2017/06/28

2017年6月28日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年6月28日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

ECB関係者は利上げ期待の過熱を冷やし、カーニーBOE総裁は刺激策の解除の可能性を示唆、EURUSDは下落、GBPUSDは上昇、(ドラギECB総裁の発言待ち)

EURUSDは一時1.1380→1.1290台まで一時下落。ドラギECB総裁の発言前の前哨戦で、ECBの関係者は昨日のドラギ総裁発言について「差し迫った政策引き締めを意図せず市場は誤解、バランスの維持が狙い」と市場の利上げ期待の過熱した緩和の縮小期待を冷やす。

逆にGBPUSDは、1.2840台→1.2940台へと急伸、EURGBPは0.8870台→0.7770台へ下落。カーニーBOE総裁は「ある程度の刺激策の解除が必要になる可能性」を指摘、緩和の縮小を期待する動きにドル売りが強まる。

米株は100ドル近く上昇して始まり、米債利回りは上昇幅を縮小、原油価格は44ドル近辺で変わらず。

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カーニーBOE総裁=これからの数か月間で利上げを議論する可能性があり、ある程度の刺激策の解除が必要になる可能性。金融緩和措置を部分的に解除する必要性が出る可能性も。

複数のECB関係者=ドラギECB総裁の発言は、差し迫った政策引き締めを意図せず。ユーロ圏経済の力強さと金融面での支援が引き続き必要なことのバランスをとることを意図したもの。

ボロズ・カナダ中銀総裁=2015年に実施した利下げは役割を成し遂げた。我々は新たな金利決定に近づきつつある。今後の経済成長はやや鈍化する見通しだが大幅に減速することはない。

ECB公表データ=5月のユーロ圏の銀行融資は、4月2.4→2.6%へ加速し2009年3月以来の高水準、企業向けは2.4%で変わらず。家計向けが金融危機後で最大の伸びを記録。

エドワーズ元豪中銀理事=インフレ率が目標に戻り経済成長率が3%に加速するとの予想に、豪中銀は恐らくすでに利上げプログラムを検討していると分析。予想通りなら2018年、2019年に0.25%の利上げを計8回実施の可能性がある。引き締め開始が早まる可能性もあり、引き締めそのものでなくとも少なくとも引き締めを示唆するシグナルが発せられるだろう。

ウイリアムズSF連銀総裁=米国は実質賃金の伸びが生産性上昇ペースを上回っている。労働市場の引き締まりで、賃金の伸びが加速する兆候がある。

S&P=ユーロ圏の2017年の成長見通しを1.6(3月)→2.0%に上昇。ECBは、中銀預金金利は2018年終盤に引き上げられる可能性、QEプログラムを2018年まで延長も、ペースはかなり緩やか。