2016/12/02

2016年12月2日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年12月2日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き


週末の金曜日。米雇用統計を控えて、為替相場の動きは鈍い。

日経平均株価は-87.04(-0.47%))と小幅安。原油価格(WTI)は50ドル台を維持しながらも上昇力は鈍くやや鈍化。日本株安で円安センチメントが弱まっているが、USDJPYは、113.50~114.50のレンジで取引が続いている間は、精神的に大きな変化は感じられない。

USDJPYは、米株がやや弱く、円安の根源となるトランプ相場がいつ、どこで崩れるのかを心配している向きもあるが、来年1月20日の就任まではすべてが期待相場で、崩れるにしても112.80円近辺で限界がありそうに思えてならない。

もちろん、かといって115円を超えてどんどん円安が進行できるかとの疑問も強く、115円台の売りも簡単に収まりそうにも思えてならない。

OPECの減産合意も象徴としての価値は十分あるも、かつて60ドル台で米国・カナダのシェールオイルの増産で崩された記憶も強く、在庫も豊富どと聞けば、上値も見えてくるのでは?

EURUSDは、週末は、イタリア国民投票とオーストリア出直し選挙の影響が気になって仕方がないが、直前にしは昨日来のEURUSDは強さは驚きで1.0700の大台が目の前に控えている。昨日来の材料と同じに見えるが、ECBのQEの終了の出し方が問題のようで、今週末にサプライズがなければ、ECB理事会前にさらに上昇余地が広まるが、すべてが結果次第。

最近のポピュリズムのサプライズではないが、なにが起こるかわからないのが昨今の相場。注意をすることにこしたことはない。





2016年12月2日(金曜)、昨日1日、海外市場の動き(午前6時ごろ)

2016年12月2日(金曜)、昨日1日、海外市場の動き(午前6時ごろ)

原油価格の上昇は止まらず、WTIは一時51.80まで上昇。米株は2極化しDJは+68.35、NASDAQは-72.57、S&P500は-7.73。米金利は強く、10年債利回りは一時2.49%まで上昇、2年債も一時1.16%まで上昇した後は小緩む。

為替相場は、週末に向けたポジション調整なのか、ドル買いも伸びず。強い米製造業PMIやISM製造業景気指数、建設支出や、米金利の続伸にも、米NASDAQの大幅下落の影響や、上昇力が弱まった米金利にドル買いに予想外にドル買いの強さは見られず。

目立ったのはEURUSD+GFBPUSDの上昇と、もちろん原油高によるCADの強さ。USDJPY+AUDUSD+NZDUSDは調整色が強くドル買いの流れも弱まる。

EURUSDは1.580台を維持し終盤には1.0670近くへと続伸。ユーロ圏製造業PMIは強く失業率も改善へ。イタリア国民投票とオーストリア選挙の不透明なリスクが残る中で、オランド仏大統領が大統領選への不出馬を表明、レンツィ・イタリア首相が敗北しても辞任しない可能性。

さらに、ECB理事会で資産買い入れプログラムの延長発表と同時にQEの終了を強調するコメントになる可能性などがあるが、1.060台を維持していることでEURショートのカバーが続いている。

GBPUSDは、弱い製造業PMI直後の1.2500台をボトムに、デービスEU離脱担当相のEU単一市場への参加で新たな取り決めを策定することの可能性(メルケル氏は否定的)を材料にして1.2700直前まで続伸するも、EURGBPの買い戻しなのか? フィキシングに向け下落し1.2580前後で推移。

USDJPYは、113.80~114.80のレンジで一日を終えようとしている。米株もDJは強いがNASDAQは弱く、日経先物も一時18400割れまで下落するなど株安も影響、クロスでも通貨間で動きは異なるが、CADJPYの上昇以外は大きな変化は見られず。

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アトランタ連銀GDPNow=米ISM製造業景気指数や建設支出が強く、米第4四半期GDP予測値2.4→2.9%へ上方修正。

デイセルブル・ユーロ圏財務相会合議長=英国はEU離脱後はEU単一市場の外に置かれる。ジョンソン英外相が離脱後も何も問題は起こらないとのメッセージは間違。新たな取り決めを策定することは可能だが、現在の状態よりも困難でコストも高い。

