2020/03/31

2020年3月31日(火)16:15時ごろの動き

2020年3月31日(火)16:15時ごろの動き

最近目につくのは、欧州発の景況感を表す指数が予想外底堅いこと、今日の中国国家統計局のPMIが前月の急落から逆に大幅に上昇していること、欧州の新型コロナウイルスの感染拡大がちょっとだけだが弱まっていること。それと、米国の感染拡大が止まらないことである。

為替相場は通貨間で動きは異なり、総じてリスク回避通貨のJPY+CHFが敬遠され、リスク敏感通貨のAUD+NZDが選好される動きながら、EURUSDとGBPUSDも弱く定義付は難しい。

日経平均株価は後場にかけて下落し前日比-167.96(-0.88%)で終了。上海総合も上昇幅を縮め前日とほぼ変わらず、欧州株は上昇からスタート。米10年債利回りも0.69%台と小幅低下。原油価格(WTI)は21ドル台へ小幅上昇。

USDJPYは、期末要因も掃け、次の一手は円高なのか円安なのか、意見が分かれていることも興味深い。少なくとも米国の新型コロナウイルスの感染加速が止まらず、米国は「景気対策第4弾を検討」とある中で、欧州の感染がピークアウトしたとみれば、ドル売りが加速することになりそうだが、まだ、それを確信できる状況にない。

むしろ、日本は発の感染拡大が止まらず、首都圏が仮に封鎖されるようなことにでもなれば、カナダ全体の経済規模に匹敵する東京都と周辺の各県は大打撃となり、JPY売りが加速することも必然。

本邦期末要因がはけ、相場の変動要因となった主要各国の景気対策、中銀の大規模緩和策も一通り終わり、大手投機筋もとりあえず様子見となれば、ボラの低下も期待できそうである。もちろん、新型コロナウイルスの爆発が再発しないことが条件ではあるが。

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米追加の景気対策を検討
①ホワイトハウスと米議会民主党は新型コロナウイルス感染拡大を乗り切るため、景気対策第4弾を検討

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WHO
①欧州の新型コロナウイルス感染拡大が若干落ち着く兆しが表れたとの認識を示した。感染拡大が最も深刻なイタリアでは30日公表された集計で、新たな感染者数が過去約2週間で最も少なくなった

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6:45    NZD 2月 住宅建設許可件数=前月比4.7%(予想 前回-2.0→-2.8%)

8:01    GBP 3月 GFK費者信頼感指数=-9(予想-15 前回-7)

8:30    JPY 2月 雇用統計: 失業率2.4%(予想2.4% 前回2.4%)、有効求人倍率=1.45(予想1.47 前回1.49)

8:50    JPY 2月 鉱工業生産・速報値=前月比0.4%(予想0.0% 前回1.0%)、前年比-4.7%(予想-4.9% 前回-2.3%)

10:00    CNY 3月 総合PMI=53.0(予想 前回28.9)、製造業PMI=52.0(予想48.0 前回35.7)、サービス業PMI=52.3(予想42.0 前回29.6)→ 前回の大幅低下に反し、予想をも大幅に上回る増加へ

15:00    GBP 第4四半期GDP・改定値=前期比0.0%(予想0.0% 前回0.0%)、前年比1.1%I予想1.1% 前回1.1%)

15:00    GBP 第4四半期経常収支=-50億ポンド(予想-70億ポンド 前回-159→-199億ポンド)

15:30    CHF 2月 小売売上高=前年比0.3%(予想 前回-0.1%)

NZD 3月 ANZ 企業信頼感=-64(予想 前回-19.4)、企業経済見通し=-26.7(予想 前回12.0)


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2020年3月31日(火)昨日30日、海外市場の動き(午前五時半ごろの動き)

2020年3月31日(火)昨日30日、海外市場の動き(午前五時半ごろの動き)

為替相場は、最近多発していた週明け早々のサプライズもなく、AUDを除きドル買いが再燃し、JPYはクロスで上昇が目立つも、相場全体ではコロナ相場疲れなのかいつもの大変動は見られず。

原油価格(WTI)は一時19.27ドルへ下落し20ドル近辺で推移。欧米株はいつも通りに変動幅は大きく、ダウは上昇し+690.70(+3.19%)で終了し、米債利回りは0.599%をボトムに回復し0.7%近くで推移。

為替相場は、GBPUSDはフィッチが英国の格付けを引き下げ、ジョンソン英首相が感染で自己隔離中、さらにEU離脱へのタイミングが問題視されるなどネガティブ材料が多い中で、1.2317~1.2441の予想外の狭いレンジで推移し、先週末比でも小幅な低下にとどまっている。

AUDUSDは、豪政府は経済対策の第3弾を発表するなど積極的な対策を講じる中で、欧米市場では共に0.6112~0.6173のレンジにとどまり、終値近くでも先週末とほぼ同水準で推移しており、ドル高が目立つ中で健闘している。

USDJPYは、東京市場ではネット上で都市封鎖がささやかれる中、USDJPYは107.12をボトムに下げ止まり108.24まで反発。緊急事態宣言の是非が問われる中で、午後8時過ぎの小池都知事の会見が注目され一時107.50まで値を下げるも、具体的規制はなく、108.29まで反発。米国市場では株高の流れが強まるも、107.66~17のレンジを抜け出せず安定。

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JPモルガン・ストラテジストのノーマン氏
①リスク資産の大半は世界経済を覆う今の後退期では底をつけたと。ノーマンド氏はリスク資産の大半は今年第2四半期に上向くと予測する。
②新型コロナの感染率が引き続き「ワイルドカード(不確定要素)」とし、米国や欧州で感染が減速しても感染率は依然として高い
③しかし限定的なリスクを取ることを正当化するだけの根本的かつテクニカルな変化は十分見られた。

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独経済諮問委員会
①今年上半期にリセッションは避けられず、今年は最大-5.4%の可能性も。

英保健当局
①新型コロナウイルスによる1日の死者数は前日の209人→180人増へと減少。

マメルEU委員会報道官
①欧州の経済対策は全加盟国が同意し、かつ迅速に展開可能なものでなければならないとし、共同債の発行を事実上排除

トムセンIMF欧州局長
①新型コロナウイルス対策として、ユーロ圏の財政規律緩和やECB、ESMの支援が欠かせない

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ペロシ米下院議長
①トランプ大統領は国防生産法の権限を最大限活用すべき

米中首脳
①トランプ・プーチン両大統領は電話会談で、原油市場に関する2国間協議を開催へ。

ボスティック・アトランタ連銀総裁
①家計や企業がつなぎ資金を確保できれば、新型コロナウイルスによる公衆衛生危機が終息した時点で米経済は速やかな持ち直しが期待できる
②キャッシュ需要は増加している

SF連銀報告書
①新型コロナウイルスの感染拡大抑制策の導入に加え、感染拡大がもたらしている先行き不透明感の急速な高まりにより、米国の失業は急増し、インフレ率は低下する
②新型ウイルスがいつ、どのように効果的に封じ込められるのか不確定要素が多いため、こうした先行き不透明感の上昇自体で失業率は向こう1年間で1%ポイント上昇し、インフレ率は向こう6カ月で最大2%ポイント低下する可能性があると予測した。

ムニューシン米財務長官
①米経済は「困難な四半期」に直面。
②米ファンダメンタルズは健全で、長期的な視野を持つ投資家にとっては米国に投資する絶好の機会となる

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サウジ
①原油輸出を5月から日量1060万バレルに増加

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国連貿易開発会議(UNCTAD)
①新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、途上国に今年2.5兆ドルの支援策が必要になるとの報告書を発表

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2020/03/30

2020年3月30日(月)16:30時ごろの動き

2020年3月30日(月)16:30時ごろの動き


週明け月曜日、東京市場は日本の緊急事態宣言のリスクを意識した動きが先行し株価は軟調ながらJPY高への動きは続かず。

為替相場は総じてドル高で、27日にフィッチが英国の格付けを「AA」→「AA-」に格下げした影響もあり、GBPUSDは高値1.2467→1.2320台と下げ幅が目立っている。新型コロナウイルスの流行や緩和的な財政スタンスを受け、財政の大幅な悪化と、EUとの将来的な関係が不透明で景気回復の遅れを懸念してとのこと。

一方、豪州政府は経済対の策第3弾を発表。
新型コロナウイルス対策として1300億豪ドル(約8.6兆円)規模の経済対策だが、AUDUSDは0.6113~0.6185のレンジで動けず。0.6130台で推移と先週NY引けの0.6160台から小幅に値を下げている。

