2017/06/30

2017年6月30日(金曜)アジア市場の動き

2017年6月30日(金曜)アジア市場の動きとFXオプション

週末・月末の金曜日の特殊要因も加わり、主要国の緩和縮小の思惑や強い米GDPもあり世界的な株安の中で、アジア市場では日経平均株価は2万円の大台を維持するも、-186.87(-0.92%)の低下。日本国債利回りは一時0.09%台へ上昇、弱さが目立つ日本の経済指標にも円売りは弱く、逆に28日、29日の安値111.80台を割り込み、円高傾向を維持しています。

為替市場では、NZDUSD+0.39%と強さが目立ち、昨日唯一前日比でドル高へと動き、出遅れムード満点の通貨の買いが目立っています。豪中銀と同じく、NZ中銀の今後の緩和縮小を期待するNZドル買いも考えやすいのではないでしょうか?

AUDUSDは、豪州株価が軟調に推移する中、債券利回りは上昇し、強い中国PMIに0.7700の大台を達成、利食いの売りに押され0.77の大台を割り込むも強さを維持。AUDJPYの高値は86.35と前日29日の高値86.54を意識しながらの動きとなっています。

USDJPYは、昨日の113.00円手前からの急反落の影響と月末の特殊要因もあり、弱さが目立つ日本のCPI、鉱工業生産、雇用統計にも、円売りは極めて限定的。28日の安値111.83、29日の安値111.81を割り込み、短期筋のストップを誘発するも、111.73をボトムに下げ止まる。円クロスでは大きな変化は見られません。


◎日本全国CPIは前年比コアで前回より伸びるも、総合とコアコアは期待通りの伸びを示さず
◎先行する東京都区部CPIは前年比0.0%(前回0.2)、コアコア-0.2%(前回0.0%)と弱さが目立つ。
◎日本失業率は3.1%(予想・前回2.8%)と悪化。
◎日本鉱工業生産・速報値は、前年比6.8%(前回5.7%)と拡大するも、前月比は-3.3%(前回4.0%)と弱さが目立つ。
◎中国製造業PMIは51.7(前回51.2)、非製造業54.9(前回54.5)と強さが目立つ。

2017年6月30日(金曜)昨日29日、海外市場の動き

2017年6月30日(金曜)昨日29日、海外市場の動き

BOE、ECB、BOCの金融政策の方向転換の思惑がFRBの年内利上げ観測の高まりを招き、独・スペインCPIは上昇し米GDPは強く、金利は上昇し株価は下落。

為替相場は、英国・ユーロ圏・カナダの利上げ期待が高まりドル売り傾向が続く中で、利上げ期待が乏しい円は弱くUSDJPYは一時113円直前まで上昇し、クロスでも円は一時全円安となった。

強い米GDPに米金利は上昇し一時ドル買いが強まるも続かず、円以外の主要通貨でドル売りの流れが続く。EURUSDは1.1445(昨年8月来の高値)、GBPUSDは1.3015(1.30達成)USDCAD1.2986(1.30割れ達成)へ。

ブラード・セントルイス連銀総裁のハト派発言や米株や日経先物の下げ幅が加速すると、USDJPY113円から円ショートの巻き戻しが強まると、USDJPYは111.80まで急落、クロスでも円ショートの巻き戻しが加速。主要通貨は円クロスの調整にもかかわらずドル安値圏で推移へ。

前日比では、AUDUSD+0.58%、GBPUSD+0.63%、EURUSD+0.55%、USDCAD-0.30%、USDCHF-0.40%、USDJPY-0.14%と、ドル売り勢ぞろいとなるも、NZDUDSは-0.08%と小幅ながら一人負け。

GBPUSDは、8月の緩和縮小期待が続き1.30の大台乗せを達成。市場参加者の押し目での買い意欲は強く下げ幅限定的で、当面の目標は→5月中旬の高値1.3048が目標へ。

USDCADは、7月の金融政策の変化を期待し1.30の大台割れと達成。原油価格の変動に伴う動きは鈍く、当面は1月下旬の1.2968が目標へ。

USDJPYは、今日の日本全国CPI待ちながら、他の主要国との政策の違いは避けられず。昨日の大幅な調整の余波は残るも、前日の安値111.80台で下げ止まり、111.50~113.00のレンジから上値トライは終わらず。

◎ユーロ圏消費者信頼感は-1.3で速報値と変わらず
◎ユーロ圏経済信頼感は111.1と予想を上回る。
◎独CPI・速報値(HICP)は前年比1.5%と予想の1.3%を上回る。
◎米第1四半期GDP確報値は、前年比1.4%と予想1.2%を上回り、コアPCE価格指数は2.0%と予想と前回の2.1%を下回る。
◎新規失業保険申請件数は24.4万件と予想を上回り悪悪化へ。
◎ホールデンBOE政策委員=政策金利はインフレが高止まりするリスクを最小化するよう設定される必要がある。
◎ブラード・セントルイス連銀総裁=FRBは将来の政策に関し、過剰にタカ派的。現在のFF金利誘導目標は適切。

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ホールデンBOE政策委員=政策金利はインフレが高止まりするリスクを最小化するよう設定される必要がある。インフレに注意を払う理由の一つは低所得者に甚大な影響を及ぼすため。

ブラード・セントルイス連銀総裁=金利に関しFRBが為すべきことはもはやない。次の一手はバランスシートの縮小開始で、正常化には最低5年を要する。

ブラード・セントルイス連銀総裁=FRBは将来の政策に関し、過剰にタカ派的。現在のFF金利誘導目標は適切。

ムニューシン米財務長官=北朝鮮が態度をあらためるまで資金を止める。北朝鮮への制裁で中国を標的にしていない。

ムニューシン米財務長官=経済を3%または、それ以上に引き上げることを100%公約する。FRB議長に関してはまだ何も決まっていない。

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2017/06/29

2017年6月29日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月29日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

為替市場は、上昇を続けるEURUSDは欧州市場に入り高値1.1435、GBPUSDも1.3007で頭打ち。EURとGBPと共に市場をリードしていたUSDCADは1.300の大台を目の前にして下げきれず停滞。円は他通貨で続落し、USDJPYは一時112.90台へ上昇するも、米株が弱く利食い売りに112.50台へ軟化。

注目の米GDPは予想と改定値を上回るも、コアPCE価格指数は2.0%と予想と改定値にとどかず。独CPIは速報値で前年比1.6%と予想と前回を上回る。

欧州株(EUROSTOXX50)は-25.49(-0.72%)低下、米株は前日とほぼ同水準からスタート。米10年債、2年債利回りは上昇へ。

◎ユーロ圏消費者信頼感は-1.3で速報値と変わらず
◎ユーロ圏経済信頼感は111.1と予想を上回る。
◎独CPI・速報値は前年比1.6%と予想の1.4%を上回る。
◎米第1四半期GDP確報値は、前年比1.4%と予想1.2%を上回り、コアPCE価格指数は2.0%と予想と前回の2.1%を下回る。
◎新規失業保険申請件数は24.4万件と予想を上回り悪悪化へ。


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2017年6月29日(木曜)アジア・欧州市場の動き

2017年6月29日(木曜)アジア・欧州市場の動き

ドラギ&カーニー&ポロズショックは収まらず。

緩和策の方向展開を期待し上昇を続ける、EUR+GBP+CAD。それに、商品価格の上昇と緩和圧力の低下期待をこめたAUDの上昇も加わり、ドルと円は全面安。

日経平均株価は+89.89(+0.45%)と上昇傾向が続き、アジア・欧州各国の株式市場も上昇傾向を維持しています。

USDJPY相場は周知の通りクロスの円売りや株高に支えられ112円台をキープし上昇余地を残しています。昨日の高値112.47を意識しながらも、112.50のポイントでは売りが多いと思われますが、投機筋は円ショートを維持し虎視眈々とブレークチャンスを狙っていることでしょう。円ショートの積み上がりが気になりドル円のロングの利食い売りも出そうですが、押し目買いの流れが続き、買いたい水準まで下がらない状態が続いています。

GBPUSDは、BOEのチーフエコノミストのマカファーティー政策委員が緩和縮小の支持に動き、カーニーBOE総裁もそれを容認したのか、一気に1.30台の大台と18日の高値1.3048を目指す動きが続き、それがアジア市場でも続いています。一時的な売りの流れへ変化は相場ですので可能性はありますが、潜在的なポンド買い需要はそう簡単に変わりそうにありません。

この流れはGBPUSDとUSDCADでも変わらず。サプライズは、それに続き豪中銀が緩和策の縮小に動く可能性ですが、そこまで考えるのは先走り感が強すぎるのでしょうか?

これからの欧州市場では、ユーロ圏の消費者信頼感の確報値を含め、ユーロ圏の各種景況感指数の発表や、独CPIの速報値が新たな材料になっています。

米国では、第1四半期の確報値が発表されます。前期比年率の予想は1.2%と改訂値と変わらずの予想となっています。


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関係者(トランプ政権)=入国禁止令を日本時間30日午前9時に執行

2017年6月29日(木曜)昨日28日、海外市場の動き


2017年6月29日(木曜)昨日28日、海外市場の動き

ドラギ(ECB総裁)、カーニー(BOE総裁)、ポロズ(カナダ中銀総裁)とタカ派せいぞろいに、ドル全面安&円安へ。

昨日のドラギECB総裁のタカ派発言に続き、カーニーBOE総裁も「数カ月以内に利上げを討議する」と将来の緩和縮小にアクセルを踏み込みGBP急騰。

ECB関係者は「ドラギ総裁発言は、差し迫った政策引き締めを意図せず」と逆にブレーキを踏み込むも、EURUSDは高値圏で推移。

為替相場はドル安+円安で、ヒーローはカナダドル、USDCAD-1.20%とボロズ総裁のタカ派発言と原油高がフォロー。次にGBPUSD+0.86%でカーニー総裁発言に尽き、AUDUSD+0.75%、NZDUSD+0.49%と資源価格の上昇期待とドルへの信頼感の低下がフォロー。EURUSDはブレーキを踏み込まれるも+0.34%と緩和縮小の期待感は変わらず。

米10年債利回りは前日2.2→2.22%小幅上昇へ、2年債は逆に1.369→1.349へ低下。米株は強く、ダウは+143.9(+0.68%)、S&P+21.31(+0.88%)、Nasdaq+87.79(+1.43%)。原油価格は原油在庫の予想外の増加にも+0.50(+1.13%)上昇の44.74ドルへ。

EURUSDは、欧州市場でECB関係者から前日のドラギ総裁発言は「差し迫った政策引き締めを意図せず市場は誤解との報道に、債券利回りは低下し一時1.1380→1.1290台まで一時下落。カーニーBOE総裁のタカ派発言がと飛び出し、債券利回りは持ち直しドル売りが加速し1.1390台と1.1400の大台を目指し上昇。弱い米中古住宅販売やEURJPYの上昇もあり高値圏で推移。

GBPUSDは、カーニーBOE総裁のタカ派発言が全て。「数カ月以内に利上げを討議する」との報道に、1.2840台→1.2972と1.300の大台直前まで急伸。英金利の上昇もありポンドはクロスでも全面高で、GBPJPYは144.00→145.50台へ急騰。1.300の重要なポイントで上値を抑えられ1.2910台まで値を下げるも、1.29000台を維持。

USDJPYは、困ったもので円自体の材料は乏しく、ECB、BOE、BOCと利上げ期待が強まる中でクロスでは円の全面安。ドル売りの流れにも円買いは見られず、USDJPYは111.80~112.50のレンジで上下し、112円台を維持し円の弱さを維持。クロスで円の全面安の状態ではUSDJPYの売りは期待薄ながら、調整局面に入ると一機に円高へと動く可能性は否定できないが、その時期が見えず押し目買いの動きを継続中。

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カーニーBOE総裁=英経済が完全稼動の状態に近づくにつれ利上げを実施する必要が出てくる可能性があり、数カ月以内に利上げを討議する。

カーニーBOE総裁=企業投資の増加が、消費の減速を相殺しているのか、政策担当者は検証する必要があり、向こう数カ月に討議をし、金融刺激策の一部の引き上げが必要になる可能性がある。

複数のECB関係者=ドラギECB総裁の発言は、差し迫った政策引き締めを意図せず。ユーロ圏経済の力強さと金融面での支援が引き続き必要なことのバランスをとることを意図したもの。

ショイブレ独財務相=2018年予算と2021年までの政府支出見通しには、ECBの利上げによる影響を勘案し引当金を盛り込んだ。

ポロズ・カナダ中銀総裁=2015年に実施した利下げがその役割を成し遂げた。余剰生産能力が使い果たされる中、新たな金利決定に近づきつつあるが、先入観は持ちたくない。

ポロズ・カナダ中銀総裁=カナダ経済が第1四半期に予想外に堅調な成長を記録、成長の緩やかな鈍化が見込まれるものの、大幅に減速することはない。→ カナダの7月の利上げ確率が30→43%へ上昇し、カナダドルは4か月の高値へ。

オバマケア代替法案=採決延期を決めたが、共和党内からは法案の大幅修正を求める声も上がる。

フランス6月の消費者信頼感指数は108(予想103 前回103)と10年ぶりの高水準を記録。


法人税収の落ち込みに、7年ぶりに日本の税収は前年度を下回る


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2017/06/28

2017年6月28日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月28日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

ECB関係者は利上げ期待の過熱を冷やし、カーニーBOE総裁は刺激策の解除の可能性を示唆、EURUSDは下落、GBPUSDは上昇、(ドラギECB総裁の発言待ち)

EURUSDは一時1.1380→1.1290台まで一時下落。ドラギECB総裁の発言前の前哨戦で、ECBの関係者は昨日のドラギ総裁発言について「差し迫った政策引き締めを意図せず市場は誤解、バランスの維持が狙い」と市場の利上げ期待の過熱した緩和の縮小期待を冷やす。

逆にGBPUSDは、1.2840台→1.2940台へと急伸、EURGBPは0.8870台→0.7770台へ下落。カーニーBOE総裁は「ある程度の刺激策の解除が必要になる可能性」を指摘、緩和の縮小を期待する動きにドル売りが強まる。

米株は100ドル近く上昇して始まり、米債利回りは上昇幅を縮小、原油価格は44ドル近辺で変わらず。

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カーニーBOE総裁=これからの数か月間で利上げを議論する可能性があり、ある程度の刺激策の解除が必要になる可能性。金融緩和措置を部分的に解除する必要性が出る可能性も。

複数のECB関係者=ドラギECB総裁の発言は、差し迫った政策引き締めを意図せず。ユーロ圏経済の力強さと金融面での支援が引き続き必要なことのバランスをとることを意図したもの。

ボロズ・カナダ中銀総裁=2015年に実施した利下げは役割を成し遂げた。我々は新たな金利決定に近づきつつある。今後の経済成長はやや鈍化する見通しだが大幅に減速することはない。

ECB公表データ=5月のユーロ圏の銀行融資は、4月2.4→2.6%へ加速し2009年3月以来の高水準、企業向けは2.4%で変わらず。家計向けが金融危機後で最大の伸びを記録。

エドワーズ元豪中銀理事=インフレ率が目標に戻り経済成長率が3%に加速するとの予想に、豪中銀は恐らくすでに利上げプログラムを検討していると分析。予想通りなら2018年、2019年に0.25%の利上げを計8回実施の可能性がある。引き締め開始が早まる可能性もあり、引き締めそのものでなくとも少なくとも引き締めを示唆するシグナルが発せられるだろう。

ウイリアムズSF連銀総裁=米国は実質賃金の伸びが生産性上昇ペースを上回っている。労働市場の引き締まりで、賃金の伸びが加速する兆候がある。

S&P=ユーロ圏の2017年の成長見通しを1.6(3月)→2.0%に上昇。ECBは、中銀預金金利は2018年終盤に引き上げられる可能性、QEプログラムを2018年まで延長も、ペースはかなり緩やか。



2017年6月28日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月28日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

昨日のドラギECB総裁発言で火が付いたEURの上昇は、今夜(22:30時) ポロズカナダ中銀総裁、ドラギECB総裁、カーニーBOE総裁討論会での発言待ち。

さらにEURの上昇が加速するのか、それとも過熱感を冷やそうとするのか?(こちらの可能性が気になります)。7月20日、9月7日のECB理事会で緩和縮小の開始期待は強く、いずれにしても押し目でのEUR買いの流れは簡単に消えそうにありません。(8月3日のBOE金融政策委員会でも同様の期待感は消えず)

日経平均株価は-94.8(-0.47%)と弱く、マザーズの下げ幅は大きくなっている。原油価格(WTI)は44.19の高値から43.80台まで低下。米金利は小幅上昇へ。

EURUSDは、今夜のECBフォーラムでの発言待ちですが、1.14台を達成したこともあり、流れは上昇なのですが現状ではこの水準から積極的に買い上げる勢いは弱いのではないでしょうか? ドラギ総裁の発言ではブル・ベアを問わず結果を受けた後は上下100point超の変動は覚悟が必要も。

GBPUSDは、EURUSDに連動しながらも、1.28の大台を達成したことで、一つの目標地点へ到達。昨日は、カーニーBOE総裁発言から今後の金融政策に関しての発言はなく、がっかりしている市場参加者は多いことでしょう。今夜こそはと期待しながらも、1.2700をバックにして押し目買いを意識してしまいます。

◎フォルザ世論調査=メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)の支持率が40%で2015年9月来の高水準。
◎カンフリBOE副総裁=企業投資と輸出の回復がどの程度、消費の鈍化を相殺できるのかポイント。
◎ポルトガル・シントラのECBフォーラム(22:30)= ポロズカナダ中銀総裁、ドラギECB総裁、カーニーBOE総裁討論会の出席
◎コンスタンシオECB副総裁=ECBフォーラムでのドラギ総裁の発言内容はECBの政策と完全に一致。

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世論調査機関フォルザ=メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)の支持率が40%(中道左派SPD23%、緑の党9%、極右AfD7%で2015年9月来の高水準。

カンフリBOE副総裁=企業投資と輸出の回復がどの程度、消費の鈍化を相殺できるのかを見極めた上で、利上げの是非を判断。

ポルトガル・シントラのECBフォーラム(22:30)= ポロズカナダ中銀総裁、ドラギECB総裁、カーニーBOE総裁討論会の出席

コンスタンシオECB副総裁=現在の失業率は通常の雇用測定で国際基準では9.3%に当たる。しかし米国のように広い概念の失業(U6)を採用すれば、失業率は18%になるが、米国では9%と大きな相違がある。

コンスタンシオECB副総裁=ECBフォーラムでのドラギ総裁の発言内容はECBの政策と完全に一致している。

2017年6月28日(水曜)昨日27日、海外市場の動き

2017年6月28日(水曜)昨日27日、海外市場の動き

ドラギECB総裁のタカ派発言にECBの金融政策の変化を期待し、EURは急伸。

米債利回りは上昇し株価は下落。イエレンFRB議長は想定内にとどまり、IMFは米成長を下方修正し、米上院共和党はオバマケア代替法案を週内に採決できず。ドルの強さは見られず。

為替市場は強弱2極化。EUR+CHF+GBPは強く、JPY+AUD+NZDは弱く、円はクロスでも全面安。

EURUSDは、ドラギECB総裁発言を受けECBの金融政策の変化を先取りし上昇が目立ち、独債券利回りは0.245→0.37%へ急騰。EURUSDは1.1180台→1.1350近くへと昨年8月の水準となる1.13台へ急伸、前日比1.40%と大幅上昇へ。EURはクロスでも全高で、EURJPY1.87%、EURGBP0.67%と上昇率も高い。

USDCHFもEURCHFの影響があるのか、0.9730台→0.9590台へと急落、CHFはクロスでもEURCHFを除き全面高で、CHFJPY1.68%上昇するなど、前日比-1.27%と大幅な変動へ。

GBPUSDは、BOE金融安定化レポートやカーニーBOE総裁発言も特に材料とならず、EURGBPの影響にGBP売り圧力を受けながらも、8月のBOE金融政策委員会で金融政策の変更期待が膨らみ、終盤にかけては瞬間1.2860近くへ急伸するなど、前日比でも+0.72%と上昇幅を拡大。GBPJPYも1.15%上昇へ。

USDJPYは負け組へ。ドラギECB総裁発言を受けたユーロ圏の金利上昇と米金利の上昇の影響に円は全面安。EURJPY、GBPJPY、CHFJPYとクロスでの円売りが激しく、5月24日の高値102.13を上回ると112.47まで続伸。112.50のオプションがらみなどテクニカルポイントを前にして伸び悩むも、112円をボトムに底堅く推移。

◎ドラギECB総裁は、強弱両面で発言するも市場はタカ派発言に注目。「すべての兆候はユーロ圏の景気回復の強まりと広がり示唆、デフレ圧力はリフレに変わった」と、緩和縮小の可能性を示唆→ EUR急伸。
◎イエレンFRB議長は、低失業率がインフレを上昇させると確信。緩やかなペースの利上げを市場も予想、注意深く見守る。
◎フィッシャーFRB副議長は、リスク選考度の上昇を警告
◎IMFは米経済予測値を予想に組み込まれていた財政面の刺激策を除外し下方修正へ。
◎米上院共和党はオバマケア代替法案の採決を休会前にできず。
◎S&Pケースシラー住宅価格指数は予想を下回るも、CB消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数は予想を上回る。
◎カーニーBOE総裁は、英総選挙によるブレグジット緊急対応プランを変更せず。現時点で利上げは望ましくない。