メルケル独首相=人、モノ、金、サービスの移動の自由が確保されない限り、EUは英国に対して単一市場へのアクセスを譲歩できず。

ECB理事会(ロイター)=資産購入プログラムの期限延長を発表すると同時に、量的緩和(QE)をいずれ終了することを強調したシグナルも発することを検討。

イタリア国民投票=国民投票が否決されても、レンツィ首相は大敗しない限り辞任しない可能性との思惑に、ユーロ買いが強まる。

オランド仏大統領=2017年の大統領選に出馬せず。

トランプ米次期大統領=雇用が喪失することを許すことはできない。米企業は重要性がなければ米国から出て行かない。法人税引き下げが企業を米国に留めるだろう。米国を出て行こうと考えている企業リーダーには電話する。

カプラン・ダラス連銀総裁=インフレは2%に向かっている。人口動態がGDPにとって逆風。米国は完全雇用に向かっている。

2016/12/01

2016年12月1日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年12月1日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

米現物株や債券市場を前にして、ダウ先物は強く、米10年債利回りも2.4%台へと上昇、ドル先高観は強い。そして、OPEC総会で減産合意にWTIは50.90ドルまで続伸し円売り要因になっている。

USDJPYは、欧州勢の買いに114円台で推移しているが、114.50円を超えられず円売り圧力も弱まっているが、下げ幅は限定的で底堅く、米価+米金利が上昇すれば、115円の壁をトライする可能性は消えず。

GBPUSDは、デービス氏+デイセルブル氏の発言に「英国のEU離脱によるEU市場へのアクセスが可能では?」 との思惑が広まり、ポンドは全面高で、1.2700を試す動きへ。そして、EURGBPの売りは止まらず。

AUDUSDは、アジア市場では0.7380近辺を安値に一時0.7420近くまで上昇するも、欧州勢の売りに(GBPAUDの買いの影響も?)出発点の0.7380まで値を下げ下げ止まり、米国市場に入っても底堅く推移。


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ロシアエネルギー相=来年上半期に段階的に最大日量30万バレルの産油量削減を実施する用意がある。

英国のデービスEU離脱担当相=EU離脱後にEU市場のアクセス維持で対価の支払いを検討も→ EU離脱後もEU単一市場へのアクセス可能の思惑jにポンド上昇。

デイセルブルム・ユーロ圏財務相会合議長=コストはかかるが英国がEU域内市場に参加することは可能かもしれない→ EU離脱後もEU単一市場へのアクセス可能の思惑jにポンド上昇。

ユーロ圏金融市場で長期インフレ期待が上昇=ECBがインフレ期待の指標。5年先スタートの5年物フォワードレートは1月来の高水準1.6424%へ上昇。

ドイツ経済省内部文書=トランプ氏の刺激策が当初は米経済を押し上げるものの、抑制的な貿易・移民政策が経済へのマイナス要因。

トランプ相場で、債券から株へのシフトが加速。減税やインフラ投資で債券から株式へのシフトを引き起こし、30年間続いた債券の強く相場は劇的に終わる可能性。ブルームバーグ・バークレイズ・アグリゲート・トータルリターン指数は11月に4%低下。指数算出開始の1990年以後で最大の下げで、1.7兆ドル(約194兆円)と過去最大で消えた。一方株式の時価総額は11月に6350億ドル増加へ。

2016年12月1日(木曜)アジア・欧州市場の動き

2016年12月1日(木曜)アジア・欧州市場の動き

前日のOPEC減産合意+強い米経済指標+米金利高+米株の比較的安定した動きを継承するも、為替相場はアジア市場でドルは軟調に推移し、欧州市場はドルの買い戻しも強まる。米国ではISM製造業景気指数が注目される。

アジア市場では、原油価格(WTI)は一時50.23ドルへ上昇、日経平均株価は1月4日の年初来高値を更新し1万8千5百円台へと上昇。

USDJPYは、「原油高=リスクオン=円安」、「株高=円安」の方程式に、早朝には一時114.80円台まで上昇するも115円の大台を前にして買いも続かず。

日本株が続伸する流れにも関わらず、仲値の売りも強く、114.50円台を上限に一時113.80円台まで下落。個人的にはムニューチン米次期財務長官による為替政策もやや気になり始めていが、金利差は一目瞭然で、米利上げ期待も100%近くを予想しながら、押し目買いの流れは変わらずで、113.50円~115円のレンジを予想。