特に動きが大きかったのはZARで、ムーディーズが南ア外貨と自国通貨建て長期発行体格付けをジャンク級に引き下げ、見通しネガティブに引き下げたことをで、USDZARは先週末の17.60台→18.00台まで続伸。ZARJPYも6.1台→5.948まで下落した後は安定した動きとなっている。

一時株安と円高が強まるも、日経平均株価は終盤にかけやや下げ幅を縮め前日比で-304.46(-1.57%)下落へ。USDJPYは一時107.12まで下落するも欧州市場の早朝近くでは108.10台を回復し、前日NY市場の終値を上回る水準へ。

上海総合も前日比-0.9%の下げへ。原油価格(WTI)は下げ幅を拡大し一時20ドルを割り込み20.60台で推移。米10年債利回りは0.678%と前日とほぼ同水準。

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豪州政府(経済対の策第3弾を発表)
①新型コロナウイルス対策として1300億豪ドル(約8.6兆円)規模の経済対策を発表した。賃金補助金の支給で雇用を維持する狙いで、企業は2週間当たり最大1500豪ドルの補助金を受け取ることができる。期間は半年間の予定。

アーダーンNZ首相
①国境閉鎖は有効なワクチンが見つかるまでは継続

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JPモルガン(25日付の投資家レポート)
①第1四半期GDP予想-4%→-10%、第2四半期-14%→-25%へと大幅に下方修正へ。
②ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)が確保できない旅行、映画などの活動だけでなく、経済に占める割合がはるかに大きい、社会的距離が保たれない生産活動にまで広がっている」と指摘。
③失業率は8.5%まで悪化を予想。
④新型コロナ感染拡大の悪影響は今年下半期には和らぐと引き続き見込んでおり、下半期全体のGDP成長率は+6%に転じるとした。

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サウジアラビア
①28日深夜、同国の首都リヤドおよびイエメンとの国境付近の都市ジザンを狙った弾道ミサイルを迎撃した。

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中国人民銀
①7日物リバースレポ金利を予想外に2.4→2.2%に0.2%引き下げ過去5年で最大幅。

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日本政府
政府は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて米国、中国、韓国の全土からの入国を拒否する方針を固めた。欧州は英国を含む約40カ国に対象を広げ、中南米や東南アジアの一部も追加する方向だ。外務省は全世界に不要不急の渡航中止を促す感染症危険情報のレベル2を出す。日本人を含む全ての国からの入国者に対し入国後14日間の待機要請をする調整に入る。

2020/03/29

今週の為替相場を考える(3/30日~4/3日)

今週の為替相場を考える(3/30日~4/3日)

相場は、新型コロナウイルスの欧米での感染拡大による経済への打撃を織り込んだのか? 世界各国の中銀、政府による経済対策は十分で経済は本当にボトムアウトするのか? トランプ大統領は4月12日のイースターまでに米経済活動を再開したいと言っていたが!?仮にそれが実現できればドル高方向へ動く可能性が高くなるが!(どうなんでしょう?)

米国では、2.2兆ドルの新型コロナウイルスの経済対策法案の成立で、FRBの4兆ドルの資金供給と合わせ、6.2兆ドル(約720兆円)の効果があるとトランプ氏は協調。

安倍首相もリーマンショックを上回る大規模な経済対策を実施すると約束しており、ドイツは財政均衡の御旗を取り下げドイツ議会下院は7,500億ユーロに上る新型コロナウイルス対策の景気刺激策を承認。ECBは7500億ユーロの債券購入で制限を撤廃。G20は5兆ドル(約550兆円)の財政政策、経済対策、保証制度に加え、大規模な財政支援を実施するとある。

過去の歴史を見ても、いずれかは感染が終息し世界経済は反転することは間違いないが、それまでボトムはどこで、いつなのか? それが問題となっている。

さて、為替相場は、先の2週間はドル買いで、先週1週間は逆にドル売りへと変化している。同じく株価は下落から反発し、債券利回は上昇から低下と同じような変化をしているが、米2年債だけは続落傾向は変わっていない。

何が変化の要因かを特定することはできないが、世界中で大規模な景気刺激策が実施され、ドル需要の緩和と株価の大反発、本邦サイドでは期末のリパトリの動きが要因の一つと思われる。

先のドル上昇時と思われるが、バンカメレポートでは、1週間で2346億ドルが債券からキャッシュへのシフトが発生していたとあり、この動きが世界的な大規模な景気刺激策の表明により変化していたと推測できるのでは?

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今週の為替相場は新型コロナウイルスの拡大による米経済への悪影響をどうしても意識してしまう。世界的な大規模財政出動や中銀の資金供給もありドル需要が極端に低下することが予想され、IMMシカゴのポジションを見てもドルに対する信認が低下している可能性もどうしても意識してしまう。

USDJPYは、先週は過去2週間の上昇でドル買いの中で、GPIFは3月24日に、資産構成の見直しで、外国債券の比率を10ポイント引き上げて25%とする方針を発表した。運用資産159兆円(2018年度末)で見ると10%の引き上げは15.9兆円の円売りが単純計算では起こりうる、新たなJPY売り材料の出現に投機筋は112を上回ることは難しても、ドル高傾向は変わらずと思われた。また、世界的な株価の大幅上昇にも関わらず、リアルなJPYは発動されず、リパトリのJPY買いもあり、投機的なJPY売りは失敗し終わってみれば118円を一時割り込み、前週終値水準に逆戻りで踊らされただけに過ぎなかった。

今週は、期末要因もはけ本邦サイドの実需筋の動きが抑制される中で、積極的なJPY売りも限定的でJPY高が継続する可能性を意識。最新のIMMポジションでは円の増加は抑制されているがロングを維持し、主要7通貨でのネットポジションは先週からロング(ドル売り)へと変化しており、先週の値動きから見ると109.50以上の上値は重くなることも予想される。円高方向では105.00~109.50、円安方向では110円台を超えることは難しいと思われる。それと、期末仲値での攻防も注目したい。

EURUSDは、ECBはすでに利下げできにくい水準にあり、大規模なQE拡大策を発表。欧州では新型コロナウイルスの感染拡大はやまず、ドイツでも感染が拡大される中で、EUR高の動きが続いている。最近の動きでは2月20日の1.0780から3月中旬の1.1495まで約12日間上昇から、9日間かけて1.0630台まで下落。そして、今回は3月20日、23日の1.0630台をボトムに約5連騰で一時1.1148まで上昇していた。

今週はどこまでEURだか続くのかを試す週で、一つのターゲットは1.1000をボトムに1.1250と思われてならない。IMMシカゴのポジションはつい最近まで長期間続いたユーロショートからロングへと変化し、いまや主要7通貨の中では最もロングポジションが多い通貨となっている。最近の大変動の中で一度動きが見らえると行き着く所までは流れが止まらない事が多く、押し目買いに。

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各国中銀は次々に大規模な利下げやQEを発表している。(参考まで)

日本
日銀、3月16日に政策金利を据え置くもQEを拡大。上場投資信託(ETF)の買い入れ目標を年6兆円→12兆円に、不動産投資信託(J-REIT)の購入目標を900億円→1800億円にいずれも倍増。コマーシャル・ペーパー(CP)・社債等の追加購入枠を合計2兆円設け、CP残高は2.2→3.2兆円、社債残高は3.2→4.2兆円を上限に買い入れへ。

米国
FRBは、3月3日に1.5~1.75%→1.0~1.5%へと0.5%引き下げた。3月15日に1.0~1.5%→0.0~0.25%へと事実情ゼロ金利まで引き下げ、QEを復活させた。3月23日に経済支援策の第2弾を発表し、無制限の量的緩和(QE)を実施へ。

ユーロ圏
ECBは、3月12日も政策金利を据え置くも、量的緩和策を年末まで1200億ユーロに拡大へ、3月18日7500億ユーロ規模の緊急量的緩和(QE)を発表。ECBの量的緩和策(QE)による今年の資産購入額は1.1兆ユーロに上る見通し。

英国
BOEは、3月11日に0.75→0.25%に引き下げ、3月19日に0.25→0.1%まで引き下げ、資産買い入れ枠を4450億ポンド→6450億ポンドまで2000億ポンド増額。3月26日には金融政策を据え置くも【必要あれば資産買い入れの拡大が可能】と付け加えた。

豪中銀は、3月3日に政策金利を0.75→0.5%に引き下げ、NZ中銀は3月16日に政策金利を1.0→0.25%へと0.75%の大幅な緊急利下げを実施。カナダ中銀は3月4日に1.75→1.25%へ、3月13日に1.25→0.75%へ、3月27日に0.75→0.25%へと利下げをし、国債とCPの買い入れ実施を表明し、量的緩和(QE)に着手している。

