2016/08/31

2016年8月31日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年8月31日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

月末8月31日、ドル高+円安傾向は続く。


アジア・欧州・米国市場の序盤を通じてドル高傾向は続くが、通貨ペアで流れは異なる。USDJPYは上昇、EURUSDは下落するも、GBPUSDは底堅く、NZDUSDは逆に上昇へ。

WTIは46ドルを割り込み下落、欧州株は各国でばらつきがあるも、EURUSTOXX50は小幅上昇、米株は小幅下落からスタート、米金利は上昇を維持できず。

USDJPYは、東京市場の仲値でUSDJPYは103.20台へ上昇、ローゼングレン・ボストン連銀総裁のタカ派発言に103.30台へ上昇、米ADP雇用統計に103.50台上昇と、ディップの少ないドル買いの強い流れが続き、クロスでも円は全面安。ただし、米株が弱く米金利も伸び悩み、103.30台まで値を下げている。

EURUSDは、独雇用統計は、失業者数が予想より減少し、直後に買に反応するも1.1150台で押さえられ、ユーロ圏CPIは前年比とコア前年比共に予想を下回り上値の重い流れとなり、米ADP雇用統計が強く1.1120台で続落へ。ただし、月末要因と思われる動きもあり、底堅くも見える。

GBPUSDは、ドル高の中で、NZDUSDと共に予想外に検討している。欧州市場の序盤では一時1.3150台まで上昇するも、強い米ADP雇用統計から値を下げ1.380台で推移している。1.3060~80をボトムにして留まることができるか?

米ADP雇用統計は17.7万人(予想17.3万人 前回17.9→19.4万人)→ 前回が上方修正され予想を上回り、ドル買いが強まる。

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ダニエルECB銀行監督委員会委員長=マイナス金利について、当初は銀行の資金調達コストを押し下げ、顧客の信用状況改善にも寄与したが、現在は銀行の利益率を低下させている。状況を改善するにはユーロ圏の成長が拡大する必要がある。

 中国国家発展改革委員会(NDRC)の徐紹史委員長=経済目標を達成するには「多大な努力」が必要であり、下期の経済も圧力にさらされる。

ファリハ・サウジエネルギー産業鉱物資源相=原油生産量について特に目標は設定しておらず、需要に合わせる。

エバンズ・シカゴ連銀総裁=高齢化や生産性の伸び悩みを踏まえると、急速な金利上昇や大幅な金利上昇を予想する根拠はない。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁=インフレ・雇用の目標は比較的早期に達成される見込み。幾分早めの利上げが、次の景気悪化の深刻さを緩和する。

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為替、株、債券の反応は面白いほど異なる。

為替、株、債券の反応は面白いほど異なる。

為替の参加者は、短期的で反応が素早く、米利上げ=ドル買いを信じて止まず。

株の参加者は、どっちに転んでも、株高! と自信満々。

債権の参加者は、ひょっとしたら、米利上げを期待していないのでは? と思えるほど冷静!

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11月の米大統領選を前にして、9月21日のFOMCで利上げをする可能性が濃厚になっているが、為替、株、債券での反応は面白いほど異なる。

為替市場は、ある意味では素直にドル買いへと反応し、同じ9月21日に追加緩和の可能性が高い日本と金融政策の違いは、「間違いなくドル買いだ」と判断した値動きが、オプション市場で顕著に見られ一昨日から続いている。

そして、他の主要国でもドル買いが目立ってはいるが、9月2日の米雇用統計のリスクを避けどこまでドル買いが続くのだろうか? 数字次第ではあるが、先週金曜日のような上下激しい相場にならないとも限らない。また、今日だけを見ると、8月31日の月末要因も欧州通貨の動きを難しくしている。


株式市場は、現状の動きをみると、「米0.25%の利上げなんて気にしない」とでもいうような底堅さ。米国を除き主要国の中銀は膨大な金額を市場に投入し、債券や株式を買い漁っている現状では、株式市場に資金が流れることは阻止できにくく、米国の株買いが活発にならざるを得ない。どこまで株高が続くのか? 今後も上昇が期待できると信じきっている。


債権市場は、9月の米利上げ期待が高まった、先週金曜日の上昇をの除けば、上昇力は少なく、その後の下げを見れば、いったいどうなっているのか? と思えるほどで、米利上げを信じていないのではと思われてならない。

2016年8月31日(水曜)30日、海外市場の動き

2016年8月31日(水曜)30日、海外市場の動き

ドル高+円安止まらず!

3連休明けのロンドン勢の動きもドル買い+円売りへ。オプション市場では円プットの需要が強く、米消費者信頼感も非常に強く円先安に備えた動きへ。

過去に相場を変動させた、フィッシャーFRB副議長のインタビュー報道は『労働市場は完全雇用に極めて近い、利上げは一回で終わりとは考えていない、利上げペースは経済情勢による。』とあったが、タカ派発言に変化はないがサプライズもなく、直後の変動も限定的。ただし、ドル買い要因に変化はなし。

ユーロ圏の景況感は弱さが感じられ、独CPIも弱い結果となったが、直後のEURUSD相場に大きな変化は見られず。ただし、EURの売り圧力の要因となっていることは間違いない。

米S&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市)は前年比5.1%(予想5.1% 前回5.2%)と、前回を若干下回るも予想と変わらず。米CB消費者信頼感数=101.1(予想96.5 前回97.3)と、予想を上回り11か月ぶりの高水準で、ドル買いの材料にもなっている。

原油価格(WTI)は46ドル台半ばへと低下、米株はDJIA+NASDAQ+S&P500共に弱含みで推移、米金利は上昇幅を縮め大きな変動もなく、10年債利回りは1.56%、2年債は0.8%近くで推移。


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USDJPYは、円先安+円先高センチメントが交錯する中で、9月21日の日米金融政策の違いを意識した流れは止まず。102円割れの水準では予想外に円売り需要が見られ、オプション市場では円プットの需要が強く見られた。米消費者信頼感数が予想外に強く102.60~80円ポイントを抜け、欧州クロージング近くでは103円台まで上昇。円はロングの巻き戻しも強く、クロスでも全円安。

GBPUSDは、ドル全面高の中で、予想外に堅調に推移。月末の特殊要因や、EURGBP+GBPAUDなどのクロスの巻き戻しも強く、大枠1.3050~1.3120のレンジで上下。

EURUSDは、アジア市場の1.1190台を高値に、欧州市場では独CPI+ユーロ圏景況感は弱く、米消費者信頼感が強く、米国市場の安値1.1130台まで続落。


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2016年8月30日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年8月30日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

ドル買いの流れは止まらず! 今日のフィッシャー発言による影響が軽微。

欧州株は上昇、WTIは47ドル台前半へと上昇。米金利は伸び悩み、ダウ平均は軟調に推移。為替市場は、ドル高+円安で、円は日本株先物の上昇に合わせ、USDJPYは上昇し、主要国通貨に対しても下落(除くGBPUSD)。

米6月 S&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市)=前年比5.1%(予想5.1% 前回5.2%)→ 前回を若干下回るも予想と変わらず。
米8月 CB消費者信頼案指数=101.1(予想96.5 前回97.3)→ 予想を上回りドル買いが強まる。

USDJPYは、102.10台をボトムに、予想を上回るCB消費者信頼感指数に、一時102.80台へと上昇、ドルは主要国通貨に対して上昇傾向が続き、AUDUSDは、0.78560台を高値に、0.7510台まで続落。

ただし、GBPUSDは、1.3060割れをボトムに弱い下げ止まり、BOE住宅ローン承認件数にGBP売りは限定的。逆に、1.3120まで上昇し、ドル高の流れの中で、唯一健闘している。

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フィッシャーFRB副議長=労働市場は完全雇用に極めて近い、利上げペースは経済情勢による。

フィッシャーFRB副議長=ドル高は米インフレ率や企業利益に影響したが、労働市場の改善は経済がこの逆風に持ちこたえたことを示している。

浜田内閣官房参与=日銀による金融緩和強化にもかかわらず、外為市場で円高が進行しているのは、アベノミクス失敗に賭ける投機的な動き。政府の市場介入が難しければ、日銀による外債購入も選択肢。

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2016/08/30

2016年8月30日(火曜)アジア・欧州市場

2016年8月30日(火曜)アジア・欧州市場

ドル高復活!

