2017/06/20

2017年6月20日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2017年6月20日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

豪中銀議事録は、過熱する不動産価格を懸念しながらも、経済成長へは楽観的な見方を示し、金融安定性のリスクの高まりに金融政策の維持を決定。カーニーBOE総裁講演では「インフレ圧力は抑制、利上げするときではない」と発言しポンド売りへ。

GBPUSDは-0.42%と弱く、NZDUSD+0.42%と逆に強くGBPNZDは-0.83%と大幅に値を下げている。

日経平均株価は+162.66(+0.81%)上昇、アジア株式は小幅安ながら、欧州株は上昇からスタート。米10年債利回りは弱含で推移するとも2年債は前日とほぼ同水準を維持。

AUDUSDは、豪中銀議事録の発表直後に上下変動しながらも0.7580台をボトムに、欧州市場に入りカーニーBOE発言を契機に、GBPAUDの売りが強く0.76120まで上昇し高値圏での取引が続いています。

USDJPYは、早朝の111.48をボトムに日本株の上昇に111.77まで上昇、その後も111.50~80の狭いレンジで推移しています。今後のレンジ予想は111.20~00で、112.00円近辺は5月23~26日にかけて上値を失敗した水準でこれが強く意識されており、5月24日の高値112.13をクリア(安全に)に上回ると次のショートカバーが入りやすいと思われます。

GBPUSDは、カーニーBOE総裁のハト派発言に、15日のBOE金融政策委員会の利上げ期待ムードは一変し、ポンド売りへと変化。直前の高値1.2750台をピークに、一時1.2670割れまで下落してようやく下げ止まるも、しばらくは売り圧力を受けそうな展開となっています

オプションでは、USDJPYの1mボラティリティは7.98→7.77へ軟化、EURUSDも5.90→5.95へ軟化していますが、GBPUSDは7.38→7.57へと上昇しています。リスクリバーサルはUSDJPY−0.65→-0.64(ミッドレート)へとドルプットが、EURJPYも-0.76→-0.63へとEURプットが低下し円はやや弱気に変化しており、USDJPYのドルコール・円プットの買いの流れが強まる可能性もあります。


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豪中銀議事録(6月6日分)=経済成長に対する楽観的な見方を維持しつつも、金融安定性に対する懸念の高まりから、緩和的な政策スタンスの維持が適切との判断。→ 豪州の家計の債務返済負担率は過去最高水準の189%へ、逆に賃金の伸びは過去最低にとどまっている。

豪中銀議事録(6月6日分)=過熱する不動産市場を背景にした家計債務の急増と賃金の伸び低迷を、中銀が最も注視している。

エバンズ・シカゴ連銀総裁=米失業率が16年ぶりの低水準にあるにもかかわらず、低インフレ率が続いていることを受け、FRBは利上げとバランスシートの縮小を非常に緩やかに行うべき。

カーニーBOE総裁=インフレ圧力は抑制、利上げするときではない。どのような利上げも段階的かつ限定的になろう。EU離脱の実体経済への影響を見極める必要がある。消費支出や投資に関するシグナルは強弱交錯。→ この発言を受けポンド売りが強まる。

フィッシャーFRB副議長(講演テキスト)=いくつかの国で住宅価格は高水準かつ上昇している。住宅価格上昇は、長期にわたる低金利が背景。

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