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今週の主な材料(3/30日~4/3日)

今週の主な材料(3/30日~4/3日)

今週の主役も、新型コロナウイスル。

各国の感染と経済減速のスピードは? とりあえず経済対策は出尽くし感はあるがその効果は? 米国だけを見てもトランプ大統領は2.2兆ドルの経済対策法案に署名し、FRBの4兆ドルの資金供給策と合わせると、6.2兆ドル(約720兆円)の効果があると言う。

安倍首相はリーマンショックを上回る経済対策を実施すると発言しているが、今週は、4/1日(水)に日本で1~3月期の日銀短観が発表となり、大企業製造業業況判断(前年比予想2.5% 前回6.8%)、先行き(予想-1 前回18)など大幅な悪化が予想されている。

失業率の大幅な悪化も世界的な傾向で、米国では先週の週間新規失業保険申請件数が、328.3万件(予想100万件 前回28.1→28.2万件)と歴史的な失業者の増加となり、新型コロナウイスルの影響に大規模は失業率予想が懸念される中で、4/2(木)新規失業保険申請件数(予想275.0万件)が注目される。

また、4/3日(金)にはメインイベントの一つでもある米雇用統計が控えている。失業率(予想3.8% 前回3.5%)、非農業部門雇用者数(予想-10.0万人 前回27.3万人)、平均時給(前月比予想0.2% 前回0.3%)と大幅な悪化が予想されている。


今週最も懸念しているのは、懸念の新型コロナウイスルの感染による経済への影響で、それを測る意味でも直近の以下、3月データが重要となる。

【米国発】
特に、3月分で発表済みとなっている、16日のNY連銀製造業景気指数19.9→-21.50(6か月先22.90→1.20)、19日のフィラデルフィア連銀景況指数36.7→-12.7(6か月先45.4→35.2)に続き、先週の3月ミシガン大消費者マインド指数の確報値も、89.1(予想90.0 速報95.9 2月101.0)から大幅に減速している。

今週中なのは、
4/1日(水)ISM製造業景気指数(予想45.0 前回50.1)、4/3日(金)ISM非製造業景気指数(予想44.7 前回57.3)が特に重要であることは間違いなさそうだが、それ以外でも軒並み大幅な減速予想となっており、予想数字からどのくらい上下に乖離するかが問題。

それ以外では、
3/31(火)3月シカゴPMI(予想40.0 前回49.0)、CB消費者信頼感指数(予想112.0 前回130.7)
4/1日(水)3月ADP全米雇用統計(予想-15.0万人 前回18.3万人、3月製造業PMI・改定値(予想48.0 前回49.2)
4/3日(金)3月総合PMI・改定値(予想 前回40.5)、サービス業PMI・改定値(予想38.5 前回39.1)を注目。

【ユーロ圏と英国】
24日の独3月IFO業況(総合)指数は、96.0→86.1、期待比数99.0→93.0、期待指数93.1→79.7、17日の独3月ZEW景況感指数8.7→-49.5、26日の独4月GfK消費者信頼感調査9.8→2.7と、過去最低水準に迫る悪化となっており、こちらも今週発表の数字を懸念。

3/30 (月)ユーロ圏3月消費者信頼感・確報値(予想-11.6 前回-11.6)、3月業況感指数(予想91.6 前回103.5)、
3/31(火)3月英GfK消費者信頼感指数(予想-15 前回-78)
4/1日(水)独3月製造業PMI・改定値(予想45.5 速報値45.7)、ユーロ圏3月製造業PMI・改定値(予想44.6 速報値44.8)、英3月製造業PMI・改定値(予想47.0 速報値48.0)
4/3日(金)独3月総合PMI・改定値(予想36.8 速報値37.2)、サービス業PMI・改定値(予想34.3 速報値34.5)、ユーロ圏3月総合PMI・改定値(予想31.4 速報値31.4)、サービス業PMI・改定値(予想28.2 速報値28.4)、英3月総合PMI・改定値(予想36.0 速報値37.1)、サービス業PMI・改定値(予想34.8 速報値35.7)

【中国】
中国では逆に景況感が改善しているのが目立っている。
3/31(火)3月総合PMI(予想 2月28.9)、製造業PMI(予想45.0 2月35.7)、サービス業PMI(予想42.0 2月29.6)
4/1日(水)3月財新製造業PMI(予想45.0 2月40.3)

詳しくは別表をご覧ください
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2020/03/28

最新のIMMポジションから(3月28日)ユーロが選好、カナダドルが敬遠。

最新のIMMポジションから(3月28日) ユーロが選好、カナダドルが敬遠。

集計日が3月24日の7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のトータルポジションは、通貨のショートからロングへと大転換となって2週目。トータルポジションはネットで32,813→30,460(-2,353)となったが、かろうじてロングを維持している。

ネットポジションがロングは、円、ユーロ、ポンド、スイスの4通貨で、ショートは、カナダドル、豪ドル、NZドルと、前週に引き継ぎ資源関連通貨でリスク時に売られる傾向が強い通貨の弱さが続いている。

特に目立ったのは、ユーロが選好されたのに反してカナダドルが敬遠され真逆の動きとなっている。ユーロのロングが前週比で前週の+32,495→+61,290(+28,795)と大幅に増加しトータルポジションでは7通貨の中でトップに拡大。一方、カナダドルは-9,623→-29,245(-19,622)ネットショートが拡大し、トータルポジションでも7通貨でワーストを記録。

ECBが、3月12日の理事会で資産買い入れ枠を大幅に増額したが政策金利を0.0%から変えていないが、カナダ中銀は政策金利を、3月4日-0.5%、3月13日-0.5%、3月27日-0.5%と計1.5%引き下げ、0.25%に初めてQEも実施となったことが背景にありそう。

円は、ネットでショートからロングに転換して3週目で、ネットポジションは+32,935→+23,863(-9,072)と前週比では小幅減少しているも、トータルでは何とかロングを維持。

詳しくは別表をご覧下さい。

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2020年3月28日(土)昨日27日、海外市場の動き

2020年3月28日(土)昨日27日、海外市場の動き

週末金曜日、米大規模経済対策は成立するも、NYダウは下落し3連騰で打ち止め。米債利回りは軟化し原油価格も低下、VIXは小幅上昇。為替相場は流れの変化なのか? 週初めからのドル売りの流れは止まらず。

NYダウは終盤にかけ下げ幅を加速し、前日比-915.39(-4.06%)で終了。米10年債利回りは軟化し0.683%で推移。原油価格(WTI)は一時20.88ドルまで下落し21.80台で推移。

トランプ大統領の説明では2.2兆ドル規模とある経済対策法案に署名し成立。FRBの4兆ドルの資金供給策と合わせ、トランプ氏は「6.2兆ドルの効果がある」と強調した。

USDCADは、カナダ中銀が3月に入り3度目の利下げとQEを開始するも、前日比ではCAD高へと動き利下げ発表直後の高値1.4154→1.3922まで一時下落。

USDJPYは、ドル需要の急激な減少とJPYショートの切りに108.20台まで下落し、欧米市場では一時下げ止まるも米株の下落に108円を割り込み一時107.75まで下落し、終値ベースでも3月18日の108.037を割り込む動きへ。

GBPUSDは、ジョンソン英首相が新型コロナウイルスの検査で陽性と判明、ハンコック保健も感染する中でもGBP売りにならず、アジア市場の1.2130をボトムに米国市場の終盤では一時1.2485と1.2500直前まで続伸し、主要通貨の中では上昇率は2.04%とNO.1。

EURUSDは、26日のEU首脳会議は、財政の認識を巡って溝を埋めきれず、危機時でも結束できないことで失望感が強まる中、結論を2週間延期しており相場への影響が心配されたが、米国市場の序盤1.0953をボトムに終盤にかけては1.1147まで続伸し6連騰。

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カプラン・ダラス連銀総裁
①米国経済が新型コロナウイルスによる深刻な打撃から回復するには時間がかかり、不透明感も根強い
②第2四半期の米GDPが年換算で20%前後縮小する可能性
③失業率は10%台の低めから半ばでピークをつけた後、素早く改善する見込みだ。年末には7%か8%になると期待

