2020/05/31

今週の為替相場を考える(6月1~5日)

今週の為替相場を考える(6月1~5日)

トランプ大統領のSNS規制、ミネソタ州での黒人死亡をめぐる暴動による非常事態宣言とトランプ氏のツイートが火に油。棒読みでトランプ氏らしくない先日の記者会見で、香港の優遇措置の見直しやWHOからの脱退を表明するも、肝心の米中貿易交渉の第1弾合意の破棄には言及はなく彼らしくない。

トランプ氏の選択肢は厳しく、仮に大統領が通商上の優遇措置を撤回するという最も厳しい措置を講じた場合、恐らく世界貿易の再編や米中関係の著しい悪化に、新たな貿易合意も難しくなる。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている米経済や、トランプ大統領の再選の見通しもリスクにさらされる。大統領が最大の成果の1つとしていた米中貿易合意が崩壊し、中国が公約した米国からのモノとサービス2500億ドル(約27兆円)相当の購入がほごにされる可能性もある。

それでなくても、トランプ氏の周辺ではトラブルが多発しており、これらを犠牲にして強硬策をとることになれば、世界的なリスクが増幅されることになり、リスク回避のドル買いよりも、当事者としてドル売りが強まることになりかねず。また、逆に中国に弱気な姿勢を示せば、それでまたドル売りになりかねず。

USDJPYは、過去約3週間にわたり、香港国家安全法の成立を巡る米中の対立のリスクにも関わらず、クジラのドル買い期待なのか? 大雑排に言えば107~108円のレンジで推移し、主体性はゼロ。取引していてもストレスが溜まるだけだが、ポジションを持っているとショートでもロングでもその水準に値を戻している。USDJPYの取引に変わり円クロスで円ショートが取引の主流となっている。今週もレンジ相場になる可能性は高いが、108.30~50を抜けたらやめるショートで考えたい。

GBPUSDは、先週1.2200割れをボトムに、1.22~1.2400のレンジで、英EUの通商協議の難航や合意できないリスクに加え、BOEの追加緩和を意識してか、他の主要国でドル売りが強まる中で弱さが目立っており、今週もクロスでGBP売りが続く可能性はあるが、1.22~1.24のレンジでの取引を考えたい。

EURUSDは1.09→1.1150まで上昇し、3月末の水準を回復している。先週発表の改定値となるが、仏GDPは-5.3%、イタリアも-5.3%と速報値からは改善するも過去最悪となったが、織り込み済みでサプライズは見られず。欧州委員会の追加景気対策や、4日のECB理事会では金利を据え置くも、債券買い入れ額を現行の7500から5000億ユーロ積み増し期待による景気回復期待も残る。テクニカルでも上昇傾向を示している。3月末の高値1.1150がポイントで利食いが強まる可能性が高い反面、この水準をクリアに上抜けすれば再上昇も期待できる。

AUDUSDは、ボトムラインとなる0.6400割れが底値となり、先週から0.6500があらたなボトムラインとなり、0.6500から0.6700を目指す動きとなっている。米中間の対立リスクが存在する中でも上昇傾向は止まらず、テクニカルにも上昇傾向が続き、0.6500を割り込むまでは買い傾向は変わらず。

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2020/05/30

今週の主な材料(6月1~5日)

今週の主な材料(6月1~5日)

新型コロナウイルスは感染縮小に経済活動が再開へと動き、世界的な株価の上昇が続く中で、新たな感染リスクが問いただされている。

中国は全人代が終わり、香港国家安全法の導入が本決まりとなり、米国の反発が相場の変動要因となっていた。問題のトランプ氏の会見では、対香港の優遇措置の見直しや、リスクのある人物の米国への入国停止を決めるも、肝心の米中通商協商の第1弾合意は触れられず、とりあえず一安心。ただし、相手がトランプ大統領だけに今週も重要な相場の変動要因に。。

今週も米中対立が相場変動の要因のトップに据え置かれることは間違いないが、台湾が「香港から政治的な理由で台湾に移住する人を受け入れる方針」を決定。中国を刺激する行動に中国は台湾の独立を阻止するために武力行使も辞さないとの意見も聞かれ、中台問題も意識せざるを得ず。

英EUの通商協議では、英国は合意をすでに諦めているいる可能性が指摘される中で、今週から交渉が再開される。年末の離脱まで合意できないリスクも市場は意識している。交渉をめぐるスケジュールでは、ジョンソン英首相は6月の首脳会議で進展がなければ交渉を打ち切るとプレッシャーをかけており、6月末が判断の最終期限となっている。


さて、今週最も注目材料が多数控えている。

新型コロナウイルスの感染による経済活動の停滞から回復しているデータが多くなっているが、その程度を測る意味で、景況感指数が重要。
1日、米ISM製造業景気指数、予想43.5 前回41.5と、改善が予想
3日、米ISM非製造業景気指数、予想44.0 前回41.8と、改善が予想
1日、中国、ユーロ圏、英国、米国の製造業PMI・確報値で、速報値とほぼ変わらず、または若干の上昇が予想される。
3日、中国、ユーロ圏、英国、米国の製造業PMI・総合とサービス業PMIは、速報値と同水準が予想されている。

主要中銀の金融政策を発表する。
2日、豪中銀、政策金利0.25%の据え置き、3年物国債利回りを0.25%に維持も変わらずと予想で、ほぼ間違いなさそう。
3日、カナダ中銀、政策金利0.25%の据え置きが予想されている。また、ポロズ総裁が2日で退任し、後任にマックレム氏が新総裁に就任するがこの影響は特になさそう。
4日、ECB、政策金利の0.0%の据え置きとQEの拡大で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)買い入れ枠7500億ユーロから5000億ユーロの増額が予想さており、もし決まればECBの総購入額は1.6兆ユーロになる。

