2020/05/30

2020年5月30日(土)昨日29日、海外市場の動き

2020年5月30日(土)昨日29日、海外市場の動き

中国のトランプ大統領会見。日本時間午前3時の会見前に出た、中国金融セクターへの制裁を検討との報道にとりあえずリスク回避で反応。結果は、香港への優遇措置を見直しへ、WHOからの脱退へ、安全保障リスクの中国人の入国も停止へ。ただし、米中貿易交渉では第1段階の合意は破棄しない意向に、米株は買へ反応。

パウエルFRB議長は、新型コロナウイルス対策の自画自賛で、マイナス金利についていつもながら懐疑的。クドローNEC委員長は、米国はここ数日・数週間・数カ月の中国の行動に憤慨している。トランプ大統領はいかにして中国に責任を負わせるかという考えを表明するだろうと発言していたこともあり、トランプ大統領の会見前のムードは警戒感が強まった。

為替相場は、トランプ大統領の会見前にタカ派発言を危惧する中で、クドローNEC委員長の対中強硬発言にドル買いへと反応するも、週末・月末の実需の動きにも反応し、オプションカット、フィキシングでの攻防にドル売りが強まり、トランプ大統領の会見とりあえず一安心で株高+ドル買いへと動き終了へ。

米株は、米中リスクを意識した売りから、トランプ大統領の会見後に買いが強まり、ダウは-17.53(-0.07%)まで回復し、Nasdaq+S&P500はプラス圏へ。米10年債利回りは0.657%と小幅低下。原油価格はOPEC5月の減産量は過去最大の低水準もあり35.32ドルと上昇へ。

USDJPYは、トランプ大統領の会見で米中対立が強まるリスクを意識した円買いが続くも、107.07をボトムに107円割れを試すことはできずショートポジションが溜まる。EURUSDも1.1115まで上昇、GBPUSDも1.2370台まで上昇し、フィキシングでは1.2394まで再上昇。米個人所得や個人消費の弱いデータにも反応は鈍く、米国市場に入り22時ごろからEURJPYやGBPJPYを主に円売りが強まると反発が始まる。

107.50を超えるとストップの買いが入り始めオプション絡みなのか買いも見られ、フィキシングでEURやGBPの売りへと変化するとクロス円売りも収まり、USDJPYは107.89を高値に上げ止まる(ただし、AUDJPY・NZDJPY・CADJPYは強い)。トランプ大統領の記者会見は予想通り対中制裁を強まるも、米中貿易交渉では第1段階の合意は破棄しない意向に市場は一安心。

USDJPYは107.75~90のレンジで動きは止まり、EURUSDは一時1.1081まで値を下げるも1.1100の大台で終了と強さを維持。GBPUSDは1.2290~1.2395と100ポイントレンジながら、いつもながら、EU英通商交渉の不安やBOEの緩和期待もあり潜在的な強さは感じられず。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

21:30    USD 4月 個人所得=前月比10.5%(予想-5.9% 前回-2.0→-2.2%)、個人消費=前月比-13.6%(予想-12.8% 前回-7.5→-6.9%)、個人消費支出(PCEデフレーター)=前年比0.5%(予想0.5% 前回1.3%)、コア個人消費支出(PCEデフレーター)=前月比-0.4%(前回-0.1→0.0%)、前年比1.0%(予想1.1% 前回1.7%)→ 個人消費は統計開始1959年以降で最大の落ち込み。個人所得は過去最大の伸び。 PCEは1961年来、PECコアは2011年以来の低い伸び

21:30    CAD 4月 原油価格指数=前月比-13.4%(予想 前回-15.6%)、鉱工業製品価格=前月比-2.3%(予想-2.0% 前回-0.9%)

21:30    CAD 3月 月次GDP=前月比-7.2%(予想-9.0% 前回0.0%)、前年比-5.8%(予想-3.4% 前回2.1%)、第1四半期GDP=前期比年率-8.2%(予想-10.0% 前回0.3%、→ 前期比年率は20091年第1四半期の-8.7%以来の落ち込み。

22:45    USD 5月 シカゴ購買部協会景気指数=32.3(予想40.0 前回35.4)

23:00    USD 5月 ミシガン大学消費者信頼感・確報値=72.3(予想74.0 速報73.7 前回71.8)、現況指数82.3(速報値83.0 速報値83.0 前回74.3)、期待指数65.9(速報値67.6 前回70.1)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

トランプ大統領会見(中国が香港国家安全法の導入を決めたのを受けた事実上の対中制裁)、米国が香港に認めている優遇措置を見直す手続きに入ると発表、WHOからの脱退も表明。安全保障へのリスクとみなした中国人の入国も停止すると表明。中国は香港の自治を守る約束を破った。『一国二制度』を『一国一制度』に置き換えた。香港はもはや私たちが提供してきた特別扱いに値しない」と中国を強く批判した。しかし、米中貿易交渉を巡る『第1段階の合意に言及はなく破棄しない意向に、米株上昇へ

FRBは、1日当たり50億ドルから1日当たり45億ドルへ鈍化

パウエルFRB議長、新型コロナウイルス対策で、「越えたことのない多くのレッドラインを越えた」、「行動して答えを出すというのが現在置かれている状況」とあり、米金融当局の積極行動を擁護。マイナス金利は懐疑的。種々の政策手段を活用しなから新型コロナウイルス禍で打撃を受けた経済への下支えを継続すると強調した。一方で、新型コロナの感染第2波は経済回復の頓挫につながるとの見方を示した。

クドローNEC委員長は、米国はここ数日、数週間、数カ月の中国の行動に憤慨している。トランプ大統領はいかにして中国に責任を負わせるかという考えを表明するだろう

米中間の緊張は、ウォール街の対中戦略にも影響(ブルームバーグ)は、米中間の政治的緊張で45兆ドル(約4825兆円)規模に上る中国金融市場の開放がすんなりとは進まない可能性が浮上しており、ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースなどウォール街の大手金融機関が中国に投じている巨額の資金にもその影響が及ぶかもしれない。米5大銀行の対中エクスポージャーは2019年時点で708億ドル。JPモルガン・チェースだけでも貸し出しとトレーディング、投資に192億ドルを投じている。

クオモNY州知事、NY市は6月8日に経済活動を再開する。

メスター・クリーブランド連銀総裁は、米経済は活動再開に伴い7ー9月期に持ち直す可能性があるものの、消費者や企業は新型コロナウイルス感染に用心することから、回復のスピードは緩慢になる

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※