2016/12/10

最新のIMMポジションから、 2016年12月10日(土曜)


最新のIMMポジションから、 2016年12月10日(土曜)

ドル全面高の中で、円のポジションはちょうど1年間かけて、円ロングからショートへと変化し加速、円先高期待から円先安期待へと大きく変化。

IMM通貨先物の最新データ(12月6日)では、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)の合計ネットショート・ポジションは、-252,367コントラクトと前週-221,469からショートが30,898コントラクトとさらに拡大しています。(※メキシコペソは省いて計算)

前週のデータから、約1年間続いた円のロングポジションは終焉を迎え、ショートへと変化し、12月6日のデータでは、円ショートが拡大し、本格的な円安の時代に入った可能性を示唆しています。

これらの7通貨の内、引き続き豪ドルだけがロングを維持し、AUDロング・他の主要通貨ショート(除くドル)の方向性を考えている投機筋が多い(または、多かった・過去形)と推測されます。

別途表を見てもわかる通り、IMMの長期のデータからは一度方向転換すると長期間その流れが続くことが過去のデータから予測することができます。

今回の円相場は、トランプ次期米大統領の政策が期待を反映した、株高+金利上昇が要因であることはは間違いありません。保護主義=ドル安政策になるリスクや、財政赤字拡大+保護主義的政策などの一連の政策があるいは失敗してドンでもないことになるのかは、現在では誰もはかり知ることはできません。

ただ、現時点での米金利の上昇と米株価の上昇に裏付けられる動きが続く限りは、円売りの流れは止まることはできないとの市場の判断のように思われます。

詳しくは別途、データをご覧ください。


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2016年12月10日(土曜)昨日9日、海外市場の動き

2016年12月10日(土曜)昨日9日、海外市場の動き

週末の金曜日、ドル高の流れは止まらず、ドルは全面高。そして、円は全面安。世界的に株価は上昇(除く新興国)し、金利も上昇(除く独)。原油価格(WTI)はサウジが欧米へ原油引き渡しの削減を通知、51.49ドルと底堅く推移。

特に円売りが目立ち、USDJPYは115円の大台を上抜け115.30台まで上昇、1.13%上昇、GBPJPYは+0.93%、CADJPY+1.08%、CHFJPYは0.89%と1%近く円安が進んでいる。

数少ない経済指標では、米卸売在庫が-0.4%と変わらず、ミシガン大学消費者信頼感指数は98と予想94.0を上回り堅調。アイルランド中銀はQEの半減縮小を決定。BOE調査では英国民は今後1年間で2.8%へのインフレ上昇を予測しており、ポンド高の影響もあり将来のBOE利上げ期待度は高い。

また、9日のECB理事会ではドイツの反対が強かったとのニュースも流れている。QEを月額600億ユーロで1年間延長することも協議したが、ドイツ連銀などタカ派の反対で9カ月延長で合意とのこと。

日本時間に日経平均株価は1.23%上昇で1万9千円直前へ、海外ではNYダウが0.72%上昇する中で、日経先物は1万9200円台へ急上昇。米10年債利回りは2.4675%(+0.06%)、2年債も1.1329%(+0.023%)と上昇し、米金利の上昇と株高=円安の流れを加速させている。

USDJPYは全面安。欧州市場で115円の大台をブレーク。オプション絡みか大口の実需の動きなのか115.20台まで上昇後114.60台まで急落するも、米国市場に入り、米株+米金利の上昇にドル買いが強まり、フィキシングからオプションカットまでは115.10~20近辺で取引が続き、欧州勢が取引を終える時間帯から115.30円台のトライが始まるも、NY市場終盤にかけては、意図的な動きとも思える115.10台まで下げて終了している。

EURUSDは続落し1.0554で終了。年初来の安値を更新し、2015年3月来の安値近辺へ。ECB理事会の決定ではECB内での不調和音がドイツ中心にいつもながら聞こえてくるが、妥協案の産物で、スタッフ案は「現行の月額800億ユーロで6カ月間延長」とあった。EURUSDは1.0530台の安値まで続伸し、1.05の大台手前からは週末のポジション調整の買い戻しや実需筋の買いに下げ止まりやや値を戻しているが、上値は重い。

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サウジ=欧米顧客へ1月から原油引き渡しの削減を通知。

アイルランド中銀=月額10億ユーロの債券購入を半減とQEの縮小へ。

リムシェービッチ・ラトビア中銀総裁=ECB緩和策は成長押し上げに不十分。商業銀行の不十分な融資、低調な企業の融資需要の理解がが重要で、企業が将来に対する懸念から投資を控えている。