雇用関係では
4日、米週間新規失業保険申請件数は、予想180.0万件 前回212.3万件と減少傾向にある。
5日、カナダの雇用統計は失業率=予想15.0% 前回13.0%、新規雇用者数=予想-50万人 前回-199.38万人。米国の雇用統計は失業率=予想19.6% 前回14.7%、非農業部門雇用者数=予想-800万人 前回-2053.7 万人と、失業率は上昇が、雇用者数は減少幅が大幅な縮小が期待される。仮に米雇用統計が弱い結果になれば、FRBのマイナス金利の可能性が問いただされ、財政赤字の拡大を合わせドル売り材料になる可能性も高い。

詳しくは別表をご覧ください。
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直近のIMMデータから

直近のIMMデータから

集計日が5月26日(火)のCFTCのIMM通貨先物のポジションから、円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドルの7通貨ペアの変化を見てみましょう。先週末5月29日(金)とは3日間のずれはありますが、全体の傾向を読み取ることができます。

7通貨の合計を見ると、トータルのネットポジションは、円のロングが増加を反映し、前週の710コントラクトの売り越し(ドル買い)から、6,776の買い越し(ドル売り)へと5週間ぶりに変化しています。

ネットポジションのロングは、ユーロの+75,222をトップに、円+34,607、スイス+8,739と続き、逆にショートは、豪ドル-40,538、カナダドル-33,954、ポンド-22,257、NZドル-15,043と続いており、この流れは前週と変わらず。ドルに対するヘッジとしてのユーロと円をロングし、リスク敏感で資源価格や中国経済に結び付きの強い、豪ドル、NZドル、カナダドルが売られる流れに大きな変化はありません。

円のネットポジションは、+27,470→+34,607と、7,137コントラクト上昇し、2020年3月10日からロングが続き、米中対立を意識した円買いが強まっていることがわかりますが、USDJPY相場は相変わらずのレンジ相場を抜け出せずにいます。

ユーロのネットポジションは、+72,562→+75,222と、2,660ロングが拡大し、2020年3月17日から11週ロングが続いており、円と同じドルに対するリスクヘッジに買いが選好され、EURUSD相場も上昇傾向にあります。

ポンドのネットポジションは、-18,989→-22,257と、-3,268ショートが拡大しており、2020年4月21日から6週ショートが続いておりEU英国の難しい通商合意を反映するのと、BOEの緩和策を先読みしています。

カナダドルのネットポジションは、-35,056→-33,954と、+1,102コントラクトショートが減少し、2020年3月10日から12週ショートが続いていますが、原油価格の持ち直しも材料となりUSDCADではCAD高の流れとなっており、先高期待もちらほら。

AUDUSDのネットポジションは、-39,558→-40,538と、-980ショートが拡大し、2018年4月3日から113週間の長期にわたりネットショートポジションを継続していますが、AUDUSDは続伸しており、このポジションの変化が気になります。

詳しいデータは別表をご覧ください。
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2020年5月30日(土)昨日29日、海外市場の動き

2020年5月30日(土)昨日29日、海外市場の動き

中国のトランプ大統領会見。日本時間午前3時の会見前に出た、中国金融セクターへの制裁を検討との報道にとりあえずリスク回避で反応。結果は、香港への優遇措置を見直しへ、WHOからの脱退へ、安全保障リスクの中国人の入国も停止へ。ただし、米中貿易交渉では第1段階の合意は破棄しない意向に、米株は買へ反応。

パウエルFRB議長は、新型コロナウイルス対策の自画自賛で、マイナス金利についていつもながら懐疑的。クドローNEC委員長は、米国はここ数日・数週間・数カ月の中国の行動に憤慨している。トランプ大統領はいかにして中国に責任を負わせるかという考えを表明するだろうと発言していたこともあり、トランプ大統領の会見前のムードは警戒感が強まった。

為替相場は、トランプ大統領の会見前にタカ派発言を危惧する中で、クドローNEC委員長の対中強硬発言にドル買いへと反応するも、週末・月末の実需の動きにも反応し、オプションカット、フィキシングでの攻防にドル売りが強まり、トランプ大統領の会見とりあえず一安心で株高+ドル買いへと動き終了へ。

米株は、米中リスクを意識した売りから、トランプ大統領の会見後に買いが強まり、ダウは-17.53(-0.07%)まで回復し、Nasdaq+S&P500はプラス圏へ。米10年債利回りは0.657%と小幅低下。原油価格はOPEC5月の減産量は過去最大の低水準もあり35.32ドルと上昇へ。

USDJPYは、トランプ大統領の会見で米中対立が強まるリスクを意識した円買いが続くも、107.07をボトムに107円割れを試すことはできずショートポジションが溜まる。EURUSDも1.1115まで上昇、GBPUSDも1.2370台まで上昇し、フィキシングでは1.2394まで再上昇。米個人所得や個人消費の弱いデータにも反応は鈍く、米国市場に入り22時ごろからEURJPYやGBPJPYを主に円売りが強まると反発が始まる。

107.50を超えるとストップの買いが入り始めオプション絡みなのか買いも見られ、フィキシングでEURやGBPの売りへと変化するとクロス円売りも収まり、USDJPYは107.89を高値に上げ止まる(ただし、AUDJPY・NZDJPY・CADJPYは強い)。トランプ大統領の記者会見は予想通り対中制裁を強まるも、米中貿易交渉では第1段階の合意は破棄しない意向に市場は一安心。