日経平均株価は昨日の大幅高の反動も見られず、若干の下げにとどまり、円を含め主要国通貨に対してドルは全面高。

日本時間午後7時半から放映される、フィッシャーFRB副議長のインタビューが早くも注目材料にされている。

2日の米雇用統計の一大イベントが控えている中で、日米金融政策の違いが円売り材料にされており、USDJPYの下値は限定的で主要国通貨に対し、ドルは全面高の動きとなっている。

杭州G20を4日~5日に控えて、最近のG20で定番になっている自国通貨安の誘導阻止の動きが気になるも、菅官房長官の強気な発言はどこまで意図しているのかは別としてやや驚きを感じざるを得ない。


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さて、今日の動きをみると、
USDJPYは、東京市場が活発に取引を始める時間となる午前9時の101.75円をボトムに、日本株は軟調に推移する中で上昇が続き、欧州市場序盤にかけて102.40円近くへ続伸。円はクロスでも弱含みで推移している。

午前9時ちょうどからの動きは、東京市場の取引量が厚くなる時間帯にあたり、大口取引を執行したい筋が一斉に動きだすこともあり、その方向に取引が続いていたことが思い出される。

一方、USDJPY102.60~80の水準は非常に重要で、簡単に上抜けするとは考えにくく、101.80~102.80のレンジに入りやすくなっている。

それ以外の通貨では、ドルは全面高の展開で、しばらくこの動きで攻める投機筋の多いと考えらえる。

特に、今日の午後7時30分に予定されている、フィッシャーFRB副議長のインタビュー報道が注目されている。フィッシャー氏の過去2度のタカ派発言にドル高相場に傾いていこともあり、そのドル高期待を帯びて登場になりそうである。

ただし、織り込み済みの反応になると厄介で、内容次第とはなるが、今までと変わらないようならば、ドル売りへと変化するリスクも秘めている。

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菅官房長官(ロイター)=市場の過度な動きに対して、だんことして対応できる体制をとっている。為替は常に関心を持っている。その時々に応じて必要なことを行う。

浜田内閣官房参与=政府日銀は円高阻止で為替介入をすべき。

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2016年8月30日(火曜)29日、海外市場の動き

2016年8月30日(火曜)29日、海外市場の動き

先週金曜日の大相場の余韻を残した週明け月曜日、米金利は低下、米株は上昇。為替市場は円売りがリードするドル高からスタートするも、終わってみれば元の水準へ逆戻り。

米金利は先週末の水準から低下(10年債は1.56%台へ、2年債は0.8%台を何とか維持)。米株は1小幅上昇(DJIAは+207.59(+0.58%)、S&P500は+11.34(+0.52%)上昇へ)。原油価格(WTI)はイランの増産方針に軟化するも、47ドル台で推移。

結局のところ、9月21の米利上げ期待と日本の追加緩和期待に、日本株高=円安がリードした一日のがスタート。しかしながら、難関の米雇用統計(9月2日)を経なければならず、どこまで積極的にドル買を積み増すことができるのかは疑問ながら、ドル高傾向を維持。

唯一の主要な経済指標となった、米個人所得と個人消費支出。米個人所得は0.4%と予想通りながら前回から上昇、個人消費は予想通りながら前回から小幅低下。為替相場への影響は見られず。、

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USDJPYは、先週末金曜日の終値101.76を下回ることはなかったが、高値はアジア市場の102.40近くをトップ101.80円台まで値を下げて終わろうとしている。日米金融政策の違いが材料となっているが、日本株高が重要な円売りファクターになっていることも事実。

ただし、円だけが独歩安になる状況とは考えられず、積極的に円クロスで円売りはできにくく、逆に円高局面への変化がいつおとづれるのか気になっている。USDJPYも112.50~80円を超える状況とは考えにくい。

EURUSDは、8月16日に1.1180台→1.1320台へ上昇しした当時のスタート地点に逆戻りして終了している。週末の米雇用統計までは積極的にEUR買もできにくいが、1.1120~80近辺は固そうである。EURJPYは、114.70近辺をトップに値を下げ結局のところスタート地点に逆戻りし、113.80近辺は底堅く見えるが、中期では戻り売りを考えたい。

AUDUSDは、0.7580~00の上値は重く、戻り売りの流れが続いている。AUDJPYの77円は固そうでAUDJPYも77.50~60を超えるまでは戻り売りが続いている。、

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イラク石油相=生産を加速し続ける方針を表明。

独紙ビルトアンケート調査=メルケル独首相の4期続投に反対が50%、続投支持が42%と、反対が増加へ。

複数の人民銀行に詳しい関係筋=中国人民銀行ないではGDPが6.5%を割り込まない限り、効果が薄いとの見方があり、利下げは預金準備率の引き下げを急がない。


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2016/08/29

2016年8月29日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年8月29日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

米株は強いが米金利は低下、ロンドン市場が休場もあり為替変動は鈍い。

原油価格(WTI)は46ドル台後半へと低下、欧州株は軟調に推移するも、米株は上昇からスタート。ただし、米金利は上昇した前週終値から低下傾向が続いている。

為替市場は、ドル高傾向が続いたアジア市場と様変わりで、欧州市場に入るとロンドン市場が休場の中、主要通貨は動きは緩慢で狭いレンジでの取引が続いている。

唯一の主要な経済指標となった、米個人所得は0.4%と予想通りながら前回から上昇、個人消費は予想通りながら前回から小幅低下。為替相場への影響は見られず。


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USDJPYは、日銀の追加緩和を先取りし、日米金融政策の違いが再燃した、アジア市場の株高+円売りも収まり、他通貨でも円売りは弱まる。USDJPYは102円台からの積極的な円売りは見られないが、現状は102円を確りと維持。

EURUSDは、アジア市場の上昇力は見られず、欧州市場序盤の1.1200近くを高値に1.1150台へと続落。GBPUSDも弱い。反面、AUDUSDは直近の高値を更新している。

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2016年8月29日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年8月29日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

日本株急騰し、円面安!

週明けの東京市場は、先週の海外市場の大波乱相場から動きは一変。日銀の追加緩和期待+公的資金の日本株買いの思惑も強く、日本株は大幅上昇し、取引開始からドル全面高というより、円全面安の動き。

この評価は、9月21日の米利上げ+日本利下げと、相反する思惑から発するもので、ここに、日本株買いの実弾が入り、株高+円安の動きが加速していると考えている。

先週末のジャクソンホールでの、イエレン+フィッシャー両氏の発言は、利上げに関して前向きととらえられているが、一部ではネガティブな面を指摘するストラテジストも多い。

いずれにしても、今週金曜日9月2日の米雇用統計が大きな材料となっているだけ、週初めの上昇がどこまで続くか疑問。週末までにその反動があることも予想される。

日経平均株価は、376.78(+2.3%)の大幅上昇。欧州株は強弱混在し、独DAXは-0.4%、英FTSEは0.3%上昇へ。

アジア市場というより、一日を通じて米個人所得+個人消費支出以外に、主要な経済指標の発表もなく、欧米市場の株や金利の反応を見極める動きへ。

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USDJPYは、先週末、NY市場で超えられなかった102円台を上抜け、102円台からスタートし、102.40円近くまでぞ続伸。日本株高=円安の連動性が強く、円は全面安の展開となった。欧州市場に入り、欧州株が強弱混在する動きに、上値が重くなるも下げ幅は限定的。

EURUSDは、1.1200台までやや値を戻すも、先週末、NY市場の安値1.1170台を試す動きが、欧州勢の参入時に見られるなど、引き続き上値の重い展開が続いている。EURJPYは、114.60台まで続伸するも、欧州勢の参入でEURUSDの上値が重くなるとやや軟調に推移している。

AUDUSDは、先週末、NY市場の安値を割り込み、一時0.7520台まで値を下げるも、大きな動きは見られず。AUDJPYは、円売りの流れに、先日高値77.20円を超えて77.30円台まで上昇するも、欧州勢の参入でやや上値が重くなる。

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独連邦移住難民局長官=2016年ドイツ難民流入は最大30万人に。

GPIF(ブルームバーグ)=GPIFが日本株を買う余力は、日銀のEFTの年間買い入れ額に匹敵。国内株の保有額は約28.3兆円減少し、ポートフォリオ目標値25%に引き上げるには約5.3兆円積み増しが必要で、日銀のETF年間買い入れ額の6兆円に匹敵する。

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2016/08/28

今週の為替相場を考える(8月29~9月2日)



今週の為替相場を考える(82992日)

はやくも、21日の日米金融政策をにらんだ相場で、難関は2日の米雇用統計!

