポジション調整からくる円安方向も限定的と思われます。

ユーロのネットポジションは76,299→78,140とユーロ買いが1,841コントラクト拡大し、EURUSDは1.0837→1.0847と若干のEUR高に動いています。ただ、3月17日にショートからロングに変化して9週間となりますが、この間の均値ポジションは72,846で数字的には大きな変化は見られません。

ポンドのネットポジションは-12,005→-13,688とポンド売りが1,683コントラクト拡大し、GBPUSDは1.24309→1.22445とGBP安に動いています。ショートポジションが拡大しGBPUSDが下落と、弱さが目立っている通貨です。

カナダドルのネットポジションは-32,052→-32,246とカナダドル売りが194コントラクト拡大し、USDCADは1.40448→1.40770と若干ですがCAD安へと動いています。こちらも、ショートポジションが拡大し、USDCADもCAD安へと素直に動いていますが、積極的に売りポジションを積み増しているようには感じられません。

豪ドルのネットポジションは-33,455→-35,425と豪ドル売りが1970コントラクト拡大し、AUDUSDは0.64308→0.64705と若干ですがAUD高へと動いています。変化率が少なく逆比例とすぐに判断できませんが、ショートポジションの拡大に反して、AUD買いが強く、興味深い通貨と言えそうです。

詳しくは別表を

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