USDJPYは107.75~90のレンジで動きは止まり、EURUSDは一時1.1081まで値を下げるも1.1100の大台で終了と強さを維持。GBPUSDは1.2290~1.2395と100ポイントレンジながら、いつもながら、EU英通商交渉の不安やBOEの緩和期待もあり潜在的な強さは感じられず。


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21:30    USD 4月 個人所得=前月比10.5%(予想-5.9% 前回-2.0→-2.2%)、個人消費=前月比-13.6%(予想-12.8% 前回-7.5→-6.9%)、個人消費支出(PCEデフレーター)=前年比0.5%(予想0.5% 前回1.3%)、コア個人消費支出(PCEデフレーター)=前月比-0.4%(前回-0.1→0.0%)、前年比1.0%(予想1.1% 前回1.7%)→ 個人消費は統計開始1959年以降で最大の落ち込み。個人所得は過去最大の伸び。 PCEは1961年来、PECコアは2011年以来の低い伸び

21:30    CAD 4月 原油価格指数=前月比-13.4%(予想 前回-15.6%)、鉱工業製品価格=前月比-2.3%(予想-2.0% 前回-0.9%)

21:30    CAD 3月 月次GDP=前月比-7.2%(予想-9.0% 前回0.0%)、前年比-5.8%(予想-3.4% 前回2.1%)、第1四半期GDP=前期比年率-8.2%(予想-10.0% 前回0.3%、→ 前期比年率は20091年第1四半期の-8.7%以来の落ち込み。

22:45    USD 5月 シカゴ購買部協会景気指数=32.3(予想40.0 前回35.4)

23:00    USD 5月 ミシガン大学消費者信頼感・確報値=72.3(予想74.0 速報73.7 前回71.8)、現況指数82.3(速報値83.0 速報値83.0 前回74.3)、期待指数65.9(速報値67.6 前回70.1)

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トランプ大統領会見(中国が香港国家安全法の導入を決めたのを受けた事実上の対中制裁)、米国が香港に認めている優遇措置を見直す手続きに入ると発表、WHOからの脱退も表明。安全保障へのリスクとみなした中国人の入国も停止すると表明。中国は香港の自治を守る約束を破った。『一国二制度』を『一国一制度』に置き換えた。香港はもはや私たちが提供してきた特別扱いに値しない」と中国を強く批判した。しかし、米中貿易交渉を巡る『第1段階の合意に言及はなく破棄しない意向に、米株上昇へ

FRBは、1日当たり50億ドルから1日当たり45億ドルへ鈍化

パウエルFRB議長、新型コロナウイルス対策で、「越えたことのない多くのレッドラインを越えた」、「行動して答えを出すというのが現在置かれている状況」とあり、米金融当局の積極行動を擁護。マイナス金利は懐疑的。種々の政策手段を活用しなから新型コロナウイルス禍で打撃を受けた経済への下支えを継続すると強調した。一方で、新型コロナの感染第2波は経済回復の頓挫につながるとの見方を示した。

クドローNEC委員長は、米国はここ数日、数週間、数カ月の中国の行動に憤慨している。トランプ大統領はいかにして中国に責任を負わせるかという考えを表明するだろう

米中間の緊張は、ウォール街の対中戦略にも影響(ブルームバーグ)は、米中間の政治的緊張で45兆ドル(約4825兆円)規模に上る中国金融市場の開放がすんなりとは進まない可能性が浮上しており、ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースなどウォール街の大手金融機関が中国に投じている巨額の資金にもその影響が及ぶかもしれない。米5大銀行の対中エクスポージャーは2019年時点で708億ドル。JPモルガン・チェースだけでも貸し出しとトレーディング、投資に192億ドルを投じている。

クオモNY州知事、NY市は6月8日に経済活動を再開する。

メスター・クリーブランド連銀総裁は、米経済は活動再開に伴い7ー9月期に持ち直す可能性があるものの、消費者や企業は新型コロナウイルス感染に用心することから、回復のスピードは緩慢になる

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2020/05/29

2020年5月29日(金)14:30時ごろの動き

2020年5月29日(金)14:30時ごろの動き

終末の金曜日、米中間の対立を軸としてリスク懸念に市場が動く。

トランプ大統領は本日記者会見をするが、米中間の対立のリスクを市場は懸念。米ミネソタ州のミネアポリスで黒人暴行に抗議した混乱に非常事態宣言が発動。在米中国大使は「外国による干渉に対しては対抗措置を講じる」と発言。

人民解放軍参謀長は「台湾の独立を阻止の手段がなければ武力行使も辞さない」考えで、2005年に採択された「反国家分裂法」を引き合いに出している、これは中国が国家分裂と判断した場合に台湾への武力行使を認めているものである。

また、中国公安部は、全人代が「香港国家安全法」の導入を決定したことを受け、香港警察を「指導・支援」すると表明。香港住民の反発は必至。

ざっと見るだけで、米中間の対立を意識したリスク回避の動きに、ドル売り+円買い(今日は円買い)へと動く一方、米債利回りは軟化。

USDJPYは、107.72を高値に「トランプ氏発言=米中対立」のリスクを意識し、株安の流れもあり、米債利回りは軟化と、材料は全て円にとってプラス材料。結局は先日来の安値を割り込み107.10台まで値を下げ、円はクロスでも久々の全面高。

日経平均株価は一時200円近くの下げから結局は前日とほぼ同水準近くまで値を戻して取引が続いている。上海総合も前日とほぼ変わらずの水準で、香港ハンセンもマイナス幅を縮め、予想外に冷静な動きで、ダウ先物は-0.21%と若干値を下げている。