トランプ政権の高官
①ファーウェイへの半導体の供給制限など制裁措置を強化する規制を導入へ。

ムニューシン米財務長官
①対策の封鎖措置が解除されれば、米経済は力強く回復する
②支援策実行に「稲妻のようなスピードで」取り組んでいる

トランプ大統領
①トランプ氏は27日の署名式で、財政支出の規模を2.2兆ドルと説明
②議会が可決した2兆ドル(約220兆円)の新型コロナウイルスの経済対策法案に署名。家計への現金給付や中小企業の給与補填などが柱だ。FRBに委ねる4兆ドルの資金供給策と合わせ、トランプ氏は「6.2兆ドルの効果がある」と強調した。

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IMF専務理事
①リセッションに入ったのは明確でマイナス幅は非常に深いと予想。

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カナダ中銀(政策金利0.5%引き下げへ)
①新型コロナウイルスの感染拡大への対応で今月に入り3回目の利下げを決定し、2010年6月以来の低水準。
②国債とCPの買い入れ実施を表明し、量的緩和(QE)に着手か。

ポロズ・カナダ中銀総裁
①消防士が消火のために水を使い過ぎたと批判されることは決してない
②市場が確実に機能しているようにし、経済活動が再開された時に成長に向けたしっかりとした基盤が整っているようにしたい
③政策金利がこれ以上、低下すると考えることは現時点では理にかなわない
④マイナス金利政策は利用可能な手段の1つではあるが、金融システムに対しマイナスの影響が及ぶ恐れがあるため、措置として適していないと考えてい
⑤カナダ中銀の流動性供給策が量的緩和策のように見えることについては、特に話すことはない

ポロズ・カナダ中銀総裁
①4月15日に新たな経済見通しを発表
②お金ではなく流動性を創造
③財政政策は現状のショックにおける正しい政策手段
④カナダ中銀は900億カナダドル規模でバランスシートが拡大

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トランプ大統領
①下院が可決した2兆ドル規模の新型コロナウイルス関連経済対策法案に署名。

バンカメ・レポート
①投資家らは過去1週間に記録的なペースで債券からキャッシュに資金をシフトさせた。
②過去最高の2346億ドルがキャッシュファンドに流入した。一方、1090億ドル相当の債券ファンドが償還された。
③投資適格債からの資金流出額は過去最高の612億ドル。新興国債からの流出額は171億ドルと「巨額」。過去2週間の債券ファンドからの資金流出は2180億ドルと「驚くべき額」で、過去1カ月の流出額は2570億ドルと過去52週間に流入した5830億ドルの44%に当たり、「債券バブルが崩壊した」と述べた。
④株式ファンドからは262億ドルの資金が流出。米株ファンドからは158億ドルが流出した。ただ過去3営業日の株式市場の反騰局面は含まれていないという。2月19日から3月23日まででは、MSCI全世界株式指数.MIWD00000PUSは約35%下落していた。

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EU首脳テレビ会議・新型ウイルス感染拡大を受けた経済対策についてテレビ会議で協議(26日)
①財政難に陥っている南欧勢と財政規律を重視する北部勢との意見の隔たりが埋まらず、結論を2週間延期することを決めた。

ラガルドECB総裁
①EU首脳に対し、新型ウイルスの感染拡大に対し断固として行動するよう呼び掛けた

英国で要人感染多数。
ジョンソン英首相
①新型コロナウイルスに感染。首相はツイッターに投稿した動画で「
ハンコック保健・社会福祉相
①感染が確認さ
ホイッティ首席医務官(CMO
①新型コロナに似た症状が前日から出ているため、7日間の自宅隔離に入るという。

2020/03/27

2020年3月7日(金)15:00時ごろの動き

2020年3月7日(金)15:00時ごろの動き

新型コロナウイスの感染者数のワーストは、中国、欧州、そして米国へと移行。今日明日中に米下院は2兆ドルの経済対策を可決するというが、「buy the rumor & sell the fact」にならなければいいのだが!

日経平均株価は早朝の前日比700円近くの高値からやや上げ幅を縮めるも+470円近くと続伸傾向を維持。米10年債利回りは0.80%と小幅低下し、原油価格(WTI)は23ドルと小幅高で推移。

為替相場は、相変わらずドル売りの流れが続き、USDJPYは108.26まで下落し、週末金曜日の米市場待ちであることは間違いないが、本邦期末のドル需要は尽き、GFPIの外債10%買い増しにとの報道によるUSDJPYの買いの反動もあり、日本株との連動性も薄れ反発力は108.60が限度で鈍さは気になる。

AUDUSDは、0.6034をボトムに0.6126まで上昇。仮に今日も上昇すれば7連騰で、テクニカルポイントの0.6287を意識しているが、・・・。週末リスクを考えればこの水準からは買いにくい。

EURUSDは、1.1023をボトムに1.1087まで上昇。仮に今日も上昇すれば6連騰で、200日MAの1.1082に並ぶ水準を達成、ただし、この水準からロングをとれるかは話が別。

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米下院指導部
①上院が25日に可決した新型コロナウイルスに対処する2.2兆ドル規模の経済対策法案を27日か遅くとも28日には下院で可決する意向だ。

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モリソン豪首相
①新型コロナウイルス感染拡大に対する経済対策「第3弾」を数日中に発表へ

ウェストパック
①NZは、型コロナウイルス対策の影響で約20万人が職を失い、4-6月期のGDPは少なくとも10%減少する可能性がある。

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安倍首相
①仮に都市封鎖のような事態を招けば、日本経済に甚大な影響を及ぼす

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JPモルガン
①2020年のメキシコ経済成長率見通しを-7%に下方修正した。中でも第2四半期は季節調整済みで年率-35.5%になる見通し

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2020年3月27日(金)26日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2020年3月27日(金)26日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

新型コロナウイルスの感染拡大は何のその!米株の急騰は止まらず、欧州株も終盤にかけて連れ高! 為替相場はドル全面安!

パウエルFRB議長が「米経済はおそらくリセッション入り」とあるも、世界的で大規模な景気刺激策を受け、ブラックロックとクレディスイスは「株式投資に戻るタイミング」と表明。(本当なのでしょうか?)

為替相場はドル全面安で、特にGBPUSD、AUDUSD、NZDUSD、EURUSDは1.5~2.6%台の上昇で、USDJPY、USDCAD、USDCHFも1.0%超の下落で、ドル売りの流れが続いている。

米新規失業保険申請件数は328.3万人と歴史的なショック(過去最悪は1982年10月の69.5万人)。米第4四半期GDP確報値は前年比2.1%で変わらず。独GFK消費者信頼感は2009年5月以来の低下、英小売売上高も予想外の減少、BOEは予想通り金融政策を据え置くも「必要あれば資産買い入れの拡大が可能」と強気姿勢変わらず。

NYダウは前日比+1351.62(+6.38%)上昇、Nasdaq+S&P500も上昇へ。米10年債利回りは0.83台と小幅低下、原油価格(WTI)一時22.38ドルまで下落し23ドル台前半で推移。VIXは一時57.66まで低下し60ドル台後半で安定推移。

肝心の為替相場は、USDJPYは、首都圏では新型コロナウイルスの感染拡大に外出自粛が要請され、政府は景気判断を引き下げる中も、早朝の111.30を高値に続落し、過去4日の安値を下回り109.21まで続落。テクニカルでは高値から反落し戻り売り圧力が強いように思えるが、大枠では118~112のレンジ内での動きに収まっている。

EURUSDは、1.0870をボトムに1.1060まで190ポイントのワンウェーアップ! 3月20、23日の1.0630台をボトムに、FRB、BOE、ECBの大規模景気対策の表明から流れが変化し、連日続伸中で200日MA=1.1083が目の前。一度方向を転換すると継続する流れが2月以降続いており、どこまで上昇するのか?

