2018/12/23

今週の為替相場を考える(12月24~28日)☆☆メリークリスマス☆☆



今週の為替相場を考える(122428日)☆☆メリークリスマス☆☆

来週31日(月曜日)を残すも、実質的には今週は今年最後の週となり、為替相場はクリスマス休暇もあり一年で最も平穏な時を向か会えるはずではある。しかし、先週までの株式、債券、商品市場は弱くボラティリティーは高く、為替相場も当然ながらその影響を受けている状況で、休眠できるものなのだろうか?今週一週間は深読みすることはないのかもしれないが、今後の相場に影響を与えることが多すぎ気が滅入る。

年末年始の季節的な要因とは別に、止まらぬ世界的な株安と債券上昇(利回り低下)はどうなるのか?年末の一時的な現象で来年から本当に反発できるのか? 米国では、①米つなぎ予算が執行し一部の政府機関が閉鎖に追い込まれた米国、トランプ氏は妥協するのか? ②穏健派多数の側近が去り(ケリー大統領首席補佐官・年内辞任、マティス国防長官・2月退任)、強硬派がリードする米中通商協議は? ライトハイザーUSTR代表と中国劉鶴副首相が水面下で交渉を続けているらしいが、ナバロ大統領補佐官は「全面的な転換を迫る」姿勢は変わらないらしい。

一方22日に日本は、①1月に本格化する日米通商協議で、USTRから「自動車と為替、農産品、通信、金融開放を含めた包括的な要求事項」を突き付けられどうするのか?短絡的ながら極端な円安は望み薄では? 英国は114日にEU離脱案の議会採決を前にどうしたらいいのだろうか?GBPは本当にどうなるのか先が読めず。ハードブレグジットと最悪の事態を考えたGBP売りに対して、仮に何らかの合意ができた際のGBP買いの選択肢も捨てきれず。 予算案で一時揺れたイタリアは? デモが続くフランスは? 州独立運動が続くスペインは?

不思議なものである。集計日から若干の誤差はあるもIMM通貨先物では、為替市場でAUDNZDCADが続落するもロングが拡大。為替市場でJPYは円高へと動くも円のショートが拡大。NZドルは他の主要通貨でショートが続く中で、唯一27週間ぶりのショートからロングへと変化。不思議なものである!

FXオプション市場では、25delta Risk Reversalロンドン 21:30のデータでは、EURUSD1WEURプットからコールへ変化し1Mも-0.10と、12月初旬の-0.40台から低下し年末年始のヘッジなのかEUR高傾向に動き。USDJPY1Wから長期にかけてUSDJPYのプットが拡大し円高傾向の動きを示し、GBPUSDは不透明なブレグジットにも1M11月中旬の-2.55から-0.55%まで低下している。なんとしたものか!

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USDJPY 

株価と金利にあるていど連動した動きになることは間違いない。また、リスクが強まればクリスマス、年末年始の時期でもありリスクを回避する動きが続くことが考えやすい。

直近では110.80111.50のレンジに収束するも、9月上旬の水準へ円高が進み、75SMA112.83でボトムアウトになるのか? このポイントを意識しながらも、111.4050111.80112.20の上値のポイントは重要で戻り売り圧力が続く可能性が高い。また、USTRが示した包括的な対日貿易圧力は、材料として円買いに利用されやすいのでは? 

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EURUSD

英国のEU離脱からの材料による影響を受ける可能性は残るも、株安と債券高(利回り低下)のリスク回避の通貨の選好されているのか、年末の実需筋のEUR買も強く、イタリア2019年予算も欧州委員会の了解を得たこともあり、ドル高の中でも1.12501.1500のレンジ相場を約6週間続けており、今週もこのワイドなレンジを抜け出すことはないとの前提に1.13001.1500200ポイントのレンジで逆張りの動きを期待したい。

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GBPUSD

英国のEU離脱の行方は全く読めず。クリスマス休暇、年末年始の季節的な材料や、114日のEU離脱案の議会採決を考えれば決め打ちは禁物。ポジションテークより、ボラティリティーの高さだけを材料とした短期取引だけを考えたい。1.24001.2800のレンジでの推移を予想。