ジャクソンホール・シンポジウムの台風も過ぎ、イエレンFRB議長をはじめ、重鎮の利上げ示唆発言で、盛り上がる米早期利上げ期待を引き継いでいる。今週は、フィッシャーFRB副議長いわく、「米雇用統計が、利上げ決定を左右する可能性」発言に、そうでなくても変動が激しい米雇用統計はさらに重みが加わり、台風再来で大相場になる恐れの警戒が必要となる。

921日の日米金融政策の発表が今後の為替相場を含め、金融市場全体に大きな影響を与えることは避けられず。仮に米利上げが濃厚になり、米利上げ濃厚で金融市場が混乱し、安全資産の円が買われるのか?(ある程度は織り込み済みとおもうが!) いや、逆に「米利上げ+日本追加緩和」の真逆の動きの深化に円は売られるのか?

先週金曜日の米国市場後半の動きは、米利上げ期待を織り込みながら、円売りへと変化しており、円ロングの巻き戻しの可能性は大と判断するも、日米金融政策の違いを意識している可能性も否定できず。その結論を出すためには、今週の日本株+米株の動きを注視する必要がある。

つまり、先週末の米国市場で起きたのは、米利上げ期待の「米金利上昇+米株安」=米ドルの上昇。これが、週明けから日本株の売りへとつながり、結果として円高傾向になれるのだろうか? そうならなければ話は別でより深刻な状況を予想せざるを得ず!

それと、94から5日の杭州G20での動きもちょっとは気になる。上海G2022627日)から続く米財務省による人民元(+円)への自国通貨安を抑制する動きは、どうなのであろうか? もっとも102.50円を大幅に超えない以上は、その心配も杞憂に終わる可能性が高い。

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【通貨ペア別のレンジ予想】
全体的に9月の米利上げを意識した動きが続きそうで、『米雇用統計までは、ワイドレンジの上下変動の高い相場』の中でどこまでドル買いが続くのかを見極める週を予想。


USDJPY 【予想レンジはワイドで、100.50102.80

日米の金融政策の違いなのか、ジャクソンホール・シンポジウムから円ロングの強烈な巻き戻しに結果として、USDJPY相場は100円割れを定着することができなかったばかりか、101円台に逆戻り。

これで729日に予想外に弱い米第2四半期GDP速報値に、105円台から急落が開始し、816日にダドリーNY連銀総裁らの米利上げ期待をしさする発言にもめげず、円高となりドル売り相場をリードしていた流れに変化が見られた。

729日に21MAを割り込んでから逆に上抜けしており、円に対しての見方も分かれてくる可能性を意識しながらも、今週は、先に暫くレンジ相場となった大枠100.50102.80円(狭く見ても100.80102.50円)へと逆戻りした動きを予想。

冒頭にも書いたが、日米金融政策の真逆の動きを意識し再燃した円売りなのか? 単に積み重なった円ロングポジションの巻き戻しが連鎖した円売りなのか? 自信を持って判断することはできず。

週明けから始まる日本株が株安+円高へと変化するのか? しないのか、あるいは連動性が弱いのか? 週末の杭州G20の円相場への影響は? これらを見極めながら、92日の米雇用統計の一大イベントを前にして、日本株の変動と合わせ、円相場は上下変動が激しくなる可能性が高い。米雇用統計までは、100.50102.80のレンジの上下で、その流れが変化するのは、米雇用統計の結果次第と考えたい。



EURUSD【予想レンジ 1.11001.1300
 
ジャクソンホール・シンポジウムで、816日から始まったEURUSD上昇スタート地点に逆戻りし、1.111.1300のレンジに留まるのか? 1.1100を割り込むと続落の可能性も。

英国のEU離脱の悪影響も薄れ、英国・ユーロ圏の景況観はボトムから改善傾向にあり、ユーロショートポジションも減少気味の中でのユーロの下げによる影響が気になる。引き続き金融機関や不動産にとっては重荷で、潜在的な弱さは免れず。

今週は、独CPI、独・ユーロ圏雇用統計以外に大きなイベントも不在で、週末の杭州G20の影響も受けにくい。92日の米雇用統計の影響があまりにも大きいこともあり、1.11001.13009のレンジを予想するも、予想外の結果にこの範囲で収まるか、予断を許さず。


GBPUSD【予想レンジ 1.30001.3300

週末のドル急騰の中で、主要通貨では唯一週足ベースで上昇をしていた。長期的なポンド高を予想するには時期尚早と思えるが、先週の結果をどう考えればいいのであろうか? 29日にロンドンは休日となり3連休前、そして、ジャクソンホール・シンポジウムのイエレンFRB議長の発言を前にした、積み上がったポンドショートの巻き戻しではと思えてならない。

最新のIMMポジションでもポンドのショートだけは高水準を維持していたことを考えればなおさらである。EURUSDと同様に、92日の米雇用統計の影響があまりにも大きいこともあり、この予想レンジに収まるか、予断を許さず。



AUDUSD【予想レンジ 0.74500.7650

ジャクソンホール・シンポジウムで、週初の安値0.7580を割り込み続落し、売りの流れへと変化し、0.7400を割り込むとさらに深刻。

82日に利下げを実施した後の上昇局面で、中銀の豪ドル高けん制発言もあり、前週に0.7700台で相当の売りが出たこともあり、積極的に下値を売ることも考えにくいものの、92日の米雇用統計の結果により大相場になることは間違いなく、その動きの前に上下変動の激しい動きも予想せざるを得ない。

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今週の注目材料(8月29~9月2日)

今週の注目材料(8月29~9月2日)

今週の最大のポイントは米利上げの高まりと米雇用統計。

先週末の興奮が冷めやらぬ中、今週金曜日には米雇用統計が発表される。フィッシャーFRB副議長は先週にジャクソンホールで、「9月2日発表の8月米雇用統計が、利上げ決定を左右する可能性」を示唆していた。

いつもながら重要な米雇用統計がさらに重要性を増しているが、9月21日のFOMCで利上げの可能性をさらに高めることができるのか? 失業率が5.0%割れを維持し、非農業部門雇用者数が20万超で、賃金の上昇にでもなれば、その可能性がさらに強まりそうである。

今週は8月の月末の週と9月の新たなスタートをむかえる週となり、、米雇用統計(9/2・金)とカナダGDP(8/31・水)、中国のG20(9/4日~5日)を除くと意外に重要な指標や予定が少ない。

これらが今週の焦点になると思われるものの、正直なところ、9月2日(金曜)の米雇用統計を前にした動きと、結果の反応が全てともいえないことはない。


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今週は、中程度のイベントはいつもながら米国を中心として多い。

米国発では、
8/29(月)個人所得、個人支出、
8/30(火)S&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市)、CB消費者信頼案指数
8/31(水)ADP雇用統計、 シカゴ購買部協会景気指数、NAR米中古住宅販売保留
9/01(木)非農業部門労働生産性・改定値、新規失業保険申請件数、建設支出
9/02(金)雇用統計、製造業新規受注

ユーロ圏発では、
8/30(火)独消費者物価指数・速報値
8/31(水)独・ユーロ圏の雇用統計
9/01(木)独・ユーロ圏PMI

英国&CAD発では、
8/31(水)カナダGDP
9/01(木)英製造業PMI
9/02(金)英建設業PMI

豪州&NZ&中国発では、
9/01(木)豪小売売上高、中国製造業&非製造業PMI、財新製造業PMI、

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詳細は、別途今週の予定表をご覧ください。



2016/08/27

最新のIMMポジションから、 2016年8月27日(土曜)

最新のIMMポジションから、 2016年8月27日(土曜)

今回のデータは23日付で、26日のジャクソンホール・シンポジウムでイエレンFRB議長+フィッシャーFRB副議長の発言に、急速に米利上げ観測が強く高まりドル高となったことを反映してはいない。

そのため、今回のデータは市場のポジションとセンチメントのを予測するにはあまり有効ではないことを理解しなければならなず、あえて評価することは差し控えたい。

8月23日(火曜)の集計分では、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)の合計ネット・ポジションは-50,822コントラクトと、前週の-79,394から通貨のショート28,572減少(通貨売りが減少)していた。

なお、前週とのデータを参考まで考えてみたい。

通貨のロングを見てみると、円のロングは相変わらず他を圧倒し多く、更に増加傾向にあった。カナダドル+豪ドルは小幅の増加にとどまり、大きな変化は見られず。結果論となるが、26日のドル円相場の下落幅が大きかったこともポジションの巻き戻しによる可能性が高い。

ショートを見ると、常連のユーロとポンドのショートは大きいものの、ユーロは減少する一方、ポンドは前週とほぼ同水準のショートを維持しており、市場センチメントはポンド先安感を変えていない

さらに、26日の動きから通貨のショートが拡大している可能性が高いが、増加幅は円に比べれば弱くなっている。


《詳しくは、別途データをご覧ください》


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2016年8月27日(土曜)、 26日、海外市場は大波乱

2016年8月27日(土曜)、 26日、海外市場の動き

ジャクソンホール・シンポジウムで、相場は大波乱! 