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IMF(米経済年次審査報告)=米経済予測を引き下げへ。トランプ大統領の減税とインフラ支出拡大で成長が押し上げられるとの想定を予測から除外(予想に組み込まれていた財政面の刺激策を除外)。米経済成長の予測値(4月時点比)は、2017年2.3→2.1%、2018年2.5→2.1%。

IMF(米経済年次審査報告)=米経済には人口の高齢化から生産性の低い伸びに至るさまざまな問題があり、労働市場がすでに完全雇用に復帰した状況でトランプ政権が目指す年間3%の成長は難しいと判断。

オバマケア代替法案(米上院共和党)=7月4日の米独立記念日の休会前の採決を目指したが、採決を先延ばしへ。

BOE=銀行に定める自己資本を標準的な水準に引き上げた。

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁=ドル相場はFRBにとり現時点で大きな懸念ではない。

イエレンFRB議長=我々の時代に金融危機の再発を想定せず。新たな金融危機は排除できないが、システムは格段に安全。我々は自己資本に注目。最近の生産性の伸びは鈍化傾向。実質所得は米国の半分で停滞ぎみ。低失業率がインフレを上昇させると確信。緩やかなペースの利上げを市場は予想しておりそれを明確。

米5年債入札(340億ドル)=応札倍率2.33倍で4か月ぶりの低水準で、再考入札利回りは1.828%と7か月ぶりの低水準。

欧州連合(EU)=競争当局はグーグルに対し、競争法違反の制裁金としては過去最大となる24億ユーロ(約3020億円)を科す。

フィッシャーFRB副議長=最近の株・不動産の資産価格の上昇は景気の回復見通しとリスク選好度の高まりを反映。金融システムでは、脆弱性が過去に比べると度合いを弱めているが、自動車や学生ローンの融資残高が増加し、滞納率も上昇する傾向にあり監視が必要。


原油価格(WTI)=米在庫減少の予想に44ドル台を回復。






2017/06/27

2017年6月27日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月27日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

ドラギECB総裁発言で9月7日に緩和策の縮小の観測が強まり、EUR買いが強まる。注目のカーニーBOE総裁は「現時点で利上げは望ましくない」と、慎重姿勢は変わらずサプライズはなく、金融安定化報告も特に為替相場への影響は見られず。午前2時の英連FRB議長の発言待ちへ。

欧州市場に入っても原油価格(WTI)は緩やかに上昇を続け、一時44ドル台へと上昇。米金利は上昇を続けるも、為替相場はUSDJPYの上昇が続き円安で、AUDUSD+NZDUSDは上昇幅を縮小し強さも限定的で、逆にEURUSD+GBPUSD+USDCADで通貨高が進み、ドル売りが強まっている。

ドラギECB総裁は「デフレ圧力はリフレに変わった」といい、「すべての兆候はユーロ圏の景気回復の強まりと広がりを示唆」とし、EURUSDは急伸しドル売りをリード。USDJPY以外の主要通貨でドルは全面安。

USDJPYは、円ショートの巻き戻しとシリア基地への米軍攻撃の可能性との報道にリスク回避に選好され、一時111.50円割れまで下落するも、押し目買いは強くクロスで円売りが加速すると、112円を狙う水準へと逆戻りし、再び売りへと変化するも米金利の上昇による影響は限定的。

変動率からみると、EURUSD+0.95%、USDCHFが-0.81%と圧倒的に通貨高でドル売りをリードし、連れ高にGBPUSD+0.4%上昇。他の主要通貨は動きは鈍く、USDJPY+0.03%、AUDUSD+0.15%、NZDUSD+0.10%に留まっている。


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ドラギECB総裁=大規模な債券買い入れや超低金利といったECBの政策を微調整する可能性を示唆→ 9月7日に緩和策の縮小の観測が強まり、EUR買いが強まる

ドラギECB総裁=すべての兆候はユーロ圏の景気回復の強まりと広がりを示している。デフレ圧力はリフレに変わった。インフレ基調が持続的かつ自律的になるためには、かなりの金融緩和が依然必要。

シティ=メイ英首相は数か月以上持続は不可能で来年再度の総選挙が必要。

カーニーBOE総裁=英総選挙ではブレグジット緊急対応プランを変更せず。現時点で利上げは望ましくない。




2017年6月27日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月27日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

欧米市場でのイベントリスクを気にしながらも、為替市場の動きはドル売りを選択。

19:00時のBOE金融安定性レポートとカーニーBOE総裁の発言で、タカ派支持者が増えている中で、今後の金融政策についてどのような発言が飛び出すのでしょうか? 8月のBOE金融政策委員会に再び市場の注目をすることになるのでしょうか?

02:00時のイエレンFRB議長の講演で9月の利上げ期待が膨らむのでしょうか? それとも最近の強さが見られない米経済指標にハト派的は動きへと変化するのでしょうか?

日経平均株価は+71.74(+0.36%)と小幅高で平穏時に推移。原油価格はシリア基地への米軍攻撃の可能性もあり、43ドル台半ばで推移。

為替市場は、USDJPYは仲値過ぎに前日の高値と112円の大台を超えて112.08まで上昇するも5月24日の高値102.13を超えられず。逆に、シリア基地への米軍攻撃の可能性との報道に、リスク回避の円買いへとシフト(円ショートの巻き戻し)、111.60台まで値を下げている。

EURUSDとGBPUSDは上昇傾向を維持するも、前日の下げを埋められず上昇も限定的。逆に、AUDUSDとNZDUSDとは昨日の高値を更新、特にAUDUSDは0.76台を達成し強さが目立つ。


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ホワイトハウス=シリア政府が科学兵器を使った攻撃を準備していると警告。4月4日に化学兵器の攻撃を準備した兆候と、4月時ではトランプ大統領がシリア空軍基地へ巡行ミサイル攻撃を命じていた。

ウイリアムズSF連銀総裁=最近の米インフレの鈍化は一時的な要因によると思われる。景気拡大が続く限り金利は引き上げるべき。


2017年6月27日(火曜)昨日26日、海外市場の動き

2017年6月27日(火曜)昨日26日、海外市場の動き

為替相場は、弱い米経済指標にもかかわらず円の下落が目立ち、クロスでも円は全面安。主要通貨ではドルは予想外に堅調で小幅安にとどまり、原油・商品価格の上昇もあり、CAD+AUD+NZDは予想外に底堅く、米株は小幅上昇、逆に米金利は低下へ。

欧州市場では、独IFO業況指数が1991年来で最高となるも、ユーロ買いは限定的でEURUSDは1.12台から失速。懸念されたメイ首相は北アイルランドのDUPと閣外協力で合意が決定するもポンド買いを継続できず、GBPUSDは1.27をボトムに1.27台ミドルの上値を超えられず。USDJPYは111.50を超え111.70台で推移。

米国市場に入り、弱い米耐久財受注+シカゴ連銀全米活動指数+ダラス連銀製造業活動指数と、予想を下回る指標によるドル売りの流れも、米株高と金利低下も限定的で継続できず。USDJPYは111.70台→111.30台へ下落、EURUSDは1.1170台→1.1210近くへと上昇、GBPUSDは1.2750台を超えられず。

USDJPYは前日比で+0.49%と弱く112円を狙える水準へ。111.50を超えてストップの買いが強く、200日MA=110.79を上回る水準を維持、5月24日の高値112.13を狙う位置にあり、円は一弱で他の主要国に対しても全面安。独に強さを維持しているカナダドルと豪ドルに対しては弱さが目立ち、前日比ではCADJPY+0.70%、AUDJPY+0.74%、NZDJPY+0.62%。

GBPUSDは前日比+0.02%とほぼ同水準。メイ首相は北アイルランドのDUPと閣外協力で合意との決定は、逆にポンドの利食い売りを招いた流れとなり1.2750超えの上値は重い。閣外協力で過半数をかろうじて維持することが可能となるも、絶対安定数とは言い難く、メイ首相の政権維持能力も問われ、弱い米経済指標にも1.2750台を超えられず、結局は1.2705~1.2760のレンジで推移。

ダウは+14.79(+0.07%)、NasdaqとS&Pも小幅上昇へ。米10年債利回りは前日2.142→2.13%へ、2年債も1.34→1.33%へ低下。原油価格(WTI)は43.42(+0.41+0.95%)と上昇。

◎独IFO業況指数は115.1と予想114.5を上回り1991年来で最高となる。
◎メイ首相は北アイルランドのDUPと閣外協力で合意
◎米耐久財受注の新規受注は-1.1%と予想-0.6%、コア資本財の受注は前月比-0.2%と予想0.3%を下回り予想外に弱くドル売りが強まる。
◎ダドリーNY連銀総裁は、引き続き利上げを支持。
◎米最高裁はトランプ大統領の入国禁止令を部分的に認める判断を下す。
◎米共和党上院は26日にオバマケア代替法案を発表の予定。

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メイ英首相=北アイルランド・プロテスタント系政党、民主統一党(DUP)から議員10名の支持を取り付け、閣外協力を得ることで合意。

ダドリーNY連銀総裁=利回り差縮小、株価の過去最高値更新、債券利回りの低下は、FRBが金融引き締めを進める上で心強い。

独連銀6月の月報=国内製造業が国内経済の伸びをけん引しているとし、国内経済の力強い伸びは冬にかけて続く。

米最高裁=トランプ大統領の入国禁止令を部分的に認める判断を下す。→ 入国制限はイスラム圏6カ国から米国を訪れ、「米国人や米国内の企業や団体などと強い関係を持たない外国人を対象に」執行されるとし、米国内に家族や事業を持つなど、米国と関係を持つ人々には適用されず。

米2年債入札(260億ドル)=米2年債入札、最高落札利回り1.348%・最高利回り落札比率14.88、応札倍率3.03倍。

ドラギECB総裁=金利は成長が回復するため低くあるべき

2017/06/26

2017年6月26日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月26日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

原油価格(WTI)は43.53ドルと+0.52(+1.21%)上昇。日経平均株価は+20.68(+0.10%)と小幅高、欧州株は総じて上昇へ。

為替相場は、アジア市場で日本株も小幅な上昇にとどまり、全体的に緩慢な動きが続いましたが、ドル円相場は午後3時から流れは変化し、過去2日間(22日、23日)の高値となっていた111.45近辺を上抜けし、クロスでも円売りが強まっています。

次のポイントは、周知の通り20日、21日の高値111.78がターゲットになり、円高に傾きかけていたドル円の相場の反動もありこの水準を超えると112円のポイントが見えてきます。

他の主要通貨でドル円の上昇時には、一時ドル買いへと動きました、円クロスで通貨の買いが強まると、EURUSDは1.1180台→1.12050台へ、GBPUSDも1.2740台→1.2760へ一時上昇しましたが、ドル買いの流れに上昇は限定的で逆に値を下げドル買いへと動いています。

NZDUSDは1.7290→0.7270台のレンジから下値を試す動きとなっていますが、NZDJPYなどのクロスでは強気ムードの発言が目立っています。USDCADは原油価格もあり1.3270→1.3240へ小幅低下しカナダドル買いに動きています。

オプションでは、本日26日NY CUTでは行使価格、EURUSD1.1100、1.1185、1.1200、GBPUSDでは1.2700、1.2760が目立っているようです。

USDJPYのVOLは7.42→7.50へ、EURUSD5.76→5.88へ低下していますが、GBPUSD7.52→7.62へ上昇しています。RRはEURJYは円コールオーバーで、USDJPY0.91→0.93へ上昇、EURJPY0.77→0.72へ、GBPJPY1.44→1.40へ低下しています。円クロスでは円安、ドル円では円高を予想する動きとなっています。

明日27日のBOEの金融安定化報告とカーニー総裁の発言、イエレンFRB議長の講演と、内容によっては相場の変動率リスクが高くなる可能性もありそうです。

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ウィリアムズSF総裁=緩やかな利上げを続ける必要がある。米経済が完全雇用の状態にあり、インフレ率も来年、FRB目標の2%に到達するとみられる。長く待ちすぎれば、経済がいずれ過熱し、インフレなどの問題を引き起こす。緩やかな利上げを通じて金融政策を正常化すれば、より長期間持続可能な経済成長ペースを実現する助けになる。最近の物価低迷は一時的。

バイトマン独連銀総裁(25日)=景気と物価が正しい方向に向かっており、ECBが超金融緩和政策の解除について議論を始める時期が近づいている可能性


9月24日総選挙の世論調査(調査会社エムニド)=メルケル独首相の与党連合がリード。メルケル首相率いる保守系与党連合、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が社会民主党(SPD)に対する支持率の差を15ポイントに広げた。

日銀金融政策決定会合における主な意見(6月16日分)=金融政策運営に関して、「足元のイールドカーブが短国利回り上昇などからディレクティブと整合的な金利形成となっている点は好ましい変化である。→ 最近の短国・中短期の利回り上昇を容認しているとも受け取れるとの意見も。

BIS世界経済に関する年次報告書(25日)=日本の銀行は2007年以来、ドル建ての貸借を2倍強に増やしたため、前回の金融危機を悪化させたような資金調達面の衝撃から打撃を受けやすくなっている。BISが25日公表した世界経済に関する年次報告書で警告した。
 

イタリア統一地方選挙(25日投開票)=決選投票で、ベルルスコーニ元首相率いるフォルツァ・イタリアと、同党と同盟を組む中道右派政党が支持を大きく伸ばした。 全国世論調査でベルルスコーニ氏の中道右派ブロックの支持率は約30%と、反ユーロを掲げる「五つ星運動」と、ジェンティローニ首相とレンツィ前首相の民主党と三つどもえとなっている。

バブル期以来の海外不動産投資復活、日本集中より対外分散=少子高齢化の日本から、人口増加や成長が見込める海外への不動産投資が復活しつつある。米不動産サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は、海外不動産投資は1980年代のバブル期を第一世代とすると、現在は第二世代と分析。








2017/06/25

今週の為替相場を考える(6月26日~6月30日)

今週の為替相場を考える(6月26日~6月30日)

今週で6月も最後となります。為替相場を動かすテーマは焦点が揺らいできていますが、個別の通貨の状況を考えてみたいと思います。

ドルは、トランプ米大統領の信認の低下や、政策実行能力の欠如など問われており、インフラ投資や税制改革、国防支出の大幅増加、オバマケアの代案などなどうなったのでしょうか? マイナス材料を探すと多々ありそうですが、FRBの利上げ決定と年内の再利上とバランスシートの縮小開始の期待が潜在的なドルのサポート要員となっており、米株が上昇力を維持しており、米金利がある程度高水準を維持している間は、極端なドル売りも期待できそうにありません。

ユーロは、マクロン大統領の誕生と新党「共和国前進」の大躍進で、ユーロ圏の政局安定が見込まれ、ドイツにとってもユーロ安=歴史的貿易黒字の拡大を解消する意味でも、ユーロ高傾向が望まれており、慎重すぎるドラギECB総裁も英国のEU離脱による弊害がEUにとり最小限に留まる見込みとなればQEの解消を進めることでしょう。

また、最近の報告ではユーロ圏にヘッジなしでの投資が拡大と報道が目につき、直近では1か月程度で1.09→1.13近くへ急伸したことで、1.1300台から伸び悩み調整局面が続いていますが、押し目では潜在的なユーロ買い要因になっているようにも感じられます。

ポンドは、メイ英首相の思惑が完全に外れた総選挙での敗北は今後のEU離脱のプロセスを変化させざるを得ないとの予想が強まっています。市場では「ハード・ブレグジット」から「ソフト・ブレグジット」を目指すとの期待感もありますが、英調査会社ユーカブの世論調査で、野党・労働党のコービン党首の支持率が与党・保守党のメイ首相を初めて上回ったとの報道や、S&Pが英国の格付けをEU離脱交渉の終了前に変更する可能性を示唆するなど、ポンド安要因が多いことがわかります。

反面、6月15日のBOE金融政策委員会で、利上げを支持したサンダース氏、マカファーティ氏、フォーブス氏に加え、チーフエコノミストのホールデン氏が「年後半には刺激策の一部解除が望ましい」と発言したことで、8月のBOE金融政策委員会(MPC)で緩和の縮小が示される可能性が高くなっています。

また、最近のポンド安による弊害で、雇用の拡大にもかかわらず、成長の鈍化とインフレ圧力の低下が示され、スタグフレーションのリスクを警戒する報告書も目につきます。結局はポンド安の状態は限定的で、英国のEU離脱に現況が少しでもプラスへと変化すれば、ポンド高になりやすい環境にあるように思えてなりません。

豪ドルは、最近上昇傾向が続いています。ロウ豪中銀総裁は「6月に入り成長トレンドが見込まれ、インフレは景気回復につれ徐々に上昇する」と発言しています。第1四半期GDPは予想を上回り、前回の急拡大の反動もあり貿易黒字は予想外に減少しましたが、雇用統計では失業率の予想外の低下と就業者数の増加もありました。直近ではロウ中銀総裁は「成長率は最近の水準から今後数年にやや加速する見通し」と強気な発言と、賃金の低い伸び、高水準の家計債務、一部都市での住宅価格上昇が経済の足かせになる」の弱気と強弱混在となり、利食いの売りにAUDUSDはやや値を下げていますが、それでも上昇傾向に留まっていることに間違いありません。


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】(今週も、動きは鈍そうなのですが。USDJPYに的を絞って考えてみましょう!)

◎USDJPY【予想レンジ 109.70-110.20~111.90】

USDJPYは何を材料にして動くのでしょうか? この問いは前週と同じですが、北朝鮮問題はどこへ? 支持率が低下気味の安倍政権の信認は? 円相場には影響がないとでもいうような日経平均株価の上昇もあり、先週1週間のレンジは110.704~111.786の約70pipsで、日々終値は111.086~111.518と約50pipsの変化に収まっています。

市場参加者の円相場の先行き見通しも円ブル派と円ベア派は拮抗しているとの現れなのでしょうか? ただし、最近の円相場を見ると円クロスによる変化で結果的にUSDJPY相場が動いているだけです。最近のレンジからワイドで108.50~112.50のレンジ、狭くは110.00~112.50のレンジからの変化待ちで、それを主導するのは今週も円クロスになりそうです。

USDJPYのStockRSIは、Weeklyは、K=43.33、D=46.41とニュートラルに近近く、4時間は、K=37.44、D=42.64 共にニュートラルゾーンありますが、Dailyは、K=92.30、D=92.71で売りへの変化の可能性が高まっています。

MAからは、200日SMA=110.74にあり、110.20が終値ベースで下限、111.26が上限にあり、売り圧力が強まった場合には110.20円近くまで値を上げる可能性もありそうです。Weeklyベースでは200週SMA=110.88、下限109.70、上限111.93円で、中期的にこのレンジに収まる可能性もあります。

IMM通貨先物の円ポジションでは、円のネットショートは-50,553→-49,959コントラクトとショートは微減していますが、ほぼ変わらず。引き続き過去の長期平均値とほぼ変わらず、方向性は感じられません。USDJPYのオプションでが、1か月のボラティリティは前週7.80%→7.3%まで低下、1か月のリスクリバーサルではドルプットオーバーで、0.65→0.9まで拡大、1週間も0.3→0.7へと円高への圧力を意識しています。


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今週の主な材料(6月26日~6月30日)

今週の主な材料(6月26日~6月30日)

先週アトランタの米下院補欠選挙で共和党が勝利したことで、トランプ大統領の信認が回復との期待も直後はありましたが現実はどうなのでしょうか? 今週中に米上院で採決と思われているヘルスケア代替法案ですが、直近では4人の共和党保守派の議員が反対を表明しており、可決することができるか注目しましょう。

WSJ紙によると最近のモンマス大学の世論調査では、トランプ大統領の支持率は41→34%低下、不支持率は46→54%へ拡大とあり、仮に可決することができなければ、さらに支持率が低下する可能性も否定できません。

6月27日にはイエレンFRB議長がロンドンでグローバルエコノミックについて講演します。FRB内では最近の強気な利上げ継続とバランスシートの縮小開始についてどのような発言をするのか、一部では慎重発言もあり注目しましょう。

事前に注目するコメントは少ないのですが、6/27~29日にダボス・世界経済フォーラム、夏季ダボス会議が中国で開催されますが、注目度は高くありません。 ただ、同じ日程の6/27~29日にECBフォーラムがポルトガルのシントラで開催され、予定ではドラギECB総裁、カーニーBOE総裁、黒田日銀総裁、バーナンキ前FRB議長が参加となっています。彼らの発言も気になります。

6月27日には事前に注目する動きは見られませんが、BOEの金融安定性レポートの公表で、緩和縮小に関して歯止め役のカーニーBOE総裁の発言も予定されており、注目したいと思います。

6月28日には、ボロズ・カナダ中銀総裁講演ですが、6月12日にウィルキンス・カナダ中銀上級副総裁が、13日にボロズ・カナダ中銀総裁が、金利引き締めを示唆する発言をし、カナダドル相場が急伸した経緯もあり、発言内容が注目されます。

