2020/11/30

2020年11月30日(月)16:30時頃の動き

2020年11月30日(月)16:30時頃の動き


週明け月曜日の日経平均株価は-0.79%の低下で、上海総合も-0.49%と弱い。米債利回りも軟化しており10年債は0.839%(-0.007%)と小幅低下。原油価格も44.81ドル(-0.72ドル)と弱い。


為替相場は、GBPUSDの上昇継続を除き、週明け早々のドル買いも続かず、欧州早出を前にドル売り圧力は弱まっている。


GBPUSDは、先週末終値1.3300台からギャップを空けGBP買いからスタートし1.3350近辺で推移。週末にはラーブ英外相の「英国とEUのブレグジット交渉担当者は実用主義と誠意を示している」、「最後の数日間で解決するべき大きな未解決問題は漁業権」と何らかの合意に至る期待感も。週末のニュースではBOEのマイナス金利については、内部委員がマイナス金利に慎重な反面、外部委員はマイナス金利支持者と意見が分かれているとの報道も。また、英政府は近く、米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナウイルスのワクチンを緊急承認する方針で、早ければ12月7日にも接種が始まるとあり、これも好材料に。


EURUSDは、1.1960台をボトムに1.1970台での動きで、1.2000の重要なポイントを前にしてアジア市場では基本的に動けず、欧米市場待ち。ECBからはデギンドスECB副総裁は、ECBのインフレ見通しを9月時点の予測から引き下げ、来年のインフレ率が平均で1%前後になる公算が大きいとのネガティブ材料も。


NZDUSDは、ギャップを空け上昇からスタートし一時0.7040台まで上昇するも続かず、0.7020台で推移。新型コロナ感染抑制の高評価と金利引き下げ見通しの低下もNZD買い支えの要因として変わらず。早朝に発表された、NZの11月ANZ企業信頼感・確報値=-6.9(予想 前回-15.6)、企業経済見通し=9.1%(予想 前回4.6)と強く出ている。


USDJPYは、日本株安+米金利の低下にも、103.80台をボトムに104.00まで値を戻している。市場センチメントは円ブルながら、103円台を積極的に売る動きも弱い。


2020/11/29

今週の為替相場を考える(11月30~12月4日)

 

今週の為替相場を考える(11月30~12月4日)

USDJPY、USDCHF、USDCADは、9日のコロナワクチンの朗報からドルが急伸した水準を回復できず、一方、EURUSD、NZDUSD、AUDUSD、GBPUSDは、9日の水準を上回りドル売りで上昇傾向が続いている。特に、NZDUSDの先週末の終値は0.70182で、2018年6月8日の週の終値0.70284に次ぐ上昇で、新型コロナの感染度合いによる動きと言えなくもない。また、コロナワクチンの登場によりリスクオフからリスクオンへの変化なのか、JPYとCHFの上昇力は今一つ。


気になるのは、11月中旬に入ると、何らかの意図的発言なのかは不明ながらドル安予想が多い。シティースストラテジスト「ドルは来年20%下落する可能性」を指摘。モルガンススタンレー・エコノミスト「米国の経常赤字拡大と低い実質金利でドル安」を予想。ゴールドマン「ドルは過大評価で、今後ドルの下落を予想」とあり、コロナ対策によるがカナダや豪ドルでドルの下落を予想している。


EURUSD

続伸中で、週終値ベースでは8月24日の1.1903を上抜け1.1962で終了、ドルからのシフトが多いという。1.200は重要な大きなポイントで過去を見れば1.1900台でも紆余曲折があり何度も上値トライを失敗している水準でもある。長期的なEUR高を期待しているが、1.18~1.20のレンジで一時的な調整のリスクも残る。


それじゃ、なぜEURが強いのかを考えると、混乱のバイデン次期政権の船出とコロナ感染拡大が止まらない米国は、コロナワクチン使用と有効性期待というポジティブな材料はあるが、現状は過大な期待感を持てず、FRBも追加の資産購入や、政府の大規模経済対策の実施が期待されている。