結果は、イエレンFRB議長+フィッシャーFRB副議長の発言を受け、ドルは急騰し全面高! 

フィッシャーFRB副議長は9月2日発表の、8月米雇用統計が利上げ決定を左右する可能性を示唆、注目へ!

イエレンFRB議長は、「米利上げの論拠がこの数カ月で強まった」、「米経済は完全雇用および物価安定という金融当局の目標に近づきつつある」とタカ派発言も、

「政策決定はデータ次第」、「政策引き締めで緩やかなアプローチを取る」とハト派発言と、期待していた利上げへの言及はなく、

米金利も弱含みで、ドル相場は激しく変動、上下しながらも、ドル売りへと一時大きく傾く。

その後の、緩やかにドル買いとなり、フィッシャーFRB副議長が、「議長発言は年内に複数回の利上げを肯定する内容+9月利上げを議題として残したいと考えている」との発言を受け、米金利は上昇し、ドルは急騰!


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なんと表現したらいいのであろうか? イエレン議長の発言を受けた為替相場は、上下に変動しながらも、ドルの戻り売りをはじめから決めていたような値動きで、強気な部分を無視するかのような相場変動となった。

1時間近くを経過して、ようやく落ち着きを取り戻しながらも、ドル買いが徐々に強まり、フィッシャー副議長発言でドルは急騰!

USDJPYは、イエレン議長発言に、100.20近辺→100.90円まで急伸。そして、その間も上下への激しい変化が続き、100.10円割れまで急落後、100.70円近くへと上昇。フィッシャー副議長発言に、101.50円の壁をブレークし一時101.90円台まで急騰。

円クロスでも円売りが加速し、市場の円高期待に反して、円は対ドル+対主要通貨でも全面安。EURJPYは一時114.10台まで急伸、GBPJPYは一時133.80円台、AUDJPYも一時77.20円近くまで急伸。

他の主要通貨も対ドルでは総じて同じような反応を示し、当初は比較的健闘していた、AUDUSD+NZDUSDも急落。EURUSDは1.1340台→1.1180台へと下落。GBPUSDは1.3280近く→1.3120台へ急落。

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フィッシャーFRB副議長(9月の利上げと、年内に複数回の利上げを予期するべきかとの質問に答え)=イエレン議長の講演内容は、この2つの質問に対しYESと答える整合性が取れている→ ドル急騰し全面高!

フィッシャーFRB副議長=9月利上げを議題として残したいと考えている。経済指標は改善し、経済が力強さを増したとの証拠は出ている。労働省が発表する    8月の雇用統計は利上げをめぐる決定を左右する可能性がある。→ 9月2日の米雇用統計が9月最初で重要な関門に。

CMEフェドウォッチ=米短期金利先物市場で、イエレンFRB議長の講演を受け、市場が12月の利上げ確率は約→52→70%へ拡大。

独財務省=ECBの資産買い入れ策によって、独連邦債の供給が一段とひっ迫していると、量的緩和を批判。ECBの資産買い入れが他のユーロ圏国債に与える影響についても懸念。

パウエルFRB理事=FRBは利上げに関して慎重かつ忍耐強く臨むべき。忍耐強く構える余裕があるが、2%の目標に向けたインフレの進展や労働市場の引き締まり、力強い成長など十分な材料がそろえば、その機会を活かすべき。

サウジ国営通信=イエメンから発射された飛翔体でサウジアラムコの送電設備に火災が発生したが、原油やガスの施設は被害を受けず、通常通り操業。


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2016年8月26日(金曜)欧州・米国市場の前半の動き

2016年8月26日(金曜)欧州・米国市場の前半の動き

イエレン議長は「米利上げの論拠、この数カ月で強まった」と言うも、市場が期待して利上げへの言及はなく、「今は活発に検討しているわけではなく、政策決定はデータ次第」と、タカ派期待を裏切る結果に、米金利は低下し、米株は上昇。

為替市場は上下変化が激しく、一時ドルは全面安。ただし、USDJPYは上昇しクロスでも一時円安が進み、約1時間近く経過したロンドンフィキシングを過ぎてからようやくドル買いが強まりつつある。

本日も、ブラード、メスター両連銀総裁は、追加利上げの可能性を示唆しており、市場全体でも9月利上げの可能性がやや復活しつつあるも、米金利の上昇が伴わず、期待と不安の混在する状況へ。

米第2四半期GDPの改定値は、前期比年率1.1%と予想通りながら前回1.2%から低下、個人消費+コアPCE価格指数は強い。また、ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は、89.8と予想と前回を下回るも、イエレン議長発言の前で動きは緩慢。

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USDJPYは、イエレン議長発言に、100.20近辺→100.90円まで急伸。そして、100.10円割れまで急落後、100.70円近くへと、その間も上下への激しい変化が続く。円クロスでも円売りが加速、特にAUDJPY+NZDJPYで顕著。

EURUSDは、1.1300近辺→1.1340→1.1240台→1.1310台と上下激しく変化しながら、売り圧力が強まっている。

AUDUSDは、0.7650台→h0.7690→0.7610→0.7680台と上下激しく変化しながら、買いの流れは何とか維持しているが徐々に値を下げている。

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イエレンFRB議長講演=米利上げの論拠、この数カ月で強まった。米経済は完全雇用および物価安定という金融当局の目標に近づきつつある。→ 利上げへの言及はなし。

イエレンFRB議長講演=今は活発に検討しているわけではない。政策決定はデータ次第。

ブラード・セントルイス連銀総裁=年内の利上げは可能。

メスター・クリーブランド連銀総裁=金利を引き上げ始めるのは理にかなう。


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2016/08/26

2016年8月26日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年8月26日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

米通貨当局の発言に利上げ期待がやや膨らむ中、イエレン議長の講演を控えた、週末の金曜日は、為替市場は逆に全体的にドルは軟調に推移。

一方、株式市場は、日本株は-195.24(-1.18%)下落し、欧州株も小幅ながら下落し、もしもの利上げ期待の高まりのリスクを回避している動きにも見える。

注目の日本CPIは弱かったが、日本株は軟調に推移し、USDJPYは100.60円台からやや円高方向へと動くも、100.40~60のレンジを抜け出せず、積極性は見られず。

欧州市場に入り、独GFK消費者信頼感は10.2(予想9.9)と強く、EURUSDは直後に1.13の大台まで上昇するも、買い進めるような力強さは感じられず、1.1280台まで小幅下落。仏GDPは予想と前回と変わらずで問題にならず。

GBPUSDは、英GDPは予想と前回と変わらずながら、1.3200台を維持し買いの動きが続いている。

また、AUDUSD+NZDUSDは続伸、USDCADは続落と、ドル安の流を維持している。


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GPIF=2016年第2四半期の運用損失が5.2342兆円で、運用改革ごの全収益が消失。リーマンショック以降で初の2四半期連続の赤字となった。

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2016年8月26日(金曜) 25日海外市場の動き

2016年8月26日(金曜) 25日海外市場の動き

カプラン+ジョージ両総裁発言もタカ派!イエレンFRB議長の講演内容に期待感は弱いが、「予期せぬ動き」の警戒感に手を出せず、為替相場はこう着。

その影響もあるのか、米株は後半にかけて小幅下落し、米金利は小幅上昇へ。イラン石油相がOPECに参加との報道に、WTIは終盤にかけて47ドル台へと上昇し47.30近辺で推移。

議長の講演を前日に控えた25日の米経済指標は強い数字となった。米新規失業保険申請件数は26.1万に減少し改善が進み、米耐久財受注は前月比4.4%、コア1.6%に上昇。

ただし、GDPNowは、前日の弱い米中古住宅販売に、米第3四半期GDP予想値を3.6→3.4%へ下方修正。

そして、為替相場でドルは若干強い以外に、特に目立った動きは感じられない。週末の金曜日とイエレンFRB議長のジャクソンホール・シンポジウムでの講演を前にたポジション調整なのか、ドル高傾向を予測しての動きなのか不明ながら、全体的にドルは強含みで推移。

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USDJPYは、イエレン発言を警戒する以外に、特に材料は見当たらず。大枠100.30~60のレンジで推移するも、ややビット気味に推移。円クロスでも動きは見られず、EURJPY+AUDJPYもレンジ相場を抜け出せずにいるもややビット気味に推移。