米国発の経済指標では、

米個人消費支出の価格指数とコアの価格指数が注目されます。予想では個人消費支出・価格指数の前年比予想1.5%と前回1.7%から低下が、コア前年比も1.4%と前回1.5%から低下が見込まれ、この数字が予想外に低い米金利の低下とドル安につながる可能性もあります。

米GDPは2度目の改定で確報値となります。前期比年率の予想は1.2%と前回の改定しや速報値と変わらず、その他のデフレーターやコアPCE価格指数も前年比2.1%と前回と同じ数字となっており、サプライズは期待できそうにありません。

米耐久財受注は速報値ですが、前月比-0.5%と前回-0.8%、除く輸送機器・前月比は0.3%と前回-0.5%から改善が予想されています。また、コア資本財受注は予想0.2%と前回0.0%から改善が見込まれています。

米CB消費者信頼感指数は予想116.9 前回117.9と拡大が見込まれており、現況指数前回140.7、期待指数前回102.6、インフレ調査1年先4.7%からの変化が注目されます。

ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=は予想94.5 前回94.5と横ばいが予想されています。景気現況指数は前回109.6、消費者期待指数は前回84.7、前回の1年先のインフレ期待は2.6%となっており、この変化も注目されます。

米国以外では、日本の全国消費者物価指数は、前年比予想0.5% 前回0.4%、除く生鮮・前年比予想0.4% 前回0.3%、除く生鮮・エネルギー=予想0.1% 前回0.0%と若干ですが上昇が期待されています。

カナダGDPでは、月次GDP=予想0.2% 前回0.5%、前年比予想3.3% 前回3.2%と前月比では低下が予想されていますが、前年比では若干の上昇が見込まれています。

イベント
1.【ヘルスケア代替法案の上院共和党採決の予定(今週中)】
2.【イエレンFRB議長グローバルエコノミックについて講演(6/27)】
3.【ECBフォーラム・ポルトガル(6/27~29】)
4.【BOE金融安定性レポート(6/27)】
5.【ボロズ・カナダ中銀総裁講演(6/28)】
6.【夏季ダボス会議・中国(6/27~29)】

米経済指標
1.【米耐久財受注・速報値(6/26)】
2.【米第1四半期GDP・確報値(6/29)】
3.【米個人消費支出・価格指数、コア価格指数(6/30)】
4.【米CB消費者信頼感指数(6/27)】
5.【シカゴ購買部協会指数(6/30)】
6.【ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値(6/30)】

米国以外の経済指標
7.【日本全国CPI(6/30)】
8.【カナダGDP(6/30)】

詳しくは、別表をご覧ください。

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最新のIMMポジションから、 2017年6月24日(土曜)

最新のIMMポジションから、 2017年6月24日(土曜)


今回のCFTCが発表したIMM通貨先物の投機的なポジションの集計日は6月20日(火曜)で、ダドリーNY連銀総裁、フィッシャーFRB副議長など、多数のFRB関係者から今後の米利上げの可能性についてタカ派的な発言が多かったのですが、主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットポジションは、前週の-113,912→-92,086コントラクトへとショートが21,826減少しており、ドルに対しての信頼感は強いとは言いがいたのが現状です。

【ユーロ】79,053→44,852 ロング急減
5月9日に156週間続けたネット・ショートからロングへと歴史的転換を迎えてから6週連続で増加を続けたのですが、今回は7週目にして前週から-34,201と大幅に減少しているのが特徴ですが、それでもこの7通貨ペアではロングが最も多い通貨となっています。

【豪ドル】-1,511→15,033 ロングへ変化
1月17日から20週連続してネットでロングから、6月6日に変化し2週ショートが続いたのですが、今回はロングへと再逆転しており、市場の豪ドルに対するセンチメントの変化が感じられます。

【NZドル】1,595→21,455 ロングが急拡大
3月7日から14週間続いたネットのショートから転換して、ロングは今回で2週目となりますが、増加額は21,455コントラクトと、2013年5月14日の23,216に次いで大きな拡大幅となっており、NZドルに対して市場センチメントの強さを感じらます。

【ポンド】-39,441→-37,604 ショートが減少
2015年11月10日から85週連続でネットのショートを続けていますが、先の総選挙で保守党の予想外の敗北にもかかわらず低水準に位置しています。前週比で4週間ぶりにショートは減少し、ポンドに対して弱気センチメントが減少しているようにも感じらます。

【カナダドル】-88,595→-82,881 ショートが減少
5月9日からショートポジションのNO.1の座をポンドから引き継いで、引き続きその座を維持し、3月21日にネットでロングからショートへと転換して14週間目を迎えましたが、今回で4週連続しマイナス幅を縮小しており、超弱気なムードの変化を感じます。

【円】-50,553→-49,959 ほぼ横ばい
昨年11月29日に歴史的なロングからショートへの転換を迎えて既に30週間目を迎えていますが、この間の平均は-53,552コントラクトで、現状の水準に近く5週連続で大きな変化は見られません。これが現在の動かぬ円相場を物語っていると言ってもいいのですが、円先安期待は変わっていません。


詳しくは、別途グラフを参照してください。


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2017/06/24

2017年6月24日(土曜)昨日23日、海外市場の動き

2017年6月24日(土曜)昨日23日、海外市場の動き

週末の金曜日、大きな出来事もなく債券・株式市場は小幅な変動にとどまり、為替市場はEURUSD(+0.37%)、AUDUSD(+0.38%)、GBPUSD(+0.28%)と、ドルは弱い経済と低下気味の米金利に主要通貨に対して弱含みで推移。

米株は小動きでダウ-2.53(-0.01%)、S&P+3.80(+0.16%)、Nasdaq+28.56(+0.46%)。米10年債は終盤にかけて低下し前日2.148→2.144%小幅低下し、2年債1.3401→1.3404%とほぼ変わらず。原油価格(WTI)は43ドル台を回復し+0.30(+0.70%)上昇へ。

乏しい材料の中では、ブルッセルで開催のEU首脳会議では英国のEU離脱交渉の「指針」を採択しました。英国在住のEU市民の権利・地位、最大600億ユーロの英国未払い分短期の支払い問題など、難しさが浮き彫りになっています。また、離脱に向けた今までの強硬姿勢は見られず、ポンド相場にも影響は見られません。

◎市場は、格付け会社がフランスの格付けを引き上げる可能性を期待。
◎ユーロ圏の総合PMIは55.7(予想56.6)とサービス業が弱く予想に届かないも傾向としては強さを維持。
◎カナダの消費者物価指数は前年比1.3%と予想外に弱くカナダドル売りが強まる。
◎米総合PMIは53.0(前回53.9)と弱く一時ドル売りが強まる。
◎米新築住宅販売件数は前月比2.9%(予想3.7%)と予想に届かないも価格は過去最高を更新。
◎ECBは経営難のイタリア二行の銀行破たんの可能性

EURUSDは、弱い仏・独・ユーロ圏総合PMIに1.1180台→1.1160台へ一時値を下げるも、4~6月ベースでは高水準を維持し製造業は強い。ドラギECB総裁はEU首脳会議の場で「金融緩和策は当面維持される」というも、経済の拡大と失業率の低下にセンチメントの改善を示唆する発言。週末のEURショートも巻き戻しもあり1.1180台まで値を戻し、弱い米PMIと新築住宅販売件数に1.12の大台まで上昇し、米金利の低下やイタリア2行の破たんか生産の可能性の報道にも動きは鈍く1.1190台で終了しています。

USDJPYは、一日を振り返って見ても相変わらず111.15~111.45の狭いレンジでクロスでは円売り傾向が続く。欧米市場に入っても弱い米経済指標にもかかわらず動きは鈍く111.15~36の狭いレンジを抜け出せず、市場参加者からは敬遠されている通貨ペアになっています。円相場を動かすことが多い円クロスではCADJPYを除き、円安の流れは変わることはなく終了しています。

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メスター・クリーブランド連銀総裁=緩やかな金融緩和の解除は理にかなう。融政策を引き締める差し迫った必要性はないが、利上げをおくらせてはならない。

ECBは経営難のイタリア二行の銀行破たんの可能性=ベネト・バンカとバンカ・ポポラーレ・ディ・ビチェンツァは破綻するか、清算されるとの判断を下した。


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以下の図は前日との変化を表しています。ご参考までにご覧ください。





2017/06/23

2017年6月23日(金曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月23日(金曜)欧州・米国市場序盤の動き

米株は値を下げてスタートするも下げ幅を縮小、米10年債、2年債利回りは小幅上昇。原油価格(WTI)は43ドル台を回復。

為替相場は、特に重要な材料は見られず、ドルは主要国通貨で売り傾向で推移。USDCADは弱いCPIにカナダ売りが強まり、USDCADは1.3210→1.3300台まで急伸後に、原油価格の持ち直しや弱い米PMIと新築住宅販売件数にカナダドルの買い戻しへと変化。

EURUSDは、弱い仏・独・ユーロ圏総合PMIに1.1180台→1.1160台へ一時値を下げるも、4~6月ベースでは高水準を維持し製造業は強い。ドラギECB総裁はEU首脳会議の場で「金融緩和策は当面維持される」というも、経済の拡大と失業率の低下にセンチメントの改善を示唆する発言や、EURショートも巻き戻しもあり1.1180台まで値を戻し、弱い米PMIと新築住宅販売件数に1.12の大台で取引されている。

USDJPYは、相変わらず111.15~111.45の狭いレンジで、欧米市場に入っても弱い米経済指標にもかかわらず動きは鈍く111.15~36の狭いレンジで推移。円クロスではCADJPYを除き、円安の流れが続く。


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ドラギECB総裁(EU首脳会議で経済状況を説明)=経済は拡大し失業率も低下しているが、賃金の伸びがなお弱く、基調インフレ率はまだ上昇せず、金融緩和策は当面維持される。EUの将来について新たな希望が出てきたことでセンチメントが改善している。

ドラギECB総裁(EU首脳会議で経済状況を説明)=政治家が構造改革を断行し、信頼強化と経済統合のサイクルに着手する好機

2017年6月23日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月23日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き+FXオプション

週末の金曜日、アジア市場と欧州市場の序盤は、AUDUSD+GBPUSD+NZDUSDを主に緩やかなドル売りが続いています。

日経平均株価は+22.16(+0.11%)と小幅上昇、マザーズは-34.36(-2.84%)と下げ幅は拡大し、欧州株も弱含みで推移。米金利も軟調で、原油価格(WTI)は上昇幅を縮小し42.8(+0.08+0.19%)と小幅高で推移。

為替市場は、米金利の上昇期待か強まったドルロングからの調整が感じられます、特に強いドル売り要因も見当たりませんが、通貨ペアに思惑はそれぞれに異なっています。

GBPUSDは、総選挙後のメイ英首相の支持率低下=EU離脱交渉の難航を予想したポンドショートの買い戻し+BOEの8月緩和策の変化期待に底堅くなり、ポンドショートの買い戻しが背景にあり、1.27台の売りを消化し200時間MAを上抜けしたことがテクニカルでは買い要因と考えますが、オプション・ストライクが1.27に集中していることもありこれからの欧米市場ではポイントになりそうです。

EURUSDは、6月15日のFOMC後から続く下げ局面から21日、22日と底値を切り上げて迎えた週末の金曜日、ユーロショートが入りやすい展開ではないでしょうか? 200時間MAの1.1175を超えた今、特にFOMC後の戻り高値のポイントで、1.1210~30を超えることができるかを注目しています。

USDJPYは、相変わらず方向感は定まっていませんが、金融機関筋のデーラーのコメントは円安傾向を見ている方が多いように感じられます。ただし、オプションのリスクリバーサルは引き続き円コールオーバーですが、アジア市場だけを見ると円クロスでは主要通貨に対して全てが円安傾向となっています。

NZDUSDは、NZ中銀の声明後から続く上昇トレンドは変わっていませんが、0.7300の大台近くでは利食いの売りが出やすいと思われます。また、0.7230~50の200時間MAを割れではロングのストップが入りやすいのですが、逆に押し目買いの水準でもあるように思えてなりません。


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英調査会社ユーカブ=次期首相は誰を望むかとの質問で、コービン英労働党党首(35%)メイ首相(34%)と初めてをコービン氏がリードへ。

サウジはカタールに国交断絶宣言の解除の条件として、10日期限で13項目を要求。


2017年6月23日(金曜)昨日22日、海外市場の動き

2017年6月23日(金曜)昨日22日、海外市場の動き

米株と米金利は小幅低下、原油価格は小幅上昇。為替相場はNZドル+カナダドルの上昇が目立つも、JPY+EUR+GBPの動きは鈍いものがあります。

ダウ-12.74(-0.06%)、S&P-1.11(-0.05%)、Nasdaq+2.73(+0.04%)、米10年債利回りは前日2.163→2.148%、2年債も1.348→1.34%へ小幅低下。原油価格(WTI)は42.73+0.20(+0.47%)

◎英CBI製造業受注は16(予想7)と29年ぶりの高水準
◎FHFA住宅価格は前月比0.7%(予想0.4%)と予想を上回る。
◎ユーロ圏消費者信頼感指数は-1.3(予想-3.0)と5年ぶり水準へ改善
◎米景気先行指数は0.3%と予想と変わらず。
◎NZ中銀政策金利1.75%で据え置き、長期間現行水準にとどまる見通しにも、全体的にポジティブに受け取られNZDは上昇へ。

為替相場は、NZ中銀の声明で上昇したNZドルと、原油高+強い小売に上昇したカナダドルの上昇が目立っていますが、5年ぶりに改善したユーロ圏消費者信頼感指数にも、29年ぶりに改善した英CBI製造業受注にも、EURとGBPは大きな変化は見られません。

NZDUSD(+0.70%)上昇。午前6時、NZ中銀は政策金利1.75%に予想通り据え置くも、声明は全体的にポジティブに受け取られ一日を通じて強さ維持し一時0.7270台まで上昇。これで7日間連続し大枠0.7200~0.7300のレンジ内での取引で、オシレーター系では買われすぎ感が強まるも、このもみ合い水準を抜け出した方向への変動圧力が強まっています。

USDCAD(-0.72%)下落しカナダドル高へ。アジア市場では1.3310~40の狭いレンジで推移。欧州市場に入り原油価格の上昇にカナダドル買いが強まり、北米市場に入り、カナダ小売売上高が予想外に改善したことで、1.3300→1.3208まで急落(カナダドル高)。原油価格の伸び率は弱まり利食いの買いに一時1.3325まで値を戻すも、強さを維持しています。19日の終値ベースの安値1.3217のポイントを注目。

USDJPY(-0.04%)で前日と大きな変化は見られず。アジア市場の110.95をボトムに、米株と米金利に大きな変化も見られず、一日を通じて110.95~111.45の50pipsの狭いレンジで推移し主体性のない変動が続いています。クロスでのCADJPY(+0.67%)、NZDJPY(+0.49%)と円安へ、EURJPY(-0.21%)、GBPJPY(+0.04%)、AUDJPY(-0.18%)と円高と通貨ペアで異なる動きとなっています。

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米上院共和党=医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案を公表。医療保険市場の安定化へ4年間で500億ドルの予算で、保険会社を市場にとどめる方法として過去に共和党が批判したメカニズムに依存。

ブラード・セントルイス連銀総裁=政策金利が来年末までに3%へ上昇するとの見通しは不必要に強すぎる。バランスシートの縮小開始は早めるべき。


2017/06/22

2017年6月22日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月22日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

米株は小幅安からスタート、米債利回りは弱含みで推移、原油価格(WTI)は一時42.97ドルへと強含みで推移。

米新規失業保険申請件数は、ほぼ予想通りで変わらず。FHFA住宅価格指数は予想外に強く、ユーロ圏消費者信頼感指数は-1.3(予想-3.0)から大きく改善、CB米景気先行指数は0.3%と予想通り。これからの米金利と米株の動きを見守る展開へ。

為替相場は、NZDUSDの上昇と、USDCADの下げが目立っています。NZドルは早朝のNZ中銀声明でガイダンス変化に、欧米市場に入っても強さを維持。USDCADは原油価格の上昇と強いカナダ小売に下げ幅を加速させています。

USDJPYは、アジア市場で110.90台をボトムに110.95~20のレンジから、欧州市場に入り111.37まで上昇するも、結局は111.10近くへ下落と、レンジ相場が続いています。

EURUSDとGBPUSDは特に新たな材料は見当たりませんが、1時間のボリンジャーバンドでは収縮しており、変動に向けて何らかきっかけを期待したくなります。

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プラートECB専務理事=金融緩和が終了し、金利が上昇しても金融政策上問題にならない。その日が来れば、政府から不満が出ようと出まいと、物価動向を注視し、それに応じて行動する。

ECB報告書=ユーロ圏の第2四半期成長率は堅調な水準になる。インフレに関しては、今後数カ月にわたり現行水準近辺で推移する見通し。消費者物価のしっかりとした上昇は依然確認できていないものの、生産チェーンなどには物価上昇圧力の兆しが現れつつある。

英保守党と北アイルランドのプロテスタント系政党、民主統一党(DUP)との閣外協力交渉は、29日までに合意する可能性が非常に高い。



2017年6月22日(金曜)アジア・欧州市場の動きとドル円相場

2017年6月22日(金曜)アジア・欧州市場の動きとドル円相場

日本株は小幅安で、原油価格も42ドル台半ばと上昇力は見られず。為替市場は、早朝のNZDUSDの上昇以外は、特に大きな変化も感じられません。

ただ、米国の利上げと年内の追加利上期待。ECBのガイダンスの変更、BOEの利上げ支持者拡大、NZの若干の変化など、周囲を見渡せば日銀以外は緩和策からの変化が感じられ、今後の為替相場にどのような影響を与えるのでしょうか?

NZDUSDですが、相変わらずNY市場がクローズの時間帯で薄商いと同時に発表される経済指標は過敏に反応しやすい状況は変わっていません。NZ中銀の予想通り政策金利1.75%を据え置きと、中立的とした金融政策の現状認識から今回その文言を削除したことで、緩和策の継続がいずれの時か終了するとの思に、NZドル買いが強まり、結局は前日比で0.54%上昇しています。

GBPUSDは、BOE政策委員や総裁発言に惑わされ右往左往している状態ではないでしょうか? 今回、BOEのチーフエコノミストのホールデン氏が引き締め方向にしたことで、現在進行中の英国のEU離脱交渉の悪影響が織り込みになれば、金融式締=ポンド高を期待したくなりますが、いつになることでしょうか? 目先は200時間MAで、先日の高値となる1.2700の上値は重そうにも感じられます。

USDJPYはいつみても大きな変化はありませんが、昨日111.70台を高値に上値の重さが確認でき111円がボトム水準ではなくなりつつあるように感じられてなりません。と言うより、USDJPY相場をパスしてGBPJPYやAUDJPYだけの取引にシフトしている投資家が多くなり、結果的にクロスの変動にUSDJPYが追従するパターンになっています。

オプションですが、USDJPYの1か月のボラティリティーは7.7~8.0%近くで安定推移、EURUSDも5.9~6.02%と大きな変化は見られず。GBPUSDはスポット市場では上下変動するも、7.8~8.0近くで安定推移。

リスクリバーサルは、円コールオーバーは変わらず、相変わらず円高思考が継続中で、1か月でUSDJPYは0.65→0.76へ、EURJPY0.62→0.71、GBPJPY1.26→1.39とGBPJPYが特に目立っています。

USDJPYは、レンジ相場に入り、ドルコール・ドルプットの買いも結局は時間的価値の低下に単独で利益は望めません。

狭ければ110.80~111.80、ワイドでは110.20~112.20のレンジ相場を考えての対応では、ショート・ストラドルが最適ですが、仮に抜け出した場合のリスクをスポットで対応する必要があります。

レンジの上下付近で、AT THE MONEYで1週間のドルコールかドルプットを買いプレミアム分の利益が出ればスポットでヘッジし、そのスポットポジションを見合いとし売買を繰り返す方法もありますが、人それぞれでしょう。


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NZ中銀=政策金利1.75%の据え置きを予想通り発表。金利を相当期間維持する方針を再確認。前回の声明発表以降の状況は金融政策にとって中立的としていたが、今回はこの文言を削除したことで、直後はNZドルが上昇。

ウィーラーNZ中銀総裁=依然として多くの不確実性があり、それに応じた政策の調整が必要になる可能性がある。

2017年6月22日(木曜)昨日21日、海外市場の動き

2017年6月22日(木曜)昨日21日、海外市場の動き

今日22日早朝、NZ中銀は政策金利1.75%の据え置きを予想通り決定するも、「不確実性が残り、政策は調整が必要になる可能性を示唆」→ NZDUSDは0.7210台→0.7270近く、NZDJPYは80.40台→81.00へと一時急伸。

昨日の為替相場は、原油価格と商品価格の続落にカナダドルと豪ドルは弱く、ホールデンBOEチーフエコノミストのタカ派は発言に欧州市場ではポンド高へ動くも、メイ首相はDUPとの閣外協力はいまだ決まらずNY市場ではやや軟化。