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パウエルFRB議長
①経済のセーフガードとしてすべての手段を駆使する。

パウエルFRB議長
①米経済はおそらくリセッション入りで、経済活動の完全な再開は新型コロナウイルスの制御如何。
②まずはウイルスの感染を制御下に置くことが先決で、経済活動の再開はそれから。
③米経済における与信の流れが滞ることのないよう支える強力な取り組みを維持すると表明

ムニューシン米財務長官
①新型コロナウイルス対策として、3週間以内に家計に現金を給付すると表明

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BOE金融政策委員会
①今月2回の緊急利下げ後、今回は金利据え置くと全会一致で決定
②政策金利0.10%を据え置き、資産買い入れ枠6350億ポンド、社債買い入れ枠6450億ポンドを維持。
③議事要旨、金利の据え置きを全会一致で決定、必要あれば資産買い入れの拡大が可能

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ECB
①7500億ユーロ(約90兆5000億円)規模の新型コロナウイルス対策緊急プログラムでの債券購入で、制限を撤廃する。
②25日遅くに公表した法的文書で、国債購入をそれぞれの国の発行残高の3分の1までに制限を適用されない。買い入れ対象証券の残存期間の下限も1年から70日に引き下げた。

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G20
①共同声明「この共通の脅威に対し共同戦線を張ることに強くコミットする」と指摘。「健康保護を目的とした緊急措置は、対象が絞られている上、規模も相応で、透明性が高く、一時的なもの」とし、5兆ドル規模の財政政策、経済対策、保証制度に加え、大規模な財政支援を実施していくとした。
②経済的・社会的損失を最小限に留め、国際貿易での不必要な干渉を回避すると同時に、命を守るために必要なあらゆる健康対策を実施し、資金を供給していくと表明。

ILO
①新型コロナウイルスの感染拡大によって世界で失われる雇用が2500万人を「大幅に超える」可能性がある

IEA事務総長
①新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンで世界的に約30億人が影響を受けているため、世界的な原油需要は20%減少する可能性があるとの見方を示した。

マルパス世銀総長
①新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、世銀が向こう1年3カ月にわたり最大1600億ドルの救済措置を実施する方針

ゲオルギエワIMF専務理事
①新型コロナウイルスに対応するための緊急融資枠の倍増をG20
に要請した

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中国外務省国際経済局長
①3440億ドル規模の財政政策を実施

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2020/03/26

2020年3月26日(木)17:45時ごろの動き

2020年3月26日(木)17:45時ごろの動き

日経平均株価は新型コロナウイスルの感染拡大による首都封鎖リスクへの警戒感なのか、3連騰の利食いなのか前日比-882.03(-4.51%)下落。上海総合も-0.6%の下げで、欧州株は売りからスタートし2%近くの下げで、ダウ先物も-1.6%と値を下げている。

米景気刺激法案は上院で可決され、今日27日に下院で可決が見込まれ直ちにトランプ大統領は署名するとのことだが、州知事からは不十分との不満も多い。米10年債利回りも0.80%台へ低下し原油価格(WTI)は23.70台近くへと軟化。

為替相場は、WHOは「時間の浪費を危惧」するなど、新型ウイルスの感染拡大の影響を懸念する中で、我が国も気になるが世界的には米国の感染拡大がリスクに。主要通貨はUSDに対して通貨間で動きは異なり、前日まで選好されたAUD+NZD+CADが弱く、EUR+GBPが強く、リスク回避で小幅ながらJPY買いも復活。

USDJPYは、新型コロナウイルス拡大に今日も午後8時から首相と都知事が今後の対応で会談する。リスク当事国の日本ながら、リスク回避のJPY買いが復活したのか? 日本株安もあり今までのJPY売りが様変わりで、早朝の111.29を高値に欧州市場に入り下げ幅を拡大し110.03まで下落中。

EURUSDは、独GFKが2009年5月以来の低水準となり、独IFO経済研究所は「ドイツの輸出企業の景況感が世界金融危機以降で最悪」とれ報告書を発表するも、早朝の1.0870をボトムに欧州市場に入り1.0940台まで上昇中。

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米コンファレンス・ボード(CB)
①新型コロナウイルスの感染拡大で今年の米経済は前年から最大で6%縮小する恐れがあると警告。
②「夏の間にV字型回復」を遂げた場合でも6月、もしくは7月に経済活動が再開される公算はないため、経済は5.5%縮小すると予想。失業率は一時15%まで上昇し、年末までに10%に戻すとした。

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ドイツのIFO経済研究所
①ドイツの輸出企業の景況感が世界金融危機以降で最悪となった
②輸出見通しを示す指数は3月が-19.8と2009年5月以来の低水準に悪化。2月(-1.1)からの低下幅も東西ドイツ統一以来、最大となった。

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豪中銀
①QEの一貫で30億ドルの国債を買い入れた。

シンガポールGDP
①第1四半期のGDP速報値は前年比-2.2%(予想-1.5%)、2009年の金融危機以来の大幅なマイナス成長
②前期比は季節調整済みで年率-10.6%(予想-6.3%)と、2010年以来の大幅なマイナス。

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政府3月の月例経済報告
①景気の総括判断を「新型コロナウイルス感染症の影響により足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」とし、大幅に下方修正した。各国の感染拡大防止策を受けた経済活動の収縮を反映。2013年7月以来6年9カ月ぶりに「回復」の文言が削除され、安倍政権の金看板ともいえる景気回復が途切れた格好だ。

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2020年3月26日(木)昨日25日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2020年3月26日(木)昨日25日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

祝 欧米株続騰!ただし、欧米では新型コロナウイルスの感染拡大止まらず。東京でも感染拡大の重大局面へ。 一日を通じて株高+債券利回り上昇+ドル安。

各国中銀の超緩和策と政府の財政支出と、経済活動の復活期待に、欧州株は終盤にかけ再上昇、NYダウは一時前日比で1300近くの上昇から終盤にかけ上げ幅を縮めるも前日比+495.64(+2.39%)と連日大幅高。

米10年債は一時低下するも終盤にかけ再上昇へ、ただ2年債0.33%台と軟化。原油価格(WTI)は一時22.91まで下落するも24ドル台後半で推移。為替相場は、ドルは全面安で特にUSDCADは1.8%近く、GBPUSD1%近く上昇。

トランプ政権と上院は、2兆ドル(約220兆円)の景気刺激策で合意し下院も可決見通し(織り込み済みと思っていた!)。加え前日にトランプ大統領は4月12日(イースター)までに米経済活動を再開したいとあり、トランプ氏は3月30日、31日に新型コロナウイルス感染拡大に対応する詳しい措置を明らかにする予定とのことで、期待したい。

USDJPYは、アジア市場の110.75をボトムに東京都の新型コロナウイルスの感染急拡大もあり、米国市場では米株高に一時111.68までと、前日の高値111.72に迫る値へと上昇するも、米株の上昇力が弱まると111.09まで値を下げ111.20近辺で推移。

直近の高値を比較すると、20日111.36、23日111.59、24日111.72、そして25日111.68で、底値を切り上げながら緩やかに高値を切り上げる動きで、JPY売り需要が続いていることを感じるが、2月20日112.23、21日112.19の高値上回るまでJPYベア派は安心できず。

JPY売りの圧力をフォローしているクロスでのJPY安だが、CADJPYがアジア市場の安値76.72→78.48まで約1.8%急伸し、GBPJPYやEURJPYでのJPY売りも目立っている。

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世銀・IMFの共同声明
①新型コロナウイルスの感染拡大に、債権国に対し直ちに債務救済措置を取るよう呼び掛けた。

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 リフィニティブのデータ
①欧州企業(欧州STOXX600構成企業)の第2四半期利益見通しは14.9%減と、前週の8.2%から悪化。

独IFO経済研究所
①3月業況総合指数が86.1と2009年以来の低下に、今年は5~20%のマイナス成長になる可能性も。
②ドイツが厳しいリセッションに見舞われ、少なくとも2四半期にわたって続くと予想

ラガルドECB総裁
①ユーロ圏財務相(ユーログループ)のビデオ会議で、新型コロナウイルス対策で必要な資金を調達するために1回限りの「コロナ債」の発行について真剣に検討するよう要請。

英国のスナク財務相、イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁、金融行動監視機構(FCA)のウーラード長官代行
①不透明な経済状況下にあるものの、融資の維持・拡大を行う意思を持つよう求める
②新型コロナウイルス危機以前に事業が継続可能であった企業を破綻させないよう呼びかけた。

ECB(事情に詳しい関係者)
①経済支援で最も強力な債券購入プログラムを稼働させる可能性を排除していない。
②各国政府がまず基本的な行動を起こすことを前提に、ECBは新型コロナウイルスで打撃を被った経済の支援を目指す
③国債購入プログラム「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」への言及は極めて短い

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G7外相TV会議
① ポンペオ米国務長官は、新型コロナウイルスを巡る中国の「意図的な偽情報工作」について議論

ブラード・セントルイス連銀総裁
①約2兆ドルの新型コロナウイルス経済対策は適切。
②米国内で最大4600万人が失業する恐れ
③米経済に最も甚大な被害を与えるのは第2四半期となる可能性が高い

バーナンキ元FRB議長
①現状は1930年代のような不況ではなく、同規模の不況に向かってもいない
②「吹雪や自然災害」のような1─2四半期の経済事象に過ぎないと

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東京都
①感染爆発の重大局面とし、今週末の不要不急の外出自粛要請

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2020/03/25

2020年3月25日(水)15:00時ごろの動き

2020年3月25日(水)15:00時ごろの動き

トランプ大統領はイースター(4月12日)までに米経済活動を再開したい、せっかく治療しても経済が悪化したら意味がない」とあり、クオモNY州知事は「健康な人がコロナ抗体をもってなければ仕事に戻れる」など、米政府から終息時期が具体的に飛び出す。

新型コロナウイルスの感染が収束するまえに早くも終息に向けた発言に、FRBの第1弾と第2弾の大規模資金供給に「順風満帆」の株価! 新型コロナ肺炎のリスクは何処へ? どんでん返しがなければいいのだが!