EURUSDは、動きの鈍いアジア市場は、1.0580~1.0610のレンジで取引が続いたが、1.060台をクリアに上抜けするとショートカバーが強まり1.0630近くまで上昇。欧州勢の売りが厚く下げ止まり、再び振り出しの1.0600~10近くへ値を戻す。

2016年12月1日(木曜)昨日11月30日、海外市場の動き

2016年12月1日(木曜)昨日11月30日、海外市場の動き(午前6時前後)

OPECの減産合意、強さが目立つ米経済指標、米金利の上昇に、ドル全面高(除くGBP)+円全面安。

OPECは8年ぶりに減産で合意し、原油価格(WTI)は一時49.85ドルまで上昇。ダウ平均は上昇するも、S&Pは小幅安、Nasdaqは-1%近く下落。米10年債利回りは一時2.4%台へ上昇、2年債も一時1.13%台へと上昇するも、終盤にかけやや軟化。

ベージュブック+FRB理事+連銀総裁らは、米利上げの主張が大勢で、市場は12月の利上げを充分織り込み、トランプ次期政権の政策を注視。メスター総裁は「悪魔は細部に宿る」と比喩。

USDJPYは、原油価格の上昇の影響を強く受ける可能性が高く、リスク資産買=安全資産の円売りが加速し、円は他通貨を含め全面安。113.50円前後の売りを消化し、114.50台近辺で上げ止まるも、日本株の動き次第では115.00円の大台を試す動きが予想される。

一方、ベージュブックではドル高による米経済への悪影響が危惧されれ、ムニューチン米次期財務長官は「3~4%の経済成長を目指す上で、税制改正と貿易協定の見直しが最優先事項になる」と言い、貿易相手国に対してどこまでドル高を容認するのかも注視。

EURUSDは、米金利の上昇に一時1.0550台まで下落。ECB理事会ではQEの継続が予想されるなか、ドルとユーロの金利差拡大と、週末のイタリア・オーストリアの選挙を危惧する中で、上値は限定的。

AUDUSDは、米金利の上昇に一時0.7370台まで下落。高金利にキャリートレードが積み上がり投機的なロングポジションが積み上がっていた反動なのか? 米国との金利差縮小なのか? 資源価格の上昇期待にも上値は重く、弱さが目立つ。

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OPEC総会=8年ぶりに減産で合意。産油量を日量3250万バレル(日量120万バレル減産)に減らすことで合意。クウェート、ベネズエラ、アルジェリアが合意の順守状況を監視へ。サウジアラビアはイランが日量380万バレル程度に増産することを容認。非OPECに60万バレルの減産を求める。

ノバク・ロシアエネルギー相=OPECとの合意で、来年上半期に段階的に最大日量30万バレルの産油量削減を実施する用意がある。ロシアが産油量を急激に削減することは技術的に難しい。OPECか盟・非加盟国が合意書の署名に向け別途、会合を開く。

メスター・クリーブランド連銀総裁=金利を再び引き上げることは賢明なステップで、米経済は高い金利が必要。予想される米財政、通商、移民政策の変更を注視。FRBは雇用やインフレへの影響を見極める必要があり「悪魔は細部に宿る」

パウエルFRB理事=FRB当局者は短期的な利上げ見通しよりも経済状況や各種予想の不透明性に焦点を当てるべき。

カプラン・ダラス連銀総裁=近い将来に緩和策の一部を解消する必要がある時期に来ている。9月と11月初旬のFOMCで利上げを決定することに異論はなかった。

米地区連銀経済報告書(ベージュブック)=10月と11月にかけて経済の拡大が継続。賃金と物価の伸びは緩やかなものにとどまり、ドル高が製造業の重し。12の連銀のうち7連銀が労働市場の引き締まりを報告。賃金の伸びは全般的に緩やか。

アトランタ連銀GDPNow=第4四半期GDP予測値3.6→2.4%に下方修正。

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