【材料としては以下の通り】
◎ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は「9月バランスシート縮小、12月追加利上げを支持するも、インフレが鈍化すれば支持せず」との報道にドル買いも弱まる。
◎中古住宅販売件数は562万件と予想555万件を上回る。
◎6月15日のBOE金融政策委員会で、利上げを支持したサンダース氏、マカファーティ氏、フォーブス氏に続きチーフエコノミストでもあるホールデン氏も「年後半に刺激策の一部解除が望ましい」と、前日ハト派のカーニー総裁の発言に異を唱える。
◎エリザベス女王が議会で、メイ政権の施政方針を演説し「政権の優先課題は最善のEU離脱条件」、ただし、北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)との閣外協力はいまだに合意できず。
◎原油価格(WTI)は在庫増にも供給過剰に続伸し、一時42.05ドルまで下落。

米10年利回りは前日2.157→2.162%、2年債1.344→1.348%と小幅上昇、ダウは-57.11(-0.27%)、S&P-1.42(-0.06%)、逆にNasdaqは45.92(+0.74%)上昇。原油価格(WTI)は在庫が予想外に減少するも、供給過剰を懸念し42.51(-1.0-2.3%)下落へ。

USDJPYは、米株も強弱混在、米金利は前日とほぼ同水準で推移し、111.08~111.74のレンジで推移し、111.30台で終了。引き続き大きな変化は見られず。クロスではGBPJPY+EURJPYでは円安、資源国通貨のAUDJPY+CADJPY+NZDJPYでは円高と分かれる。

GBPJPYは、6月15日のBOE金融政策委員会で、利上げを支持したサンダース氏、マカファーティ氏、フォーブス氏に加え、チーフエコノミストのホールデン氏が「年後半には刺激策の一部解除が望ましい」と発言しBOEの利上げ確率が高まり、1.2600割れをボトムに1.2700台まで急伸へ。米国市場に入ると、民主統一党(DUP)との閣外協力はいまだに合意できず、さらに、BOEの利上げに関してカーニー総裁は慎重姿勢を変えず、積極的なポンド買いも見られず、一時1.2640台まで値を下げ1.2670台で終了。

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ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表=米国、カナダ、メキシコによる北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の完了期日を設定していない。

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(FT紙)=9月にバランスシートの縮小に着手し、追加利上げを12月まで待つ可能性がある。インフレが鈍化するようであれば望まない。

独30年債利回りが2カ月ぶりの低水準=長短
利回り格差は年初来の水準に縮小し、原油安と低インフレ期待を反映した利回り曲線の平たん化が継続している可能性。

エリザベス女王が議会で、メイ政権の施政方針を演説=政権の優先課題は最善のEU離脱条件。EU離脱協議を最善の結果に導き、離脱条件において可能な限り幅広い合意を得ることだとし、「わが閣僚はEU離脱後のわが国の将来において最も広範な総意を構築するため議会、地方分権政府、産業界などとの協力に取り組む」

イランのザンギャネ石油相=OPEC加盟国が一段の減産について協議しているが、合意に達するのは困難だろう。

イランのザンギャネ石油相=米国は日量90万バレル増産していると指摘。米国の増産分はOPEC加盟国の想定を上回っており、原油下落の一因になっている。

2017/06/21

2017年6月21日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月21日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

英利上げ期待の高まりに英国債利回りは上昇、米10年債+2年債回りも上昇、米株には大きな変化は見られず。

ホールデン氏「おまえもか!」。6月15日のBOE金融政策委員会で、利上げを支持したサンダース、マカファーティ、フォーブス各氏とは別に、ホールデン政策委員が「年後半には刺激策の一部解除が望ましい」と発言しBOEの利上げ確率が高まる。昨日20日のカーニーBOE総裁のハト派発言の裏返しに二転三転と影響を受けたポンドは1.2600割れをボトムに1.2700台まで急伸。

投機筋の標的にされ変動率が高く、投機的ポジションを取りやすいのか、ポンドの変動率は高く、GBPJPYが140.00→141.70台まで急伸した動きにUSDJPYがまたしても影響を受け、111.10→111.60台まで上昇へ。

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BOE地方支店の報告書=インフレ加速による消費者への圧迫が強まっている。企業の投資計画は上向き、ポンド安が輸出量を押し上げている。

BOE地方支店の報告書=小売物価の一段の上昇を受け、販売量の年間の伸びは引き続き鈍化した。食品などの価格上昇の加速も、大型商品で消費者の購買力を圧迫。

ECB広報=保有社債の約12%がマイナス利回りで購入。半分以上がフランスまたはドイツ企業の社債。ECBはこれまで、約200社が発行した約950種類の社債を購入。うち30%がドイツ企業、25%がフランス企業で、スペインとイタリアの企業が10%程度。

ECB定例経済報告=FRBの金融引き締めを無難にこなし、融市場はこれまでのところFRBによる金融政策引き締めを無難にこなしており、世界の成長に対するリスクは後退したようだ。

ECB定例経済報告=米国の保護主義への傾斜を示唆するシグナルなどを例に挙げ、見通しは依然として下方に傾いている。世界の金融状況が急変する確率は低下し、主要新興国経済もここ数年より好転。中国による成長テコ入れのための政策支援で短期的な見通しに対する懸念は緩和



2017年6月21日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月21日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

アジア市場では、GBPUSDは前日のポンド売りも影を潜め、1.26台前半での取引が続いていますが、上昇力は鈍く下値リスクは残り、1.2600のポイントを注目しています。

英保守党の一部から無条件でのEU離脱を阻止しようとする動きも見られネガティブ材料となっており、カーニーBOE総裁も危惧する19日からスターとした離婚協定(ブレグジット)の話し合いの進展次第となっています。

日経平均株価は2万円台を維持していますが、20,138.79と-91.62(-0.45%)と弱く、原油価格(WTI)は43ドル台半ばで推移していますが、値ごろ感での買い圧力は弱いままでう。

為替相場は、AUDUSDは0.7600台を割り込み売りへ変化していますが、水準的には最近の高値水準にとどまり、続落へ変化した印象は感じられません。

USDJPYは-0.23%と円高傾向が続いています。株安と米金利の低下傾向に上値は重く、気が付けば昨日のアジア市場から緩やかな円高傾向が続き、円高が加速する際のクロス円での売り(先日のGBPJPYの急落)のようなクロスでの動きも見られず、111.20、111.00.109.80のいずれかのポイントで下げ止まることを期待しています。

オプションでは、ボラティリティーは1か月を見ると、USDJPYは7.77→7.86へと小幅上昇、EURUSDは5.95→5.96と変わらず、GBPUSDは7.98→7.91%へと低下しています。

リスクリバーサルでは、1か月では、USDJPYはドルプット円コールオーバーで前日の-0.64→-0.65とほぼ変わらず、EURJPYは-0.63→-0.62とユーロプット・円コールオーバーで変わらず、GBPJPYは-1.24→-1.26とポンドプット円コールがやや拡大していますが、全体的に落ち着いた動きとなっています。

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米ジョージア州下院6区補欠選挙=決選投票で共和党候補のカレン・ハンデル氏が勝利する見通しへ。

英保守党の一部議員=ブレグジットの経済に与える影響を考慮すると、「良くない合意に達するよりは、合意に達しない方がいい」との意見も。

金融政策決定会合の議事要旨(4月27日)=長期国債の買い入れ額について、金融市場の状況に応じて「ある程度の幅を持って変動する」ことを政策委員が確認。金融政策運営について多くの委員が、物価2%目標の実現には「なお距離がある」とし、現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策のもとで「強力な金融緩和を推進していくことが適切」との認識を共有。


2017年6月21日(水曜)昨日20日、海外市場の動き

2017年6月21日(水曜)昨日20日、海外市場の動き

米株は下落、米債利回りも低下、原油価格も低下へ。フィッシャー+ローゼング+ダドリー各氏のタカ派発言もありドル買いへと動くも、ムニューシン米財務長官の「ドル高は輸出などで不利な面も」との発言もありドル買いも加速せず。

ジョージア州・アトランタの米下院補欠選挙を注目、共和党が40年近く議席を占めているが、最近のトランプ大統領の信認を確認するとなり注目。結果は日本時間今日21日午前中。

カーニーBOE総裁のハト派発言+閣外協力の難航にポンドは全面安(前日比 GBPUSD-0.89%、GBPJPY-0.92%)。

ダウは-61.85(-0.29%)、S&P、Nasdaqも下落へ。米10年債利回りは前日2.188→2.158%へ、2年債も1.356→1.348%へ低下。原油価格(WTI)は43.23ドル(-0.97-2.19%)と続落し9か月ぶりの安値へ。

USDJPYは、111.30~111.80のレンジで上下し111.40~50で膠着。クロスではGBPJPYの-0.94%を主に円高傾向が続くも、前日比-0.08%とほぼ同水準へ。米金利の低下と米株安にも円買いが弱い。

GBPUSDは、カーニーBOE総裁の英国のEU離脱に伴う影響を危惧した緩和縮小に対しての慎重姿勢に、15日のBOE金融政策委員会で、利上げ支持3名のサプライズに急伸した流れに急伸したポンドは反落し6月に入っての安値を更新中。さらに、21日議会でメイ氏が率いる新政権の施政方針を演説し、内容は議会で採決にかけられ事実上の信任投票となり、それまでに難航しているDUPの閣外協力が得られるかが重要となる。GBPUSDは1.2600を維持することができるかを注視。割り込むとさらに深刻。


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ムニューシン米財務長官=強いドルはトランプ政権への信任だが、輸出などで不利な面も。

カプラン・ダラス連銀総裁=国債利回りが低水準にあることは市場が経済成長の低迷を考えている。金利の現在の水準に違和感はあるが、10年債利回りが現行の水準にとどまる場合、FRBはどのように緩和策を引き揚げていくか、非常に慎重になる必要がある。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁=低金利政策は金融安定を脅かす恐れがあるとして、中銀関係者は政策決定でこうした懸念を勘案すべき。

ダドリーNY連銀総裁=引き締めサイクルを停止すれば経済を危険にさらすとし、失業率が4.3%に低下し、インフレ率が1.5%程度で推移する現在の状況は極めて良好。

エバンズ・シカゴ連銀総裁=米失業率が16年ぶりの低水準にあるにもかかわらず、低インフレ率が続いていることを受け、FRBは利上げとバランスシートの縮小を非常に緩やかに行うべき。

カーニーBOE総裁=インフレ圧力は抑制、利上げするときではない。どのような利上げも段階的かつ限定的になろう。EU離脱の実体経済への影響を見極める必要がある。消費支出や投資に関するシグナルは強弱交錯。個人消費やビジネス投資についてはまちまちな信号が発せられており、国内のインフレ圧力が依然弱いことからすれば、まだ調整を行うべきタイミングではない。→ この発言を受けポンド売りが強まる。

ハモンド英財務相 =離脱協議の進み方によっては、企業はまもなくコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)の発動を迫られる可能性がある。
  
メイ英首相と地域政党の閣外協力の交渉は想定通り進まず=北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)から、支援は当然のことではなく、交渉は想定通りに進展していない。→ 21日、議会でメイ氏が率いる新政権の施政方針を演説し、内容は議会で採決にかけられ、事実上の信任投票で、それまでにDUPの協力が得られるかが重要となる。

ジョージ・ソロス氏=若者を考慮し、ブレグジット協議の戦略を見直すべきと提言。手続きは完了まで少なくとも5年を要し、再選挙が実施されれば、ブレグジットが停止さえる可能性も。ブレグジット決定による経済面での影響が表面化しつつある。最後の審判の時が迫っており、ブレグジットは英国、EU双方に打撃となる。英中銀がインフレの影響を過小評価していた。家計は生活水準の低下を実感し、支出の仕方を調整するよう迫られるだろう。さらに悪いことに、過剰債務に陥っていることに気がつき、債務返済に追われる。

原油価格(WTI)の先物は9か月ぶりの安値となる43.23ドルで清算、OPEC
内外の減産順守率は高かったが、一部主要生産国の供給が増えたことが要因。

コーン米国家経済会議(NEC)委員長=ホワイトハウスと共和党議員が9月前半に税制改革法案を議場に提出することを目指している。

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2017/06/20

2017年6月20日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月20日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

カーニーBOE総裁のハト派発言に始まったポンド売りは止まらず、その影響に主要国通貨でもドルは上昇。USDJPYはGBPJPYの売りが主導の円買いに一時円高へと動くも続かず。

欧米金利は低下傾向が続きくも、独英金利も弱くドル売りの材料とはならず、米株は小幅低下かが続き、独DAX・英FTSEも弱含みで推移。

GBPUSDは、カーニーショックとでもいうのでしょうか、15日のBOE金融政策委員会で、利上げ支持3名のサプライズに急伸した流れの反動に6月に入っての安値を更新中で、1.2600を維持することができるかを注視。割り込むとさらに深刻。

AUDUSDは、豪中銀議事録直後の変動から0.7580台をボトムに欧州市場序盤はGBPUSDの上昇を横目にGBPAUDの売りに0.7620台へ上昇。それをピークに米国市場に入るとドル全面高の流れに0.7590台まで値を下げるも、アジア市場のボトムは割り込めず。

USDJPYは、日本株の上昇もあり111.50~60のポインを上抜け、111.80をトライできず伸び悩むが、カーニーBOE総裁のハト派発言にGBPJPYが大幅下落した影響や米金利の低下に一時111.30台まで値を下げてからは、111.50円前後で推移。

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カーニーBOE総裁=離脱協議の進み方によっては、企業はまもなくコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)の発動を迫られる可能性がある。個人消費やビジネス投資についてはまちまちな信号が発せられており、国内のインフレ圧力が依然弱いことからすれば、まだ調整を行うべきタイミングではない。

カーニーBOE総裁=今後数カ月にわたり、消費の伸びの鈍化が他の需要構成要素によってどの程度相殺されるか、また賃金が上昇し始めるかどうかに加え、より一般的な問題として、EU離脱交渉の現実に対し経済がどのように反応するかを見極めたい。

フィッシャーFRB副議長=われわれの知っている世界は大不況と世界金融危機のような規模の危機にもう1回は耐えられない。幾つかの国で、長期にわたる低金利の結果に住宅価格は現在高く、さらに上昇しつつある。

PIMCOアンドリュー・ボールズ氏=FRBは2018年に4回の利上げの可能性と、今後3~5年のリセッションの可能性が高い。

独IFO経済研究所=2017年独成長率予想を1.5%→1.8%に、2018年も1.8→2.0%に引き上げへ。(独政府は2017年1.5年、2018年1.6%と予想)

独産業連盟(BDI)=2017年独成長率は1.5%を予想。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁=低金利は将来の景気後退との戦いに不利になる。

ムニューシン米財務長官=FEDがバランスシート縮小するのは正しい考え。超長期債について真剣に検討している。強いドルはトランプ政権への信任だが、輸出などで不利な面も。

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2017年6月20日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月20日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

豪中銀議事録は、過熱する不動産価格を懸念しながらも、経済成長へは楽観的な見方を示し、金融安定性のリスクの高まりに金融政策の維持を決定。カーニーBOE総裁講演では「インフレ圧力は抑制、利上げするときではない」と発言しポンド売りへ。

GBPUSDは-0.42%と弱く、NZDUSD+0.42%と逆に強くGBPNZDは-0.83%と大幅に値を下げている。

日経平均株価は+162.66(+0.81%)上昇、アジア株式は小幅安ながら、欧州株は上昇からスタート。米10年債利回りは弱含で推移するとも2年債は前日とほぼ同水準を維持。

AUDUSDは、豪中銀議事録の発表直後に上下変動しながらも0.7580台をボトムに、欧州市場に入りカーニーBOE発言を契機に、GBPAUDの売りが強く0.76120まで上昇し高値圏での取引が続いています。

USDJPYは、早朝の111.48をボトムに日本株の上昇に111.77まで上昇、その後も111.50~80の狭いレンジで推移しています。今後のレンジ予想は111.20~00で、112.00円近辺は5月23~26日にかけて上値を失敗した水準でこれが強く意識されており、5月24日の高値112.13をクリア(安全に)に上回ると次のショートカバーが入りやすいと思われます。

GBPUSDは、カーニーBOE総裁のハト派発言に、15日のBOE金融政策委員会の利上げ期待ムードは一変し、ポンド売りへと変化。直前の高値1.2750台をピークに、一時1.2670割れまで下落してようやく下げ止まるも、しばらくは売り圧力を受けそうな展開となっています

オプションでは、USDJPYの1mボラティリティは7.98→7.77へ軟化、EURUSDも5.90→5.95へ軟化していますが、GBPUSDは7.38→7.57へと上昇しています。リスクリバーサルはUSDJPY−0.65→-0.64(ミッドレート)へとドルプットが、EURJPYも-0.76→-0.63へとEURプットが低下し円はやや弱気に変化しており、USDJPYのドルコール・円プットの買いの流れが強まる可能性もあります。


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豪中銀議事録(6月6日分)=経済成長に対する楽観的な見方を維持しつつも、金融安定性に対する懸念の高まりから、緩和的な政策スタンスの維持が適切との判断。→ 豪州の家計の債務返済負担率は過去最高水準の189%へ、逆に賃金の伸びは過去最低にとどまっている。

豪中銀議事録(6月6日分)=過熱する不動産市場を背景にした家計債務の急増と賃金の伸び低迷を、中銀が最も注視している。

エバンズ・シカゴ連銀総裁=米失業率が16年ぶりの低水準にあるにもかかわらず、低インフレ率が続いていることを受け、FRBは利上げとバランスシートの縮小を非常に緩やかに行うべき。

カーニーBOE総裁=インフレ圧力は抑制、利上げするときではない。どのような利上げも段階的かつ限定的になろう。EU離脱の実体経済への影響を見極める必要がある。消費支出や投資に関するシグナルは強弱交錯。→ この発言を受けポンド売りが強まる。

フィッシャーFRB副議長(講演テキスト)=いくつかの国で住宅価格は高水準かつ上昇している。住宅価格上昇は、長期にわたる低金利が背景。

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2017年6月20日(火曜)昨日19日、海外市場の動き

2017年6月20日(火曜)昨日19日、海外市場の動き

週明け月曜日の海外市場は、経済指標や重要なイベントも極めて少ない中、「ダドリーNY連銀総裁のタカ派発言」に相場は反応。米金利は上昇しドル全面高、それと、世界的に株高でダウは最高値を更新し上昇し、円売りが加速。

どちらかと言えば、米利上げに慎重派のダドリー氏の発言は、「経済の拡大は長期的に続くと確信、インフレ率は2%の目標値へ」と言い、金融引き締めを示唆した可能性に、米10年債利回りは前日2.151→2.188%へ、2年債も1.315→1.356%へ上昇。米株は強く、ダウ+144.71(-0.68%)、Nasdaq+1.42%、S&P500+0.83%へ上昇。原油価格(WTI=は44.14ドル(-0.60-1.34%)と弱い。

為替市場は、独10年債利回り0.281%、英国は1.03%と伸びは弱い反面、米債利回りの上昇が目立ち、金利差拡大にドルは全面高。 EURUSD-0.43%、GBPUSD-0.31%、AUDUSD-0.27%、NZDUSD-0.25%。USDJPYは株価の上昇もあり、終値ベースでは5月26日来の円安となる111.60まで上昇し、前日比+0.57%と弱さが目立っている。

USDJPYは、欧州市場に入ると110.90をボトムに110.90~111.20台のレンジが続いたが、ダドリーNY連銀総裁のタカ派発言に111.40へ上昇、前日の高値111.42を超えると円ロングのストップの買い戻しが入りはじめ、111.60まで上昇し高値圏で推移へ。円クロスではCADJPYの上昇が目立ち84.40台と+0.64%へ。111.50~60をボトムに上昇するのか、逆に天井で円高へ向かうのか、注目する水準で止まっているが、トレンドとしての円安の流れは変わらず。

GBPUSDは、英国の止まぬテロ攻撃とメイ首相の指導力の低下を危惧した声は消えず、弱い英住宅価格や19日からスタートするEUとの離脱交渉の行方を危惧しながらの展開となった。欧州市場1.2810台を高値にダドリーNY連銀総裁の発言を受けた米金利の上昇に売りが加速。フィキシングでは前日の安値1.2750を割り込み、1.2720台まで値を下げてようやく下げ止まる。1.2720台はBOE金融政策委員会でGBPUSDが急伸した後の安値に当たり、注意するポイントになっているが、材料の割には底堅さが目立っている。

AUDUSDは、ロウ豪中銀総裁は「成長率は最近の水準から今後数年にやや加速する見通し」と強気な発言と、賃金の低い伸び、高水準の家計債務、一部都市での住宅価格上昇が経済の足かせになる」の弱気と強弱混在に、一時0.7629まで上昇するも0.7600台まで低下へ。ムーディーズは豪州4大銀行の格付けを引き下げすると、0.7610台→0.7580台へ下落するも、押し目買いに0.7618まで値を戻す。米国市場に入り、ダドリーNY連銀総裁のタカ派発言に0.7590台まで値を下げ上値は切り下がるも、安値を更新できず予想外に底堅さが目立っている。

