2016/11/01

2016年11月1日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年11月1日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き


週明けの海外市場では、クリントン氏のメール疑惑再燃を完全に消化できているかは不明ながら、予想外な変動もなく、落ち着いていると言わざるを得ない。

朝方発表された、中国の各種PMIは全てが予想外に強く、中国経済の安定が期待でき、AUDにとっては買いの要因になりやすい。

また、豪中銀の金融政策は予想通り1.5%の政策金利の据え置きを決定。ロウ中銀総裁は、「経済は潜在成長率に近い水準で拡大、徐々に成長ペースは加速し、インフレは今後2年間に徐々に上向く見込み」と発言。どちらかと言えば、ポジティブにも捉えたのか、追加緩和を示唆しなかったのが要因と思われ、直後からAUD買いが強まる。

日銀は、予想通りに短期金利-0.1%、長期金利ゼロ%程度の据え置きを決定し、2%の物価目標達成時期を2017年度→2018年度を中心とする時期に先送りしたことで、直後は円売りが強まるも限定的。

日銀展望レポートは、物価見通しを引き下げ、成長見通しを据え置いたが、円相場の動きは見られず。

注目の黒田日銀総裁の記者会見では「予想インフレの弱さが2%達成の遅れの理由。物価が2%達するのは18年度ごろになる可能性高い」とある。原油価格の下落や新興国経済の弱さが原因としており、現在も記者会見が継続中。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

USDJPYは、日銀の決定・黒田総裁の記者会見の内容は予想通りで、サプライズもない。米大統領選の行方はやや不透明感が増してはいるも、クリントン氏の優位を覆すまでには至らず。日本株+米株も強くUSDJPYは底堅く見えるも104.60~105.00円のレンジで大きな動きは見られない。

AUDUSDは、予想外に強い中国の景況感指数。利上げ示唆発言がなかったロウ中銀総裁の声明に、AUDショートの巻き戻しが加速し、07600割れ→0.7670近くへ上昇。AUDJPYは79.50台→80.40台へと1円程度の上昇となっている。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

日銀金融政策決定会合=短期金利-0.1%、長期金利ゼロ%程度の据え置きを決定、予想通り。2%の物価目標達成時期を2017年度→2018年度を中心とする時期に先送りに、直後は円売りが強まるも限定的。

黒田日銀総裁=予想インフレの弱さが2%達成の遅れの理由。物価が2%達するのは18年度ごろになる可能性高い。

展望リポート=物価見通し(7月比)、2016年度=+0.1→-0.1%、2017年度=1.7→1.5%、2018年度=1.9→1.7%に下方修正。成長率見通(7月比)、2016年度=1.0%、2017年度=1.3%、2018年年度=0.9に据え置く。

豪中銀=政策金利1.5%の据え置きを決定。

ロウ総裁声明=今後1年間に経済は潜在成長率に近い水準で拡大する見通しで、その後徐々に成長ペースは加速していく。インフレは今後2年間に徐々に上向く見込み。

ロウ総裁声明=豪ドル高は経済の転換を複雑にする。パートタイムの雇用は堅調だが、全体の雇用の伸びは鈍化。中国の経済は最近安定している。世界経済は

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

2016年11月1日(火曜)10月31日、海外市場の動き

2016年11月1日(火曜)10月31日、海外市場の動き

米株は小幅な値動きで、DJIAは小幅安、S&P500とNasdaqは小幅高、米10年債利回りは1.853→1.82%台へ低下。原油価格(WTI)はOPECの生産調整の難航を危惧し46ドル台へ急落。

為替相場は、クリントン氏メール疑惑再燃にも、クリントン氏次期大統領への優位性に決定的な変化はないとの判断なのか、更なるドル売りは見られず、米株は予想外に安定推移。

しかし、原油価格が続落する中、フィキシングの午前1時を境に「ドル買い→ドル売り」へと変化。原油価格の大幅安にもリスク回避の円買いは予想外に鈍い。

独小売売上高は前月比-1.4%と予想外に弱くEUR売りの材料となるも、ユーロ圏の第3四半期GDP・速報値は前年比0.3%、CPI速報値は前年比0.5%と予想通りでまずまずの数字。

米個人消費支出は前月比0.5%とやや強く、PCE価格指数は前月比0.2%と前月から小幅上昇するもコア前月比は0.1%と前月から若干低下。シカゴPMIは50.6と予想外に弱いがドル上昇の最中でドル売りも限定的。

今日は重要なイベントが多く、短期的な相場変動が高まる可能性が高い。日銀の金融政策決定会合(現状維持を予想)+黒田日銀総裁記者会見、豪中銀金融政策(1.5%の据え置きを予想→今後の見通しが焦点)、カナダGDP、米ISM製造業景気指数を注目。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