対して、欧州はドイツを含め一部の大都市では部分的なロックダウンをクリスマス休暇前に期間を限定して実施しているが、感染者はピークから低下し落ち着きを取り戻している。10日のECB理事会の追加緩和や、EU予算案や復興基金が決まらない状況を十分織り込み済みで、一部の委員からコロナワクチンの動きを見てからも遅くないのではとの発言も。


NZDUSD

先週末の終値は0.70182で、2018年6月8日の週の終値0.70284に次ぐ上昇、200週MA0.6770を上抜けしてから3週連続の上昇で底堅く上昇トレンドが続いている。0.70台の大台は利食い売りなど売り圧力が強まることが予想され、押し目買いで対応したい。


豪州とNZは新型コロナ感染が激減しその傾向が続いている。特にNZはほぼ終息と言ってもいい状態で、マスクを含め全ての規制が解除されながらも、新型コロナの感染者数は少なく11月27日も7名の新規感染者にとどまっている。今更ながらではあるがNZ中銀は11月11日の理事会で「来年3月までは現行の政策金利を維持する」との発言が思い出される。


24日にはロバートソンNZ財務相が「急騰している住宅価格の安定を考慮するようにNZ中銀に提案」し、オアNZ中銀総裁は「政府と協力して住宅価格の問題を解決していく」と表明していた。これを受け、マイナス金利や追加利下げの可能性も弱まっていとの思惑が強い。


USDJPYは、チャートを見てもダウントレンドが継続しており、巷の予想は相変わらず円高期待が多い。90日MA105.31を非常に意識しこの水準を超えるまでは円高傾向は変わらずと考えたい。


トランプ氏の圧力が弱まり、新型コロナワクチンの早期接種期待にも感染拡大が急速に抑制できなければ、新政権の追加の景気対策やFRBの追加緩和策が焦点となり、ドル売りだということも一理ある。


  今週のCFTCのIMMデータについて

米感謝祭の影響で公表が遅くなっており、データの発表は11月30日とまります。そのため、次回に2週間分をお知らせします。




今週の主な材料(11月30~12月4日)

 今週の主な材料(11月30~12月4日)


①米国のコロナ感染拡大と欧州の抑制の動きと、ワクチン期待。

②1日の豪中銀理事会と今後の主要国の緩和期待

③英EU通商協議は期待感とは裏腹に交渉は難航。

④政権移行へと動くバイデン政権の主要閣僚人事は誰が? そして、共和党の承認は?


感謝祭・ブラックフライデーも終わり、例年なら米国はクリスマスムード全開のはずなのだが、今年は新型コロナの影響でどうも様子が違いらしい。相変わらず、将来の好転期待感は強いが現状は感染の拡大が重要なテーマに変わりない。


① 新型コロナの感染拡大とワクチン期待とが混在する中で、欧州の一部では引き続き行動規制が一時的に続いているが感染者数はやや低下している。反面、米国では感染者数の増加は止まらず過去最高となっている。また、規制強化の効果と夏場に向かう豪州やNZでは感染は抑えられており、その違いが最近の為替相場の動きと一致している。


② 1日の豪中銀理事会は、政策金利0.1%の据え置きが予想されており、最近の新型コロナ感染の抑制や19日の強い雇用統計をもありネガティブな発言とならないとみている。今後の主要国の金融政策の予定は、カナダ9日、ECB10日、FOMC16日、BOE17日、日銀18日とほぼ12月前半までに集中しており、相場の転換期となるのか? コロナワクチンの動きを合わせて考えたい。


③ 英EU通商協議は、個人的には何らかの合意を期待している。直近の発言を見ても期待感や合意に向けた意気込みは感じられる反面、英国水域での漁業権、公平な競争条件(国家補助金)、ガバナンス(紛争解決手続き)が主な争点で大きな溝が残るとある。結果として正式は発表があるまでは疑心暗鬼、それまでは発言による上下の急変動は一時的ながら底堅い動きも。