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ダドリーNY連銀総裁=今引き締めサイクルを停止すれば経済を危険にさらす。失業率が4.3%に低下し、インフレ率が1.5%程度で推移する現在の状況は極めて良好。賃金の伸びとインフレ率は上向きで、1~2年後に3%の賃金上昇を予想。

ダドリーNY連銀総裁=インフレはFRBが望む水準をやや下回っている。米経済は完全雇用の極めて近い。経済の信頼感の水準は非常高い。経済の拡大は長期的に続くと確信。

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2017/06/19

2017年6月19日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月19日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

ムーディーズは豪州4大銀行の格付けを引き下げ、直後にAUDUSDは下落。
ダドリーNY連銀総裁のタカ派発言に米金利は上昇し米株は強く、為替市場ではドルが全面高へ。

USDJPYは、早朝の110.70を予想外のマイナスとなった日本の貿易収支と日経平均株価の上昇に、緩やかに上昇。 欧州市場に入ると110.90をボトムに110.90~111.20台のレンジが続いたが、ダドリーNY連銀総裁のタカ派発言に111.30台へ上昇するも、前日の高値111.42を超えられず。底堅く上値を試す動きは続きそうで111.50~60を上抜けすると、テクニカルでは続伸の可能性も。

GBPUSDは、早朝は英国の続くテロ攻撃とメイ首相の指導力の低下を危惧した声は消えず。弱い英住宅価格や、19日からスタートするEUとの離脱交渉の行方を危惧しながらのスタートとなった。取引開始直後の1.2756をボトムに1.2780台を超えられず狭いレンジとなったが、欧州市場に入るとの大口の買いに1.2810台まで上昇、ダドリーNY連銀総裁の発言を受けた米金利の上昇に1.2750台まで値を下げ、結局は振出の水準へ逆戻り。

AUDUSDは、ロウ豪中銀総裁は「成長率は最近の水準から今後数年にやや加速する見通し」と強気な発言と、賃金の低い伸び、高水準の家計債務、一部都市での住宅価格上昇が経済の足かせになる」の弱気と強弱混在に、一時0.7629まで上昇するも0.7600台まで低下へ。ムーディーズは豪州4大銀行の格付けを引き下げすると、0.7610台→0.7580台へ下落するも、押し目買いに0.7618まで値を戻し上値は重くなる。


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ダドリーNY連銀総裁=インフレはFRBが望む水準をやや下回っている。米経済は完全雇用の極めて近い。経済の信頼感の水準は非常高い。経済の拡大は長期的に続くと確信。

ムーディーズ=豪州の住宅価格急騰と家計債務の増加、賃金の伸び悩みが脅威となっていると指摘し、同国の4大銀行の長期格付けを引き下げた。→ この発表を受け、AUDUSDは急落。

英ライトムード、ロンドンの住宅価格は続落へ=前月比の引き下げはこの3カ月で2回目。買い手からの関心の弱まりが低迷長期化を示唆する中、売り手がやや弱気になった。6月の売却希望価格は前月比2.4%低下、前年同月比では1.4%低下へ。



2017年6月19日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月19日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

週明け月曜日、アジア市場の為替相場は、週末のフランス国民議会の決選投票で「共和国前進」が予想通り過半数超を維持、英国での度重なるテロ攻撃とメイ首相の指導力の低下を気にした動きとなっていますが、どれも相場に織り込み済みなのでしょうか、大きな変化は見られません。


USDJPYは、日本の貿易収支・季調前は予想外のマイナス2034億円、しかし、日経平均株価は2万円台へ上昇(+124.49+0.62%)。結果として、USDJPYは111円台へと緩やかな円安が続き、この流れの継続が期待できます。

EURUSDも動きは鈍く、フランス国民議会の決選投票は期待を裏切らず、マクロン大統領の「共和国前進」は過半数超の議席を獲得、EURUSDは若干ながら前週末終値1.1190台から窓を明けて上昇からスタートするも、1.1200台は利食いの売りに押されて上昇力は鈍く、1.1190~1.1210の狭いレンジを継続中です。

GBPUSDは、英国ないで続くテロ攻撃とメイ首相の指導力の低下を危惧した声は消えず。19日からスタートするEUとの離脱交渉の行方を危惧しながら、EURGBPの買い(GBP売り)に、ギャップを空け売りからスタートするも、結局は1.2750~80の狭いレンジで推移。予想外に底堅いポンドの動きは逆の意味で要注意。

AUDUSDも動きは鈍く、ロウ豪中銀総裁は「成長率は最近の水準から今後数年にやや加速する見通し」と強気な発言をしていましたが、「賃金の低い伸び、高水準の家計債務、一部都市での住宅価格上昇が経済の足かせになる」と、強弱混在に、一時0.7629まで上昇するも0.7600台まで低下へ。

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フランス国民議会(下院)決選投票=マクロン大統領の新党「共和国前進」陣営は308議席を獲得し過半数を確保。選挙強力の中道政党と合わせ350議席を確保。過半数近くの当選者は選挙経験もなく今後の結果が注目されます。 また、投票率は42%と低く、国民の信頼を得ることができたかは疑問との声も。

IMF対日4条協議=政策の軸足を「量」から「金利」に移したことで、市場との対話強化策として、国債買い入れ額への言及を控えることも一案。

英国のデービスEU離脱担当相=欧州委員会の離脱交渉責任者であるバルニエ委員とブリュッセルの欧州委員会本部で6月19日午前11時(日本時間午後6時)に双方のチームによる約7時間の交渉後、共同記者会見を予定。→ メイ首相が出席する22~23日の首脳会議で、双方を取り巻く雰囲気が改善することを望んでいる。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(先のFOMCで利上げに唯一反対)=利上げ反対の論文で、FRBは労働市場の引き締まりがインフレの加速だと誤って予想。米経済のインフレ低迷を長期化させる過ちを犯した可能性がある。

ハモンド英財務相とカーニーBOE総裁=6月20日に延期となっていたスピーチを行う。

ロウ豪中銀総裁=「成長率は最近の水準から今後数年にやや加速する見通し」→ 世界的な景気回復や、鉱業投資はより正常な水準に戻るプロセスがほぼ完了した国内企業の景況感の改善、雇用の強さを楽観的な材料。

ロウ豪中銀総裁=賃金の低い伸びや高水準の家計債務、一部の主要都市での住宅価格上昇などが今後の経済の足かせになる。「1人当たり国民所得の平均伸び率は今後四半世紀にわたって過去四半世紀の水準を下回る見込み。

英紙サンデー・テレグラフ(保守党上層部の関係筋)=メイ首相が欧州連合(EU)離脱方針を軟化しようとすれば、党内のEU懐疑派から党首の座を追われる可能性がある。

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2017/06/18

今週の為替相場を考える(6月19日~6月23日)

今週の為替相場を考える(6月19日~6月23日)

最近の金融政策の変化ですが、日銀以外では変化が示されています。
1.FRBは「利上を実施し年内追加利上と保有資産の縮小の着手」を示唆。2.カナダ中銀は「刺激策の縮小の可能性」を示唆、3.BOEは「政策委員3名」が利上げを主張。4.ECBは「追加利下げの可能性に関する文言を削除し、経済へのリスクは下向から概ね均衡へと変化させ、デフレリスクがなくなったことを示唆」、スタッフ見通しは「インフレ率を下方修正し、成長率を上方修正」へ。5.そして日銀と総裁は「賃金上昇圧力は着実に高まっている」とありますが、「出口戦略」については語らず。

5月22日にメルケル独首相は「ユーロが強すぎる」と発言をしていました。翌23日にはショイブレ独財務相も「ユーロの為替レートはドイツとっては低過ぎる」と発言しています。これらは共に米国との通商交渉を前にして対米黒字額が単一国家に対する貿易黒字額としては過去最大になることへの懸念と思われています。当時のEURUSDは1.1200近辺で推移し一時ユーロ高の材料としてもてはやされていましたが、約一か月を経た先週末のEURUSDも1.1200で、当時全く変わっていないことになり、この水準から大幅にユーロ安になれば政治的なプレッシャーを受ける可能性も気になります。

先週のWSJ紙で、『ユーロ高、秘密は「ヘッジなし」』とのタイトルで、グローバル投資家が1年間のインターバルを経て欧州に回帰しているとあり、今回は通貨ユーロにも関心が向けられているとのことです。今年に入ってから欧州株に特化した、為替ヘッジなしの米上場投資信託(ETF)に130億ドル(約1兆4200億円)が流入し、ヘッジ付きETFへの流入資金は2億7540万ドルに留まるっていました。

先週のEURUSDの下げで「機関投資家のヘッジ売りが出ていた」との観測も流れていましたが、4月中旬の安値1.0560台から一時1.1300台まで約2か月で約7%近く上昇していたことを考えれば利食いの売りが出ても不思議ではありませんが、基本は欧州の政治的な安定が現実化している現在では、ユーロへと資金移動が続く可能性が高いのではとふと考えてしまいます。

さて、英国はインフレの上昇が止まらず今秋に3.0%になるとの見通しもありますが、逆に経済成長は伸び悩み、所得も強さがみられないことへの不安感があります。先週フォーブスBOE政策委員は論文を発表し、一言でいえばポンド安の弊害を気にしているように思われえてなりません(もちろん、個人的な感想です)。ポンド安がインフレを引き起こし、景気の鈍化を招くスタグフレーションの可能性もあり、極端な通貨安を避け、将来的に利上げをせざるを得ない状態にあるのではないでしょうか? 

短期的には相場はテクニカルで動くことが多く、今週の為替相場には全く影響ないのかもしれません。また、今後の英国の政局変化やインフレ見通しの変化で状態は変わる可能性もありますが、一つの考え方として頭の片隅に置いてください。

テクニカルでは上値は重そうなので短期の相場を別に考え、これらの通貨が十分下がった段階で、EURUSDでユーロコールの買いや、GBPUSDでポンドコールの長めの買いも面白いではないでしょうか? 


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】(今週は、USDJPYに的を絞って考えてみましょう!)


◎USDJPY【予想レンジ 基本はレンジ相場109.70~111.50、上抜けは上昇へ→112.50】


USDJPYは何を材料にして動くのでしょうか? 日経平均株価も安定状態が続き、「株価の変動=円相場の変動」が期待できにくい状態となっています。先週はレンジ相場を決め込んだ投資家や円ロングを持った個人投資家の損切がみられましたが、そのきっかけはGBPJPYの買い戻しが起因しています。最近の傾向ですが円クロスによるUSDJPY相場が動くことが多くなっています。

先週末には6月2日の弱い米雇用統計で急落が始まった水準となる111.50台を意識した展開で、今週もこの水準を上回り再上昇ができるのでしょうか? それともGBPJPYの上昇をきっかけとして上昇した水準となる109.70~80を割り込むことができるのでしょうか? 長期的にはクロスを中心として円安相場が続くことを期待していますが、USDJPY単体はレンジが抜けるまでは新たな水準で逆張り相場が主流となりそうですが、どちらかと言えば円安のリスクがより強く感じられます。 

USDJPYのStockRSIは、Dailyは、K=39.48、D=49.79で買い継続なのですが、ほぼニュートラル。Weeklyも、K=39.48、D=49.79と売りながら、ほぼニュートラル。4時間は、K=81.86、D=93.42と売りで、110.30近辺がターゲットなっています。MAからは、200日SMA=110.52にあり、110.50が終値ベースで下値のポイントになる可能性もあります。

IMM通貨先物の円ポジションでは、円のネットショートは-55,027→-50,553コントラクトとショートは減少していますが、過去の長期平均値とほぼ変わらず、方向性は感じられません。USDJPYのオプションでが、1か月のボラティリティは前週7.75→7.80%と若干の上昇でほぼ変わらず。1か月のリスクリバーサルではドルプットオーバーで、1.2→0.65に低下し、1週間も1.2→0.30と円高方向からの変化が続いています。



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2017/06/17

今週の主な材料(6月19日~6月23日)

今週の主な材料(6月19日~6月23日)

今週は6/22(木)のNZ中銀の金融政策やカナダのCPI以外に、久々に重要はイベントが極端に少ない週となっていますが、先週はFOMCとBOE直後の変動は激しく、今週予定されている米英の中銀関係者の発言が相場変動要因になると考えます。

特に注目しているのは、「FOMCメンバーの発言(本音)」で、利上げに反対したカシュカリ・ミネアポロス連銀総裁は先週発言し、「利上げを見送るべきと考えるのは私一人ではない」と発言しており、「誰が、どのような発言をするのか」講演などを注目しています。

また、15日のBOE金融政策委員会で、サンダース氏、マカファーティ氏、フォーブス氏が予想外の利上げを支持したことでポンド相場が急変しましたが、カーニーBOE総裁や利上げを支持した彼らの発言も注目に値します。

ウィルキンス・カナダ中銀上級副総裁(6/12)とボロズ・カナダ中銀総裁(6/13)の刺激策の縮小の可能性を示唆する発言で相場が動きましたが、今週の23日のカナダCPIはそれを裏付けることができるのでしょうか?気になります。

それと、18日のフランス議会下院選挙の決選投票のですが、第一回投票でマクロン大統領の「共和国前進」が議席の7割近く占めることがすでに織り込みずみなのでしょうか? 市場すでに過去のことのように無視していいますが、想定外の結果には注意してください。


1. 【NZ中銀の金融政策 6/22】
2. 【カナダCPI 6/23】
3. 【ダドリーNY連銀総裁講演 6/19】
4. 【フィッシャー・ダラス連銀総裁講演 6/20】
5. 【ブレイナードFRB理事発言 6/23 】
6. 【メスター・クリーブランド連銀総裁発言 6/23 】
7. 【パウェル・FRB理事発言 6/23 】
8. 【ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演(FOMC投票権なし) 6/20】
9. 【カーニーBOE総裁講演 6/20】
10.【フォーブスBOE政策委員講演 6/22】
11.【カナダCPI 6/23】
12.【想定外のフランス議会下院選挙の決選投票I 6/18】

1.【NZ中銀の金融政策 6/22】
政策金利1.75%の据え置きが予想されていますが、15日の予想を下回った第1四半期GDPや最近のNZドル高に対してどのようなコメントをするのでしょうか? 

2.【カナダCPI 6/23】
前月比予想0.3% 前回0.4%、前年比予想1.5% 前回1.6%と、予想は前回よりやや低下が見込まれています。ちなみに(コア-Common=前年比予想1.4% 前回1.3%、コア-Trim=前年比予想 前回1.3%、コア-Median=前年比予想 前回1.6%、PCIX=前年比予想 前回1.1%)


詳しくは別表をご覧ください。


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最新のIMMポジションから、 2017年6月17日(土曜)

最新のIMMポジションから、 2017年6月17日(土曜)

集計日ではネットショートが減少し、ドル安期待が強まる。

今回のCFTCが発表したIMM通貨先物の投機的なポジションの集計日は6月13日(火曜)で、今回も残念ながら変動幅が拡大したFOMCやBOEの結果は反映していませんが、直前の数字から通貨のネットショートポジションが減少していたことで、ドルにたいして弱気なセンチメントが広がっていたことが推測できます。

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットポジションは、前週-130,689→-113,912コントラクトへとショートが16,777 減少していました。

特徴としては、NZドルのポジションが2月28日来、15週間ぶりに-1,785→+1,595へと転換し、スポット市場のNZDUSDの上昇でも推測できる通り市場のセンチメントが変化していたことが確認できます。

ユーロは、ネットで+74,009→+79.053(+5,044)と、約3年間(156週)続いたユーロショートからロングへと転換してから6週連続で拡大しており、市場センチメントが完全にEUR高方向へと傾いていることが確認できます。

円は、55,027→-50,553とネットショートが小幅に減少しています。昨年11月22日に、歴史的なネットロングからネットショートへと変化してから29週間過ぎていますが、この間のショートポジションの平均値は-53,676コントラクトと大きな変化は見られず、強いか弱いのかよく理解できにくい通貨となっていますが、ネットではショートを維持していることを考えれば、円の先安期待がより強いと判断することもできます。

カナダドルですが、6月12日と13日の両日にわたり、カナダ中銀上級副総裁と総裁からタカ派発言が飛び出し、金融緩和の終焉と将来の利上げ期待が急拡大した影響と思われますが、-94,501→-88.595とショートが減少し、USDCADの下落を考えれば、ショートの減少幅が拡大している可能性もあります。


詳しくは、別途グラフを参照してください。

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2017年6月17日(土曜)昨日16日、海外市場の動き

2017年6月17日(土曜)昨日16日、海外市場の動き


週末の金曜日、3か月連続のマイナスで予想外に悪化した米住宅指標と、昨年10月来の大幅低下の消費者マインド指数に、米金利は低下し米株も強さがみられずドルは全面安。円はクロスで円売りへ。

為替市場は、NZDUSD+0.53%、AUDUSD+0.5%、EURUSD+0.45%、USDCAD-0.42%と、USDJPYの-0.07%を除き主要国通貨はドルに対して全面高で、円はNZDJPY+0.54%、AUDJPY+0.43%、EURJPY+0.38%とクロスで全面安。

弱い米経済指標を受け、米金利は低下し、米10年債利回りは前日2.164→2.151%、2年債も1.351→1.315%へ低下、米株は発表直後に下げ幅を拡大するも終値では、ダウ+24.38(+0.11%)、S&P+0.69(+0.03%)は上昇するも、Nasdaq-13.74(-0.22%)と弱い。

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USDJPYは、アジア市場早朝の110.81を安値に、日銀は金融政策の据え置きを決定し同意はなく、黒田日銀総裁の記者会見もすんなりパス。日米金利差拡大+円ロング筋の買い戻し(含む円クロス)に欧州市場に入っても111.42まで緩やかに上昇を続けるも、111.50円のポイントは超えられず。弱い米住宅指標にドル売りへ変化し、弱い米現物株のスタートに111.00を割り込み、弱いミシガン大学消費者信頼感指数や労働市場情勢指数(LMCI)に、米金利は低下し、早朝の安値を割り込み一時110.65まで続落してようやく下げ止まり、110.87台で終了。

EURUSDは、アジア市場では1.1135~55の狭いレンジが続き、欧州市場に入り、EURJPYなどEURクロスでの買い戻しが強まり1.1180台へ上昇。米国市場に入り弱い米住宅指標にも1.1180台で上値はキャップされていたが、弱いミシガン大学消費者信頼感指数+LMCIに、主要通貨でドル売りが強まる中、フィキシングでは1.1200の大台へ上昇、その後も1.1190~1.1200のレンジで強さを維持。

GBPUSDは、一日を通じ上昇力は鈍いも底堅い展開へ。アジア市場早朝の1.2750をボトムにし欧州市場まで1.2760~85の極狭いレンジで推移。弱い米住宅指標に1.2796へ上昇するも続かず、弱いミシガン大学消費者信頼感指数+LMCIと米金利の低下を受けてようやく上昇を開始し、一時1.2806まで上昇するも続かず、1.2776で終了。ポンドはクロスでは強さがみられず、引き続き政局の不安を抱えながらの展開となっている。

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カシュカリ・ミネアポロス連銀総裁=インフレの鈍化に利上げ決定に反対した。最近のインフレ鈍化が一時的であるとの確証が持てるまでFRBは利上げを見送るべき、と考えるのは私一人ではない。他の委員も反対票を投じると期待していた。わたしの意見に賛同する委員はもっといるとおもうが、行動を起こす準備はできていなかったのかもしれない。

カプラン・ダラス連銀総裁=追加利上げに慎重に臨む必要がある。われわれは慎重に金利を引き上げる必要があり、忍耐強くそして注意深くあるべき。足元で鈍化しているインフレの改善を確認する必要がある。

フォーブスBOE政策委員=英インフレ率は現行の経済モデルが示唆するよりも、為替相場や商品価格変動の影響を受けやすいとする研究論文を公表。中銀の主要経済モデルでは一般に過小評価されている。→ 5月の英インフレ率は2.9%の約4年ぶりの高水準を記録。英中銀は与党・保守党が過半数割れとなりポンド安が進行したことから、インフレ率は秋頃に3%を突破するとの予想。為替相場は英インフレにおける緩慢かつ持続的なトレンド動向と著しい相関関係がある。

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米住宅着工件数=109.2万件(予想121.5万件 前回117.2→115.6万件)、前月比-5.5%(予想4.1% 前回-2.6→-2.8%)、建設許可件数=116.8万件(予想125.0万件 前回122.9→112.8万件)、前月比-4.9%(予想1.7% 前回-2.5%)→ 3か月連続のマイナスと、予想外の悪化にドル売りが強まる。

米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=94.5(予想97.1 前回97.1)→ 予想・前回を下回り、昨年10月来の大幅低下で、景気現況指数87.7→84.7へ低下、消費者期待指数2.6→2.6で変わらず。インフレ期待1年は2.6→2.6で変わらず、5年は2.4→2.6へ上昇。

米労働市場情勢指数(LMCI)=2.3(予想3.0 前回3.5→3.7)→ 予想と前回を下回り、4か月ぶりの低水準

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2017/06/16

2017年6月16日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月16日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

