2020/05/08

2020年5月8日(金)昨日7日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2020年5月8日(金)昨日7日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

欧米では外出制限の緩和や一部経済活が再開され、米新規失業保険申請件数も膨大ながら予想から減少、中国の輸出額が増加し、新型コロナウイルス関連の薬品開発も期待感が強い。また、米短期金融市場は2021年マイナスのFF金利を織り込み始め、米2年債利回りは一時0.101%まで下落と下げ幅を加速し、市場はポジティブ反応。

米中は来週にも第1弾合意の履行確認に電話会議を開催する見通しで、トランプ氏は中国が履行順守なければ破棄すると脅しており、その結果は気になる!

米株は上昇、ダウは一時400ドル超の上昇から+211.25(+0.89%)で終了。原油価格(WTI)は一時26.74ドルまで上昇から値を下げ23.20台で推移。米10年債利回りは0.637%とやや軟化。為替相場はドル売り+円売りへと動き、AUD+NZD+CADの上昇が目立つ。

独鉱工業生産は前年比-11.6%と弱く1991年1月以来の下落へ。BOEは期待通り政策金利0.1%と資産買い入れプログラム6450億ポンドで変わらず。ただし、追加緩和に含みも。

USDJPYは、アジア市場106円割れのトライが失敗し利食いの買いが強まる中で、欧米市場ではクロスの円売り圧力が強く、欧米株の上昇もあり一時106.66まで一時上昇。原油価格が上昇から下げに変化し、米2年債利回りは大幅低下。106.22まで下落し106.20台で推移と、引き続き戻りは限定的。

AUDUSDは、豪州のロックダウンの解除の動きが強まり楽観的なムードが広まる中で、アジア市場の早朝の豪貿易収支の黒字額は、鉄鉱石や金の輸出急増を背景に過去最高に拡大。中国経済も回復傾向が強く中国貿易収支の輸出額が増加し、原油価格も一時大幅に上昇したこともあり、アジア市場の0.6379をボトムに米国市場では一時0.6506まで上昇。ただし、原油価格が下落に転じたこともあり、0.6482まで値を下げ0.6490台で推移と、高値圏を維持している。

GBPUSDは、通常より早く15:00に発表となったBOEの金融政策委員会は、予想通り金融政策の据え置きを決定。一時1.2418まで上昇するも、追加緩和の可能性も示唆される中でEURGBPの上昇もあり逆に1.2266まで急落。米国市場に入ると1.2378まで値を戻し、結局は前日から小幅な上昇にとどまっている。

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21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=316.9万件(予想300万件 前回383.9→384.6万件)

21:30    USD 第1四半期 単位労働コスト・速報値=前年比4.8%(予想4.0% 前回0.9%)、、非農業業部門労働生産性・速報値=前期比-2.5%(予想-5.5% 前回1.2%)→ 労働生産性は15年来の最大のマイナス。

23:00    CAD 4月 Ivey購買部PMI=22.8(予想25.0 前回26.0)→ 予想を下回る

4:00    USD 3月 消費者信用残高=前月比-120.4億ドル(予想150億ドル 前回223.3億ドル)

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米国では6日までに30以上の州が外出制限の緩和や、レストランや小売店の営業再開などに動き出しており、朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は316.9万件と高水準だったが、384万件だった前週や600万件を上回った3月下旬~4月上旬からは減った。4月の中国の貿易統計で輸出額が市場予想に反して増加に転じ、中国経済が正常化に向かっているとの見方も。原油価格が上昇し、欧米で経済活動の再開で需要が改善する可能性が高まる。新型コロナワクチンの開発期待感もある。

ベロシ民主党会員議長は、7日に第5弾となる新型コロナウイルス対策法案の概要を発表し、早くて来週の採決を目指す。米議会は4月末、中小企業向けの追加支援などを盛り込んだ4840億ドルの対策第4弾を承認。これまでに承認された米政府のコロナ対策は約3兆ドルに達している。