日経平均株価は8%近くの上昇、上海総合も2%近く上昇、米10年債利回りは0.85%と前日から大きな変化は見られず。

肝心の為替相場は、ドル需要の低下や各国の大規模経済対策にドル需要も弱まりドル売りの流れが続いている。これも前日と同じく最安値まで売り込まれていたAUDUSD、NZDUSD、GBPUSDの買い戻しが最近の動きで、対ドルでも上昇傾向にあり、クロスでは相変わらずJPY売りで変わらず。

USDJPYは、昨日のコメントにも書いたが、GPIFが年金資産構成の見直しで、外国債券の比率を15→25ポイントへの引き上げで、運用資産159兆円(2018年度末)で見ると10%の引き上げは15.9兆円増で、将来のJPY売りの材料になる可能性を意識したのか、これがJPY売り(ドル買い)の材料に使われ、逆に期末に向けた本邦筋のリパトリのJPY買いが上値を抑えている。(ただし、日本株の比率は25%で変わらず)

USDJPYは、早朝の111.54を高値に日経平均株価の上昇にも、先物は前日NY引けからは強さは限定的で、USDJPYの買い材料とはならず。米金利も動きは鈍く、クロスでのJPY売りに110.75をボトムに111.50まで値を戻し、結局のところ前日NY引け値と大きな変化は見られず。

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米政府が景気対策で民主党と合意(ホワイトハウス側近)

まこねる米上院院内総務(共和党)景気刺激策についての声明を発表の予定


トランプ米大統領(ブルームバーグ)
①来週の月曜日か火曜日(30日、31日)に新型コロナウイルス感染拡大に対応する詳しい措置を明らかにする予定だと述べた

S&P
①米デルタ航空の債務格付けを「BBBマイナス」から「BB」に引き下げ、ジャンク級(投機的等級)とした

米公的年金、市場混乱で1兆ドル近くの運用損失(ムーディーズ)
①3月20日時点の市場インデックスを基にすると、6月30日までの会計年度の運用損益は、平均でマイナス21%程度になると指摘した。
②運用成績がプラスに転じなければ、未積立債務拡大を食い止めるため、政府は2021年度に年金拠出金を60%近く引き上げるという事態に直面するとした。

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英産業連盟(CBI)調査
①ロナウイルスの感染拡大の影響により、英国の製造業者の将来の見通しが、金融危機以降で最も悲観的になっている。

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ロシア東部(千島列島沖)でマグニチュード7.8の地震

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2020年3月25日(水)昨日24日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2020年3月25日(水)昨日24日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

祝欧米株急騰!DAX+11.49%↑、FTSE+9.35%↑、NYダウ+11.37%↑

新型コロナウイルスの欧米での感染拡大は止まらず多数の都市で外出禁止令も変わらず、各国のPMIは過去最悪を記録し景気後退は確実視。それでも相場は先読みが常で、各国の大規模な景気刺激策を好感し、FRBの無制限の資産購入と米議会による米2兆ドルの経済対策の合意期待に、世界的に株価は歴史的な急騰へ。

トランプ氏は「4月12日までのイースターまでに経済活動を再開させたい」と経済活動の停止を懸念。一方、州知事や国防長官、統合参謀本部議長は慎重姿勢で変わらず。

米10年債利回りは一時0.893%と小幅上昇、原油価格(WTI)一時25.16まで上昇したが23.89と上げ幅を縮める。

為替相場は、23日にFRBの無制限で無期限の資産買い入にドル需要は減少ドル売りへと動き、今日も安値更新していたAUDUSD、NZDUSD、GBPUSDを中心に反発し1.7~2.0%近くの上昇でUSD売りに。JPYは他の主要通貨で全面安の状態となっている。

USDJPYは、相場への影響は不明ながら、東京オリンピックの約1年延期で決定。気になるのはGPIFが年金資産構成の見直しで、外国債券の比率を15→25ポイントへの引き上げで、運用資産159兆円(2018年度末)で見ると10%の引き上げは15.9兆円増で、将来のJPY売りの材料になるとの見方も。

USDJPYは、アジア市場では日本株高にも円売り圧力は弱く110.09をボトムに売り圧力が見られたが、110.00の大台での幅広いドル買いに支えられ下げ止まり、欧米市場では株高+米債利回りの上昇もあり終盤にかけて111.72までと、上値を緩やかに切り上げ2月20日の112.22の高値が視野に。また、JPYクロスではAUDJPY、NZDJPY、GBPJPYは2%前後の上昇となっておりJPY安が目立っている。

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米共和党の景気刺激策(2兆ドルの景気刺激策)
①上院民主党の反対で成立に至っていないが、上院民主党は態度を変化。
②マコーネル院内総務は、法案はゴールすぐ手前の5ヤードラインと早期の成立が見込まれる。
③ペロシ下院議長(民主党)もこのあと数時間での成立を非常に楽観的にみている

トラン大統領
①制限されている米経済活動を4月12日のイースターまでに再開させたい。
②インフルエンザによって数千人が毎年亡くなっているが、国の活動をストップさせていないと、懸念を表明。

米国のエスパー国防長官とミリー統合参謀本部議長
①米国における新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する恐れがある
②ミリー議長は、適用できる場合、5月下旬もしくは6月辺りまでをみておく必要がある。7月までずれ込む恐れもある」

ムニューシン米財務長官
①金融サービス業の就労者を「重要インフラ就労者」に指定した国土安全保障省(DHS)の判断を支持する

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GPIF
①年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は資産構成の見直しで、外国債券の比率を10ポイント引き上げて25%とする方針だ。

グテレス国連事務総長
①日米欧や新興国など20カ国・地域(G20)に「経済対策を即時に打ち出すこと」を求めた。

G7
①電話会議を主催し、新型コロナウイルスの感染拡大で活動停止状態にある経済が世界的なリセッションに悪化しないよう対策を話し合った。

BOE
①定例オペで銀行の資金需要が急増したため、条件付きタームレポファシリティー(CTRF)を3月26日から4月2日まで実施すると発表した。

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2020/03/24

2020年3月24日(火)15:00時ごろの動き

2020年3月24日(火)15:00時ごろの動き

麻生財務相曰く、「ドルの現金一点買いになって、他の通貨が軒並み下がって、株も下がって債券も下がってというのはこれまでなかった状況」。(どう思いますか?)

FRBの緩和策第2弾は無制限! ひとまずドル需要のひっ迫懸念は弱まる。ドイツ財政赤字を容認し大規模な景気刺激策を実施へ、英国も同様。次は日本なのか!日経平均株価は、東証REIT指数が一時16%高になるなど、終わってみれば1204.57円(7.134%)の上昇、上海総合も武漢市の閉鎖解除が4月8日に決まり強い。

為替相場はドル需要もFRBの緩和策第2弾に弱まり、ドルが全面安で、売り込まれて感が強い、AUDUSDとNZDUSDは上昇幅を強めており、USDJPYとEURUSDはドル売りながら限定的。

USDJPYは、日本株の大幅高にも円売り圧力は弱く、早朝の111.30近辺を高値に逆に110.09まで下落し、110.40台で推移。引き続き110円の大台を維持しているが、一日で上下変動幅が1円超の変動はざらで、入りどころが難しい。昨日と同じく109.50~111.50のレンジ内と思われるが。

昨日肩透かしを受け、株安とドル売りの材料にされたトランプ政権の経済対策。ムニューシン米財務長官は、合意は非常に近いが今晩の合意はないとあり、やや不安。

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ムニューシン米財務長官
①景気刺激策の合意は非常に近いが、今晩の合意はない

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独連銀月報(23日)
①型コロナウイルスによる危機のためにドイツ経済が「深刻なリセッション(景気後退)」に陥ることは現状避けられないとした上で、国家財政は堅固な状態にあるとの見解を示した。

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スイス中銀
①先週、6088億2600万フラン(6174億1000万ドル)と、前週の6029億9200万フランから60億フラン近く増加。増加幅は今年最大を記録し、為替介入を強化するという中銀の方針を裏付けた。
②為替介入の規模が英国の国民投票が実施された2016年6月以来の高水準に拡大したことが23日公表のデータで明らかになった