④ 既に、国務長官にブリンケン氏、国家安全保障担当の大統領補佐官にサリバン氏、国連大使にグリーンフィールド氏を起用する人事を発表しているが、上院が素直に受け入れるかは不明。イエレン氏が財務長官に指名される見通しで、一部からドル安との観測もあるがどうなることやら。今後の指名を受けた相場の動きを注目したい。


主要国の経済指標から、

米国では、4日の米雇用統計(予想、失業率6.7%に改善、非農業部門雇用者数50万に低下、平均時給の前年比は低下)が重要で、1日の米ISM製造業(予想57.8に低下)と、3日の非製造業景況指数(予想56.0に低下)を重要視している。


30日(月)中国製造業PMI、独CPI、米NAR住宅販売保留指数

1日(火) 独雇用統計、ユーロ圏各国の製造業PMI改定値、カナダGDP

2日(水) 豪第3四半期GDP、米ADP雇用統計、ベージュブック

3日(木) 中国財新総合・サービス業PMI、ユーロ圏各国総合とサービス業PMI・改定値、米週間新規失業保険申請件数、米総合とサービス業PMI・改定値、米ISM非製造業景況指数

4日(金) 米雇用統計、カナダ雇用統計


発言その他

1日、2日のパウエルFRB議長の上下院での証言もあるが、30日のユーロ圏財務相会合、1日のEU財務相理事会を経て、3日のECB総裁も気になる。また、ラガルドECB総裁(30日、1日、6日)の発言も多い。それと、2日のロウ豪中銀総裁発言も注目している。


詳しい予定は別表から


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2020/11/28

2020年11月28日(土)昨日27日、海外市場の動き

2020年11月28日(土)昨日27日、海外市場の動き


ブラックフラーデーで米市場は短縮取引。米株は続伸、米債利回りは低下し、為替相場は揺れる英EU離脱協議に弱いGBPを除きドル全面安。JPYはGBPとUSDを除き強き相変わらず弱く強さも限定的。


ダウは+0.13%(+37.90ドル)と小幅高で、Nasdaqは+0.92%と上昇して終了。米債利回りは軟化し10年債は0.846%(-0.040)と低下し、ドル売りの一因となっている。原油価格は45.52ドル(-0.19ドル)と小幅低下。


ユーロ圏の経済信頼感は87.6と予想を上回るも、コロナ感染防止の制限措置に7か月ぶりに前月(91.1)から低下している。また、仏CPIは前回を若干上回り、GDP前期比は速報値から上方修正されている。


GBPUSDは、ドル売り相場の中で1.3300を割り込み弱い。英EUの通商協定は、何らかの合意期待感は残るも、英国水域での漁業権、公平な競争条件(国家補助金)、ガバナンス(紛争解決手続き)が主な争点となり交渉が難航。ジョンソン首相が国内の緊急使用向けに審査するよう正式に要請している、英アストラゼネカとオックスフォード大学と共同開発中のワクチンの有効性評価が疑問視され、追加で世界的な治験をする可能性も。「通商合意期待=GBP高期待」のロングの調整が二日続いている。


EURUSDは、独感染者100万人突破で1日の死者は過去最高など、止まらぬコロナ感染拡大やECBの追加緩和を織り込み、EU予算・復興基金のごたごたをも飲み込む(ハンガリーとポーランドから「法の支配」の順守条件に反対し拒否)。EURGBPの0.9%近くの急伸もあるが、上昇トレンドが続き主要通貨の中で上昇が目立っている。終値ベース(6時現在)では1.1960台で2018年5月以来の水準となり、1.16~1.20の長期的なレンジの上限を試す動きは止まらず。


USDJPYは、一日を通じて103.90~30で上値は重い。いったい上下どちらの方向に行こうとしているのだろうか? トランプ氏が事実上敗北を認めバイデン次期大統領の道筋は明るいものとなっているが、市場では財政赤字やコロナをリスク要因(ワクチン接種期待はありますが)として挙げJPY高支持者も相変わらず多い。トレンド的にはJPY高が継続しているが103.90が大きな壁となっている。個人的には90日MA105.30を上回るまでは円高圧力が続いていると見ているが。あまりにもスロー!