2016/08/28

今週の為替相場を考える(8月29~9月2日)



今週の為替相場を考える(82992日)

はやくも、21日の日米金融政策をにらんだ相場で、難関は2日の米雇用統計!

ジャクソンホール・シンポジウムの台風も過ぎ、イエレンFRB議長をはじめ、重鎮の利上げ示唆発言で、盛り上がる米早期利上げ期待を引き継いでいる。今週は、フィッシャーFRB副議長いわく、「米雇用統計が、利上げ決定を左右する可能性」発言に、そうでなくても変動が激しい米雇用統計はさらに重みが加わり、台風再来で大相場になる恐れの警戒が必要となる。

921日の日米金融政策の発表が今後の為替相場を含め、金融市場全体に大きな影響を与えることは避けられず。仮に米利上げが濃厚になり、米利上げ濃厚で金融市場が混乱し、安全資産の円が買われるのか?(ある程度は織り込み済みとおもうが!) いや、逆に「米利上げ+日本追加緩和」の真逆の動きの深化に円は売られるのか?

先週金曜日の米国市場後半の動きは、米利上げ期待を織り込みながら、円売りへと変化しており、円ロングの巻き戻しの可能性は大と判断するも、日米金融政策の違いを意識している可能性も否定できず。その結論を出すためには、今週の日本株+米株の動きを注視する必要がある。

つまり、先週末の米国市場で起きたのは、米利上げ期待の「米金利上昇+米株安」=米ドルの上昇。これが、週明けから日本株の売りへとつながり、結果として円高傾向になれるのだろうか? そうならなければ話は別でより深刻な状況を予想せざるを得ず!

それと、94から5日の杭州G20での動きもちょっとは気になる。上海G2022627日)から続く米財務省による人民元(+円)への自国通貨安を抑制する動きは、どうなのであろうか? もっとも102.50円を大幅に超えない以上は、その心配も杞憂に終わる可能性が高い。

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【通貨ペア別のレンジ予想】
全体的に9月の米利上げを意識した動きが続きそうで、『米雇用統計までは、ワイドレンジの上下変動の高い相場』の中でどこまでドル買いが続くのかを見極める週を予想。


USDJPY 【予想レンジはワイドで、100.50102.80

日米の金融政策の違いなのか、ジャクソンホール・シンポジウムから円ロングの強烈な巻き戻しに結果として、USDJPY相場は100円割れを定着することができなかったばかりか、101円台に逆戻り。

これで729日に予想外に弱い米第2四半期GDP速報値に、105円台から急落が開始し、816日にダドリーNY連銀総裁らの米利上げ期待をしさする発言にもめげず、円高となりドル売り相場をリードしていた流れに変化が見られた。

729日に21MAを割り込んでから逆に上抜けしており、円に対しての見方も分かれてくる可能性を意識しながらも、今週は、先に暫くレンジ相場となった大枠100.50102.80円(狭く見ても100.80102.50円)へと逆戻りした動きを予想。

冒頭にも書いたが、日米金融政策の真逆の動きを意識し再燃した円売りなのか? 単に積み重なった円ロングポジションの巻き戻しが連鎖した円売りなのか? 自信を持って判断することはできず。

週明けから始まる日本株が株安+円高へと変化するのか? しないのか、あるいは連動性が弱いのか? 週末の杭州G20の円相場への影響は? これらを見極めながら、92日の米雇用統計の一大イベントを前にして、日本株の変動と合わせ、円相場は上下変動が激しくなる可能性が高い。米雇用統計までは、100.50102.80のレンジの上下で、その流れが変化するのは、米雇用統計の結果次第と考えたい。



EURUSD【予想レンジ 1.11001.1300
 
ジャクソンホール・シンポジウムで、816日から始まったEURUSD上昇スタート地点に逆戻りし、1.111.1300のレンジに留まるのか? 1.1100を割り込むと続落の可能性も。

英国のEU離脱の悪影響も薄れ、英国・ユーロ圏の景況観はボトムから改善傾向にあり、ユーロショートポジションも減少気味の中でのユーロの下げによる影響が気になる。引き続き金融機関や不動産にとっては重荷で、潜在的な弱さは免れず。

今週は、独CPI、独・ユーロ圏雇用統計以外に大きなイベントも不在で、週末の杭州G20の影響も受けにくい。92日の米雇用統計の影響があまりにも大きいこともあり、1.11001.13009のレンジを予想するも、予想外の結果にこの範囲で収まるか、予断を許さず。


GBPUSD【予想レンジ 1.30001.3300

週末のドル急騰の中で、主要通貨では唯一週足ベースで上昇をしていた。長期的なポンド高を予想するには時期尚早と思えるが、先週の結果をどう考えればいいのであろうか? 29日にロンドンは休日となり3連休前、そして、ジャクソンホール・シンポジウムのイエレンFRB議長の発言を前にした、積み上がったポンドショートの巻き戻しではと思えてならない。

最新のIMMポジションでもポンドのショートだけは高水準を維持していたことを考えればなおさらである。EURUSDと同様に、92日の米雇用統計の影響があまりにも大きいこともあり、この予想レンジに収まるか、予断を許さず。



AUDUSD【予想レンジ 0.74500.7650

ジャクソンホール・シンポジウムで、週初の安値0.7580を割り込み続落し、売りの流れへと変化し、0.7400を割り込むとさらに深刻。

82日に利下げを実施した後の上昇局面で、中銀の豪ドル高けん制発言もあり、前週に0.7700台で相当の売りが出たこともあり、積極的に下値を売ることも考えにくいものの、92日の米雇用統計の結果により大相場になることは間違いなく、その動きの前に上下変動の激しい動きも予想せざるを得ない。

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