EURUSDは、大枠1.1250~1.1300のレンジで推移。EURGBPはビット気味で0.8550台を維持し、動きはEURUSDは小幅上昇、GBPUSDは小幅下落。

AUDUSDは、大枠0.7600~0.7640のレンジで推移。AUDJPYも76.40~70のレンジで動きは鈍く、方向性も定まらず。

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ザンギャネ・イラン石油相=9月のPEC会合に出席することを確認し、原油価格は小幅上昇へ。

ECB論文=ゼロ金利政策が続く中でドイツなどユーロ圏の「コア」加盟国の財政出動は、経済力の弱い周辺国を下支え。ギリシャやポルトガル、スペインなど構造改革を進めており、一時的に物価や賃金が落ち込み、ユーロ圏の主要経済国は財政による景気刺激策で、周辺国に対応すべき。

カプラン・ダラス連銀総裁=それほど遠くない将来に新たな一歩を踏み出すことができる状況に近づいている。

アトランタ連銀GDPNow=米第3四半期予想値3.6→3.4%へ下方修正。米中古住宅販売の減速による。

2016/08/25

2016年8月25日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年8月25日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

相変わらず力の入らない相場展開の中で、各国の経済指標に相場は単発的に反応。

米株は小幅下落、原油価格は軟調に推移、米10・2年債利回りは上昇へ。為替相場はEURUSDの上昇を除き、USDJPY+GBPUSD+AUDUSD+NZDUSDと総じて小幅なドル高の流れへ。

独IFO業況指数は、予想を下回るもEURUSDは1.1260台で下げ止まり1.13近くへと反発へ。

英CBI小売売上高指数は、9と予想-5から大幅改善するも、GBPUSDは買へと動かず続落へ。

米新規失業保険申請件数は26.1万と予想より改善へ。米耐久財受注は前月比4.4%(予想3.5% 前回-3.9→-4.2%)と、共に予想より良い数字に通貨間でばらつきはあるもドル買いが強まる。

米総合PMIは51.5、サービス業PMIは50.9と、共に前回を下回る。

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USDJPYは、100円割れを試せず、下値トライの反動に、円のショートカバーが続くも、円先高を期待する動きは強く、100.60円台を高値に超えられず、大枠100.30~60円のレンジに終始。100.80、101.10~20円のを超えないとなかなか円ブルセンチメントは変わらず。

EURUSDは弱い独IFOにも続伸へ、GBPUSDは弱いCBI小売がポンド売り材料となった。結果としてEURGBPの動きに左右されているのか、今日はEURUSDの上昇+GBPUSDの下落へ、結果として、EURGBP=0.8500→0.8560台へ上昇。

AUDUSDは、73.30~73.70のレンジでやや弱含み。NZDUSDは77.65~77.85のレンジで上下変動するもレンジを抜け出せず。


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ジョージ・カンザスシティー連銀総裁=金利を動かす時が来ていると真に思う。高金利が望ましいという意味ではなく、急激な利上げが必要という意味でもない。わたしは金利の段階的な動きを支持する。

ジョージ・カンザスシティー連銀総裁=GDPが2%に達する十分な理由があり、下期は3%の可能。

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2016年8月25日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年8月25日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

イエレンFRB議長の講演を明日の夜に控えた影響なのか、相変わらず鈍い値動きの展開が続いている。

日経平均株価は-41.35(-0.25%)下落、欧州株は弱く、独DAXは1%超下落。原油価格は46ドル台後半で安定推移。

重要なイベントや主要な経済指標の発表もないアジア市場は、朝9時の取引が厚くなる時間には、100.60円台へ上昇し、昨日の海外市場の安値近くまで円売りが続くも、弱含みで推移する日本株に反応したのか終わってみれば100.30円台まで値を下げている。

欧州市場の序盤に発表された、独IFOは106.2(予想108.5 前回108.3)と予想外に弱く、直後から円クロスでの円買いが入り100.30円まで値を下げるも、EURUSDの売りは極短時間で終了。EURUSDは.1260台の底堅さを確認し、1.1290台へ逆に上昇へ。

AUDUSDやGBPUSDの動きは鈍く、EURGBPは昨日の流れと逆に買いが先行へ。また、USDCADは原油価格の小幅な上昇もあり、カナダドル買いが続いている。

この後の欧州・米国市場でどこまで相場が動くのかは、最近の値動きから見ても期待していいのか疑問ながら、米耐久財受注と米週間新規失業保険申請件数は、明日のイエレン発言を前にして重要なイベントであることは間違いない。


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2016年8月25日(木曜)24日、海外市場の動き

2016年8月25日(木曜)24日、海外市場の動き

ユーロ安が目立ち、ドルインデックスは上昇。GBPJPY+NZDJPYの上昇もあり円売りがやや目立つも、USDJPYは引き続き100円台での取引が続く。

原油価格は46ドル台後半へと低下、米株は小幅安、米10年・2年債利回りは小幅上昇。

USDJPYは、円高センチメントが続く中で、100.10円をボトムに、100円割れを試すことはなく、米株安+弱い米中古住宅販売件数にもかかわらず、フィキシング近くでは100.60台まで上昇。その後は、100.40~50円の狭いレンジで取引が続く。

EURUSDは、ユーロ安。東京市場の仲値付近の1.1310台を高値に、欧米市場にかけEURGBPの売りに続落。ロンドンフィキシング近辺の1.1245を安値に、EURGBPも反発し1.1270まで値を戻すも上値は重い。

AUDUSDは、アジア市場で続落し、欧州勢参入前後には0.7600の大台を一時割り込み0.7590近辺まで下落。これをボトムに、NZDUSD+GBPUSDと同時高が進み、0.78630まで上昇するも、戻りは鈍く0.7600~20のレンジで取引が続く。

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ECB=債買い入れの対象には含まれないドル建て国債をユーロ建て国債に交換する計画を発表し、スロベニアの買い入れ対象の国債がなくなるとの懸念が弱まり、スロベニア国債の利回りが過去最低を更新。

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2016/08/24

2016年8月24日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年8月24日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

イエレンFRB議長の講演を意識しすぎているのか? 現在の水準に興味はないのか? 為替市場も相変わらず大きな変動は見られない。

原油価格は47ドル台前半で動きは鈍く、米金利も大きな変化は見られず。一方、欧州株は小幅上昇し、米株は小幅な下げからスタートしている。

米FHFA住宅価格指数=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比5.6%(予想 前回5.6%)と変化は見られず。

米国市場の序盤でも、GBPUSDの買い戻しは止まらず、1.3250台へと上昇。逆にEURUSDは売りが続き、1.1250台まで値を下げている。結果として、EURGBPは0.8580→0.8500を割り込む動きへ。

AUDUSD+NZDUSDも小幅ながら上値トライが続いている。AUDUSDは0.7600の大台を超えてから買いの流れが強まり0.7635台まで上昇。NZDUSDも0.7280→0.7330台へと小幅上昇。

USDJPYは、100.10をボトムに再び100.40台まで値を戻し、円クロスではGBPJPY+NZDJPYを主に円ロングの調整が続いている。

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2016年8月24日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年8月24日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

ドル高材料が続くも、ドル買いへと動かず、語る言葉も少ない。金融市場は全体的に方向性が示せず、為替市場も意外なほど動きは緩慢。

日経平均株価は小幅上昇、欧州株も小幅上昇。原油価格は47ドル台前半へと低下。

USDJPYの上値は重く100.50円台をトップに100.10~100.50円の狭いレンジに終始。昨日から売り圧力が続いていた、AUD+NZD+GBPのコモンウェルズ通貨は、欧州市場に入ってから買いの流れへと変化し、AUDUSD+NZDUSD+GBPUSDは上昇へ。

ただ、EURUSDだけは1.1310台をトップにし1.1270台へと値を下げ(これも限定的な下げなのですが)EURの弱さが目立っているが、独に材料は特定できず、短期投機筋のポジション調整の域を出ない。

ここにきて、ダドリーNY連銀総裁、フィッシャーFRB副議長、FRBの公定歩合議事録で利上げ支持が8/12地区連銀へと拡大へ。周りの現象は9月の利上げ可能性を期待させる内容にも、ドル買いは極めて少なく、逆にドル売りの場として利用されているようにも見える。

市場参加者は早期利上げの可能性を信じ切れていないのか、26日のイエレンFRB議長の講演で夏休み後の次の一手を見極めようとしている。

印象としては、USDJPYの上値は切り下がり、上値の重さは実感しているが、、99円台は当局の口先介入や公的資金の円売りを気にして積極な円買もできず。ただ、戻り売り方針を貫くだけ。