USDJPYは、早朝の104.40台をボトムに、ロンドンフィキシング近くには105.20台まで上昇。先週末の急落スタート地点の105.30台を回復できず、原油価格の続落もあり104.80円台まで値を下げて終了し、今日の日銀+黒田総裁待ちへ。

EURUSDは、早朝の1.0990を高値に、ロンドンフィキシング近くには1.0940割れまで続落から、買いへとと変化し1.0980台まで値を戻すが、早朝の高値を更新できず、引き続き不安感が残る。

AUDUSDは、先週末のクリントン氏メール疑惑再燃後の変動も弱く、その反動によるドル相場の動きも鈍い。早朝の0.7580台をボトムにアジア市場の0.7620近辺をトップにし、原油安もあり上昇力は鈍くレンジを抜け出せず。今日の豪中銀の金融政策を見守る動きへ。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

原油価格(WTI)=OPEC加盟国と非加盟国の協議で減産合意の詳細を詰められず難航を危惧し46ドル台へと大幅続落。

カーニーBOE総裁=EU離脱を支えるために、2019年6月まで任期を1年間延長し留任へ→ GBP買いの要因となる。

関係筋=OPEC理事会は、先延ばしになっていた長期戦略の見直し案を承認。長期戦略の見直しは、サウジアラビアとイランなどの対立で、棚上げとなっていた。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、油田サービス会社の米ベーカー・ヒューズと、石油・ガス事業を統合することで合意。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

2016/10/31

2016年10月31日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年10月31日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

クリントン氏のメール疑惑の再燃の影響を心配したが、米株は予想外に底堅く、相場への影響は現時点をみれば限定的。ただ、原油価格(WTI)が一時48ドルを割り込み、債券の買い(米金利の低下)が続き、リスクに関してやや敏感になっている。

為替相場は、クリントン氏サプライズから始まったドル売りは、アジア市場でドル売りのピークをつけ、アジア・欧州市場・米国市場の序盤とドル買いが優勢の展開が続いている。

USDJPYは、予想外に堅調な日本株+潜在的なドル高期待+実需の買いに105円台を復活するも、105円を中心に上下10pipsのレンジで推移するなど、やや異常な動きとも言える。結局は、米金利の低下+原油安にやや不安が残り、さらに、米大統領選でクリントン氏の優位性は変わらず+ドル高と思いながらも、ひょっとしたらの戸惑いが相場に影響を与えている。

EURUSDは、オセアニア市場からドル売りが強く、午前6時では1.0990台を高値に、予想外に弱い独小売売上高もあり1.0940まで緩やかに下落。先週末のグリントン氏のメール疑惑の報道に急伸した水準となる1.0940台へ値を戻しなんとか下げ止まっている。

AUDUSDは、ドル買い戻しの流れの中で、先週金曜日のクリントン氏サプライズの影響はあまり受けず、我が道を行く展開。その影響なのか、USDJPY+EURUSD+GBPUSDでドルの買いの流れに反し、AUDUSDは小幅ながら上昇している。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

独小売売上高は前月比-1.4%と予想外に弱く、EUR売りが強まる。

ユーロ圏CPIは前年比0.5%、GDPは前年比1.6%で予想通りで動けず。

米個人所得は前月比0.3%、個人消費は前月比0.5%と大きな変化は見られず、PCE価格指数の前年比は1.2%と予想と変わらず。

米シカゴ購買部協会景気指数は、50.6(予想54.0 前回54.2)と予想外に弱い結果となるもドル売りは限定的。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


2016年10月31日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2016年10月31日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

日経平均株は-21.39(-0.12%)低下、原油価格(WTI)は48ドル台前半と弱さが目立つ。

先週末の金曜日の米国市場の後半、突然報道された、FBIのヒラリー氏のメール疑惑再燃は、今後の米大統領選に影響を与えるのか? 与えないのか? 

週末に報道された情報だけでは、どちらに転ぶかは不透明で、本日の欧米市場の動向と新たな材料の有無を確認せざるを得ない状況となっているが、現状ではドル売りも限定的。

週明け月曜のオセアニア市場ではドル売り・円買いが加速し、アジア市場は一時104.40円台まで下落するも、日本株は予想外に底堅く、ドル買いの流れが復活し、仲値に向けた実需筋のドル買いも強く、104.90台まで値を戻り104.70~95のレンジで推移へ。

弱い日本の鉱工業生産にUSDJPYは底堅くなり、弱い独小売売上高にEURUSDが下落する中で、ドルの買い圧力が強まっている。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

法執行機関当局者(NBC)=ヒラリー氏が国務長官時代に公務で私用メールを使った問題で、FBIが捜査令状を取得。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


2016/10/30

今週の相場を考える(10月31日~11月4日)