終末・月末となる欧米市場では、ユーロ圏CPI、米個人所得、個人消費、カナダGDP、米シカゴPMI、ミシガン大学消費者信頼感指数が注目される。


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7:00    NZD 5月 ANZ消費者信頼感=97.3(予想 前回84.8)、現況指数=92.7(予想 前回73.0)、期待指数=100.4(予想 前回92.7)
8:30    JPY 雇用統計: 失業率=2.6% (予想2.7% 前回2.5%)、有効求人倍率=1.32(予想1.32 前回1.39)

8:30    JPY 東京都区部消費者物価指数: 総合前年比=0.4%(予想 前回0.2%)、除く生鮮・前年比0.2%(予想-0.2% 前回-0.1%)、除く生鮮エネルギー・前年比0.5%(予想 前回0.2%)→ 予想外に強く出る

8:50    JPY 4月 鉱工業生産・速報値=前月比-9.1%(予想-5.7% 前回-3.7%)、前年比-14.4%(予想-10.6% 前回-5.2%)→ 3か月連続のマイナスで予想外にマイナス幅が拡大し2013年以降で最低。


2020年5月29日(金)昨日28日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2020年5月29日(金)昨日28日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

トランプ氏は中国に関する記者会見をするとあり、米中間の対立を懸念し米株は終盤にかけて失速し、ダウは前日比-0.58%(-147.63ドル)の下落で終了。原油価格一時34ドル台まで上昇、米10年債利回りは0.7%台へ上昇。

全人代は香港国家安全法を採決、クドローNEC委員長は香港を貿易・金融で中国と同等に扱う可能性を示唆し、トランプ氏は29日に記者会見をして対応策を発表するとのことで、市場はこの動きを反映。

先日、なるほどと思った報道があった→ 最も厳しい措置を講じた場合、恐らく世界貿易の再編や米中関係の著しい悪化を招くほか、新たな貿易合意も難しくなる見通しだ。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている米経済や、トランプ大統領の再選の見通しもリスクにさらされる。大統領が最大の成果の1つとしていた米中貿易合意が崩壊し、中国が公約した米国からのモノとサービス2500億ドル(約27兆円)相当の購入がほごにされる可能性がある。 トランプ大統領は対中問題で何を発表するのだろうか?

結果として、欧州市場から続いたドル売りの流れは米国市場の終盤にかけて弱まるも、目先はトレンドとしてのドル売りの流れは変わらず。

USDJPYは107.80~90を高値に一時107.57まで値を下げるも、クロスではJPY売りの流れは変わらず。相場なのでいずれレンジを抜け出すことは間違いないが、いったいいつになるのであろうか? JPY相場の特性から変化は忘れたことにやってくるので注意はしているが、本音はしびれが切れてしまう。

EURUSDの上昇率は高く全体をリード。ECBは来週の理事会で債券買い入れを5000億ユーロに拡大する期待が強まる中で、市場は米中対立のリスクを意識したユーロ買いも続き一時1.1093まで上昇。終盤にかけてトランプ氏の中国に関する記者会見=米中対立のリスクを意識した株価の下げに、リスク回避のEUR買いの方向性は同じなのだが、利食い先行なのか?1.1100の売りに押されたのか反落している。。

GBPUSDは、EUのボーガン委員は、英国はEUと通商合意をあきらめている可能性を示唆。英EU通商協議の出口が見えない中で、サンダースBOE政策委員は、金融緩和は不足よりマシとの発言もあり、追加緩和の期待は変わらず。ただし、欧州市場に入り1.2234をボトムに米国市場は一時1.2345まで上昇と110ポイント近く上昇し、ポンドショートのあぶり出しも見られたが、1.2350~60の上値の壁は厚そう。

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21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=212.3万件(予想210万件 前回243.8→244.6万件)→ 予想を上回り10週連続で200万件の大台を続けるも、パンデミックとなって以降初めて、失業保険の継続受給者数が減少した

21:30    USD 4月 耐久財受注=前月比-17.2%(予想-19.0% 前回-14.7→-16.6%)、除く輸送機器・前月比-7.4%(予想-14.0% 前回-0.4→-1.7%)→ 前月比のマイナス幅は2014年8月以来の大幅減

21:30    USD 第1四半期GDP・改定値=前年比-5.0%(予想-4.8% 前回-4.8%)、個人消費(Personal Consumption)=前期比-6.8%(予想-7.4% 前回-7.6%)、PCE価格指数=前期比1.3%(予想 前回1.3%)、コアPCEデフレーター=前期比1.6%(予想1.8% 前回1.8%)、

21:30    CAD 第1四半期 経常収支=-111.0億カナダドル(予想-100億カナダドル 前回-87.6→-93.1億カナダドル)

23:00    USD 4月 NAR中古住宅販売保留指数=前月比-21.8%(予想-15.0% 前回-20.8%)、前年比-34.6%(予想-28.1% 前回-14.5%)

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2020/05/28

2020年5月28日(木)15:30時ごろの動き

2020年5月28日(木)15:30時ごろの動き

全人代が終了後、17時から李中国首相が記者意会見を行うが、サプライズはあるのだろうか?