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独第2四半期GDP・改定値は、前期比0.4%、前年比1.8%と予想・速報値と変わらず。

英BBA住宅ローンは、37,662件と(予想38,500件)に届かず。


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2016年8月24日(水曜)23日、海外市場の動き

2016年8月24日(水曜)23日、海外市場の動き

強い米住宅販売と、予想外に利上げ支持拡大のFRB公定歩合議事録に、ドルは小幅上昇(除くポンド)するも、、あまり強さは感じられず。

USDJPYは100円の壁が意識されるも、100.30を超えらず。EURUSD+AUDUSD+NZDUSDは小幅安。ただし、GBPUSDはショートカバーなのか、クロスでポンド買いが強まる。

WTIは47ドル台後半へと小幅上昇し商品価格は上昇へ、米株は小幅上昇しDJIAは+17.88(+0.10%)、米10年債・2年債利回りに大きな変化は見られず。

ユーロ圏8月の総合PMI・速報値の総合は53.3(予想53.2 前回53.2)と、予想と前回を小幅ながら上回り、英国のEU離脱による影響は限定的。

米新築住宅販売は、前月比12.4%(予想-2.0%)と予想外に9年ぶりの高水準 + FRBの公定歩合議事録は12地区連銀中8地区連銀が利上げを求めたことがわかり、ドルは小幅上昇(除くポンド)。


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USDJPYは、上値が重いとの印象が強い。米金利の上昇+公定歩合議事録で利上げ期待が高まり+強い米新築住宅販売+米株の上昇+原油高と、本来ならばドル買いへ動きやすい材料が多い中で、USDJPYは100.30円を超えられず。

この状況をどう考えたらいいのか? もちろん、ポンドは強く、他の主要通貨でもドル買いがみられるが、大幅なドル高とは言い難い。

26日のイエレンFRB議長の発言を見極めたいのだろうと思われるも、本音は議長が「利上げするぞ」と言うことを期待している市場参加者はすくないのでは? (思っていても言えないと、言う意味です)

いずれにしても、USDJPYは99.80~100.50円のレンジは不安定ながら居心地のいい水準なのでしょう!

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FRB公定歩合議事録(7月会合)=12地区連銀中、8地区連銀が利上げを求めた(前回は6地区連銀)。カンザスシティー、リッチモンド、クリーブランド、サンフランシスコ、ボストン、セントルイスの各地区連銀に加え、今回はフィラデルフィアとダラス地区連銀も引き上げを提案した。

FRB公定歩合議事録(7月会合)=公定歩合の引き上げを求めた地区連銀のうち、クリーブランド、カンザスシティー、ボストン、セントルイス各地区連銀の総裁が今年のFOMCで投票権あり。

クーレECB専務理事=ユーロ圏の財政・構造改革が実現できなければ、インフレ目標達成に向け、ECBの追加緩和策が必要となる可能性がある。

クーレECB専務理事=経済成長は勢いを増し、今後も加速し続けるが、回復の度合いは弱く、各国の財政政策がECBの金融刺激策に追いついていない。

原油価格小幅反発=イランが生産協調に前向きになっているとの観測。

マークイット=ユーロ圏の経済活動は安定した成長軌道にあり、英国のEU離脱にようる不透明感で回復が損なわれた兆候はない。

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2016/08/23

2016年8月23日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年8月23日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

煮え切らに為替市場は、ドル高期待も裏切られ、ドルロングの調整色の強い展開が続いている。

日本株は弱く、逆に欧州株は上昇、原油価格は弱く、米金利は上昇へ。

アジア市場のメインイベントは、早朝のウィーラーNZ中銀総裁発言で、NZDUSDは0.7260~0.7325のレンジで上下し、結果は一時0.7340台まで上昇し、NZドル買いへ。

総裁は、0.35%の追加利下げの可能性を示唆するも、金融政策の維持、もしくは急激な緩和どちらも正当化しないと発言。

それと、円高の動きで100.40円を高値に一時100円割れまで値を下げるも瞬間で、動きは相変わらず鈍く上値は重い。

ポンドドルは、アジア市場の1.3130近辺をボトムに、欧州製の参入に1.3210近くまで上昇、ドル売りをリードしている。

経済指標では、
独PMIの総合は予想外に弱いが、ユーロ圏は逆に小幅ながら予想を上回る。仏PMIは強く直後からEUR買が強まるも1.1350台の上値は重い。

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ウィーラーNZ中銀総裁発言に、NZDUSDは0.7260~0.7325のレンジで上下し結果はNZドル買いへ。

ウィーラーNZ中銀総裁=現在の政策金利見通しでは0.35%の追加利下げを想定。経済を圧迫する多くのリスクのバランスを取りつつ、CPI上昇率を目標レンジ1~3%の中心値まで押し上げることが可能と考えている。しかし、急激に金利を引き下げることは、既に深刻なほど過熱している不動産市場をさらに過熱させる可能性がある。

ウィーラーNZ中銀総裁=金融市場に対してバランスのとれたメッセージを送ることに苦慮している。リスクの見通しとバランスは、金融政策の維持、もしくは急激な緩和どちらも正当化するものではない。

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2016年8月23日(火曜)22日、海外市場の動き

2016年8月23日(火曜)22日、海外市場の動き

上がらぬドルに戸惑い相場!

週明け月曜日、週末の黒田(追加緩和)+フィッシャー(米利上げ)と両氏の発言に、盛り上がるドル買い(+円売り)も、米金利は弱く、欧米市場はドル全面安(除くCAD)へ。

米株は小幅な反動で、DJIA+S&Pは小幅下落で、逆にNASDAQは小幅上昇。原油価格は47ドル台前半まで大幅下落。米10年債+2年債利回りは低下し、為替市場はドル買い期待が裏切られ、ドル売りの流れへ。

週明け月曜日は、ダドリーNY連銀総裁(16日)の利下げ示唆発言に加え、黒田日銀総裁(20日)の追加緩和の可能性報道、フィッシャーFRB副議長(21日)の利上げ期待を残す報道でスタート。

オセアニア・アジア市場の開始は、NY終値からUSDJPYを主に、主要通貨でもドル高でスタートするも、終わってみれば、原油価格の急落に弱いカナダドルを除き、ドルの強さは感じられず。

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USDJPYは、オセアニア市場・アジア市場の取引開始直後の100.90台をトップに、強さが感じられない日本株+米金利の低下、さらに原油価格も3%超下落し、00:00時過ぎには100.20台まで続落。米国市場の後半は100.20~35の狭い値動きに終始。

EURUSDは、アジア市場の安値1.1270台をボトムに、1.1330台まで続伸。米利上げ期待による影響は欧米市場では見られず。前日の高値1.1360台が一つの目安。EURJPYは、OPEN直後の114.00円近くをトップに、113.40~80円で動けず。

AUDUSDは、アジア市場の安値0.7580台をボトムに、0.7640まで続伸、週末NY市場の終値0.7620台近くで推移。AUDJPYは、76.30~80のレンジで動きは鈍い。

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原油価格3%超下落=中国の燃料輸出増に対する懸念、イラク、ナイジェリアの原油輸出観測、米国内の石油掘削リグ稼動数が8週連続で増加。

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2016/08/22

2016年8月22日(月曜)アジア・欧州市場の動き

2016年8月22日(月曜)アジア・欧州市場の動き

週明け月曜日の為替相場は、週末の出来事の踊らされる動きへ。

20日の産経新聞には「9月の総括的な検証では、追加的な緩和措置を講じる可能性は十分ある」と、円ハト派をよろ喜ばせ、

21日にフィッシャーFRB議長は「米経済がすでにFRBの目標達成に近く、経済成長が今後勢いを増すだろう」と、ドルタカ派を喜ばせ、

16日にダドリーNY連銀総裁は「労働市場の引き締まりや賃金増の兆候を踏まえると、来月に利上げに踏み切る可能性がある」と言っており、

FRBの重臣2名が利上げに傾いていると思われたことで、早朝から円売り+ドル買いからスタート。26日のイエレンFRB議長が何と言うのか? これが問題!