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AUDUSD

いつもながら期待を裏切る動きで、1026日のボトムに並ぶ0.7020台まで下落。0.7000はマジの線で、この水準を試す動きを期待しながら、この結果を見てから判断したい。


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今週の主な材料(12月24~28日) ☆☆メリークリスマス☆☆

今週の主な材料(12月24~28日) ☆☆メリークリスマス☆☆

クリスマス・ムード全開。今週は重要な経済指標や発言の予定もなく、日本を除く主要国では通貨当局や政治家は休暇入りをしている。21日にトランプ大統領が上院共和党議員をホワイトハウスに呼び、歳出法案に壁建設費を盛り込むことを迫ったが、多くの議員はすでに休暇を過ごすためワシントンを離れていたらしい。

今週は一年で最も変化の乏しい週になることが多い週であることは間違いないが、考えてみると今後の問題はやまずみで一時の平和になる可能性も高い。その大いなる問題点については別途「今週の為替相場を考える」で述べたいと思う。

ということで、今週は特に記することもなく、別表の「今週の主な材料」をご覧ください。

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最新のIMMポジションから見えること、2018年12月23日(日)

最新のIMMポジションから見えること、2018年12月23日(日)

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の12月18日集計日では、投機的ポジションは前週比-287,020→-278,659へと変化し、前週比では+8,361コントラクトと、2週間続けてマイナス幅が減少しています。

基本は「ドル高=他通貨安」志向は変わってはいませんが、前週比で比較すると通貨の売り越し額が減少し年末のポジション調整を意味しているのでしょうか? ①ブレグジットで揺れるポンドのネット売りポジションが大幅に拡大していることは理解できますが、 ②リスク回避通貨の円とスイスの売りポジションが逆に増加し、③原油価格の低下に弱い「カナダドル」も買われ逆に売りポジションが減少、④米中貿易問題やリスク深化に売られる「豪ドル+NZドル」が買われ売りポジションが急減していることで、⑤特にNZドルは6月19日以来27週間ぶりのネットショートからロングへと変化していることも驚きです。


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円 前週-97,606→-102,771(-5,165)(集計日の終値 前週113.368→112.518)
6月19日以降、27週間続けて円の売り越しが続いています。先週と同じく10月以降は9万~11万台で推移と超安定の推移、ドル換算のポジションではドル買いが12週間にわたり100~120億ドル台で安定しており、為替市場でも過去13週間は112~113円台での推移となっています。ただし、先週末の為替相場は111円台前半と、集計日ベースでは、9月11日の111.628以来となる大きなレンジの下限112円を割り込んでおり、今週以降の相場展開を注目する必要があります。


ユーロ 前週-56,287→-53,124(3,163)(集計日の終値 前週1.13167→1.13603)
10月2日以降、12週間続けてユーロの売り越しが続いています。今回は前週比で2週つづけて小幅ながら売り越し額が減少し、為替市場ではEURUSDは上昇していますが、過去4週間の売り越し額は5~6万台で安定しており大きな変化は見られませんが、ドル換算のポジションではドル買いが12月4日の直近のピーク86億ドルから75ドルまで減少しています。


ポンド 前週-42,419→-60,723(-18,304)(集計日の終値 前週1.24860→1.26345)
6月19日以降、27週続けてポンドの売り越しが続いてます。ブレグジットで揺れるポンドや先行きの悲観的な見通しにもかかわらず、9月18日の-79.258をピークに売り越し額は伸びずにいましたが、さすがに1月に先送りされた英国のEU離脱案の議会採決に向け、リスクプレミアムが拡大したこともあり、前週比では6月19日以来の大幅な売り越し額となり、ドル換算のポジションではドル買いが前週の33億ドルから48ドルに拡大しています。


カナダドル 前週-11,669→-7,457(4,212)(集計日の終値 前週1.33898→1.34620)
3月27日以降、39週続けてカナダドルの売り越しが続いています。今回は2週連続して前週比で売り越し額が減少と原油価格の下落が続き為替市場ではUSDCADが大幅に上昇を続けている中での動きだけにやや驚きです。ドル換算のポジションではドル買いが前週の8.7億ドルから5.54億ドルと大幅に低下しているもの特徴です。