週末の金曜日、材料出尽くし感が広まったアジア市場。日銀はサプライズなしで金融政策の維持を決定し、日経平均株は+78.17(+0.39%)の上昇へ。USDJPは111.30台の達成は失敗するも111円台を維持し、クロスでも円売りが続き底堅く推移していますが、いつもながらアジア市場の動きはあてにならず、期待せずに欧米市場を待つことにします。

昨日の英中銀の予想外の利上げ支持3名への拡大に盛り上がったGBPUSDの高値は1.2780台で上げ止まり、1.2800を超える勢いは感じられません。インフレは目標の2.0%を達成できず、所得の伸びは鈍く、利上げ支持のフォーブス氏は6月で退任とあれば、なおさらでしょう。

想定外となった英国の総選挙でメイ首相の保守党が過半数割れとなった影響に楽観主義者は「ソフト・ブレグジットの可能性」を意識していると思われますが、そう簡単修復できるのでしょうか? このような疑問が根底にあるように思えてなりません。現実を見ると、英金利は上昇しポンドの悪材量は出尽くしているようにも感じられ、超悲観的になる必要はなさそうです。時間はかかるかもしれませんが、ポンド買いを維持、とくにGBPJPYの上昇を期待したくなります。


昨日値を下げたNZDUSDは0.7200~20で動けず。0.7300の大台から値を下げてはいますが、7日間に渡り0.7200割れをボトムにし下げ止まっており、0.7170近辺をボトムに維持できれば再上昇を期待したくなります。 

EURUSDは、昨日1.1180~1.1200を割り込み、弱さが目立ち、アジア市場は1.1140~55の狭いレンジで動きは止まっています。18日の仏国民議会選挙の決選投票でマクロン大統領の共和国前進が大躍進すると思われるも影響は見られず、昨日ようやく本決まりとなったEUとIMFのギリシャ支援も関係なく現在の水準に留まっています。基本は上昇を期待していますが、戻りは鈍く最悪の場合には1.1000~1.1300レンジに修正される可能性も視野にいれ、押し目の買いを考える必要もありそうです。

最後にUSDJPYですが、多くの市場参加者のレンジ相場期待が昨日裏切られ、予想外の上昇となっています。主因となったGBPJPYや他の円クロスの勢いが続く可能性もあり、水準を選びながら買い方向を考えていと思います。

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FXオプションですが、ボラティリティー(ミッドレート・参考レート)は昨日のUSDJPYは111円台へと上昇もあり1M 7.51→8.0%へ上昇、AUDUSDも0.76台へ上昇していることもあり、6.61→6.81%へ上昇、この通貨ペアの変動を示しています。一方のEURUSDは5.85→5.94%、GBPUSDも7.55→7.57%と、上昇しています。

1Mのリスクリバーサルですが、USDJPYは1.01→0.83とUSDプット・JPYコールオーバーですが、1.01→0.83%へ、EURJPYもJPYコールオーバーで、0.82→0.72%へ、GBPJPYもJPYコールオーバーですが、1.51→1.41%へといずれも低下し、円高思考が弱まっています。

昨日は予想外にEURUSDは値を下げ、FXでのポジションは取りにくい状態が続いていますが、オプションでは、1.10~1.13のレンジを想定し中期的な上昇を期待しながら、1.10台があればでEURコールの買いを試してみたくなります。

また、GBPJPYでは変動が激しく、ダウンサイドリスクが決してなくなったわけではなく、プレミアム分はコストとして、オプションでポンドコール・JPYプットの売りも選択肢ではないでそうか?

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日銀は、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で短期金利を-0.1%、長期金利を0%程度とする操作目標の維持と、長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」の維持を賛成多数で決定、サプライズなし。景気の総括判断を据え置き、海外経済と個人消費を引き上げた。

個人消費は「底堅さを増している」として、4月の「底堅く推移している」から判断を引き上げた。足元の予想物価上昇率は、引き続き「弱含みの局面が続いている

長短金利操作や資産買い入れ方針の維持に、佐藤健裕、木内登英の両審議委員が引き続き反対票を投じた。

2%の物価安定目標の実現を目指し、「これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続

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2017年6月16日(金曜)前日15日の動き

2017年6月16日(金曜)前日15日の動き

前日の米利上げと今後の追加利上げ観測に米金利は上昇しドル高へ。英中銀の利上げ支持者増加にポンド一時上昇するも続かず、ユーロは5月19日来の安値へ。円は全面安でUSDJPYは111円を目指し1.26%上昇、クロスでも円安が進みGBPJPY+1.29%、AUDJPY+1.11%、CADJPY+1.07%の上昇へ。NZDUSDは弱く-0.85%低下へ。

米利上げを受け米債券利回りは上昇、10年債は前日2.1256→2.1602、2年債も1.331→1.3514%へ。米株は下げ幅を縮め、ダウは-14.66(-0.07%)、S&P-5.46(-0.22%)、Nasdaq-29.39(-0.47%)と小幅安。原油価格(WTI)は44.34ドルと-0.39(-0.87%)低下。

GBPUSDは、英中銀が予想外となる5対3で金融政策の維持を決定(3人は利上げを主張)。にわかに利上げ期待が膨らみ英債利回りは上昇、GBPUSDは一時1.2790台まで上昇へ。ただし、前日の英雇用統計で所得の伸びは低下し小売売上高も弱く、利上げ支持のフォーブス氏は6月退任、英株は弱く英政局不安もあり前日の高値1.28台を超えられず、決定的な動きに至っていません。

EURUSDは、欧州市場に入りEURクロスで売りが強まり、1.1200を割り込んでからは、予想を下回るユーロ圏の貿易収支や、EURGBPの売りも強く一時1.1130台へと続落、5月30日来の安値で終値ベースでは5月19日来の安値と弱さが目立つ一日となりました。

USDJPYは、英中銀の金融政策発表までは、109.80台の上値は重くレンジ相場が続きましたが、GBPJPYが139.20→140円台へ急伸する中で110円の大台を上回り円売りが加速。欧米金利が上昇しクロスで円売りが強まる中で、実需筋や個人投資家のUSDJPYの売りを飲み込み、111円直前まで上昇し、ようやく上げ止まりながらも高値圏で推移しています。


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7:45    NZD 第1四半期GDP =前期比0.5%(予想0.7% 前回0.4%)、前年比2.5%(予想2.7% 前回2.7%)→ 予想を下回りNZD売りが強まる。
10:00    AUD 6月 消費者インフレ期待=3.6%(予想 前回4.0%)→ 前回を下回る

10:30    AUD 5月 雇用統計: 失業率5.5%(予想5.7% 前回5.7%)、就業者数=4.2万人(予想1万人 前回3.74→4.61万人)、正規雇用者数=5.21万人(前回-0.57万人)、パートタイム雇用者(-1.01万人 前回5.19万人)→ 失業率の予想外の低下し4年ぶりの低水準、就業者数が予想外に増加、AUD買いが強まる

16:30    CHF スイス中銀 金融政策発表=政策金利-0.75%、3か月LIBORターゲットレンジ-1.25~-0.25%
の据え置きを決定、予想通り。

17:30    GBP 5月 小売売上高=前月比-1.6%(予想-1.0% 前回2.3→2.2%)、前年比0.6%(予想1.9% 前回4.0→4.6%)、除く燃料前月比-1.2%(予想-1.0% 前回2.0→2.5%)、除く燃料前年比0.9%(予想1.9% 前回4.5→4.2%)→ 予想外に弱くポンド売りが強まる

18:00    EUR 4月 貿易収支(季調前)=179億ユーロ(予想272 前回309億ユーロ)、季調後=196億ユーロ(予想223 前回231→222億ユーロ)→ 貿易黒字は予想を下回る

20:00    GBP BOE金融政策発表=政策金利0.25%、資産買い入れ枠4350億ポンド、社債買い入れ枠100億ポンドの据え置きを5対3で決定、3人は利上げを支持、予想は7対1

21:30    USD 米新規失業保険申請件数=23.7万件(予想24.2 前回24.5万件)

21:30    USD 6月 NY連銀製造業景気指数=19.8(予想4.0 前回-1.0)→ 予想と前回を大幅に上回る

21:30    USD 5月 輸入物価指数=前月比-0.3%(予想-0.1% 前回0.5→0.2%)、前年比2.1%(予想2.8% 前回4.1→3.6%)→ 予想外に低下へ

21:30    USD 6月 フィラデルフィア連銀製造業指数=27.6(予想24.9 前回38.8)→ 予想を上回る

22:15    USD 5月 鉱工業生産=前月比0.0%(予想0.2% 前回1.0→0.8%)、設備稼働率=76.6(予想76.7% 前回76.7%)→ 予想を上回る

23:00    USD 6月 NAHB住宅市場指数=67(予想70 前回70→69)→ 予想を下回る

23:30    USD EIA天然ガス備蓄高推移=780億バレル(予想860 前回1060億バレル)

5:00    USD 4月 対米証券投資: NET長期TICフロー=-18 (予想 前回597億ドル)、トータルTICフロー=658億ドル(予想 前回93億ドル)

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ユーロ圏財務相とIMF=ギリシャ85億ユーロ融資で合意

トランプ大統領(素案)=キューバへの渡航規制を強化と、キューバ軍が支配下におく企業と自国企業の取引を制限へ。

米議会上院=新たな対ロシア制裁案を98対2で可決。

マルバニー米行政管理予算局長(OMB)=米債務上限引き上げ、トランプ政権の方針未定。

南アはカの株・通貨・債券がトリプル安=南ア政府「鉱山の30%は黒人所有になるべき」と政府が公表した鉱業の資本参加率に関する憲章改定案が嫌気。

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2017/06/15

2017年6月15日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月15日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

欧州市場と米国市場の序盤は、ポンドはBOEの委員メンバー3人が利上げを支持したことでポンドは上昇するも、他の通貨ではFOMC後の米金利の上昇にドル高へ。

米株はさげからスタート、原油価格(WTI)は44.58ドルへと低下、米追加利上げ期待に米10年債利回りは前日2.126→2.16%へ、2年債も1.331→1.36%と共に上昇し、ドルの買い戻しにつながっています。

GBPUSD、動けないアジア市場から流れは変わり、英小売売上高は予想外にマイナス幅が拡大し1.2690台まで下落しましたが、BOE金融政策委員会で利上げの支持者が1→3名(サンダース、マカファーティ、フォーブス)へ拡大、早期利上げムードが強まり直後には1.2790台と1.280の大台直前まで上昇しています。

USDJPYは、アジア市場では109.27をボトムに大枠で109.50~109.80で推移していましたが、GBPJPYが139.20→140.75まで急騰した影響を強く受け、110.00と前日の高値110.34を超え、110.60台へ続伸、6月10日の水準へ上昇しています。

AUDUSDは予想外に改善した雇用統計にアジア市場では0.7630台まで上昇しましたが、欧米市場にかけて逆に0.7570台まで下げ幅を加速。NZDUSDも早朝の0.7270台を高値にし、NZ第1四半期GDPが予想に届かず売りへ変化し、米国市場に入ると0.7180台まで続落しています。

FXオプションのボラティリティは、FOMCの一大イベントが終わり、前日より低下しています。USDJPYは7.94→7.75%、EURUSDは6.04→6.00%、GBPUSDは7.79→7.55%。 

リスクリバーサルは、EURUSDの1か月がユーロコールへと変化し、1か月に続き3か月もユーロプットからニュートラルゾーンに入り、底堅さが目立つ。


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7:45    NZD 第1四半期GDP =前期比0.5%(予想0.7% 前回0.4%)、前年比2.5%(予想2.7% 前回2.7%)→ 予想を下回りNZD売りが強まる。
10:00    AUD 6月 消費者インフレ期待=3.6%(予想 前回4.0%)→ 前回を下回る

10:30    AUD 5月 雇用統計: 失業率5.5%(予想5.7% 前回5.7%)、就業者数=4.2万人(予想1万人 前回3.74→4.61万人)、正規雇用者数=5.21万人(前回-0.57万人)、パートタイム雇用者(-1.01万人 前回5.19万人)→ 失業率の予想外の低下し4年ぶりの低水準、就業者数が予想外に増加、AUD買いが強まる

16:30    CHF スイス中銀 金融政策発表=政策金利-0.75%、3か月LIBORターゲットレンジ-1.25~-0.25%
の据え置きを決定、予想通り。

17:30    GBP 5月 小売売上高=前月比-1.6%(予想-1.0% 前回2.3→2.2%)、前年比0.6%(予想1.9% 前回4.0→4.6%)、除く燃料前月比-1.2%(予想-1.0% 前回2.0→2.5%)、除く燃料前年比0.9%(予想1.9% 前回4.5→4.2%)→ 予想外に弱くポンド売りが強まる

18:00    EUR 4月 貿易収支(季調前)=179億ユーロ(予想272 前回309億ユーロ)、季調後=196億ユーロ(予想223 前回231→222億ユーロ)→ 貿易黒字は予想を下回る

20:00    GBP BOE金融政策発表=政策金利0.25%、資産買い入れ枠4350億ポンド、社債買い入れ枠100億ポンドの据え置きを5対3で決定、3人は利上げを支持、予想は7対1

21:30    USD 米新規失業保険申請件数=23.7万件(予想24.2 前回24.5万件)

21:30    USD 6月 NY連銀製造業景気指数=19.8(予想4.0 前回-1.0)→ 予想と前回を大幅に上回る

21:30    USD 5月 輸入物価指数=前月比-0.3%(予想-0.1% 前回0.5→0.2%)、前年比2.1%(予想2.8% 前回4.1→3.6%)→ 予想外に低下へ

21:30    USD 6月 フィラデルフィア連銀製造業指数=27.6(予想24.9 前回38.8)

22:15    USD 5月 鉱工業生産=前月比0.0%(予想0.2% 前回1.0→0.8%)、設備稼働率=76.6(予想76.7% 前回76.7%)

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2017/06/15 アジア・欧州市場序盤の動き

2017/06/15 アジア・欧州市場序盤の動き

米利上げ実施と追加利上げ期待に米債利回りは上昇し、ドルの買い戻しが続いています。欧州市場に入り英中銀の金融政策の結果が今日のメインイベントと言えるでしょう。

英中銀は政策金利0.25%、資産買い入れ枠4350億ポンド、社債買い入れ枠100億ポンドの据え置きを7対1で決定することを予想していますが、度重なるテロ攻撃と昨日の高層マンションの火災など惨事が多発、単独過半数を維持できなかったメイ首相の保守党は、連立政権を模索中です。今後のEU離脱故障のプロセスを考えれば、本日英中銀が市場の意表を突く変化を決定するとは考えにくいと思われます。

一方のECBも昨日14日にバイトマン独連銀総裁が語っていましたが、ECBは超緩和策の維持を求める政治的な圧力に見舞われる恐れがある」と警告、タカ派の独連銀総裁からの珍しく弱気は発言も気になります。

英国とユーロ圏は遅かれ早かれ資産の縮小に着手すると思われますが、よりスローペースになる可能性があり、積極的に緩和策の縮小を始めている米国との違い今日の為替相場に現れる可能性もあります。

今現在、主要国通貨で一番下げ幅が大きかったのはNZDUSDで、米利上げを受け0.7310台から0.7200台まで値を下げ、前日比で-0.73%の下げになっています。これの動きが海外市場で、AUDUSD+CADUSDがどう変化するのでしょうか? この三通貨ペアの動きも注視したいと思います。

オプションの世界でも米利上げで変化が生じている可能性があります。(前日ロンドン比)。1か月のボラティリティーUSDJPY7.7→7.94へ拡大、EURUSDは5.97→6.04、GBPUSDは7.7→7.79と予想変動率が上昇し、相場変動率が高まっています。

1か月のリスクリバーサルでは、-0.95とドルプットオーバーながら前日から若干弱まっています、EURUSDは0.0で方向性はなく、GBPUSDは-0.9→-0.8とポンドプットオーバーが続きますがやや弱まりつつあります。

結果ですが、
米国との金融政策の違いが昨日の米利上げではっきりとしてきた分、主要通貨のEURとGBPはドルに対してやや弱気になりやすいと考えます。

2017/06/15  前日14日、海外市場の動き

2017/06/15  前日14日、海外市場の動き

米国市場に入り、「弱い米小売売上高+弱い消費者物価指数」に急落した米金利とドルは、FOMCで「期待通りの利上げ+年内追加利上げ示唆+来年3回利上げ予想維持+保有資産の縮小に着手+2%のインフレターゲットに自信+早期のバランスシート縮小あり得る」に、ほぼ全戻しへ。

CMEのFedWatchでは12月の利上げ期待確率は41.2%を織り込む。為替相場はAUDUSDがヒーローで豪州株は連騰し前日比0.70%、次いで、NZDUSDで+0.69%と続伸傾向は止まらず。

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為替相場は米金利の変化と共に上下変動するも、一日を終わってみれば前日比で、AUDUSD+0.70%、NZDUSD+0.69%と共に上昇力を維持、USDJPY-0.45%とクロスでもAUDJPYとNZDJPYを除き、円高傾向を維持。EURUSD+0.08%、GBPUSD+0.01%と共に日中では上下変動するも前日比ではほぼ変わらず。

米10年債利回りは前日2.21→米CPI後2.101→2.129%、2年債も1.363→米CPI後1.282→1.335%へ低下、ダウはFOMC後に上昇+46.09(+0.22%)と上昇、S&P-2.43(-0.10%)、Nasdaq-25.48(-0.41%)と下落しています。

原油価格(WTI)は米在庫統計でガソリン在庫が予想外に増加+原油在庫の減少幅が予想に届かず、46.10台→44.70台へ急落。

為替相場は、FOMCを直前に控えた米国市場の序盤に、弱すぎる小売売上高と消費者物価指数に、FOMCへの不信感も広まり米金利は低下しドルは急落しましたが、FOMCの結果は市場の予想範囲なのですが、直前に弱気になりドル売りが加速した影響の反動が強く、主要通貨ではUSDJPYの除きほぼ、米国市場序盤の水準へと逆戻りしています。

USDJPYは、110.20台から弱い米CPIと小売にFOMCへの弱き期待感が強まり、米金利の低下にドル売りが加速し、オプションカットでは108.90台へまで続落。大枠108.90~109.20のレンジで推移し、109.10台で迎えたFOMCの発表直後は「期待感が選好したドル売りへ」と反応し108.81まで下落、FOMCはほぼ前日までの予想通りの結果となり、109.40台を回復し、イエレン議長の会見で「インフレ低下は一時的」との発言後には109.80台まで値を戻し、109.60近辺で終了。

GBPUSDは、欧州市場で1.2800近くまで上昇するも、英雇用統計で平均所得が予想外低下したことで1.2720台と早朝のスタート地点まで下落。米経済指標の悪化を受けたドル売りに、1.2810台まで一時上昇するなど、EURGBP+GBPJPYの売りも入り、大枠1.2760~1.2820で上下変動が続いた。FOMCの直後の1.2810台を高値に、1.2730まで急落へ。

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FOMC=米経済は緩やかに拡大に、政策金利を0.25%引き上げ1.00~1.25%に決定し、経済が予想通りに上昇すれば年内さらに1回利上げする可能性を示唆し、2018年にも3回の利上げを見込む3月の政策シナリオを維持。

声明で、量的緩和で拡大した保有資産の縮小し、年内にバランスシートの正常化に着手する予定を正式に表明、米国債を最大で月額300億ドル圧縮する計画も公表。

保有資産は売却せず、満期を迎えた債券の再投資で資産を縮小し、米国債は月額60億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)は月額40億ドルを上限、3か月ごとに上限を引き上げ1年後は米国債300億ドル、MBS月額200億ドルへ拡大。

イエレン議長会見は、「コアインフレは下がり始めたが、一時的な価格引き下げの影響」と2%のターゲット達成に自信。「重要なのは何回かだけのインフレ指標に過剰反応しないこと」で、「比較的早期のバランスシート縮小開始あり得る」との発言にドル買いが強まる。

FRBのドットチャートでは、16人中8人が年内あと1回、4人が2回の利上げを見込む。利上げ決定は8対1でカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が据え置きを主張し反対。

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FRBの米経済見通し(失業率以外は第4四半期の前年同期比、失業率は第4四半期の平均 単位%)
 
 適正なフェデラルファンド(FF)金利見通しの中央値(%)
             JUNE        MARCH        DEC         SEPT        JUNE '16
End-2017     1.375       1.375       1.375       1.125        1.625
End-2018     2.125       2.125       2.125       1.875        2.375
End-2019     2.938       3.000       2.875       2.625         N/A
Longer-run   3.000       3.000       3.000       2.900        3.000
    
中間予想値
             
実質GDP
      2017         2018          2019     Longer Run     
June         2.2          2.1          1.9          1.8
March        2.1          2.1          1.9          1.8
 
失業率
June         4.3          4.2          4.2          4.6
March        4.5          4.5          4.5          4.7
      
PCE
June         1.6          2.0          2.0          2.0
March        1.9          2.0          2.0          2.0
      
コアPCE
June         1.7          2.0          2.0          N/A
March        1.9          2.0          2.0          N/A


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IMF=中国の2017年成長見通しを6.7%へと今年2回目の上方修正へ。



2017/06/14

2017年6月14日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月14日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