しかし、日本株は小幅な上昇にとどまり、米金利も弱く、原油価格の下落に、円売りも思惑は外れ、欧州株は上昇からスタートするも下落へと変化。やや先走った感はぬぐいきれないが、米国の利上げの可能性も意識せざるを得ない。


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USDJPYは、オセアニア市場で、「米利上げ期待+日本追加緩和期待」にNY終値からドル高でスタート。午前6時にはUSDJPY100.77円→100.30円→100.39円まで上昇、EURJPY=113.98円まで上昇するも、日本株は小幅な上昇にとどまり、実需筋の売り押され値を下げ100.50円をボトムにようやく下げ止まる。欧州市場に入っても、米金利は逆に低下し、原油価格は2%を超す下げと、市場を取り巻く材料に円買へ。

EURUSDは、米利上げ期待の高まりと、USDJPYの上昇に、一時1.1210へと下落するも1.1200の大台を割り込めず。USDJPYが売りへと変化し、欧州市場に入りEURの買い戻しからスタート。結局は早朝のスタート地点近くとなる1.1310台まで値を戻す。

AUDUSDは、オセアニア市場でNY終値からギャップを開け、AUD安からスタート。アジア・欧州市場で0.7580台まで値を下げるも、欧州市場に入り、AUD買いへと変化しNY終値近くとなる0.7620まで上昇している。

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ジャクソンホール・シンポジューム

ジャクソンホール・シンポジューム

以前、WSJ紙でFRBの中で影響力の大きい氏名が公表されたことを思い出した。イエレンFRB議長は当然のことではあるが、続いてフィッシャー副議長とダドリーNY連銀総裁の名前があがっていた。

最近になって、ダドリーNY連銀総裁は16日に「労働市場の引き締まりや賃金増の兆候を踏まえると、来月に利上げに踏み切る可能性がある」と言い、21日にフィッシャーFRB議長は「米経済がすでにFRBの目標達成に近く、経済成長が今後勢いを増すだろう」と、両氏は依然としてFRBは利下げの可能性が存在していることを示唆。

利上げの可能性を否定も肯定せず、具体的な話を聞くことができないイエレンFRB議長が26日にジャクソンホール・シンポジュームで久しぶりに発言をする。

さてさて・・・・。正直なところサプライズは期待していないが、世の中には「もしも!」の可能性は否定できない。トップ3名が、利上げの可能性を示唆するのか? それとも、議長は慎重姿勢を貫くのか? 週末金曜日は市場参加者の目が集中している。

2016/08/21

今週の為替相場を考える(8月22~26日)

今週の為替相場を考える(8月22~26日)

海外勢ではサマーバケーションからの本格的な復帰は、まだ時間が必要と思われますが、本邦勢はお盆も終わり今週から市場に徐々に復帰してくることでしょう。

FOMCメンバーの中で意見の相違が先のFOMC議事録で示される中で、最近ではダドリーNY連銀総裁を筆頭にタカ派の意見も目立っています。

今週の材料からは金曜日のイエレンFRB議長のジャクソンホールでの発言が最も注目されてはいます。「11月の米大統領選+FOMC内の意見の相違」、などの状況で自主的に相場を誘導するような発言をイエレン氏に期待することは難しいのではないでしょうか? 

11月8日の米大統領選を前にして、次々11月1日のFOMCで政策を変更することは難しく、次回のFOMCは9月21日が実質的に選挙前の最後のFOMCとも考えられ、どのような結論をだすのでしょうか?

さて今週ですが、重要な発表や発言が少なく、今週の為替相場は週末金曜日に集中する経済指標では、日本のCPI、仏英米のGDPの改定値と、共に最重要とは言い難く、実質的に最後の夏休み週相場となる可能性もあります。

その分だけ、来週以降の為替相場への変動期待が高まることでしょう? または、その動きを先取りした、ビックプレーヤーが週末の金曜日にポジションを作り出す可能性も否定はできず、週末は要注意!


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【通貨ペア別のレンジ予想】

◎USDJPY 【予想レンジ 99.50~100.80】大相場【98.40~102.10】
『今週も2段構え』

今週の経済指標や発言などを考えると、日本のサプライズなCPIや、イエレンFRB議長の予期せぬ発言以外では、①政府・日銀が予想外の意図的な円安誘導をする、または、②休み明けの実需筋が予想外に大量の円売りをする以外に、円相場の変動は考えにくいものがあります。

最も、日本の実需筋がお盆休みに入る前のUSDJPY相場は約101~102円での推移であったことを考えれば、100円割れ、特に99.70~80前後での買い意欲は当然ながら考えられますが、逆に101円台の上値は重くなることも考慮に入れる必要がありそうです。

先週は夏休みムード全開の中で、主要通貨ではドル売りの流れが続き、円クロスではやや円買が鈍くなっているようにも見えますが、市場参加者が本格参入するまでは正直なところ次の一手を自ら仕掛けることも難しいのではと思えてなりません。

今週は、99.50~100.80のどっちつかずのレンジをメインシナリオとして考えていますが、リスクシナリオとしては、予想外の変動時には、98.40~102.10円のレンジへと拡大して考える必要もありそうです。


◎EURUSD【予想レンジ 1.1225~1.1425】 
『上昇傾向の中で、調整局面の可能性も』

6月24日の英国のEU離脱選択直後の下げから値を戻し、ようやく出発点近くとなる1.14台が目の前に迫っています。ドイツを筆頭に予想外に強いユーロ圏の経済指標に、スタート地点への復活を目指す動きとなりそうです、先週末の終値は弱く、やや不安材料を残しています。

今週は、24日の独GDP、26日の仏GDPを含め金曜日に集中する米経済指標と、イエレンFRB議長の発言が相場を決定づけることになりそうです。


◎GBPUSD【予想レンジ 1.3000~1.3180】
『ポンド安相場は変わらず、ただし、1.30を割り込むまでは売り込みにくい』

メイ英首相は、EU基本条約(リスボン条約)50条規定にもとづき、ドイツ、フランス選挙前となる、2017年4月までにEU離脱をEU理事会に通知する意向を示しています。

英国のEU離脱を選択して以降の、英国の経済は最悪の事態から好転しているようにも見えますが、政治的・経済的な影響の不透明性は否定できない現状では、ポンドを中長期間に渡りロングにすることはできそうになく、引き続き戻り売りの相場環境が続いています。問題はポンドショートポジションを維持している市場参加者が最も多く、調整局面を見極める必要もありそうです。


◎AUDUSD【予想レンジ 0.7580~0.7750】
『調整局面が終わり下げ止まるかを、見極める週』

比較的高金利の優位性を生かした、夏休みを前にしたパーキング資金の巻き戻しなのかは不明ですが、0.7750台をピークに値を下げ調整局面が続いています。ただし、0.7500を割り込むような大幅な調整が続くとは思えず、0.7580も重要なポイントをボトムにして下げ止まれば、今までのレンジとなる0.7580~0.7750への動きが期待できそうです。

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今週の注目材料(8月22~27日)

今週の注目材料(8月22~27日)

今週も夏休みムードが続く中で、重要な経済指標も少なく、発表自体も非常に少ない週となっています。

ディーラーは相変わらず長期休暇中も目立っていますが、日本ではお盆も終わり、夏休むムードも収まりつつあります。海外で、徐々にバケーション明けのディーラーや大手市場参加者も復活しつつあるようで、そろそろ次の大きな波を期待したくなる時期に差し掛かっています。

さて、米国の利上げ期待もやや薄らぎつつありますが、ダドリーNY連銀総裁を筆頭に複数は早期の利上げを主張するなど、徐々にFOMCメンバー内の意見相違が問題になりそうな中、イエレンFRB議長はどう考えているのでしょうか?

そんな中で、久々にイエレンFRB議長は、ジャクソンホール・シンポジウムで、26日の午後11時から発言を予定しています。また、26日の金曜日は日本のCPI+英仏米のGDP改定値も予定されており、今週の中では最も重要な日となることでしょう!