デイリーSF連銀総裁は、経済のV字回復は見込まれず。ゼロ%付近への政策金利引き下げや数兆ドルの米国債購入、一連の融資プログラム導入などを決めたが、米経済を押し上げる政策はまだ残っている

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、一部の経済活動は早期に再開できる可能性はあるとしつつも、感染の第2波に見舞われれば、ロックダウン(都市封鎖)措置の再導入が必要になる恐れがあると警鐘。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、労働省が8日に発表する4月の雇用統計について、多くの人が積極的に職探しをできていないことを踏まえると、実体が過小評価される可能性があるとの考えを示した。

米短期金融市場は、2021年のFF金利のマイナス金利導入をやや織り込み始めた。新型コロナウイルスの経済的影響に対する投資家の懸念を反映した。

米国と中国は、来週にも通商関係当局者による電話会議を開催する見通し(ブルームバーグ)、会議は、第1段階合意の履行状況が議題で、中国の劉鶴副首相、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表らが参加する予定。トランプ米大統領は、中国が合意内容を順守していなければ破棄する構えをみせている。

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ラガルドECB総裁は、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす危機と闘うには従来型の政策措置を超える以外に選択肢はないと言明。平和な時代にこれほどの経済危機は過去に例がない。

デギンドスECB副総裁は、欧州議会経済・金融問題委員会のビデオ会議で、ユーロ圏経済が過去数十年で最悪のリセッションに落ち込んだことを受け、ECBは域内経済を支えると「かつてないほど強く決意」している。刺激策の規模が必要な分に達していないことが明らかになれば、ECBの金融政策措置をさらに調整する用意は引き続きできている。先行きについて言えば、新型コロナの感染動向やその経済的な打撃について強い不透明性がある

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英国は、11日に全国的なロックダウンを一部緩和し、外出の自由を拡大する見通しだが、企業は社会的距離を維持したままでの活動回復は難しいと警告した。ジョンソン首相は、「可能であれば」、一部の措置について来週から緩和を始めたい

BOE金融安定化(中間)報告は、金融政策報告の経済シナリオは、今年第2・四半期の英国内GDPが昨年第4・四半期と比べて30%近く落ち込み、封鎖措置が解除されるとともに回復するというもの。全体として、銀行は信用供与を拡大することで、企業のキャッシュフローの赤字解消を支援することができる

議事要旨では、中銀として「必要に応じて一段の措置を取る用意」が示された。MPCは全会一致で政策金利の据え置きを決めたが、資産買い入れ枠については2人の委員が1000億ポンド増額を主張した。中銀は今年のGDPが14%縮小すると予想しており、近く追加措置の発表が必要になる公算が大きい。下向きのリスクがやや大きい。量的緩和の現状維持に反対は2名。現状のQEは7月初めに上限に達する

BOEのMPCは、政策金利を過去最低の0.1%に据え置き、量的緩和(QE)の資産買い入れ枠も現行6450億ポンド(約85兆円)に維持へ。 英中銀はその一方で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う英経済の落ち込みに対応し、追加措置が必要になる可能性も示唆した。
BOEの例示的シナリオ(illustrative scenario)」は、2020年GDPは-14%、2021年は+15%で、実現には非常に大規模な金融・財政刺激が必要となる

ベイリーBOE総裁は、経済見通しがどうなろうと、長期的な繁栄と国民のニーズに応えるうえで不可欠な金融面での安定に向け、中銀は必要に応じて行動していく

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トルコ財務相は、TRYの急落を受け、投資家との電話会議で、通貨リラの対ドル相場が急落する中、同国中央銀行の外貨準備高が枯渇するとの心配は無用と主張し、資本統制を行う考えはないと表明した。

フィリピン第1四半期GDPは、前期比マイナス5.1%(予想-2.0% 前回2.2%)と過去最大の落ち込み、前年比-0.2%(予想2.9% 前回6.4%)

中国外貨準備は、人民銀行が発表した4月の外貨準備は3.091兆ドルで、前月末から308億3000万ドル増加した。

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