2020/05/31

今週の為替相場を考える(6月1~5日)

今週の為替相場を考える(6月1~5日)

トランプ大統領のSNS規制、ミネソタ州での黒人死亡をめぐる暴動による非常事態宣言とトランプ氏のツイートが火に油。棒読みでトランプ氏らしくない先日の記者会見で、香港の優遇措置の見直しやWHOからの脱退を表明するも、肝心の米中貿易交渉の第1弾合意の破棄には言及はなく彼らしくない。

トランプ氏の選択肢は厳しく、仮に大統領が通商上の優遇措置を撤回するという最も厳しい措置を講じた場合、恐らく世界貿易の再編や米中関係の著しい悪化に、新たな貿易合意も難しくなる。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている米経済や、トランプ大統領の再選の見通しもリスクにさらされる。大統領が最大の成果の1つとしていた米中貿易合意が崩壊し、中国が公約した米国からのモノとサービス2500億ドル(約27兆円)相当の購入がほごにされる可能性もある。

それでなくても、トランプ氏の周辺ではトラブルが多発しており、これらを犠牲にして強硬策をとることになれば、世界的なリスクが増幅されることになり、リスク回避のドル買いよりも、当事者としてドル売りが強まることになりかねず。また、逆に中国に弱気な姿勢を示せば、それでまたドル売りになりかねず。

USDJPYは、過去約3週間にわたり、香港国家安全法の成立を巡る米中の対立のリスクにも関わらず、クジラのドル買い期待なのか? 大雑排に言えば107~108円のレンジで推移し、主体性はゼロ。取引していてもストレスが溜まるだけだが、ポジションを持っているとショートでもロングでもその水準に値を戻している。USDJPYの取引に変わり円クロスで円ショートが取引の主流となっている。今週もレンジ相場になる可能性は高いが、108.30~50を抜けたらやめるショートで考えたい。

GBPUSDは、先週1.2200割れをボトムに、1.22~1.2400のレンジで、英EUの通商協議の難航や合意できないリスクに加え、BOEの追加緩和を意識してか、他の主要国でドル売りが強まる中で弱さが目立っており、今週もクロスでGBP売りが続く可能性はあるが、1.22~1.24のレンジでの取引を考えたい。

EURUSDは1.09→1.1150まで上昇し、3月末の水準を回復している。先週発表の改定値となるが、仏GDPは-5.3%、イタリアも-5.3%と速報値からは改善するも過去最悪となったが、織り込み済みでサプライズは見られず。欧州委員会の追加景気対策や、4日のECB理事会では金利を据え置くも、債券買い入れ額を現行の7500から5000億ユーロ積み増し期待による景気回復期待も残る。テクニカルでも上昇傾向を示している。3月末の高値1.1150がポイントで利食いが強まる可能性が高い反面、この水準をクリアに上抜けすれば再上昇も期待できる。

AUDUSDは、ボトムラインとなる0.6400割れが底値となり、先週から0.6500があらたなボトムラインとなり、0.6500から0.6700を目指す動きとなっている。米中間の対立リスクが存在する中でも上昇傾向は止まらず、テクニカルにも上昇傾向が続き、0.6500を割り込むまでは買い傾向は変わらず。

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