FOMCを直前に控えた米国市場の序盤は、弱すぎる小売売上高と消費者物価指数に、FOMCへの不信感も広まり、米株先物は上昇するも、米金利は低下しドルは急落。


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米小売売上高は、前月比-0.3%(予想0.2% 前回0.4%)。米消費者物価指数は、前月比-0.1%(予想0.0% 前回0.2%)、前年比1.9%(予想2.0% 前回2.2%)、コアも予想外に弱くドルは直後から売りが加速しています。

AUDUSDは前日比で1.2%上昇し急伸。中国経済指標も強くアジア市場の0.7530台をボトムに、欧州市場で0.7580台、弱い米経済指標に0.7630台へと100pips続伸し、4月3日以来の高値水準で底打ち感が強まっています。

NZDUSDも前日比で1.03%とAUDUSDに続き急伸し、中期的にも5月12日の安値0.6810台から0.7300近くへと2月8日来の水準までNZD高が進んでいます。

USDJPYは110.20台→109.20台へ100pips下落。EURUSD1.1200台→1.1270台へと急伸。

GBPUSDは、欧州市場で1.2800近くまで上昇するも、メイ首相は与党保守党と北アイルランドのDUPとの協議が、ロンドンのグレンフェルタワーで大規模火災の影響に、来週に延期する可能性と、英雇用統計で平均所得が予想外低下したことで、1.2720台と早朝のスタート地点まで下落。英経済指標の悪化を受けたドル売りに、1.2810台まで一時上昇するなど、上下変動が目立っている。


2017年6月14日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月14日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

米国市場でFOMCのビックイベントを控えた、アジア市場の動きは緩慢ながら、欧州市場に入りAUDUSDが+0.63%、USDCADが-0.34%とやや変動が高まり、円クロスではAUDJPYが+0.75%と久々に上昇力が感じられます。

日経平均株価は上昇からスタートし、終盤にかけ値を下げ結局は-15.23(-0.08%)で終了しました。原油価格(WTI)も弱含みでスタートし45.99ドルと-0.47(-1.01%)値を下げています。

為替相場は、FOMCを前にして動きにくい展開のかなで、NZDとCADの買いが確りとしており、市場のドル売りを一時リードしています。

GBPUSDは、欧州市場の早出の動きに一時1.2800を試し上昇しましたが、英政府とDUPの交渉が来週に持ち越しの可能性や、英雇用統計の平均所得が予想外に弱く、1.2790台→1.2720台まで急落しています。

EURUSDは、アジア市場のオープン近くの1.1200台をボムにアジア市場で1.1220、欧州市場の早朝には1.1225まで上昇しましたが、GBPUSDの下落もありスタート地点の1.1200台へ逆戻りとなりました。

AUDUSDは、中国の小売、鉱工業生産前月が予想を上回り強く、200日MA(含む高値)を上回り0.7580台まで上昇しており、カナダドル高に次ぐ上昇の期待感を感じられます。

USDJPYは円がクロスで値を下げ、USDJPYは110.25円まで小幅に上昇していますが、積極的な動きは見られません。

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バイトマン独連銀総裁=ECBが超緩和的な政策スタンスの維持を求める政治的な圧力に見舞われる恐れがある。超金融緩和が国家予算にプラスに働いており、政府はすでに巨額の利払い費を節減できたと主張。最終的には、物価安定の観点から適切と考えられる以上に長期にわたって超金融緩和政策を維持するよう、ユーロシステムに政治的な圧力がかかる可能性がある」とし、「資産買い入れについて言えば、金融政策の変更は、金利の変更よりも直接的に政府の調達コストに影響する」


2017年6月14日(水曜)昨日13日、海外市場の動き

2017年6月14日(水曜)昨日13日、海外市場の動き

FOMCを控えた為替相場のヒーローはポンドとカナダドルでドル売りをリード。米10年債利回りは前日2.2145→2.209%と小幅低下、2年債は1.355→1.3633%と小幅上昇へ。ダウは+92.80(+0.44%)、S&PとNasdaqも上昇へ。原油価格(WTI)上下し結局は45.92(-0.16-0.35%)とほぼ変わらず。セッションズ米司法長官は議会証言で疑惑を否定。

GBPUSDは1.2750台まで上昇(前日比+0.74%)。強い英CPIに加え、英総選挙で保守党が過半数割れにも、14日に北アイルランドの保守政党のDUPと閣外協力される可能性が高く、連立政権下でEU離脱のプロセスがより柔軟なものになるとこ期待感が要因へ。クロスでもポンド高で英総選挙の結果を受けたポンドショートの巻き戻しの流れの一環に思われてなりません。

USDCADは1.3210台まで一時下落(カナダドル高=前日比-0.62%)。前日のウィルキンス・カナダ中銀上級副総裁の「カナダ経済の拡大、刺激策の縮小が必要かどうか評価」発言で急騰したカナダドルは、ボロズ・カナダ中銀総裁の「金利引き下げはその役割を終えた」と、利上げを期待させる発言に、200日MAを割り込み三日連続で下落、5月5日の高値1.3790台から1.3210台へ大幅下落しています。

USDJPYは110円を中心に安定(前日比+0.11%)。一方、GBPJPYは139.00台→140.40近くへと前日比+0.83%上昇、CADJPYも前日比+0.75%と、共に大幅な円売りとなっています。米株高もあり本来ならば円売りが強く出やすい環境にあるにもかかわらず、110円を近くで動かないことは、FOMCを意識しているのでしょうか? 何らかの要因が作用していた可能性もあります。

EURUSDは欧州市場で一時1.1220台まで上昇後は、1.1190~20のレンジで動けず(前日比+0.05%)。独ZEW期待指数は予想外に低下しましたが、イタリア地方選で反体制派政党「五つ星運動」が大敗、マクロン大統領の政党「共和国前進」の18日決選投票で大躍進が期待され、ユーロ圏の政局の安定に底堅さが感じられますが、EURGBP(-0.66%)の売りの圧力を受け上値も重く1.1200近辺で推移しています。

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ボロズ・カナダ中銀総裁=金利は異例な低金利が続いている。低金利はショックをオフセットする役割を担ってきた。金利引き下げはその役割を終えた。

英BBC=14日に北アイルランドの保守政党のDUPと閣外協議の合意と報道。メイ英首相はEUからの離脱交渉を予定通り継続。

ティラーソン米国務長官(上院外交委員会の公聴会)=トランプ政権による外交・海外援助予算の大幅削減の提案を擁護。北朝鮮の核・ミサイル開発を巡っては、ティラーソン長官はすべての同盟国と問題を協議しているとし、中国からは一定の対応が見られた。米国は他国と協力し、石油など、北朝鮮への必要物資の供給を断つ必要がある。

米30年債入札=最高落札利回り2.870% 昨年10月以来の低水準へ。応札倍率は2.32倍と、前回5月の入札の2.19倍から上昇し③月以来の高水準。

スメッツ・ベルギー中銀総裁=成長加速がユーロ圏のインフレ押し上げにつながる見込みだが、まだその兆候は見られない。

OPEC=原油需給の不均衡是正はより緩慢なペースで進んでいる。減産合意に参加していない国の生産量が増え、5月のOPEC産油量が増加したことを明らかにした。市場の調整は進んでいるものの、12月以降ファンダメンタルズが変化。米国の供給が想定された縮小からプラスの伸びに転じていることから、調整のペースは鈍っている。

セッションズ米司法長官(上院情報委員会の公聴会で証言)=米大統領選への介入疑惑について、「ひどい忌まわしい嘘」とした上で、ロシア政府関係者と大統領選に関して話し合ったことはないと疑惑を否定した。

2017/06/13

2017年6月13日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月13日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

欧州株は総じて上昇しEURO STOXX50は+15.28(+0.43%)上昇し、独・英10年債利回りは上昇。原油価格(WTI)は45.84(-0.24-0.52%)と上昇から低下へと変化。米10年債利回りは2.22%と前日とほぼ同水準で推移へ。

米国ではコミー前FBI長官の証言が終わって、本日13日にセッションズ米司法長官が上院情報委員会で証言へ(14:00時、日本時間14日03:30時)→ 米大統領選中のロシア高官との接触や、コミー前FBI長官の解任への関与などが質問される可能性が高いと思われますが、公開されるかは確認ができていません。

また、米首都ワシントンとメリーランド州の司法長官は、トランプ大統領に不動産業を通じて外国政府などから得た報酬は憲法に違反するとしてメリーランドの連邦地裁に提訴しています。もちろん、トランプ氏は反発。

驚きですが、にもかかわらず市場は慣れてきているのか、トランプ大統領対する、正論かフェークニュースかはべつとして、多くのスキャンダル(?)にもドルへ信認が失墜する動きも弱く、現に今日も市場の関心は明日のFOMCの方向を見ています。


為替相場は、前日のカナダドル急騰(USDCAD下落)の流れが続き、アジア市場のオープン1.3320台を高値に、1.3230台まで続落、先日の急落時1.3470台から240ポイント近くと大幅な変化となっています。

GBPUSDは、英総選挙後からポンド売りが強まっていましたが、アジア市場・欧州市場序盤では、前日NY市場の安値1.2639を意識したのか1.2640台をボトム反発。ポンドのシートカバや強い英CPIも加わり、1.2730台まで続伸し米国市場を迎えようとしています。

USDJPYは、前日の安値109.60台、今日のアジア市場の安値109.80台、欧州市場序盤の安値109.90台と、緩やかに上昇し欧州市場の110.20台まで上昇していますが、前日のポイントとなっている110.30台、110.50台と上値のポイントを抜けきれず、米国市場待ちとなっています。

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ショイブレ独財務相=現行の金融政策から適宜脱却し、より正常な軌道に戻る必要がある。FRBはこのプロセスを既に開始し、ECBも最近の理事会で、同様の方向で文言を修正した。


2017年6月13日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月13日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

早くも、為替相場は明日14日の米CPIとFOMCに目が移り動きは緩慢。

日経平均株価の動きは鈍く-9.83(-0.05%)と前日とほぼ変わらず、米10年債利回りも2.22%近辺で大きな変化は見られません。

主要通貨での変動は鈍く、明日14日の米CPIとそして本命のFOMCを前にして、コンセンサスは0.25%の利上げながら、年内に再利上げはあるのか? あるとしたら次回はいつ? この疑問にFOMCと議長の発言を見守る動きとなっています。

GBPUSDは、その中でも前日比+0.39%と上昇力がNO.1で、強い英CPIによるところもありますが、メイ首相の保守党が単独過半数を割り込み、メイ首相が強権を発揮することはできず、英国のEU離脱がハードランディングからソフトランディングに変化するとの期待感も含まれているようにも感じられます。ただ、前日の高値となる1.23台はFOMCを前にして戻り売りに上値が重くなっています。

EURUSDは、フランス・イタリアの選挙を経て政局の安定期待に底堅く推移していますが、14日のFOMCを前にして1.1300の大台をすぐに達成する勢いはなさそうです。

USDJPYは、109.80台をボトムに110.20台まで値を戻していますが、昨日アジア市場でもみ合いとなった110.10~30台の水準を簡単に上抜けできるような材料も見当たらず。狭いレンジでもみ合い相場が続きそうです。ただ、109.80のポイントをボトムに下げ止まっていることで、目先は極端な円高を目指す動きもなさそうです。


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2017年6月13日(火曜)昨日12日、海外市場の動き

2017年6月13日(火曜)昨日12日、海外市場の動き

週明け月曜日、欧米の株価は下落、米債利回りは小幅上昇。為替市場では、DXYが-0.09%と小幅なドル売りながら通貨間で動きは異なっています。今日のヒーローはカナダドルで、ウィルキンス・カナダ中銀上級副総裁の「カナダ経済は拡大」発言にUSDCADは-1.03%下落、CADJPY+0.70%と上昇へ。

逆にポンドは総選挙で過半数を維持できなかった悪影響に最弱通貨で、GBPUSD-0.65%、GBPJPY-0.97%、EURGBP+0.76%、GBPCAD-1.67%と最も下げ幅は大きくなっています。

欧米株は下落、ユーロストックス600は-0.97%の下落。特にハイテク株指数は-3.61%と2016年英国のEU離脱決定後の下げ幅以来の落ち込みへ。米ダウは-36.30(-0.17%)、NasdaqとS&Pも下落へ。

米10年債利回りは前日2.20→2.2127%へ、2年債も1.335→1.355%へ小幅上昇。原油価格(WTI)は46.05と+0.22(+0.48%)上昇へ。

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GBPUSDは続落。欧州市場序盤の高値1.2770を高値に米国市場終盤には1.2630台まで続落。GBPJPY140.80→138.67へ下落、EURGBP0.8780→0.8866へ上昇などのクロスでポンド売りが続いています。

8日の英国の総選挙でメイ首相の与党が過半数を維持することができず、引き続き政治的な不安定のリスクが原因で、英国のデービスEU離脱担当相がEU離脱交渉を当初の19日から延期へ、エリザベス女王の施政方針演説を19日から数日間延期する方針は、潜在的に不安心理をあおり、S&P担当チーフエコノミストは英政局が成長見通に影響を及ぼす可能性を危惧し、ムーディーズは格付けが悪化するリスクを示唆しています。

一方のEURUSDは、フランス大統領選の第一回投票ではマクロンン氏の前進が過半数を超える勢いで、18日の決選投票に臨みます。ユーロ圏の政局安定に結びつき、S&Pはフランスとユーロ圏の成長率を引き上げる可能性を示唆するなど、底堅さが目立ちますが、GBPUSDの下げの影響もあり1.1230台をピークに米国市場では、1.1200を割り込み1.1190台まで一時値を下げています。

また、イタリア地方選の第一回投票で、反ユーロ政党「五つ星運動」が主要都市で25日の決選投票に進めず大敗し、中道政党が支持を伸ばす。2018年5月までの予定となる国政選挙に向けて反体制派の政党が勢いを失っており、ユーロ圏の政局安定は潜在的なユーロ買い要因となっています。

USDJPYは、アジア市場の早朝110.40台を高値に110.50円を超えられず、欧州市場に入りGBPJPYの売りが火付け役となりUSDJPYは110.10~20を割り込み続落、ロンドンフィキシング後には109.60台まで値を下げ、終盤にかけては109.90台まで値を戻すも、110円の大台を回復できず。

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ウィルキンス・カナダ中銀上級副総裁=カナダの経済が拡大していることを示唆、刺激策の縮小が必要かどうか評価する。現時点では刺激策が重要。 → カナダドル買いが強まる。

フランス国民議会(下院)選挙の第一回投票の結果、マクロン大統領の共和国前進が圧勝する可能性があり、18日の決選投票待ちへ。

イタリア地方選(1000以上の市町村の首長選)の第一回投票で、反ユーロ政党「五つ星運動」が主要都市で25日の決選投票に進めず大敗し、中道政党が支持を伸ばす。2018年5月までの予定となる国政選挙に向けて反体制派の政党が勢いを失っている。

複数の当局筋=ギリシャ支援でユーロ圏財務相とIMFは15日の会合で妥協する可能性が高い。

英10年債利回り、フランス国民議会選挙の結果を受け-0.973%へ低下、欧州の政府債への需要が高まり昨年10月11日以来の低水準へ。

メイ英首相の報道官=英国のEU離脱計画に変更はない。

セッションズ米司法長官=6月13日に上院情報委員会で証言へ。(14:00時、日本時間14日03:30時)→ 米大統領選中のロシア高官との接触や、コミー前FBI長官の解任への関与などが質問される可能性が高い。

米9年11カ月物国債入札、最高落札利回り2.195%(前回2.4%)・最高利回り落札比率0.63%、応札倍率2.54倍。

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2017/06/12

2017年6月12日(月曜)欧州・米国市場の動き

2017年6月12日(月曜)欧州・米国市場の動き

週明け月曜日の米国市場は、米株は小幅な下げからスタートし、米10年債利回りは低下、逆に2年債は上昇へと、14日のFOMCで完全に0.25%の利上げ織り込んでいます。

為替市場は、アジア市場からポンドの売りと円の買いが続き、前日終値比ではGBPUSD-0.62%、USDJPY-0.41%と、結局はGBPJPY-1.0%と主要通貨・円クロスの中で最も変動が高くなっています。

要因としては、先週8日の英国の総選挙でメイ首相の保守党が議席を減らし、単独過半数を得ることができなかったことが主因でメイ首相への責任論まで噴出しています。離脱交渉は19日から延期され、エリザベス女王の施政方針演説も先送りとなったこともあります。

英国のデービスEU離脱担当相がEU離脱交渉を当初の19日から延期へ、エリザベス女王の施政方針演説を19日から数日間延期する方針は、潜在的に不安心理あおり、S&P担当チーフエコノミストは英政局が成長見通に影響を及ぼす可能性を危惧し、ムーディーズは格付けが悪化するリスクを示唆しています。

一方、フランス大統領選の第一回投票ではマクロンン氏の前進が過半数を超える勢いで、18日の決選投票に臨む。ユーロ圏の政局安定に結びつき、S&Pはフランスとユーロ圏の成長率を引き上げる可能性を示唆するなど、EURUSDは底堅く推移、特にEURGBPは0.78%と大きく下落、EURUSDの上昇とGBPUSDの売り圧力を強めています。

USDJPYは、日経平均株価の下落とGBPJPYの急落の後押しがあり、欧州市場に入り110.10~20のボトムを割り込み109.80台へ続落。GBPJPYは前日比-1.04%と変動が高くなっており、円クロスで円高傾向が続く間は、USDJPYの反発も望み薄です。


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S&P=フランス国民議会(下院)選挙の第一回投票の結果、マクロン氏の共和国前進が圧勝する可能性が高く、フランスとユーロ圏の成長見通しを引き上げる可能性も。

S&P担当チーフエコノミスト=現在の英国の不安定な政局が今年の英経済成長に影響を及ぼす可能性が高い

ムーディーズ=英総選挙の結果、格付けに悪材料と弱き。

英国のデービスEU離脱担当相=EUとの正式な離脱交渉は、女王の演説があり19日(月曜)に開始できない可能性がある。

英BBC=政治が混乱しエリザベス女王の施政方針演説を19日から数日間延期する方針。

米ワシントンポスト紙=メリーランド州とワシントンは、トランプ大統領を提訴すると発表。大統領が州当局者や外国政府から金銭を受け取ることを禁止している合衆国憲法の報酬条項に違反している。



2017年6月12日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月12日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

週明け月曜日は経済指標の発表や発言も乏しく、フランス国民議会(下院)選挙の第1回投票の結果が意識されています。マクロン大統領の前進が定員577議席のうち過半数を超え450議選近くに迫る勢いです。最も、各選挙区の結果では過半数の獲得数は少なく、最終的には18日の決選投票の結果待ちとなりますが、ユーロ相場にとっては、政治的な安定にプラス要因と言えるでしょう。

その結果、為替市場では早朝からEURUSD上昇から始まり、1.1190台をボトムに底堅く推移し、極端な強さは感じられませんが、「とりあえずユーロ買い」なのでしょうか? 欧州勢の参入と共に前日の高値1.1216を超え1.128まで上昇しています。

ただし、次の台風の目となるイタリアの総選挙の可能性もあり、EUR買いも緩やかな動きとなる可能性もあります。

GBPUSDは、8日の英総選挙結果、メー首相の与党が過半数割れで、北アイルランドの地域政党の協力でようやく過半数を維持できる見込みですが、政局の安定とEU離脱交渉への不安材料が残っています。その結果、週明の月曜日は一時1.2770近くまで上昇後、GBPJPY、EURJPY、GBPAUDとクロスでポンドの売りが目立ち逆に売りに変化しています。

USDJPYは、平均株価は下落して始まり、前日比では-104.68(-0.52%)の下げで終了。110.10~20を底値に何とか下げ止まっていましたが、欧州勢のGBPJPYの売りが強く下値ブレークし、110.00円も割り込み109.90台で推移しています。


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2017/06/11

今週の為替相場を考える(6月12日~6月16日)

今週の為替相場を考える(6月12日~6月16日)

相場は波乱を欲しているのでしょうか? 英国民のEU離脱の選択、米国民によるトランプ氏の大統領に選出、そして、今回の英総選挙のメイ首相の与党惨敗。

英国のEU離脱のプロセスを確固たるものにするため選択した総選挙の前倒しは裏目にでましたが、2019年3月のEU離脱のスケジュールに変化はなく、ポンド相場も投票締め切り直後のBBC出口調査で急落してからは大きな変化はありませんでした。選挙直前の世論調査で過半数届かずとの報道もあったことで、オプション市場ではポンド下落リスクを織り込み済みで、FXでは下げ幅は予想外に少なかったとも言えるでしょう。ただし、与党が単独で過半数を維持できなかった結果の悪影響の有無が今後の問題です。

先週のコミー前FBI長官の証言で、FBIが捜査していたフリン氏のロシア介入疑惑に絡む捜査で、トランプ大統領から圧力をうけて結果的に解任に追い込まれたと推測されます。トランプ大統領や彼の弁護士は真っ向から関与を否定しており、それが司法妨害事件に当たるかの判断は特別検察官の捜査待ちですが、トランプ大領領の政治的な吸引力はさらに弱まっていることは否定できません。ちなみにコミー氏はオバマ政権からも、ヒラリー・クリントン氏の個人的メールの機密文書問題で、不適切な圧力を感じていたとも証言しています。