BOE調査=英国民はインフレ率が大幅に上昇すると予想し利上げも視野に入れる。今後1年間のインフレ率予想の平均8月2.2→2.8%、5年3.0→3.1%。41%は1年で利上げを予想。

クーレECB専務理事=ECBによる資産買い入れ減額決定は経済に対する自信の表れ。来年は選挙が目白押しで依然支援が必要。

クーレECB専務理事=長期金利はいずれ上昇する。金融政策に頼らない成長の原動力を見つける必要がある。

9日のECB理事会について=QEを月額600億ユーロで1年間延長することも協議したが、ドイツ連銀などタカ派の反対で9カ月延長で合意。

ECBスタッフの変更案は、現行の月額800億ユーロで6カ月間延長することに主眼を置いていたが、ドラギ総裁はこの案では過半数の賛同を得られないと認識し妥協案を模索。ECBは月額600億ユーロで1年延長を提案したがドイツなどタカ派は600億ユーロで6カ月延長を主張し、妥協で9カ月延長が決まった。

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2016/12/09

2016年12月9日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年12月9日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

週末金曜日、来週のFOMCを目指して、今週はイタリア国民投票で始まり、昨日のECB理事会ですでに終了している雰囲気が強い。

結果は、米株と米金利の上昇=ドル高の流れで、短期的なドルロングポジションの巻き戻しを経て、結果的にはドルの強さが目立っている。

USDJPYは144.30~55円のレンジで小動きながら、113.50~115.00の大きな壁の上限を試す動きを期待したい。

EURUSDは1.0590~30のレンジながら、ECB理事会後の変動を考えれば、1.0800を割り込み1.0870台→1.0580台までの、脳天逆落とし的相場のショックは隠せず、ECBのテーパリング期待も崩れ上値の重さが気になる。

GBPUSDは1.2550~00のレンジで上下するも、方向感は出ず。ただし、EURGBPが売りに変化したことで、以外にも底堅い。英最高裁長官が、議会承認なしEU離脱通知の可否について、できる限り早く結論を出すとのことで、これも注目したい。

AUDUSDは0.7440台をボトムに0.7470台まで小幅上昇し、サプライズなGDP後の安値から切り返し、0.7500の壁を抜け切れるかを注目。USDCADは原油高には売りが強いが、NYクローズレベルと大きく変わらず。

日経平均株価は続伸し+230.90(+1.23%)と1万9千円近くへ。米金利は上昇傾向が続くもやや伸び悩み、原油価格は51ドル台をしっかり確保。

経済指標で目立ったのは、中国の生産者物価、前月比3.3%の上昇で前回1.2%から大幅に拡大。独貿易収支が205億ユーロ(前回211)から減少へ。


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英最高裁のニューバーガー長官=議会承認なしEU離脱通知の可否について、できる限り早く結論を出す。

クーレECB専務理事=ECBの決定は欧州経済への自信を示すもの。長期金利は次第に上昇へ。必要なら追加緩和の用意がある。欧州の銀行の数は多すぎる。

2016年12月9日(金曜)8日、海外市場の動き(午前6時頃)

2016年12月9日(金曜)8日、海外市場の動き(午前6時頃)

ECBのQE延長にも減額で欧米金利と欧米株は一時急伸するも、減額=テーパリングでなく後に縮小。ドルは全面高を維持。資金は債券から株式へ。原油価格・コモディティーも強い。

米株(NYダウ・Nasdaq・S&P500)は上昇幅を縮小するも、ダウは一時最高値を更新するなど、引き続き上昇傾向を維持。原油価格(WTI)は一時50.90近くと大幅に上昇。

米10年債利回りはECB理事会後の2.42%台をピークに2.4%へ、2年債も1.1%近くへと低下するも共に前日を上回り、引き続き上昇傾向を維持。

ECB理事会は強弱混在で、QEは延長(3月→12月・必要あれば継続)と、縮小し(月額800→600億ユーロ)。ドラギ総裁も強弱混在で「第4四半期も成長は続く、デフレリスクはほぼ消滅」と、逆に「ユーロ圏の成長は下振れに傾く、テーパリングは議論されず、現行プログラムの延長」。スタッフ予想も2019年のインフレ率は1.7%で目標2.0%に届かず。