日経平均先物の上昇は止まらず、+2.32(+497.08円)の上昇となるも、上海総合はプラス圏から脱落し小幅安で推移中、香港ハンセンは-1.28%と弱い。原油価格(WTI)は31ドル台へと低下、米10年債利回りは0.69%台と小幅高ながら動きは緩慢。

これからの欧米市場では、ユーロ圏CPI、米個人所得・個人消費、カナダGDP、米シカゴPMI、米ミシガン大学消費者信頼感が注目される。

為替相場は、全人代は最終日を迎えるが、中国株は軟調に推移するも極端な下落とならず、人民元は中心レートを予想より元高方向に設定し中国当局が元安に歯止めをかけようとしていることを示唆。

AUDUSDは、ロウ豪中銀総裁からは「景気の落ち込みは想定ほど深刻にならない見込み」と以外にも楽観的ながら、AUDUSDは0.6636が高値で一時0.6588まで下落するも再0.6630近くまで値を戻している。

主要通貨で全体的ドル売り傾向の中で小動きにとどまり、USDJPYは強い日本株の中で107.68~90のレンジの高値圏で推移し、JPYはクロスでも弱く上値を試す動きを継続中。

EURUSDは、前日の高値1.1031を試し一時1.1035まで上昇するなど引き続き買い意欲は強いが、アジア市場の動きはどこまで本当なのか不明? これからの欧州市場で再び1.1030台超を試すことができるのか注目。

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10:00    NZD 5月 ANZ企業信頼感・確報値=-41.8(予想-86.3 前回-45.6)、経済活動見通し=前月比-38.7%(予想 前回-42.0%)→ 予想よりマイナス幅は改善するも絶対値は弱い。

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2020年5月28日(木)昨日27日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2020年5月28日(木)昨日27日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)

ポンペオ米国務長官は「香港はもはや自治を維持できていない」とし、香港に対し「米国内法に基づく優遇措置を認められない」と議会に報告。米中対立の動きはいつもながら不確定要因。余談ながら、「ツイッター対トランプ」の対立はとても興味深い。

市場は新型コロナウイルスからの回復期待が強く株高は止まらず。NYダウは+2.21%(+553.16ドル)と高値圏で終了し、NASDAQ+S&P500もマイナス件を脱し上昇へ。原油価格(WTI)は弱く32.80ドル台で推移。米10年債利回りは0.692%と前日とほぼ変わらず。

為替相場は、通貨間で異なり、EUR+CADは強く、GBP+AUD+NZDは弱い。

USDJPYは、アジア市場では107.37まで下落から107.60台の上値が重くなっていたが、欧州市場に入り欧州員会から大規模な景気刺激策の提案が報道されEUR買いが強まり、EURJPYが117.73→118.91まで上昇しJPY売りが強まったこともあり107.95まで上昇。107.65まで値を下げるも底堅く推移するも、結果だけを見ると相変わらずレンジ。最近は連動性に乏しいが株高の流れにどこまでJPY売りをすることができるか?

EURUSDは、ラガルドECB総裁は「域内総生産は8~12%減少する可能性が高い」、「マイルドな減少シナリオは「現状に則さなくなった」とのネガティブ発言もあったが、ドイツやスペインが渡航制限を緩和し、欧州委員会は7500億ユーロと前例のない景気刺激策を提案したことで、1.0934のボトムから1.1000の節目を超えて一時1.1031まで急伸。利食いの売りも強く10955まで値を下げるも再び1.1000の大台を復活。

GBPUSDは、ジョンソン首相の側近、カミングス状況顧問の外出制限違反に揺れるなか、英国側の交渉責任者を務めるデービッド・フロスト氏は英議会で、6月30日までに妥結できない可能性があると考え始めていると発言。一時1.2205まで続落し、GBPの弱さが目立ち、EURGBPは0.8890→0.8994まで一時上昇している。

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欧州委員会は、近年では最悪のリセッションに打ち勝ち、新型コロナウイルス対策で債務が膨らむイタリアなどを支えるため、前例のない景気刺激策を提案。7500億ユーロ(約88兆7500億円)規模のパッケージから、イタリアは緊急助成金として820億ユーロ、低金利融資で最大910億ユーロを受け取る。スペインは、770億ユーロの助成金と最大630億ユーロの融資を受ける。ギリシャは助成金と融資を合わせ320億ユーロ、フランスは390億ユーロの助成金を受け取る。EUパッケージはEU加盟27カ国全ての承認が必要。欧州委のウェブサイトに掲載された案によると、資金は共同債の発行によって賄われる。実現すれば財政統合への大きな一歩となる。7500億ユーロのうち5000億ユーロは加盟各国に助成金の形で配布され、2500億ユーロは融資になる。このパッケージの原資は金融市場で借り入れ、2028年から30年間かけて共同で返済する。 → EURUSDは1.1000の節目を超えて一時1.1031まで急伸。

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英国側の交渉責任者を務めるデービッド・フロスト氏は英議会で、6月30日までに妥結できない可能性があると考え始めている。7月までに漁業権を巡りEUと合意を成立させたいが、絶対に必要というわけではない」と述べ、「漁業権が他の交渉項目と取引できる材料だとは考えていない」と続けた。

ベイリーBOE総裁は、景気回復には中銀の見通しよりも長い時間がかかるリスクがあると。「ソーシャル・ディスタンシングなどの措置が緩和されても消費者や企業は慎重さを崩さないため、経済活動の回復ペースが限定される可能性がある。また英中銀は必要に応じて経済をさらに支援する用意があると改めて強調。これにはマイナス金利政策の導入が適切かどうかの検討も含まれているが、その際には負の影響を「非常に慎重に検討する」必要があるとした。


