2018/12/16

今週の為替相場を考える(12月17~21日)

今週の為替相場を考える(12月17~21日)

今年も残り2週間ちょっとで、世の中はクリスマスムード。今週の為替相場を考えるに、4つに分けて考える必要がある。

◎すでに差し掛かっている年末・年始の季節的な要因。
◎米国の通商政策、ブレグジット問題とイタリアの予算案等。
◎米株の下落と米債利回り低下の動き。
◎19日のFOMC、21日の米GDP。

「年末・年始の季節要因」
今週より来週が主になると思われるも、米債利回りや米株の変動率が極端に高まっている現状を考えると、市場参加者が急減する中で為替相場への影響は避けらず。安全資産に分散する行動はリスク選好の通貨と比較的金利の高い通貨にとってはプラス材料になりやすい。(JPY、CHF、USD)

「米国の通商政策、ブレグジット問題とイタリアの予算案」
①米中貿易戦争は休戦中で、ファーウェイCFOも保釈され経過措置をめぐり中国は歩み寄りを見せひとまず安心(米国の本心は不明)。②メイ首相は保守党で信認され、EU首脳会議は冷たい扱いを受けながら暗中模索(出口が見えず)。③イタリア予算案は欧州委員会が修正に応じる可能性(無きにしも非ず)。④フランスの国民の怒り(今後の不安要因)。とEURにとってネガティブ要因は変わらず。

「米株安と米債利回りの低下」
いまさら年末要因とは考えにくいが、資金は株から債券へと動くリスク回避の動きは安全資産としてCHFとJPYにとってはプラス材料に。

「FOMCと米GDP」
FOMCは今回の利上げは織り込み済み、今後の見通しの変化を意識し、経済予測値とパウエル議長を主としたFOMCメンバーの意見の変化に相場が変動するリスクは十分高く、事前に期待から相場に織り込む動きも。米第3四半期GDPは確報値で改定値と予想か変わらず、結果を見るまでは動けず。

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USDJPY 

どうも「株安+米金利低下=円高」の連動性もやや弱まりつつあり、日々底値を切り上げているのが現状だが、大局で見れば10月末から続く「112.50アンダー買+114円売り」の流れを継続中。

先週と同じく9月下旬以降では大枠111.50~114.50のレンジ相場が継続しており、大きな変化を期待することも難しく、ニュートラルと判断せざるを得ず。

IMMは円ショートで急激な変化は見られず。オプションボラも1か月5%台に低下(今年2月は10%台だった)、年末・年始でこのまま低下を続けるのか、逆に円相場が急変する予兆なのか? 相場感は円高なのだが、2017年1月以降達成したことのない月末ベースの終値で114円の大台を達成することができるか? となれば話は別。

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EURUSD

前週と同じくなるが、ブレグジットのリスク、イタリア・フランスのリスクはく存在。ただし、テクニカルで次の大きな変化の始まりを期待したくなる。

先週一週間を通じて、大枠1.1300~1.1450の150ポイントと狭いレンジで過去3週間は同じような展開で上下変動が激しい相場が続いる。

11月中旬に昨年6月中旬以来の安値となる1.1216まで急落しながらも、Weeklyベースの終値ではその後も1.1300の重要なポイントを回復し、1.1300~1.1500のレンジ相場が続いているのは前週と変わらず。

ブレグジットのリスク要因と、イタリア予算案、フランスの政局不安を考えれば、予想外に底堅いとしか言いようないのは前週と変わらず。これが次のEUR売りの一時的な反転なのか、EURの買い戻しの始まりなのか? テクニカルでは買変化もあり、取り巻く情勢は売りで今週も迷うところ。

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GBPUSD

先週は与党保守党で首相の座を信認され目先の難局を乗り切り、1.2500割れをボトムに反発するも、EU首脳会議に臨んだメイ英首相はEU首脳の要求に応じるための厳しい条件を示し、1月に予定されている今後の英議会採決に向けた道のりは険しく、前週までの底値に近い1.2700を超えることはできず失速。

6週連続し前週比で下落(陰線引け)しボトムを切り下げ続落傾向は止まらず。テクニカルにも売りの流れは変わらず。頼みの綱はポンドショートの調整だけ。

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AUDUSD

前週に米中貿易戦争の休戦に8月中旬以来の高値を更新し、上昇が続くと思われたが、先週はファーウェイCFOの保釈や中国の対米輸入拡大策の発表に下げ止まり反発するも、週末は株安の影響に失速し陰線引け。これで期待した0.7200~0.7400のレンジの下限を割り込でしまった。

11月1日の米中首脳の電話会談で急伸した水準までには余裕はあるが、0.7100~50を割り込むようなら話は別で売りへと変化しそうだが、大きなポイントは0.7000でこれをボトムとした動きは長期的に有効と考えている。


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