今週の相場を考える(10月31日~11月4日)

日本+豪州+英国+米国の金融政策の発表と米雇用統計を主役に、カナダGDP+雇用統計、NZ雇用統計、ユーロ圏GDP+CPI、米ISM製造業+非製造業景気指数と最重要なイベントがギッシリ詰まった今週の為替相場。

それに、米大統領選を月曜からみると残り8日に控えたクリントン氏のメール疑惑の再発が加わり、本当にドル高傾向が維持できるのか、「ドルの強さ」+「円の弱さ」が再評価される週。

先週末の28日金曜日、午前2時頃までは、105円台で定着したドル円相場と、円クロスでも円安傾向が続く為替相場に、「今週も円安傾向が続くのでは?」と思いながら過ごしていたことであろう。

それが、米大統領選の本選までわずか11日と迫る中で突然、「FBIがクリントン氏のメール疑惑の再調査に入る」との報道に、ドルは全面安+円は全面高でドル円も終値では104.60円台でクローズ。

クリントン氏は「不正行為はないと確信」とし、FBIに調査再開の経緯の説明を求めるといっている。一方、コミーFBI長官は「別件に絡み、以前の調査に関連すると思われる電子メールの存在を把握した」と言う。

蒸し返されるクリントン氏への疑惑。今後の大統領選の行方にどの程度の影響を与えるのだろうか? 米株+米金利+為替相場にどのような変化が生じるのか、米大統領選を残り8日に控えた来週の米国市場の動向が気になる。

最後になってしまったが、米FOMCはまず現状維持で、次回12月の利上げ示唆の程度が相場変動要因。非農業部門雇用者数が20万人上回るか、前回の15.6万人を割り込むのかを注目。ただし、最近の傾向は時間当たりの賃金や平均時給なども重要。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY【予想レンジ 104.20~106.00、または、103.00~105.00】

今までは、100円失敗の反動+米利上げ観測+底堅い米株、クリントン氏次期米大統領濃厚=ドル高期待に、103円台、104円台を徐々にクリアし、ついに105円台を突破。

それが終わってみれば、クリントン氏のメール疑惑再発ショックに104円台で越週となったが、米大統領選本線まで残り11日目に行動したFBIの真意と疑惑の真贋は? 

その影響どはどの程度のものなのか? 何もなければ、「米株安定+米金利上昇=円安」なのだが、情報が限られる現時点ではそうとばかりも言っていられない。いつもながら、金融機関や機関投資家に配慮した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は相変わらず理解できにくい。


◎EURUSD【予想レンジ 1.0900~1.1000、または、1.0950~1.1100】

10月20日の理事会では金融政策の据え置きとなったが、12月8日のECB理事会ではQEの見直しに関して協議するとある。20日はQE縮小が期待され失望したが延長もなく、ドラギECB総裁はマイナス金利に伴い金融業界のコストが増大している現状を認識という。

20日のECB理事会の翌日から1.0850をボトムに下げ止まり、ユーロ圏の景況感・業況感は強く底堅い中で、クリントン氏のメール疑惑再発ショックで、リスクヘッジの動きもあり1.0850~1.0950のレンジの上限を上抜けし新たな水準に入っているが、こちらも週明け以降のショックの度合いで大きく変化することで予想レンジは難しい。


◎GBPUSD【予想レンジ 1.2100~1.2400】

クリントン氏のメール疑惑再発ショックのドル売りにも、リスクオフの売りに上昇力は鈍い通貨ペアで、主要国通貨でドル売りが加速する中でどうしても弱さが目立つ。現時点では、ブレグジットにも予想外の悪影響はみられず、最近の景況感や成長も強いが、年末に向けた潜在的なリスクなのかGBPUSDの上昇力は鈍い。

カーニーBOE総裁(議会証言)は、金融政策の決定にポンド安を考慮とある。11月3日の金融政策委員会はポンド安に議題となることは確実で、資産買い入れ枠の据え置くことが予想されており極端なはポンド安も考えにくく、四半期インフレレポートを注目。


◎AUDUSD【予想レンジ 0.7550~0.7750】

AUDの金利の優位性と原油価格の上昇に期待していたが、原油価格も続落し10月20日の0.7730台をピークに0.7600台まで値を下げ、結局は0.75~0.7750のレンジを抜け出せず、市場の期待を裏切る結果となっている。

クリントン氏のメール疑惑再発ショックのドル売りに、原油価格は下落しリスクオフの流れにAUD買いは限定的。OPEC専門家会議は減産合意で物別れに終わるも、11月30のOPEC総会に向けて期待感は残り、1日の豪中銀の金融政策で金利が据え置かれ、市場の追加緩和期待が払しょくされれば、買いの流れがやや強まることも期待できる。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※