2016/08/21

今週の為替相場を考える(8月22~26日)

今週の為替相場を考える(8月22~26日)

海外勢ではサマーバケーションからの本格的な復帰は、まだ時間が必要と思われますが、本邦勢はお盆も終わり今週から市場に徐々に復帰してくることでしょう。

FOMCメンバーの中で意見の相違が先のFOMC議事録で示される中で、最近ではダドリーNY連銀総裁を筆頭にタカ派の意見も目立っています。

今週の材料からは金曜日のイエレンFRB議長のジャクソンホールでの発言が最も注目されてはいます。「11月の米大統領選+FOMC内の意見の相違」、などの状況で自主的に相場を誘導するような発言をイエレン氏に期待することは難しいのではないでしょうか? 

11月8日の米大統領選を前にして、次々11月1日のFOMCで政策を変更することは難しく、次回のFOMCは9月21日が実質的に選挙前の最後のFOMCとも考えられ、どのような結論をだすのでしょうか?

さて今週ですが、重要な発表や発言が少なく、今週の為替相場は週末金曜日に集中する経済指標では、日本のCPI、仏英米のGDPの改定値と、共に最重要とは言い難く、実質的に最後の夏休み週相場となる可能性もあります。

その分だけ、来週以降の為替相場への変動期待が高まることでしょう? または、その動きを先取りした、ビックプレーヤーが週末の金曜日にポジションを作り出す可能性も否定はできず、週末は要注意!


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【通貨ペア別のレンジ予想】

◎USDJPY 【予想レンジ 99.50~100.80】大相場【98.40~102.10】
『今週も2段構え』

今週の経済指標や発言などを考えると、日本のサプライズなCPIや、イエレンFRB議長の予期せぬ発言以外では、①政府・日銀が予想外の意図的な円安誘導をする、または、②休み明けの実需筋が予想外に大量の円売りをする以外に、円相場の変動は考えにくいものがあります。

最も、日本の実需筋がお盆休みに入る前のUSDJPY相場は約101~102円での推移であったことを考えれば、100円割れ、特に99.70~80前後での買い意欲は当然ながら考えられますが、逆に101円台の上値は重くなることも考慮に入れる必要がありそうです。

先週は夏休みムード全開の中で、主要通貨ではドル売りの流れが続き、円クロスではやや円買が鈍くなっているようにも見えますが、市場参加者が本格参入するまでは正直なところ次の一手を自ら仕掛けることも難しいのではと思えてなりません。

今週は、99.50~100.80のどっちつかずのレンジをメインシナリオとして考えていますが、リスクシナリオとしては、予想外の変動時には、98.40~102.10円のレンジへと拡大して考える必要もありそうです。


◎EURUSD【予想レンジ 1.1225~1.1425】 
『上昇傾向の中で、調整局面の可能性も』

6月24日の英国のEU離脱選択直後の下げから値を戻し、ようやく出発点近くとなる1.14台が目の前に迫っています。ドイツを筆頭に予想外に強いユーロ圏の経済指標に、スタート地点への復活を目指す動きとなりそうです、先週末の終値は弱く、やや不安材料を残しています。

今週は、24日の独GDP、26日の仏GDPを含め金曜日に集中する米経済指標と、イエレンFRB議長の発言が相場を決定づけることになりそうです。


◎GBPUSD【予想レンジ 1.3000~1.3180】
『ポンド安相場は変わらず、ただし、1.30を割り込むまでは売り込みにくい』

メイ英首相は、EU基本条約(リスボン条約)50条規定にもとづき、ドイツ、フランス選挙前となる、2017年4月までにEU離脱をEU理事会に通知する意向を示しています。

英国のEU離脱を選択して以降の、英国の経済は最悪の事態から好転しているようにも見えますが、政治的・経済的な影響の不透明性は否定できない現状では、ポンドを中長期間に渡りロングにすることはできそうになく、引き続き戻り売りの相場環境が続いています。問題はポンドショートポジションを維持している市場参加者が最も多く、調整局面を見極める必要もありそうです。


◎AUDUSD【予想レンジ 0.7580~0.7750】
『調整局面が終わり下げ止まるかを、見極める週』

比較的高金利の優位性を生かした、夏休みを前にしたパーキング資金の巻き戻しなのかは不明ですが、0.7750台をピークに値を下げ調整局面が続いています。ただし、0.7500を割り込むような大幅な調整が続くとは思えず、0.7580も重要なポイントをボトムにして下げ止まれば、今までのレンジとなる0.7580~0.7750への動きが期待できそうです。

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