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麻生財務相
①「ドルの現金一点買いになって、他の通貨が軒並み下がって、株も下がって債券も下がってというのはこれまでなかった状況」と注目。
②ドル買いが進む背景にあるのは「不安(心理)なんだろう」


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2020年3月24日(火)昨日23日、海外市場の動き(午前五時半ごろ)

2020年3月24日(火)昨日23日、海外市場の動き(午前五時半ごろ)

欧米での新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、世界的なリセッションは避けられそうになく、各国から経済対策の発表が相次ぐが旺盛なドル需要は変わらず。また、残念ながら東京オリンピックの延期は基本シナリオとのこと。

FRBは経済支援の第2弾を発表するも、米経済対策の議会承認が難航し米債利回りは一時0.695%まで下落し0.76%で推移と弱含み、ダウは一時900ドル兆の下落から結局は-582.05(-3.04%)で終了。独メルケル政権は財政規律を破り7500億ユーロ経済対策を発表。

為替相場は、強いドル需要に傾向としてはドル高ながら、FRBの経済支援の第2弾を発表後にドル売りへと動くも続かず。メルケル独首相のウイルス検査は陰性で一安心、独経済対策を発表EURUSDは強く逆にGBPUSDは弱く、EURGBPの上昇が目立っていた。

USDJPYは、株安や米債利回りの軟化にも関わらず、JPY買いは続かず109.82をボトムに(アジア市場の安値は109.67)、逆に米国市場では前日の高値111.50を上回り一時111.59まで上昇してようやく上げ止まる。期末のリパトリの影響と強いドル需要はあるも、東京オリンピックの延期による日本経済への打撃を危惧したのか? 都心での新型コロナウイルスの感染拡大を危惧したのか? USDJPYは高値圏で推移。

EURUSDは、ボトム感を指摘する声も聞こえてくるが、前日、前々日の1.0630~60をボトムに下げ止まっている。欧州市場では1.0666からFRBの経済支援の第2弾発表後に、EURGBPの買いもあり1.0828まで続伸し、1.0720台で推移。

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FRB(23日の緊急FOMCで経済支援策の第2弾発表)
①新型コロナウイルスへの対応として、無制限の量的緩和(QE)を行い、全会一致で米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買う。
②学生ローンやクレジットカードローン、中小企業向け政府保証融資などに関する新制度も導入

FOMC声明
①新型コロナウイルスの感染拡大による経済への「深刻な混乱」を和らげるため、かつてない規模で家計や中小企業、大企業へ信用を供与し支援する
②米経済を支えるため、あらゆる手段を講じることに取り組み、最大雇用と物価安定を促す。
③家計や企業の信用フローを支えるために米国債や住宅ローン担保証券(MBS)市場の逼迫を解消する追加対策を取る
④市場が円滑に機能し、金融政策が幅広い金融情勢に効果的に反映されるように必要な分の米国債とMBSを購入し続ける。

ムニューシン米財務長官
①2兆ドル規模の刺激策には中小企業や航空業界への支援が含まれるほか、FRBによる資金供給は4兆ドル規模。
②上院に対し23日中の承認を上院に求め、実現すれば個人や企業は今後2─3週間中に資金を得ることができる可能性があり、従業員の解雇に踏み切らないよう企業に呼び掛けた。
③双方を合わせると対策規模はGDPの2割程度に達する。

住宅ローン担保証券(MBS)を保有する多くのファンドが投資家への償還資金を確保するため数十億ドル相当の売りに動いている。

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メルケル独政権(新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策を発表)
①新規国債発行をゼロにする財政健全路線を封印し、1560億ユーロ(約18兆円)の国債を発行して零細企業や個人事業主への支援などを進める。
②経済安定ファンドを通じて最大6000億ユーロの企業の債務保証、出資なども実施。
③新規の国債発行はGDPの0.35%までに制限している。メルケル政権は2019年までの6年間、新規の国債発行をゼロに抑え、この原則を守り続けてきた。

独政府
①新型コロナウイルスの感染拡大による経済的影響の緩和に向け最大7500億ユーロ(8080億ドル)規模の支援策を発表

ショルツ財務相はアルトマイヤー経済相との共同記者会見
①1560億ドルの補正予算は新型コロナの影響軽減に向けあらゆる措置を活用していくというドイツ政府の決意の表れだと強調。補正予算は全て新たな借り入れで賄われる

ショルツ財務相
①政府は新型コロナのパンデミックにより独経済がリセッションに陥ると想定しており、予算案は今年のGDP成長率がマイナス5%になる仮定に基づいている。

センテノ・ユーログループ議長
①ユーロ圏の新型コロナウイルス対策について、制限を設けず結束して取り組む

コスタ・ポルトガル中銀総裁
①欧州債務危機の再来を防ぐため、使途を新型コロナウイルスの感染拡大抑制に特化した、ユーロ圏政府共同の「コロナ債」発行を提言。

ブルームバーグ・エコノミクスが予測
①新型コロナウイルスの影響に、英国経済は今年上期に少なくとも10%縮小

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日財務省
①国債市場特別参加者会合(PD懇)を開き、物価連動債の市場機能を回復するため、月内に3000億円の追加買い入れを実施すると提案

東京オリンピック延期?
パウンドIOC委員は23日、米紙USAトゥデーの取材に応じ、2020年東京五輪について「延期は決まった」と話した。21年への延期の可能性が高いとし、詳細は4週間で決まるとした。

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ゲオルギエワIMF専務理事(G7後の声明)
①新型コロナウイルスのパンデミック影響で2020年世界経済は金融危機時より厳しいリセッションに陥ると予想。
②80か国がIMFによる緊急支援を要請している。

G7
①24日に電話会議を開き、新型コロナウイルス感染拡大への対応を巡り協議する計画

G20(23日)
①新型コロナウイルスに対して必要に応じて協調行動を取ることで一致



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2020/03/23

2020年3月23日(月)22:45時ごろの動き


2020323日(月)22:45時ごろの動き

週明けの欧米市場も新型コロナウイルスの感染拡大の悪影響を抑制に忙しい。

FRB21:00時に追加刺激策を発表。下落からスタートした欧州株はFRBの追加刺激策の発表を受け一時前日終値を上回るも続かず、小幅下落へ。米株価は急伸し、ドル売りが強まるが、米10年債利回りは直後0.708%まで急落するも直ぐに値を戻し、為替市場ではドル売りも続かず。

ただし、為替相場の動きは相変わらず大きく、短期間で上下変動する流れは変わらず。USDJPYはアジア市場の111.25を高値に109.82をボトムまで下落するとも、欧州市場では一時110.89まで上昇。FRBの追加刺激策の発表を受け、米債利回りが急落すると109.82まで下落し、110.70近くで推移。

他の主要通貨の動きもほぼ同じで、FRBの追加刺激策でドル売り傾向が続いている。

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FRB(追加刺激策)
①米国債とMBSで必要な額だけ購入へ、終了期限を設けず
②資産買い入れプログラウを大幅強化する。
③買い入れ対象を特定の社債や地方債に拡大。
FRBは今週、国債3750億ドル、住宅ローン証券2500億ドルを購入する計画

FOMC
1週間前に承認した国債と住宅債権の買い上げを事実上、無制限にすると発表

ムニューシン米財務長官
①本日中のコロナ法案成立を目指す

ブラード・セントルイス連銀総裁
①新型コロナウイルス対応による休業などの影響で米失業率が4-6月(第2四半期)に30%に急激に悪化する恐れがある

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G20緊急電話会議開催
①新型コロナウイルスの世界経済への影響を最小限の抑えるために政策総動員で取り組む方針が改めて確認


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NZ中銀
①量的緩和の実施を決定、今後12か月を対象に最大300NZドル規模の国債を購入。

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Ifo経済研究所
①新型コロナウイルスの影響で、経済停止状況が2か月続くとGDP25504950億ユーロ減、3か月で35407290億ユーロに。

英政府
①英政府は23日、新型コロナウイルス対策の一環で導入した総額3300億ポンド(3840億ドル)の融資保証制度の第1弾を開始し

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複数の政府与党関係者
①追加経済対策は事業規模で30兆円超、真水となる財政支出で15兆円以上が想定


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2020年3月23日(月)15:00時ごろの動き

2020年3月23日(月)15:00時ごろの動き

東京オリンピックは延期が濃厚で、IOCは4週間以内に結論を出すとのこと。報道によれば試算では損失は中止で7.8兆円、延期で0.6兆円とのこと。これ自体は日本経済にとってネガティブ材料ながら、日経平均株価は強くUSDJPYも110円を割り込む。

