2017/06/28

2017年6月28日(水曜)昨日27日、海外市場の動き

2017年6月28日(水曜)昨日27日、海外市場の動き

ドラギECB総裁のタカ派発言にECBの金融政策の変化を期待し、EURは急伸。

米債利回りは上昇し株価は下落。イエレンFRB議長は想定内にとどまり、IMFは米成長を下方修正し、米上院共和党はオバマケア代替法案を週内に採決できず。ドルの強さは見られず。

為替市場は強弱2極化。EUR+CHF+GBPは強く、JPY+AUD+NZDは弱く、円はクロスでも全面安。

EURUSDは、ドラギECB総裁発言を受けECBの金融政策の変化を先取りし上昇が目立ち、独債券利回りは0.245→0.37%へ急騰。EURUSDは1.1180台→1.1350近くへと昨年8月の水準となる1.13台へ急伸、前日比1.40%と大幅上昇へ。EURはクロスでも全高で、EURJPY1.87%、EURGBP0.67%と上昇率も高い。

USDCHFもEURCHFの影響があるのか、0.9730台→0.9590台へと急落、CHFはクロスでもEURCHFを除き全面高で、CHFJPY1.68%上昇するなど、前日比-1.27%と大幅な変動へ。

GBPUSDは、BOE金融安定化レポートやカーニーBOE総裁発言も特に材料とならず、EURGBPの影響にGBP売り圧力を受けながらも、8月のBOE金融政策委員会で金融政策の変更期待が膨らみ、終盤にかけては瞬間1.2860近くへ急伸するなど、前日比でも+0.72%と上昇幅を拡大。GBPJPYも1.15%上昇へ。

USDJPYは負け組へ。ドラギECB総裁発言を受けたユーロ圏の金利上昇と米金利の上昇の影響に円は全面安。EURJPY、GBPJPY、CHFJPYとクロスでの円売りが激しく、5月24日の高値102.13を上回ると112.47まで続伸。112.50のオプションがらみなどテクニカルポイントを前にして伸び悩むも、112円をボトムに底堅く推移。

◎ドラギECB総裁は、強弱両面で発言するも市場はタカ派発言に注目。「すべての兆候はユーロ圏の景気回復の強まりと広がり示唆、デフレ圧力はリフレに変わった」と、緩和縮小の可能性を示唆→ EUR急伸。
◎イエレンFRB議長は、低失業率がインフレを上昇させると確信。緩やかなペースの利上げを市場も予想、注意深く見守る。
◎フィッシャーFRB副議長は、リスク選考度の上昇を警告
◎IMFは米経済予測値を予想に組み込まれていた財政面の刺激策を除外し下方修正へ。
◎米上院共和党はオバマケア代替法案の採決を休会前にできず。
◎S&Pケースシラー住宅価格指数は予想を下回るも、CB消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数は予想を上回る。
◎カーニーBOE総裁は、英総選挙によるブレグジット緊急対応プランを変更せず。現時点で利上げは望ましくない。


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IMF(米経済年次審査報告)=米経済予測を引き下げへ。トランプ大統領の減税とインフラ支出拡大で成長が押し上げられるとの想定を予測から除外(予想に組み込まれていた財政面の刺激策を除外)。米経済成長の予測値(4月時点比)は、2017年2.3→2.1%、2018年2.5→2.1%。

IMF(米経済年次審査報告)=米経済には人口の高齢化から生産性の低い伸びに至るさまざまな問題があり、労働市場がすでに完全雇用に復帰した状況でトランプ政権が目指す年間3%の成長は難しいと判断。

オバマケア代替法案(米上院共和党)=7月4日の米独立記念日の休会前の採決を目指したが、採決を先延ばしへ。

BOE=銀行に定める自己資本を標準的な水準に引き上げた。

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁=ドル相場はFRBにとり現時点で大きな懸念ではない。

イエレンFRB議長=我々の時代に金融危機の再発を想定せず。新たな金融危機は排除できないが、システムは格段に安全。我々は自己資本に注目。最近の生産性の伸びは鈍化傾向。実質所得は米国の半分で停滞ぎみ。低失業率がインフレを上昇させると確信。緩やかなペースの利上げを市場は予想しておりそれを明確。

米5年債入札(340億ドル)=応札倍率2.33倍で4か月ぶりの低水準で、再考入札利回りは1.828%と7か月ぶりの低水準。

欧州連合(EU)=競争当局はグーグルに対し、競争法違反の制裁金としては過去最大となる24億ユーロ(約3020億円)を科す。

フィッシャーFRB副議長=最近の株・不動産の資産価格の上昇は景気の回復見通しとリスク選好度の高まりを反映。金融システムでは、脆弱性が過去に比べると度合いを弱めているが、自動車や学生ローンの融資残高が増加し、滞納率も上昇する傾向にあり監視が必要。


原油価格(WTI)=米在庫減少の予想に44ドル台を回復。