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地区連銀経済報告(ベージュブック)は、経済活動はすべての連銀地区で低下し、大半の地区で急激な落ち込みを示した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴う混乱を反映している。 雇用は引き続きすべての地区で減少し、「大半の地区で急激に減少した」と指摘。「企業活動が再開されれば全般的な活動は持ち直すとの期待を、調査対象企業の多くが示したが、その見通しは極めて不確実なままであり、大半の調査対象は潜在的な回復ペースに悲観的だ」と記した。

ポンペオ米国務長官は、中国政府が香港統制を強化する「国家安全法」を制定する方針であることを受け、香港に対し米国内法に基づく優遇措置を認められないと議会に報告したと明かした。香港はもはや自治を維持できておらず米政権は主権がないと認証。英植民地時代から米国と結んでいる特別な貿易地位を危険にさらしている→ 一時ドル買いへと動くも続かず。

ウィリアムズNY連銀総裁、借り入れコストを極めて低い水準で確実に維持する手段として、政策金利をゼロ付近で維持することに加え、米国債利回りに特定の目標水準を設けることを金融当局者らは「極めて真剣に検討している。イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)は、フォワードガイダンスや他の政策措置を補完し得る手段だと考えられる。米経済については、回復が始まりつつある兆しが見られており、悪化局面は底に近い可能性があると指摘。今年下期には「かなり顕著」な回復を見込んでいると述べた。5月か6月が底になる可能性があるとしつつ、「経済が安定し、多少上向き始める可能性があるとしても、非常に厳しい状況であることに変わりはない」と総裁は語った。

トランプ米大統領は、ツイッター警告に反発し、ソーシャルメディア企業を規制もしくは閉鎖するとけん制

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2020/05/27

2020年5月27日(水)14:00時ごろの動き

2020527日(水)14:00時ごろの動き

 

日経平均株価の強さはほどほどで+0.7%(+148.06円)と小幅高で終了。上海総合はマイナス幅を縮めるも弱さは隠せず小幅安で推移。原油価格は34ドルを割り込み弱含みで推移。米10年債利回りは0.681%と若干の低下へ。

 

為替相場は、米中関係は深刻な状況から変化は見られず、香港国家安全法をめぐる香港市民のデモも材料にされず。テクニカル要因なのか? 新型コロナウイルスの閉塞感の開放に盛り上がる株高やポジティブ感も一服し、ドル売りも一服しドルは主要通貨に対し総じて小幅高で推移。

 

USDJPYは、クロスの円買い戻しがみられ、一時107.37までの下落から、仲値では107.62まで値を戻すもそれまで。ドル全面安の中で円安方向も、やや修正局面となり、その結果はUSDJPYの上値が重くなっている。108円の上値失敗したことで期待感は円高なのだが? いつもながらレンジ相場内で推移。

 

EURUSDは、1.0985を高値に1.0955まで下落と、1.1000トライ後の小休止なのか目先のトレンド変化なのか? 気分は64で目先の変化を意識。欧州委員会は域内経済の立て直しに、1兆ユーロを超える復興計画を発表するが、もちろん南北の相違は埋まってはおらず。ECBの追加緩和期待も消えず。

 

これからの欧米市場では、経済指標の発表も限定的で、ラガルドECB総裁発言、金融安定性リビュー、ラガルドECB総裁発言、ベージュブックが注目される。

 

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2020年5月27日(水)昨日26日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2020年5月27日(水)昨日26日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

世の中不透明感は消えないが、ポジティブ材料が多数あり抑圧の反動の動きは強くリスク選好で、株高+ドル安+クロスでの円安+米債利回り上昇+原油高。

全人代開催中で香港国防法の行方は不透明の中、ECBの追加緩和策の期待、スペインが7月より一部の外国人観光客を受け入れへ、ドイツが欧州の渡航制限の緩和を検討など、世界的に経済活動の再開が見られ、ワクチン開発も後押しし、NY証券取引所は2か月振りに立会場を一部再開。

世界的な株高となり、NYダウも600ドル超上昇から前日比+2.17%(+529.95)で終了、S&P500は一時3,000ドル台へ上昇からやや値を下げるも+1.23%(+36.32)と強い。ただし、Nasdaqは+0.17%(+15.63)と鈍い。米10年債利回りは0.69%に上昇。原油価格(WTI)は一時34.81ドルまでの上昇から34.20近くで推移。

USDJPYは、アジア・欧州市場の序盤では、リスク選好でクロス円の売りが強く一時107.90台まで上昇するも、108.00超の売り圧力は強く失敗。全体的にドル売りの流れが加速し、クロスだけの円売りの限界に達すると、逆に円買いへと動き始め一時107.40まで下落。米国市場に入ると株高もあり107.69まで値を戻しレンジ相場を継続するも、クロスではJPY安の流れは止まらず。

GBPUSDは、英EU離脱に向けた難航する通商交渉、ジョンソン氏を取り巻く側近のトラブル。BOEの追加緩和期待などのネガティブ材料を抱えながらも、欧米市場では一時1.2360台まで上昇し伸び悩み、クロスではGBP安の流れが続く。

EURUSDは、念願の1.1000達成目前で伸び悩むも高値は1.0996とほぼ達成。ECBの半期に一度の金融安定性報告は「将来的に一段の危機に見舞われる恐れがある」と警告+ECBと独連銀の対立(?)の影も残るが、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)期待、ビルロワデガロー仏中銀総裁、レーンECB専務理事のポジティブ発言もあり、イタリア債券利回りは低下し欧州株は強く、5月21日の高値1.1009がポイントに。

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22:00    USD 3月 ケース・シラー米住宅価格指数=前年比3.9%(予想3.4% 前回3.5%)、222.21万件(予想 前回219.75→219.86)