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【国別の材料】
1.日本
日本企業も夏休み明けをむかえて積極的に動きやすくなります。現在の100円近辺のドル円の為替相場に対して実需筋の動きはどのように反応するのでしょうか? ただし、ドル円の水準は大枠99.50~101台前半で推移しており、実需筋の動きからは大きな変化を期待できるかはやや疑問です。

23日(火)黒田日銀総裁の発言が予定されていますが、次回7月の「総括的な検証」に関しての話があるのか、注目しています。
26日(金)全国+東京都のCPIが発表されますが、前年比では相変わらず-0.4%の予想で大きな変化は期待できそうにありません。

2. 米国
26日(金)今週のメインテーマは、冒頭にも書きましたが、イエレンFRB議長のジャクソンホールシンポジウムでの発言内容です。ただし、重要なことはももちろんですが、最近の傾向から考えるとサプライズな発言を期待することは難しと思われてなりません。

経済指標ではいつもながら米国発の指標は多いのですが、
25日(木)米耐久財受注+26日のミシガン大学消費者信頼感指数で、共にやや上向き予想となっています。
26日(金)米第2四半期GDP・改定値ですが、速報値から若干の下方修正が見込まれています。

3. ユーロ圏
24日(水)独第2四半期GDP・改定値は、速報値とほぼ同水準の予想で大きな変化は期待できませんが、注目材料に変わりありません。
25日(木)独Ifo業況指数は、現況指数+期待指数共に若干の拡大が期待されています。

4. 英国
26日(金)第2四半期GDP・改定値では、予想値は前回と変わらずとなっています。今週は英国発の材料は以外と少ないのですが、ポンド安の傾向が大きく変化することも期待薄です。

5. 豪州
豪州発の注目材料はとくにありません。テクニカルに沿ったAUD安がどこまで続くのかを注意したいと思います。

6. NZ
24日(水)貿易収支は前回の1.27億NZドルから、若干の赤字となる-3.2億NZドルが予想されています。今週は他の材料も乏しく、テクニカルに沿ったNZD安がどこまで続くのかを注意したいと思います。

7. カナダ
カナダ発の注目材料はとくにありません。いつもながら原油価格を注目しながらの展開になりそうです。


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詳しくは「今週の予定」をご覧ください


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最新のIMMポジションから、 2016年8月14日(日曜)

最新のIMMポジションから、 2016年8月14日(日曜)

最新のデータは8月16日(火曜)集計分で、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)の合計ネット・ポジションは-79,394コントラクトと、前週の-89,906から通貨のショート10,512減少していました。(通貨売りが減少)

市場全体では夏休みの最盛期の時期にも当たり、市場参加者が大幅に減少する中での変動で、基本的には積極的に新規ポジションを積み増す動きよりも、ポジションを縮小させながら休暇明けの動きに備える準備段階に入るケースが多く見受けられます。

今回のデータを総合的に見れば、「円・豪ドルのロングが拡大」+「ポンドのショートが拡大」が特徴的です。

合計ではネット通貨のショートが約1万コントラクト近く減少し、7月26日の直近のピーク時-102,363から3週連続で通貨ショートが減少していまが、この現象は夏休時期のポジション調整なのか、ドルに対してセンチメントが変わってきたのか判断は難しい状況です。

通貨別に見てみましょう!

円は、3週連続でロングが拡大、5万コントラクト近くへ拡大しており、根強い円先高感を残しています。目先では7月5日の6.36万コントラクトをピークに一時3.5万までロングが減少していましたが、スポットレートが100円台にも関わらず、円のロングが拡大し、先高感が続いています。

ユーロは、3週連続でショートが減少していますが、引き続き9万コントラクト台の大幅なショートを維持しており、ユーロの先安観が続いています。

ポンドは、7週連続でショートが拡大し、ポンド一弱傾向が続いています。ネット売りのコントラクトも94,238まで拡大し、歴史的なポンドショートを継続中で、根強いポンド先安観は変わっていません。

カナダドルは、原油価格の上昇にも関わらず、3週連続でロングが減少していますが、引き続き4月5日から続いているネットロングを維持しています。

豪ドルは、直近では2週間連続でロングが小幅に減少後、今度は2週連続でロングが拡大し、過去4週間続いた3万コントラクト台から先週は久々に4万コントラクト台へとロングが拡大し、7月5に以来、7週間連続でロングを維持しています。


NZドルは、相変わらずポジションは軽い状態が続いています。6月14日以降では、4週連続でネットショートへ、7月12日以降は、4週連続でネットロングへと変化し、8月9日からは2週連続でネットショートへと変化するなど、出入りの目立っている通貨になっています。

→ 前週・今週のデータや変化は、別途グラフをご覧ください。

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2016/08/20

2016年8月20日(土曜)19日、海外市場の動き

2016年8月20日(土曜)19日、海外市場の動き

週末の金曜日、重要な指標やイベントの予定もなく、ダドリー、ロックハート両氏に続き、ウィリアムズ氏も早期利上げの可能性を主張す。またしても、米利上げ期待がいつもながら材料視。17日の煮え切らないFOMC議事録後のドル売りも一服。

欧米株価は弱く、米金利は上昇、NY連銀Nowcasは第3四半期GDP予測値2.43→2.96%へ上方修正へ。ただし、為替相場での大きな反応は見られず。

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USDJPYは、100.00~100.50円のレンジで同意薄。100円割れでは当局の口先介入と株価サポートによる円売り期待に下値トライはやや薄らいではいるが、戻り高値も100.50と限定的で、円高期待感は消せず。FOMC議事録後の高値100.65と、直近のレンジ99.50~101.20円の相場を抜け出すまでには相当の材料と時間がかかりそう。

EURUSDは、1.1300~1.1330-50のレンジで1.1320を中心とした狭い動きに陥り同意薄。強い英小売売上高にEURGBPは上昇傾向が続いていたが、今度は逆に続落し、EURUSDを底堅くしている。また、EURJPYは113円台を抜け出せず、113.20~60の安定相場が続く。

AUDUSDは、中国との電力公社買収問題なのかは不明ながら、クロスでもAUDの弱さが目立った。AUDUSD0.7600の大台を何とか死守してはいるも、戻りも0.7630止まりで反発力は弱い。

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ウィリアムズSF連銀総裁=利上げを過度に先延ばしすれば経済が払う代償は大きい。9月もすべての会合と同じく利上げの可能性はあり得る。

NY連銀Nowcast=第3四半期GDP予測値2.43→2.96%へ上方修正。7月の鉱工業生産と設備稼働率が強い。

メイ英首相=EU基本条約(リスボン条約)50条規定にもとづき、ドイツ、フランス選挙前となる、2017年4月までにEU離脱をEU理事会に通知する意向。

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2016/08/19

2016年8月19日(金曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年8月19日(金曜)欧州・米国市場序盤の動き

週末の金曜日、オリンピックの熱狂とはことなり、為替相場はいたってクールで、USDJPYを除きドル買いが続き、特に、GBPUSDの売りがリードしたドル買いに、AUDUSD+USDCADでもドル買いが目立った。

欧州株は弱く、米株は小幅安からスタート。金利は上昇傾向が続き、原油価格は48ドル台半ばで堅調に推移。

USDCADは、原油価格の上昇傾向を維持するも、カナダの小売売上高は、予想外のマイナスで前月分も下方修正へされ、カナダのCPIも前月比はマイナス幅が拡大し、一時1.2890台へ上昇し、カナダドル売りが強まる。1.2900の大台が重要なポイント。

GBPUSDは、昨日の強い英小売売上高と英国のEU離脱による景況感の悪化が弱まり、拡大していたGBP買いポジションの反動なのか、弱さが目立ちドル買いをリード。1.3000を割り込むか? 重要なポイント。

USDJPYは、クロスで円は強く戻り売りが続く。アジア市場の高値100.45、欧米市場の高値は100.40円手前と、相変わらず100.50円を超えられず。戻り売りの流れが続き、99.80~100.50を抜け出すことができるかを注目したい。

AUDUSDは、GBPUSDに次いで弱さが目立ち、一時0.7600近くまで下落、戻りも0.7650と限定的。

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2016年8月19日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年8月19日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

週末の金曜日、特に重要な経済指標や発言の予定もなく、株価と連動しながらも、為替相場は週末のポジション調整色の強い動きの中で、ドル買い+円買いの流れが目立っている。

日経平均株価は+59.81(+0.36%)と小幅上昇するも、欧州株は総じて軟調に推移。米金利は強く、原油価格は48ドルを割り込みやや弱含みで推移。

USDJPYは、水準から判断すると円先高期待が続いているが、どうしても100円割れ、特に99.80円以下は、直近の安値水準の50~60台を意識して、底値での売り意欲は弱いが、逆に100.40~50の戻り売りが強くなっている。

EURUSDは、FOMC議事録直後の1.1260台から1.1360台まで続いたユーロ高の流れの調整と思われるが、1.1200を割り込むような大相場も期待できず。

GBPUSDは、昨日の強い英小売売上高と、英国のEU離脱による景況感の悪化が弱まる調査結果など、超悲観的なムードが弱まり、ポンドの買い戻しに繋がっていると思われる。ただ、1.3200の大台が大きな壁になっており一直線の上昇は考えにくくEURUSDと同じくFOMC議事録直後のポンド買いスタート地点の1.3010~20、さらには、急進が始まった1.3050が下値のめどと思われる。、

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