2017/06/04

今週の主な材料(6月5日~6月9日)

今週の主な材料(6月5日~6月9日)

今週は変動要因が多数控えており、ともに為替相場の変動要因としては最重要。

1.【コミー前FBI長官の証言(6/8)とロシアゲート疑惑行方】
2.【イギリス総選挙(6/8)】
3.【フランス国民議会総選挙 第1回投票 (6/11)】
4.【ECB理事会とドラギECB総裁記者会見(6/8)】
5.【豪中銀 金融政策発表(6/6)】
6.【豪州 第1四半期GDP(6/7)】
7.【カナダ 雇用統計(6/9)】


1.【コミー前FBI長官の証言(6/8)とロシアゲート疑惑行方】
6月8日10:00時(日本時間8日23:00時)。米大統領選でロシアの介入疑惑を捜査している上院情報委員会で、ロシア関連の疑惑の捜査を指揮していたコミーFBI長官を突然解任されたことを調査。フリン氏のロシア関与への追及をやめるように圧力をかけたことを証言するとみられていますが、2日のWSJ紙では、トランプ大統領が証言を阻止するための法的な選択肢を検討とあり、どうなることでしょうか? いずれにしてもコミー氏にとっては初の公の場での発言だけに、その内容の影響は非常に大きいと思われます。

2.【イギリス総選挙(6/8)】
6月8日07:00~22:00時(日本時間16:00~9日07:00時、04:00時に開票がスタートし最終結果は9日午後ごろ判明)。直近では各社が頻繁に世論調査の結果を発表しており、その結果が大きく分かれており不透明な状態と言えるでしょう。メイ首相の保守党のリードが「縮小」、「逆転」などの論調で悲観的ムードにポンドを売り動きも見られています。特に調査会社のユーガブの発表は悲観的な内容が多いように感じます。

一方、ブルームバーグ調査では、英国の著名世論調査会社6社(ICM、イプソス・モリ、コムレス、オピニウム、サーベーション、ユーガブ)は、いずれも保守党の勝利確率が最大野党の労働党よりはるかに高いとみているとのことです。6社のうち5社は定数650の下院で保守党が過半数の40議席以上を上回ると予想。1社は最大200議席上回ると予想しており、結果で相場が大きく動くことは間違いありません。


3.【フランス国民議会総選挙 第1回投票 (6/11)】
6月11日08:00~20:00時(日本時間11日15:00~12日03:00時)。ちなみに、第2回投票は6月18日で、1回目で過半数か得票有権者の25%以上でなければ、投票率12.5%以上の候補が2回目の決選投票に臨みます。

直近の世論調査の結果をうけた変化を注意してみる必要がります。最近の報道ではマクロン政権の閣僚を巡る不正行為疑惑が相次いで浮上しておりやや気になりますが、最近のイプソス/ソプラ・ステリア世論調査によると、マクロン大統領の政党「共和国前進」の得票率が31%でトップになる見通しです。保守派の共和党と連携政党22%、極右の国民戦線(FN)は18%、急進左派の「屈しないフランス」は11.5%、左派・社会党は8.5%とのことです。


4.【ECB理事会とドラギECB総裁記者会見(6/8)】
ECB理事会では、リファイナンス金利0.0%、限界貸出金利0.25%、中銀預金金利-0.4%、債券買い入れを2017年12月まで、月額600億ユーロの据え置きを予想。

北部同盟のドイツを筆頭にしてQEの解除を求める声が日々強まっていますが、先日ドラギECB総裁は欧州議会の発言で「インフレ率をECBが目標とする2%をやや下回る水準に引き上げるためにはなお緩和的な金融政策による支援が必要」と繰り返しており、今回も金融政策の据え置きが予想されています。

ただし、「ユーロ圏の成長見通しに対するリスクは一段と後退」とあり、理事会ではインフレ見通しを再評価する考えを表明しています。成長見通しに対する下振れリスクは一層低下し、昨年末頃に直面していたテールリスクの一部も大きく後退していることもあり、ドラギECB総裁は記者会見でどのような変化を示すのかを注目しましょう。


5.【豪中銀 金融政策発表(6/6)】
豪中銀は政策金利1.5%の据え置きを予想しており、ほぼ間違いないと思われます。いつもながら変動は中銀の声明でこれにより、AUDUSDやAUDJPYの変更が強まることは、過去のデータでも実証されています。

前回の議事録では「来年初めまでにコアインフレ率が上昇」することに自信を示し、逆に、「高水準の家計債務と軟調な労働市場を懸念」して金利を据え置いたとあります。先の雇用統計では失業率は低下し就業者数は大幅増加しており、小売売上高も予想外に上昇しており、豪ドル安も加わっており、この辺をどう判断するのでしょうか?


6.【豪州 第1四半期GDP(6/7)】
豪第1四半期GDPは、前期比予想0.3%(前回1.1%)、前年比予想1.6%(前回2.4%)と前回からの低下が予想されています。先週は一部にマイナスに陥るのではとの思惑も流れて豪ドル売りの材料にされていました。AUDUSDも鉄鉱石価格の低下や中国経済の影響を危惧して最弱通貨となっており、仮に強い数字になった場合の反応が強く出る可能性があります。


7.【カナダ 雇用統計(6/9)】
カナダの失業率は、予想6.6%(前回6.5%)、就業者数=予想17,000人(前回3,200人)、正規雇用者=予想 前回-31200人、パートタイム雇用者=予想 前回34300人、労働参加率=予想 前回65.6%となっています。

先のカナダ中銀の金融政策時の声明で「緩和は適切」から「現状、緩和は適切」と将来的な緩和後退を示唆し、先週は予想外に強いカナダGDPにも、カナダドル買いは継続できず。今回の結果を受けてどこまで変動することができるのでしょうか?


その他、詳しくは別表をご覧ください。


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