豪ドル 前週-45,531→-35,069(10,462)(集計日の終値 前週0.72042→0.71782)
4月3日以降、38週続けて豪ドルの売り越しが続いています。11月6日の-70,412から7週連続し前週比で売り越し額が減少しており、先週と同じになりますが市場のセンチメントに変化があるのでしょうか? ドル換算のポジションではドル買いが前週の33億ドルから25ドルまで減少しています。


詳細はデータをご覧ください
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2018/12/22

2018年12月22日(土曜)21日、海外市場の動き(午前6時半ごろの動き)

クリスマス直前の金曜日。株安の連鎖は切れず債券は買われ(利回り低下)、リスク回避の動きは止まずVIXは終盤に一時31.35まで上昇。為替市場はドル全面高で円は他通貨で上昇。

株安の要因としては、米景気に減速の兆しがあるにもかかわらず利上げを続け、バランスシートを月額500億ドル縮小の方針に、株式市場は意識した株安と言われていが、米政府危機案の一部閉鎖リスク、マティス国防長官の2月退任と、トランプ大統領への不信感の高まり。米GDPの下方修正と耐久財受注は弱で、クリスマス休暇前の変動に結びついている。

欧州株は中国政府が2019年に向けて減税と緩和姿勢を示したことから下げ幅を回復するも強さは見られず月間では2年ぶりの下落幅。米株はウィリアムズNY連銀総裁のハト派発言が見られたが、上昇からスタートしダウは-414.23(-1.81%)と続落へ、米債利回りは低下傾向が続き10年債利回りは2.78%(前日2.81%)、2年債も2.64%(前日2.67%)と低下。WTIは上下変動し終盤にかけて低下し45.38ドル(前日45.88)。

USDJPYは、23:30に発表の米GDPと耐久財受注が弱く、一時110.93まで下落から、米株の一時的な反発や強いミシガ大消費者信頼感指もあり111.30大を回復。米株は続落傾向が続き、米債利回りが低下する中でも、週末・クリスマス休暇前の要因なのか円買いは見られず、111.45まで上昇し111.30台で推移。結局は一日を通じて大枠110.90~45のレンジで上下しているだけ。ただし、他の主要通貨でドル全面高の中で、円クロスは急伸、特にAUDJPY+NZDJPY(-0.9%台)、EURJPY(-0.7%台)を主に円高が目立っている。

EURUSDは、欧州市場序盤の1.1474をピークに欧州市場ではEURGBPの売りや実需筋の売り1.1400台まで下落。米国市場に入ってもユーロ圏消費者信頼感指数は-6.2(予想-4.3)と予想外に悪化し2年ぶりの低水準で、1.1420台の上値が重くなり、終盤にかけては1.1360台まで続落している。

USDCADは、アジア市場の1.3490台をボトムに終盤にかけては1.3600直前まで続伸し、カナダ10月GDPは0.3%(予想0.4%)と強いが、GDPにもかかわらず原油価格の下落や株安のリスク回避の流れに巻き込まれ弱さが目立っている。

米経済指標は、①米第3四半期GDPは改定値3.5%→3.4%に下方修正、前期4.2%から低下。②米耐久財受注は前月比0.8%(予想1.6%)、除輸送機器(コア)-0.3%(予想0.3%)と予想外に弱くコアはマイナスに、111円の壁を割り込み一時110.93まで下落。24:00時発表のミシガ大消費者信頼感指数は98.3(予想97.5)と強く、④個人所得は0.2%(予想0.3%)、個人支出は0.4%(予想0.3%)と弱くでるも、⑤デフレーターは前年比1.8%(予想1.8%)、コア前年比1.9%(予想1.9%)と予想と変わらず。