前置きが長くなりましたが、今週最も注目しているのは14日のFOMCです。市場では14日の利上げの可能性をほぼ100%織り込み、12月の追加利上げを織り込みながら、ドル相場は現在の水準を維持していることを考えれば、異なる結果でドル円相場が動くことは間違いないでしょう。

FOMCで利上げをしなければサプライズですドル売りですが、仮にFOMCで0.25%の利上げを実施しても、次回の追加利上げの可能性が弱まることにでもなれば、ドル売りへと変化する可能性が高くなりそうです。最近の強さがみられない米経済指標と、第2四半期から回復するといわれていたインフレ指標が弱いことです。5月12日の米CPIでは前年比2.4→2.2%、コア前年比2.0→1.9%に低下し、5月30日のコアPCE価格指数も1.6→1.5%へ低下、6月1日の米ISM製造業景況指数の仕入れ価格は68.5→54.9へ低下、6月5日の非製造豪の仕入れ価格は57.6→49.2へ低下しています。



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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY【予想レンジ109.50~111.50】

政治的な圧力が円相場に与える影響はひとまず過ぎ、今週は日米の金融政策の結果で円相場が変動する可能性が高くなっています。FOMCの0.25%の利上げを織り込み、次回12月の追加利上げの可能性を織り込み、日銀の据え置きを織り込みながら、ドル円相場は110円台半ばで安定推移していると考えていいでしょう。

直近では日本のデフレ懸念は弱まりつつあるとの見方増えていることが気になります。16日の金融政策決定会合で出口戦略を巡る議論で「市場との対話を重視する方向に修正しつつある」との一部報道もあり、黒田日銀総裁の記者会見で言葉の変化があれば一時的に円高へ動くと思われますが、現状と変化がなければ失望的な円売りになる可能性も否定できません。

テクニカルでは、109.10台をボトムにし日足で7日、8日、9日と3連騰しながらも、6日の高値110.51を終値ベースでは上抜けすることはできずにいます。今週はこの水準を日々終値ベースで超えられるか、さらに111円の大台を超えられるかを注目しています。ローソク足の週足ベースではオープン・クローズがほぼ同水準で下髭の長いドル買いへの転換線となっている可能性もあり、日足のポイントを合わせて考える必要がりそうです。

IMM通貨先物の円ポジションでは、円のネットショートは-52,275→-55,027とショートが小幅拡大していますが、昨年11月29日にショートに転じてから過去28週の平均-53,787とほぼ同水準で安定した動きが続いています。USDJPYのオプションでリスクリバーサルではドルプットオーバーは変わりませんが、1Wは-1.55→-1.20へ、1Mでは先週末-1.35→-1.20%とやや低下気味でで、円高思考がやや弱まってきています。


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◎EURUSD【予想レンジ 1.1100~1.1250】

EURUSDは、FOMCの結果と追加利上げの有無が最も重要ですが、英総選挙に比べれば一段と注目度は低いのですがフランス議会下院選挙第一回(日本時間、6月11日午後3時~12日午前3時)、決戦投票(6月18日午後3時~19日午前3時)の結果が気になります。マクロン氏の独自政党「前進」がどれだけ得票することできるのでしょうか? 支持基盤が盤石になればユーロ圏の政治的な安定につながり、ユーロ相場にとってはプラスに反応することでしょう。

テクニカルでは、200日SMA=1.0830をベースに上昇傾向を続けていますが、1.1300の大台をクリアすることはできず、GBPUSD下げの影響に200時間SMA=1.1227を割り込んでからは、売りの流れが強まり小幅ながら3日間続落となっています。週足のローソク足でははらみ線が出ており、売り変化の可能性もありますが、中期的には前週の安値水準となる1.11絡みでは逆に買い圧力が強いと考えます。

IMM通貨先物の円ポジションでは、ユーロのロングは5週連続し、ネットでは+72,869→+74,009コントラクトへ拡大し、2013年10月22日の水準を超え2011年5月3日の+99,516に次ぐ水準となっていますが、先週同様に過熱感は感じられません。EURUSDの1mオプションのリスクリバーサルでは前週の0.00%と変わらずですが、長期ではユーロプットが縮小する傾向にあります。


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今週の主な材料(6月12日~6月16日)

今週は、政治的な材料は乏しい半面、利上げ間違いなしと思われている米FOMCをはじめ、英中銀、スイス中銀、日銀の金融政策の発表が主要テーマになることでしょう。また、米国、ドイツ、英国、ユーロ圏のインフレ指標の発表が多くなっており、米国債入札の結果も気になります。英総選挙のサプライズに影が薄くなっていますが、11日のフランス国民議会(下院)選挙の第1回投票と、18日の決選投票も気になります。

1. 【FOMCとイエレンFRB議長会見(6/14)】
2. 【米国の消費者物価指数(6/14)】
3. 【英中銀の金融政策委員会 (6/15)】
4. 【英国の雇用統計(6/14)】
5. 【豪州の雇用統計(6/15)】
6. 【NZの第1四半期GDP(6/15)】
7. 【日銀の金融政策決定会合と黒田日銀総裁の会見(6/16)】

その他(沢山あり、個別の説明は省略します)
【米国発の重要は経済表】
【米国の国債入札、10年債(6/12)、30年債(6/13)】
【英国の消費者物価・生産者物価指数(6/13)】
【ドイツの消費者物価指数(6/14)】
【ユーロ圏の消費者物価指数(6/16)】
【フランス国民会議選挙、第1回投票(6/11)の結果と、決戦投票(6/18)】

1. 【FOMCとイエレンFRB議長会見(6/14)】
(15日 3:00時)市場のコンセンサスは、政策金利0.25%引き上げ1.0~1.25%を予想しており、CMEのFedWatchでは利上げの確立予想が99.6%と利上げをすることが前提となっています。穴馬を狙うなら、インフレ率がやや低下気味で最近の強さがみられない米経済指標に、今回は利上げを見送り9月20日に延期される可能性ですが確率は低いと考えます。期待通り0.25%の利上げを実施したとしても、12月の再利上げの有無が次のテーマになりそうです。

2. 【米国の消費者物価指数(6/14)】
(21:30時)FOMCと同日でFOMCより早く発表されますが、予想は前月比予想0.0% 前回0.2%、前年比予想2.0% 前回2.2%、コア前月比予想0.2% 前回0.1%、コア前年比予想1.9% 前回1.9%で、インフレ率の伸びの低下が予想されています。

3. 【英中銀の金融政策委員会 (6/15)】
(20:00時)政策金利0.25%、資産買い入れ枠4350億ポンド、社債買い入れ枠100億ポンドの据え置きを7対1で決定することを予想しています。市場は年内の変更はなく来年から緩やかに資産買い入れ枠を減少するとみていましたが、今回英国内で連続するテロ攻撃、予想外の総選挙の結果を受け何らかの変化があるのでしょうか?直近の英CPIは前年比2.7%で、6月9日にBOEは一年後のインフレ率を2.9→2.8%に若干下方修正しましたが、非常に高水準であることは変わりありません。

4. 【英国の雇用統計(6/14)】
(17:00時)  失業率=予想2.3% 前回2.3%、失業者数増減=予想1万人 前回1.94万人、ILO失業率(3か月・前年比)=予想4.6% 前回4.6%と、失業者の減少が予想されています。

5. 【豪州の雇用統計(6/15)】
(10:30時)失業率予想5.7% 前回5.7%、就業者数=予想1万人 前回3.74万人と、就業者数の減少が予想されています。いつもながら短期的な変動が高いこともあり、発表後の変動には注意が必要です。

6. 【NZの第1四半期GDP(6/15)】
(7:45時)前期比予想0.7% 前回0.4%、前年比予想2.7% 前回2.7%と、前期比では前回よりも上昇が見込まれています。直近のNZD相場は強さが感じられますは、その流れを維持できるのでしょうか? 早朝の発表でもありいつもながら短期的な変動がこともあり、直後の変動には注意が必要です。

7. 【日銀の金融政策決定会合と黒田日銀総裁の会見(6/16)】
(昼頃)短期の政策金利をマイナス0.1%、長期金利である10年物国債金利をゼロ%程度に操作する現状の金融市場の調節を続けることが予想されています。ただ、「日銀は出口戦略を巡る議論について、時期尚早から説明重視に姿勢を改め、市場との対話を重視する方向に修正しつつある」との報道もあり、黒田日銀総裁の慎重姿勢がどのように変化するのか注目しています。


詳しくは別表をご覧ください。

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2017/06/10

最新のIMMポジションから、 2017年6月10日(土曜)

最新のIMMポジションから、 2017年6月10日(土曜)


今回のCFTCが発表したIMM通貨先物の投機的なポジションの集計日は6月6日(火曜)で、残念ながら8日のトリプル・イベントを反映してはいませんが、結果的にポンドの急落以外は他の主要通貨の変動はそれほど大きくなく、除くポンドで市場全体の動向を反映しているとも考えられます。

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットポジションは、前週の-128,228→-130,689コントラクトへとショートが2,461増加し、コミー前FBI長官の証言を控えながらも、ECB理事会や英総選挙が同日に控えていたことが影響したのか、通貨のショートが微増(ドル売りが予想外に少ない)していたことが特徴ともいえそうです。

ポンドは英総選挙前にもかかわらず、世論調査会社の中で与党が過半数に届かないとの予想もあり、ポンドのショートが最も増加し、ネットでは-29,651→-36,716とショートが7,065拡大していたことが特徴となっています。

主要7通貨で最もショートが大きかったカナダドルの変化も大きく、ショートは-98,187→-94.501と3,686コントラクトと、不安定な原油価格にもかかわらずショートが減少しています。

唯一ロングのユーロは、72,869→74,009へとロングがさらに拡大し、ポジションだけ見れば一人勝ちの状態で、逆に21週間かろうじてロングを維持してきた豪ドルは、+3,067→-114とショートに転換しています。

円は、ネット-52,275→-55,027とショートが2,752コントラクト拡大し、引き続きポジション的には少ないのですが、円先安思考が続いていると考えてもいいでしょう。

以上から、今週も引き続きユーロがドルに対して相場をリードすることが考えやすいと考えます。




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2017年6月10日(土曜)昨日9日、海外市場の動き

2017年6月10日(土曜)昨日9日、海外市場の動き

週末の金曜日は、予想外の英選挙結果にポンドが急落し全面安。前日のコミー前FBI長官の証言は「司法妨害」とは明言せず、トランプ大統領は逆に反撃するも、市場は予想外に冷静。

為替相場は、ポンドの急落(GBPUSD-1.61%、GBPJPY-1.37%、EURGBP+1.45%)以外は、あまりにも冷静とでもいうのか来週のFOMCを意識しているとでもいうのか、ポンドを除けばUSDJPYの+0.26%の上昇率が最も高く、他の主要国の動きは緩慢。

米10年債利回りは前日2.189→2.20%へ、2年債も1.3143→1.3347%へ上昇。原油価格は45.90(+0.26+0.57%)と終盤にかけて小幅上昇へ。

米株は上昇から始まり、ダウは最高値を更新+89.44(+0.425)上昇するも、S&Pは-2.02(-0.08%)、テクノロジー株が売られNasdaqは-113.85(-1.80%)と低下しやや不安感が残る。

GBPUSDは、前日比-1.61%下落。メイ首相の保守党は定員650のうち、保守党318議席と過半数を維持できず。メイ首相は続投し、北アイルランドの保守政党と協力して組閣へ。英国の政治情勢が不透明になり19日からはスタートするEUとの離脱交渉に向けて求心力の低下を懸念するも、英国の格付けは今のところ変化なし。

GBPUSDは、午前6時にBBCが出口調査で保守党が過半数を得られない可能性を示唆し、1.2950台→1.2690台へ急落した後、欧州市場で一時1.2630台へ下落するも続かず。英国株は強く英国債の価格は上昇し、1.2740近辺を中心に約上下40pipsのレンジで取引が続くも、今後のEU離脱交渉の進展がカギへ。

USDJPYは、3連騰。欧米市場で110.50を超えてから円ロングのストップが強まり、米株と米金利の上昇し、オプション絡みの買いの可能性も高く110.80まで上昇。フィキシング後から流れは変化しドル売りへと変化。逆に米株の下げが強まり110.50を割り込み一時110.10台まで下落し、前日比+0.26%高の110.316で終了。

◎中国のCPIは前年比1.5%で予想通りながら前回1.2%を上回る。
◎独貿易収支は予想を下回るも前月からは横ばい。
◎英製造業生産・鉱工業生産の前年比は予想外に弱い。
◎カナダの雇用統計は就業者数が予想外の増加しカナダドルが上昇へ。

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トランプ大統領=1兆ドル規模のインフラ整備計画の一環で、高速道路建設などの一連のプロジェクトの認可プロセスを加速させる新たな取り組みを発表。

ムニューシン米財務長官=連邦債務上限が8月までに引き上げられなかったとしても代替案がある。連邦政府の歳入が予想を下回っていることを懸念せず。

英総選挙の最終結果=定員650のうち、保守党318議席、労働党262議席。

メイ英首相=総選挙で与党・保守党が過半数割れとなり、議会で北アイルランドの親ブレグジット政党である民主統一党(DUP)と協力。

フィッチ、ムーディーズ、S&Pは英国の格付け見通しを現在そろって「ネガティブ」し格付けは変更しなかったが、選挙後の英国が直面する政治的な問題を警告する声明をそれぞれ発表。

2017/06/09

2017年6月9日(金曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月9日(金曜)欧州・米国市場序盤の動き

コミー前FBI長官の証言も関係ないとでもいうのか上昇を続ける米株。英総選挙の結果は関係ないのか、独DAXと英FTSEも上昇が続く。米10年債利回り、2年債も上昇が続き、金利差拡大にドル買いが続く。

GBPUSDは、結局メイ首相の保守党は過半数を得ることはできず、北アイルランドの保守政党と協力して組閣へ。英国の政治情勢が不透明になり19日からはスタートするEUとの離脱交渉の何等かの影響があることは間違いないが、英国の格付けに影響はない。

GBPUSDは、午前6時にBBCが出口調査で保守党が過半数を得られない可能性を示唆し、1.2950台→1.2690台へ急落した後は、最終結果が決まり、欧州市場で一時1.2630台へ下落するも続かず。結局のところ英国株は強く、英国債券に大きな変化もなく、1.2740近辺を中心に約上下40pipsのレンジで取引が続いている。

USDJPYは、リスク回避の円買いは何処へ? 米株と米金利の上昇もあり、110.50円を超えてからは短期筋のストップとオプション絡みの買いなのか、110.80まで上昇。

USDCADは予想外に大幅増加したカナダの就業者数に、1.3510台→1.3460台へ急落、原油価格も下げ止まり1.3450台まで続落。


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メイ英首相=北アイルランドの保守政党と協力し組閣へ。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=ユーロ圏のインフレはリスクバランスが鈍化している可能性を示唆し、ECBの金融政策を複雑にさせており、得にユーロが上昇すればインフレ鈍化のリスクが高まる。

トゥスクEU大統領=英国のEU離脱交渉には明確な期限がある。遅れれば合意が間に合わない可能性も。

BOE公表の5月調査=英国の今後1年のインフレ率予想は2.9→2.8%に若干低下し、今後2年2.7→2.8%へ、5年では3.2→3.35に上昇へ。

2017年6月9日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月9日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

早朝のBBC出口調査の報道からポンドは急落。ただし、下げ幅は以外に限定的。

週末の金曜日早朝、ECB理事会・ドラギ総裁記者会見とコミー前FBI長官の証言も過ぎ、NY市場の終了の日本時間午前6時。英総選挙の投票が締め切られ、同時に発表されたBBCの出口調査では、メイ首相の保守党は過半数を維持できず。

このBBC報道をきっかけとし、GBPUSDは1.2950→1.2710台へ急落。選挙結果も出口調査と同じく、午後3時原現在では、過半数326議席に対して、保守党312、労働党260で、保守党は過半数を確保できず。

結局、両党とも過半数を維持することはできそうになく、EU離脱交渉で強権を発揮することもできず、もちろん阻止することもできず。

保守党は第一党の地位は変わらずで、超悲観的に考える必要も感じられず。一部には今回の結果を受けながらも、欧州単一市場へのアクセス維持や移行期間を設ける穏健なEU離脱の見通しが強まることで、選挙を巡る騒動が落ち着いた後に強気になり得るとの考えもある。

いずれにしても2019年まで、2年間のタイムリミットまで時間がありすぎ、GBPUSDの相場を短時間の目で考えると間違いとなる可能性も。

GBPUSDは1.2820台を戻り高値に、1.2700~1.2800の100ポイントのレンジで上下し、下値を試す動きが続く。



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2017年6月9日(金曜)昨日8日、海外市場の動き

2017年6月9日(金曜)昨日8日、海外市場の動き

6月9日午前6時過ぎ、英総選挙、BBC出口調査でメイ首相の保守党は過半数を維持できず。GBPUSD急落! 1.2950→1.2720台まで下落、GBPJPYも142.50→139.80近くへとげ悪。

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ECB理事会・ドラギ総裁記者会見も過ぎ、コミー前FBI長官の証言も過ぎ、為替市場はサプライズは見られず動きは予想外に緩慢で、今朝6時で投票が締め切られる英総選挙の結果待ちへ。

為替相場の変動は予想外に少なく主要通貨を前日比で見ると、EURUSD-0.39%を筆頭にし、NZDUSDが+0.23%と逆に上昇、結果として、EURNZDは-0.64%変動へ。USDJPY+0.19%、GBPUSD-0.09%、AUDUSD-0.08%。

米株は小幅上昇、ダウ+8.91(+0.04%)、Nasdaq+S&P500も上昇へ。米10年債利回りは前日2.173→2.192%、2年債は前日1.31→1.318%へと小幅上昇。

ドラギECB総裁は、政策金利を引き下げる可能性を示唆する文言を削除するも、物価見通しの下方修正に、金融緩和策の解消は時期尚早。→ QEの縮小はいずれ開始されるとみているもその時期はまだ先と思われる。

コミー前FBI長官の証言は、前日の委員会発表と大きな変化は見られず。大統領との会話が捜査妨害の試みだったか私が断言すべきでなく、「特別検察官がやがて答えを出すこと」と、新たな材料も見られず→ 米株は持ち直し上昇へ。

EURUSDは、欧州市場の早朝1.1270近辺を高値に除所に値を下げ、ECB理事会とドラギECB総裁の記者会見で一時前日の安値1.1200を割り込み、1.1195まで下落。コミー前FBI長官の証言でも上下変動しながらも大枠で1.1195~1.1240のレンジを維持しながら、英総選挙の結果を見守る動きへ。

USDJPYは、前日に続き底値を切り上げ緩やかに上昇へ。アジア市場で、「日銀の出口論を巡る議論で、時期尚早から市場との対話を重視する方向に修正しつつある」との報道に、一時109.90→109.39まで下落するも、欧州市場に入り110円の大台を急回復。コミー前FBI長官の証言でサプライズは見られず一時110.40近くへと上昇、利食いの売りに109.86まで一時値を下げるも、英総選挙の結果待ちで動きは緩慢に。


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イタリアの政治動向=イタリア議会が今後数週間以内に新しい議決制度を導入する法案を承認すれば、イタリアは今秋、総選挙のために今年の世論調査に向かう可能性。

黒田日銀総裁=デフレマインドを転換することは容易ではない。日本経済は、賃金の上昇を伴いながら物価上昇率が高まる好循環が作用。物価安定の目標である2%の達成には、なお距離がある。

コミー前FBI長官の上院情報委員会での議会証言=トランプ氏に名誉傷つけられた、自身にもFBIにも非難されるべき点はない。解任時の大統領の説明は全く嘘。

コミー前FBI長官の上院情報委員会での議会証言=トランプ氏が継続中の捜査に介入した疑いについて、司法妨害に当たるかどうか考えを述べることを控え、特別検察官がやがて答えを出すことになる。

コミー前FBI長官の上院情報委員会での議会証言=フリン前大統領補佐官の捜査から手を引くよう求めることでトランプ氏が司法妨害を狙ったかとの質問に対して「大統領との会話が妨害の試みだったか私が断言すべきことではない」と回答。

コミー前FBI長官の上院情報委員会での議会証言=ホワイトハウスがロシアに関する調査をやめさせようとしたかとの質問には「私の理解ではそうではない。違う」。

ドラギECB総裁=金融政策の正常化を議論しなかった。ユーロ圏経済は、「リスクは下向き」→「概ね均衡」へと変化し、上振れ・下振れでリスクは均衡。インフレは概ね抑制。

スタッフ見通し=インフレ率を下方修正し、成長率を上方修。

ドラギECB総裁=ユーロ圏の今後数年の成長ペースがこれまでの予想を上回りそうだと述べ、景気に楽観的。

英総選挙、BBC出口調査でメイ首相の保守党は過半数は維持できず

英総選挙、BBC出口調査でメイ首相の保守党は過半数は維持できず。GBPUSD急落!