2020/05/24

今週の主な材料(5月25~29日)

今週の主な材料(5月25~29日)

今週25日(月)はメモリアルデーで米英市場は休場となるが、市場を取り巻く相場変動の要因はいつもながら多数存在する。それにしても、トランプ大統領は「強いドル支持を表明し、私がドルの強さを維持と誇示」とあり、ドル安を強要していた過去とは真逆のドル高への豹変はなにを意味するのか? とりあえず市場はリスク回避の動きへ。

今週もユーロ圏や米国を含め主要国の景況感指数やCPI・速報値、第1四半期GDP・改定値などの発表が控えており、NZ中銀の金融安定性報告、ECBの金融安定リビュー、FRBのベージュブック、ラガルドECB総裁、パウエルFRB議長を含め多数の中銀関係者の発言もいつもながら控えているが他に多くの重要なテーマが存在するので省略したい(詳しくは別表で)


米中間の対立、1.香港問題、2.通商問題、3.WHO問題が横たわっているが、5月22日~28日に開催される全人代、習体制は盤石か? これが一つの大きなカギとなっている。

1.香港問題
中国は香港に国家分裂行為やテロ活動、外国勢力による介入などを禁じる国家安全法の導入を提案、5月28日全人代で採決が行われる見通しでこの日は重要。

それに反対して米国は強硬な態度を示しており、①ポンペオ米国務長官は、横暴かつ破滅的。香港の自治の「終えんの前兆」と非難。②バイデン前副大統領は、米国は世界を先導して中国を非難すべき。③ハセット米大統領経済顧問は、キャピタルフライトを生む。マコネル院内総務は、「弾圧」を強めれば、上院は米中関係を見直すと警告。

それ以外でも、①カナダのトルドー首相は、30万人のカナダ国民が香港に居住しており、これが香港の一国二制度継続を望む理由として、緊張緩和に向けた対話を求めている。②カナダ、英国、オーストリアは、共同声明を発表し、国家安全法提案について「深く懸念している」と表明。

2.通商問題
李克強中国首相は22日の全人代で、米国との第1段階の貿易合意について(1月15日に署名)、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が後退し、両国関係の緊張が高まる中でも履行する姿勢を表では示している。

しかし、米国は中国企業(アリババ、バイドゥ等)に米国会計基準の採用を義務図ける動きなど、の米証券取引所への株式上場を禁じる可能性の動きがあり、バイドゥは、企業価値が過小評価とナスダックの上場廃止検討とある。中国政府は、米企業(アップル、シスコシステムズ、クアルコムなど)に対する調査開始や規制導入、ボーイングからの購入停止などの可能性を示唆している。

トランプ大統領は、生産拠点の国内回帰の促進を目指し、海外で製造を手掛ける米国企業を対象に新たに課税する可能性を示唆。ムニューシン財務長官は、海外から米国内に事業を回帰させる企業に対し、税率を現行の21%から10.5%と半分に引き下げる案を検討している。

3.WHO問題。
新型コロナウイルスの感染拡大を招いたとWHOの対応策を不満とした米国の対応に、WHOの現体制を支持する中国との対立が目立つ。米国は拠出金の減額や脱退をほのめかす発言が見られるなど強硬姿勢は変わらないが、トランプ流の戦略で米中間の対立の一材料に過ぎないのでは?

それ以外では、BOEのQEとマイナス金利の可能性、NZのマイナス金利の可能性、英EU間の離脱をめぐり難航する通商協議。5月27日(水)欧州委の融資と交付金による1兆ユーロ超の新型コロナウイルス復興計画発表など、今後の動きには十分注意が必要。

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