22:00    USD 3月 FHFA住宅価格指数=前月比0.1%(予想0.6% 前回0.7→0.8%)、第1四半期 住宅価格指数=前期比1.7%(予想 前回1.3→1.4%)

23:00    USD 4月 新築一戸建て住宅販売件数=前月比0.6%(予想-23.4% 前回-15.4→-13.7%)、62.3万件(予想48.0万件 前回62.7→61.9万件)→ 大幅下落予想に反して上昇し住宅部門は夏にかけて迅速に回復する期待感が強まる。

23:00    USD 5月 CB消費者信頼感指数=86.6(予想88.0 前回86.9→85.7)→ 予想を下回るも期待指数は94.3→96.9と上昇へ。

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クドローNEC委員長は、中国との貿易合意は現在のところは有効、香港を巡っては、中国は大きな過ちを犯している。ワクチン開発が驚異的スピードで動いている。

クドローNEC委員長は、新型コロナウイルスなどを巡ってトランプ大統領は中国に対し「怒り心頭」に発しており、米中通商合意の重要性は以前よりも薄れているという認識を示した。 また香港を巡る中国の対応は大きな誤りだとし、「香港国家安全法」制定の動きをけん制

米金融当局者は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で深刻な不況に陥るのを防ごうと、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)のような、新たなさらなる措置を準備することになると、債券市場の投資家はみている。米金融当局でのYCC主唱者はブレイナードFRB理事だ。クラリダFRB副議長は先週のウェブキャストで、他の中銀での実施例について当局者が恐らく説明を受けることになると語った。

ブラード・セントルイス連銀総裁は、第2四半期の米成長はかつてないほど悪化。大幅なマイナス成長の後で第3四半期は最大の成長になる可能性も。


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デギンドスECB副総裁は、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の再投資に関しては何も決定していない。ドイツ連銀はECBの政策の続行を希望。

関係筋は、独連銀が参加せずに数兆ユーロ規模の資産購入プログラムを実施する事態に備えた対応策を検討している。また「最悪のシナリオ」として、ECBが同プログラムへの復帰を求めて独連銀を提訴する可能性も想定されているという。

レーンECB専務理事兼主任エコノミストは、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の下での国債買い入れについて、必要に応じて各国の割当枠から乖離しても問題はないとの認識を示した。

欧州株が上昇へ、ECBの追加緩和策の期待、スペインが7月より一部の外国人観光客を受け入れへ、ドイツが欧州の渡航制限の緩和を検討へ。

ドイツ銀行ゼービングCEOは、株式市場は3月の混乱から回復しているものの、コロナ禍に伴う実質的な経済的打撃は依然不明と強調。「市場はリプライスしたが、私見では回復に関する基調的な予想はやや過度に楽観的だ」とし、「現段階で二次的、三次的な影響は完全に織り込まれていない」と述べた。

ECBの半期に一度の金融安定報告は、、新型コロナウイルス感染拡大で金融の脆弱性が高まったとし、債務水準の急上昇で銀行が苦境に陥る中、将来的に一段の危機に見舞われる恐れがあると警告した。今年のユーロ圏経済が約10%のマイナス成長に陥ると予想され、各国政府は経済への影響緩和に向け多くの対策を導入してきたとしながらも、長期的な代償は存在しており、一部の国は債務返済に苦しみ、ユーロ圏離脱リスクが高まるとの見方を示した。一部ユーロ加盟国では脆弱性が高まっているが、こうした国の国債利回りの上昇は民間部門に波及し、すでに多額の損失に直面している銀行が一段の打撃を受ける恐れがある。真っ先に顕在化するリスクは企業の信用格付けの引き下げで、これにより実体経済の資金調達能力が制限される恐れがある。ECBは、投資不適格級への格下げは避けられず、年金基金や保険会社などは売却に動かざるを得なくなると予想。高利回り社債の市場は規模が比較的小さいため、売りは国債に向かう恐れがあるとした。ECBは現時点では投資適格債のみを資産購入の対象としているが、投資不適格債も対象に含めることの是非を検証している。

ビルロワドガロー総裁は26日、独裁判所の判決にかかわらず、ECBは躊躇せずに責務達成を目指す

ビルロワデガロー仏中銀総裁は、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対応し導入した「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」について、さらに拡大する可能性が非常に高いと示唆した。回復は始まっているが、緩やかかつ段階的にとどまろう。われわれのマンデート(責務)の名において、さらに踏み込む必要がある可能性が非常に高い。PEPPを危機の影響に対処する望ましい限界的手段とするのは、まさにその柔軟性だ」と述べた。 ECBは6月4日に開く次回の政策委で最新の経済シナリオの公表を予定するが、エコノミストの間では、金融刺激策の強化を決定するとの見通しが強まっている。ECBの資産購入プログラムでは、各国の経済規模に応じて定められたECBへの出資比率(キャピタルキー)に基づき債券購入額が決まるが、ビルロワドガロー氏は、PEPPについてはそれが必要ないとの考えを示した。

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ハルデーンBOE理事・チーフエコノミストは、国内経済の状況について、初のマイナス金利導入に踏み切る段階には全く至っていないと述べた。

英スコットランド省のダグラス・ロス閣外相は、首相側近のドミニク・カミングス上級顧問の対応を不服として辞任

ホールデBOE専務理事・チーフエコノミストは、マイナス金利を採用した場合に経済と金融システムに及び得る影響を同中銀が調査していると明らかにした上で、「調査することと実施することは別問題だ」と述べた。

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習主席は26日、新型コロナウイルス感染拡大で国家安全保障が大きな影響を受けているため、武装戦に対する準備を強化し、軍事任務を遂行する能力を増強すると述べた。国営テレビが報じた。