USDJPYは、113.20台をボトムにし迎えたECB理事会でQE延長にも減額でテーパリングの開始との判断もあり、欧米金利が急伸。特に米金利の上昇に円売りが反応し、一時114.30台まで上昇。しかし、ドラギECB総裁から減額=テーパリングでなく現行プログラムの延長との発言や、「テーパリングは議論されず」との発言に米金利は上昇幅を縮小し、米株の上昇も弱まり、113.80~30のレンジで推移。

EURUSDは、ECB理事会の「QE延長にも減額」にテーパリングか? 債券利回りの急伸もあり直後は1.0870台まで急伸するも、減額=テーパリングではなく、必要に応じて購入規模や期間を拡大する可能性もあり、1.0720~40近辺へ下落。

ドラギECB総裁は「デフレリスクはほぼ消滅」と「第4四半期も成長は続く」と強気な面もあるが、「ユーロ圏の成長は下振れに傾く」、「テーパリングは議論されず」に、さらに急落。欧米金利も上昇幅を縮小し1.0600の大台を一時割り込むも何とかその水準近くで下げ止まっている。

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バイトマン独連銀総裁=ECBの資産買い入れの延長に反対を表明。

独短期債利回り上昇=ECBが証券貸し出し規定を緩めると発表。

ドラギECB総裁=米次期大統領にトランプ氏が勝利、英国のEU離脱の選択、イタリア国民投票が否決でも市場は予想外に底堅いが、本格的な影響は中長期にあり現時点で評価できず。

ドラギECB総裁=月額買い入れの縮小はテーパリングではなく現行プログラムの延長。デフレリスクが脱却方向にあり800→600億ユーロに減額することで買い入れ縮小が起きないようにしたい。資産買い入れプログラム(APP)は拡大し、月額の買い入れ額も増加する可能性もある。

ドラギECB総裁=テーパリング(資産買い入れ縮小)については協議していない。月額800億ユーロの買い入れを半年間継続するという選択肢もあったが、600億に減額と9か月の継続がかなりの支持を得た。

ドラギECB総裁=インフレトレンドが上向く兆候見られず。総合インフレはエネルギー価格の前年比での変動が主な要因となり、年末年始あたりに一段と大きく上昇する可能性が高い。

ドラギECB総裁=成長リスクは引き続き下方向に傾いている。インフレを注視。資産買い入れ再び増額も。

ECBスタッフ予想=2019年のインフレ予測は1.7%で2.0%の目標値には届かず。

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2016/12/08

2016年12月8日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年12月8日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

欧州株が急伸する中で、米株はほぼ同水準からスタートし、米10年債利回りは一時2.42%台への急伸からやや軟化。幅原油価格(WTI)50ドル台乗せへ。為替市場は米金利の上昇にドル全面高。

EURUSDは、注目のECB理事会で、3月期限のQEを800→600億ユーロに減額し9か月延長を決定。QEの縮小を受け独金利は上昇、直後にはEURUSDは1.0870台まで急伸。しかし、米金利の上昇や、ドラギ総裁は、デフレリスクはほぼ消滅というが、「テーパリングは議論されず」に、ドル全面高もあり1.0620台まで続落。
 
USDJPYは、113.20~70の50ポイントレンジで推移したが、ECB理事会のQE縮小を受けドイツ債券の利回りは急伸、米債利回りも急伸し一時114.40近くまで上昇するも、114.50円の壁のトライもなく113.80~20の高値圏でレンジに入る。

AUDUSDは、0.7500超を維持できず、0.7440台まで続落。NZDUSDも0.7210→h0.7150台まで続落。

ECBは、政策金利0.0%、中銀預金金利-0.4%、限界貸出金利0.25%、資産買い入れ枠月間800億ユーロの据え置きを決定。債券買い入れを2017年12月まで延長し、4月から月額800→600億ユーロに減額。

ドラギECB総裁は強弱混在。第4四半期も成長は続く見込みで、穏やかで着実なペースの成長へ。大半がQEの延長と減額に同意。デフレリスクはほぼ消滅。

ユーロ圏の成長は下振れに傾く。QEはインフレが継続的に起動にのるまで継続へ。コアインフレが確実に上昇トレンドとなる兆しはない。テーパリングは議論されず。

ECBスタッフ予想=GDP予想(9月時予想との比較)2016年1.7→1.7%、2017年1.6→1.7%、2018年1.6→1.6%、2019年1.6%。

インフレ見通し(9月時予想との比較)2016年0.2→0.2%、2017年1.2→1.3%、2018年1.6→1.5%、2019年1.7%。

黒田日銀総裁=世界経済、日本経済は全体として良い方向に向かっている。