ウィリアムズNY連銀総裁は、①「景気が一段と減速するとの懸念は明らかに存在している」とし、②「経済見通しが極めて力強いことを踏まえると現時点で計画を変更する必要はない」と考えているが、③FRBは「見解や政策スタンスを再評価する用意がある」と言明。④「2019年に入ってからは経済指標を注視し、情報に耳を傾け、われわれの経済見通しを再評価し、適切な政策決定を行っていくことに前向きだ」と発言。この柔軟姿勢を評価して一時株の買い材料となる。

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22:30    CAD 月次GDP=10月 0.3%(予想0.2% 前回-0.1%)、前期比3.4%(予想3.5% 前回3.5%&)、前年比予想2.2% 前回2.1%→ 前月比は予想と前回を上回る

22:30    CAD 10月 小売売上高=前月比0.3%(予想0.4% 前回→0.1%)、除く自動車=前月比0.0%(予想0.2% 前回0.1%)、

22:30    USD 第3四半期GDP・確定値=前期比年率3.4%(予想3.5% 改定値3.5% 前期4.2%)→ 下方修正、個人消費=前期比年率3.5%(予想3.6% 改定値3.6%)、デフレーター=前期比年率1.8%(予想1.7% 改定値1.7%)、コアPCE・デフレーター=前期比年率1.6%(予想1.5% 改定値1.5%)→ 価格指数は強いが、前年比と個人消費は予想と前回を下回る。

22:30    USD 11月 耐久財受注=前月比0.8%(予想1.6% 前回-4.3%)、除く輸送機器前月比-0.3%(予想0.3% 前回0.2%)→ 予想を大幅に下回る

0:00    EUR 12月 消費者信頼感指数・速報値=-6.2(予想-4.3 前回-3.9)→ 予想外に悪化し、2年ぶりの低水準

0:00    USD 12月 ミシガン大学消費者信頼感指数=98.3(予想97.5 前回97.5)→ 予想と前回を上回る

0:00    USD 11月 個人所得=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.5%)、個人支出=前月比0.4%(予想0.3% 前回0.6%)、PCE価格指数=前月比0.1%(予想 前回0.2%)、前年比1.8%(予想1.8% 前回2.0%)、コアPCE価格指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比1.9%(予想1.9% 前回1.8%)→ 個人所得は予想と前回を下回るも、個人消費は強い。価格指数の前年比は前回を下回るも予想と変わらず、コア前回を上回り予想と同じ。

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2018/12/21

2018年12月21日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年12月21日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

クリスマス前の週末金曜日。日経平均株価は2万円の大台おかろうじて死守し結局は下げ幅を縮めるも前日比-226.39(-1.11%)の下げで、今週に入り約千2百円の下げを記録。中国株も弱く上海総合は1.1%近く下げて取引が続いている。

原油価格(WTI)は46.77ドルまで上昇するも続かず46.20近辺で推移。米10年債利回りはい一時2.79%まで低下するも2.8%近くまで徐々に値を戻し、前日とほぼ同水準で推移。

米国は予算法案を巡り議会との対立やトランプ氏の反対もあり、22日から政府機関が一部閉鎖されるリスクが一段と高まっている。最近ではこの問題=ドル売りに動いていたが、その多くは直前や直後に妥協案が成立し事なきを得ることが多かったが、今回は?

英議会は1月9日にEU離脱案の審議を再開。審議は1月9~10日に行うとし、11日も行う可能性があると語った。→ 議会採決は1月14日の週に予定されている。

さて、肝心の為替相場は、アジア市場では弱いながらもドル買いが優勢だったが、欧州市場に入りドル売りへと変化。

USDJPYは、日本株安にも底堅く推移し、中国株安にも円売りの反応は鈍く、円高の方向性は別として、底堅い印象が強い。結局のところ、ボトムが見えない株安や、心なくも円ロングを切らされた市場参加者の投げ売りが、来週からのクリスマス休暇を前にして一巡している可能性もぬぐい切れない。

上値のめどは、昨日まで非常に強いボトムとなっていた、112.20(±0.10)と111.80(±0.10)、これを越えるまでは円ブルの流れは変わりそうにない。昨日のボトム水準となる110.80近辺も堅そうで、となると、110.80~111.80のレンジ?

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