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2020/05/26

2020年5月26日(火)22:30時ごろの動き

米中対立を主に、多数のネガティブ環境の中でも、新型コロナウイルスの閉塞感からの解放を意識しているのか、市場はリスク環境の好転を意識し、欧州市場は株高+債券は売られ利回りは上昇。為替相場はドルからのシフトの動きに思えてならないが、ドル売りがさらに強まり、JPYも同類で独にクロスでJPYは弱いが、USDJPYは108円を試せず。JPYクロスのショートカバーが入ると、逆に一時107.40台まで下落と、相変わらずUSDJPY相場はレンジを抜け出せず。

EURUSDは、ECBのPEPPのさらなる拡大期待を織り込み、一時1.0980台と1.1000の大台で当面の目標まで今一歩。GBDPUSDは、英EU離脱交渉の混迷・BOEの緩和期待のネガティブ材料を織り込み、早朝の1.2170台をボトムに1.2350台まで続伸中。AUDUSD+NZDUSD+USDCADでも1%~1.7%近くドルは下落している。

アジア市場の株高の影響を受け、欧州株は最高値からやや値を下げるも、引き続き前日比で強さを残している、リスク環境の好転を意識しているのか、独10年債利回りは-0.43%台と強含み、米10年債利回りも0.7%台へ上昇と債券利回りの上昇が目立っている。原油価格(WTI)は34.54ドルと再び強含みで推移。

ケース・シラー米住宅価格指数=前年比3.9%強く、米住宅価格指数は、前期比1.7%と前回から上昇と強さが目立っている。

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2020年5月26日(火)16:30時ごろの動き

2020526日(火)16:30時ごろの動き

 

全国的な緊急事態宣言の解除を受け、日経平均株価は+2.55%(+529.52)と大幅高。上海総合も+1.01%近く上昇し、香港株も+2.08%と大幅高。原油価格(WTI)は34.50ドル近くまで上昇し、休み明けの米10年債利回りは0.7%の大台へ上昇と、中国は香港の一国二制度を堅持する反面、外国の干渉に反対と再表明もあり、流れはリスク選好色が強まる。

 

為替相場は、リスク選好のパターンにドルは主要通貨に対して全面安で、円も弱くUSDJPYが共存し、JPYはクロスで全面安。

 

USDJPYは日本株の急伸にもあり一時107.92まで上昇するも、108円の売り(オプション勢? 実需勢?)に上値トライは失敗し、107.7890の狭いレンジとなるが、引き続き高値圏で維持しており、リスク選好の流れは続き上値を試す動きは変わらず。

 

EURUSDは、独GFK消費者信頼感は-18.9と予想通りながら前回からはマイナス幅が縮小。ビルロワデガロー仏中銀総裁はPEPPの拡大を示唆。EURJPYのクロスの買いの影響なのか、アジア市場から買いが強まり、欧州市場に入る1.0938までと、1.1ターゲットに向けて買い圧力が続いている。

 

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7:45       NZD 4月 貿易収支=12.67NZドル(予想12.35NZドル 前回6.72→7.22NZドル)

 

13:30     JPY 3月 全産業活動指数=前月比-3.8%(予想-3.9% 前回-0.6→0.7%)

 

15:00     GER 6月 GfK消費者信頼感調査=-18.9(予想-18.9 前回-23.4→23.1

 

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2020年5月26日(月)昨日25日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2020526日(月)昨日25日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

 

英米が休みで週明けの月曜日。海外市場では香港の国家安全法をめぐる動きを含め人民元発の重要なニュースもなく、米中の対立も新たな展開は無く、静かな動きに終始。

 

日本では緊急事態宣言の全国的な解除へと動き、経済対策は第1次・2次補正と合わせ200兆円規模となることを発表。経済活動の再開を期待した日本株高=JPY安期待と、米中対立のリスクを意識した=JPY高リスクの両面が相場を支配し、欧米市場はUSDJPY107.6675の狭いレンジに終始。ただし、水準的には最近のレンジの上限近くで推移しており、上値を試していることは間違いなさそう。

 

欧州では、独GDP2期連続でマイナスとなりリセッション入りが確実へ。一方、独政府がルフトハンザに経済安定化基金から90億ユーロの救済措置を決定したことを市場は評価。週末には独仏が提案した5000億ユーロの欧州復興基金で供与による形で各国に資金を分配に反対し、融資に基づく新基準を提案とのネガティブ材料にも、肝心のイタリア債券利回りは低下しリスク選好の動きへ。また、経済面では独IFO業況指数は79.5(予想79.0 前回74.3)と、前月の過去最大の下げ幅と過去最低水準の記録から回復。現況指数は弱いが、期待指数は前回と予想を上回り景気回復を期待し、ポジティブ。結果、EURUSD1.0870台をボトムに一時1.0914まで上昇。目標の1.1000まではまだまだ届かず。

 

英国では、英首相の上級顧問のカミングス氏が外出制限中に遠距離の親類を訪問したことで批判の的になり、週末の報道では辞任の有無が注目されたが、「感染疑いのある妻に変わり、親類に子供の世話を求めるためだった」とし、非は無いと主張し辞任を否定。英国市場がバンクホリデーで休場だったこともあり動きは鈍いが、GBPUSD1.2160台をボトムに一時1.2200台まで上昇。

 

一方、話は違うが米国ではトランプ氏が2か月半ぶりにNOマスクでゴルフをプレー、コメントではゴルフは軽い運動と主張、さすがトランプ大統領。

 

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