為替市場はリパトリとドル資産の需要増大に伴うドル買いはいつになったら止まるのだろうか? 最新の17日付のIMMポジションでは主要7通貨のネットポジションは久々にショートからロングへと変化し、ドル高の流れの変化なのか? それとも、ドルロングが軽くなった分だけさらにドル高へと動くのか、非常に面白くなっている。

米国は2兆ドル(約220兆円)の経済対策を行う予定で、EUは追加予算を含む経済対策の規模は全体で7500億ユーロ(約90兆円)を上回るとある。

週明け月曜日のアジア市場は、日経平均株価は小幅下落から上海総合が下落する中で、逆に一時17000円台を回復するも、終値は16877円と+334.95+2.02%で終了。米10年債利回りは0.811%と前日終値から小幅低下。WTIは20.80ドルをボトムに前日終値を小幅ながら上回る22.70台で推移。

為替相場は、AUDUSD+NZDUSD+USDCADでドル高傾向が続き、逆にUSDJPY+EURUSD+GBPUSDでドル売り傾向と、資源関連でリスク回避時に売られる傾向の強い通貨が弱い。

USDJPYは、早朝の111.25を高値に日本株の持ち直しにもかかわらず110円の大台を割り込み下落。先週末のボトム109.33をクリアに割り込むと軽いストップもあるのだろうが、積極的なドル売りまで考えにくいが。テクニカルベースでは108.50を割り込むことがあれば、大手米系証券の複数が米第2四半期GDPを大幅なマイナス(リセッション)との予想もあり弱気ムードになる可能性も。


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モルガン・スタンレーのエコノミスト
①米第1四半期GDPの予想を-4→-30.1%へ下方修正。失業率12.8%、個人消費-31%と予想。
②22日付けの顧客向けリポートで同行エコノミストは「経済活動が3月にほぼ停止状態になった」。外出禁止措置などを取る地域が増え、金融状況が一段と引き締まるのに従い、短期的な米経済成長への打撃は「もっと大きくなる」とした。

JPモルガン・チェース
①米第2四半期GDP予想-14%、

ゴールドマンサックス
①英第2四半期GDP予想-24%

ペンス米副大統領(22日)
①米国内で未実施のままとなっている新型コロナウイルス検査が週半ばまでには解消されるとの見通し

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独財務省(関係者)
①今年の国内経済が少なくとも5%のマイナス成長になると推計。
②現時点での公式予測はプラス1.1%成長だが、欧州最大の経済大国が金融危機以後で最も激しい景気縮小に見舞われる可能性が浮上している。

バイトマン独連銀総裁
①独紙ウェルトとのインタビューで、新型コロナウイルスのパンデミックが広がる中で、ドイツのリセッションは「今や避けられない」。
②ECBが打ち出した7500億ユーロ(約89兆円)規模の緊急資産購入プログラムについて、ECBの財源が空になることを意味しないとも述べた。

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2020/03/22

今週の為替相場を考える(3月23~27日)

今週の為替相場を考える(3月23~27日)

為替相場は新型コロナウイルスの感染拡大による経済不安にドル資産への回避なのか絶対的なドル高傾向にあるも、最新のIMMデータでは主要7通貨で長期間続いた通貨ショート(ドル高思考)から通貨ロングへと流れが変化。

また、主要通貨の中で過去の安値水準を下回る動きもみられる中、中銀の為替介入のリスクは弱いも水準を見れば気になる。デンマーク中銀は通貨クローネの防衛に金利を引き上げており、スイス中銀はいつもの通り通貨介入の可能性を示唆しており、ルメール仏財務相はECBに対して大規模介入(ユーロ防衛)を促している。

トランプ政権は週末、新型コロナウイルス対策として検討する大型景気刺激策が最大2兆ドル(約220兆円)に達すると表明した。これはGDPで10%に当たるとのこと。連邦政府が1.3~1.4兆ドルの財政支出をし、FRBなどが追加支援で2兆ドル積み増すとある。

一方、メルケル政権も、1500億ユーロ(約18兆円)規模の追加予算を計上する方針で、新型コロナ対策を決定する見通しとのことで、追加予算を含めた規模は全体で7500億ユーロ(約90兆円)となり、さらに「経済安定ファンド」を設置し、企業の債務を最大4000億ユーロ保証するなどと報道もあった。

ゴールドマンのエコノミストは、米第2四半期GDPが前期比年率換算で前回予想24%縮小の見込みとあり、一方では、株価下落を受け、「現在の危機が正しく制御されるなら、一生に1度あるかどうかの大バーゲン」と考えている超大富豪もある。問題は危機の制御がいつ確認できるか? 最も確認できてから動くことは「遅きに失する」ことになりそう。

為替相場を考えるに、リーマンショックに匹敵する、場合によっては新型コロナウイスルの感染による世界経済の停滞による異なる要因で、世界経済がリセッション入り確実視されている。

結果、中銀がゼロ金利近くへ金利の引き下げと資産買い入れを拡大させ、さらに、政府が超大型の財政出動に動かざるを得ない状況で、一時的なリパトリはもちろんながら、ドル資産へと動くなかでどこまでドル高傾向が続くのかピンポイントで予測することは難しく、今週も短期的な取引でドルロングに徹するか、中期オプションでドルプットを買うか、それとも、様子見するかの三択となっている。


USDJPY
最近の債券利回りの反発と、円安の連動性は高く、債券相場の流れは気になる。USDJPYは2.5週間かけ112円台→101円台まで下落後、2週間かけて111.50まで急反発。特に3月13日(前日比3.33円)、3月19日(前日比2.67円)と大幅な円安となった。同日の米10年債リ利回りは0.983%、3月9日に0.318%の安値を付けてからは1.28%台まで上昇傾向にあった。

Dailyチャートでは、2月20、21日の112.20台が上値の大きなポイントとなり、3月19日に急伸となったポイントの107.50~108.00が下値のポイントになっている。

Weeklyチャートを見ると、2週間前の大幅な下髭の長い週から2週間続けて反発を続けており、急激なドル急伸と緩やかな上昇と速度は異なるも2018年年初の急落時のパターンに似ている。2018年終盤から続く112円台(00~30)の高値を超えて、110~115円の過去のレンジに逆戻りするのか? それとも失敗し、上下変動時に重要なポイントとなっていた108円を維持できるのか?失敗すれば元の円高に戻りのリスクも。

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今週の主な材料(3月23~27日)

今週の主な材料(3月23~27日)

新型コロナウイルスの感染拡大はどこまで広まるのでしょうか? これが最重要な材料! 
アジアでは公表通りながら中国の感染拡大は終息しつつあり、日本を含め全体敵に落ち着いてきているのではないでしょうか? 一方、特にイタリアやフランスなどのユーロ圏の完全拡大は止まっていませんが、市場ではなぜか米国での感染拡大が今や主テーマになっているように感じられ、FRBの事実上無制限の資金供給が、相場にどのような影響を与えるのでしょうか? 

また、主要通貨の中で過去の安値水準を下回る動きもみられる中、中銀の為替介入はないのでしょうか? デンマーク中銀は通貨クローネの防衛に金利を引き上げており、スイス中銀はいつもの通り通貨介入の可能性を示唆しており、ルメール仏財務相はECBに対して大規模介入(ユーロ防衛)を促しています。

一方、原油価格が過去最低水準に下落する中、米国ではシェールオイルの採算コストを大幅に下回りリグの稼働数が大幅に減少しており、トランプ大統領は「いつ、どのようにして」、ロシア・サウジの石油戦争の終結に向けて動くのでしょうか? 

さて、話を本題に戻しますが、今週の主な材料を地域別に上げてみたいと思います。
米国では重要度から見ると、第4四半期のGDP・確報(3/27)、3月のミシガン大学消費者信頼感指数・確報値(3/27)、2月の耐久財受注(3/25)、3月のMarkit PMI・速報値(3/24)、2月の個人所得と消費支出(3/27)、2月の新規住宅販売(3/24)、 1月のFHFA住宅価格指数(3/25)を注視したいと思います。

英国では、2月の消費者物価指数(CPI)、小売物価指数(RPI)、生産者物価指数(PPI)(3/25)、小売売上高(3/25)、3月のMarkit / CIPS PMI・速報値を注目してください。

ユーロ圏では、3月の独、ユーロ圏Markit PMI・速報値、3月のIfo業況総合指数(3/25)、3月のユーロ圏消費者信頼感指数・速報値(3/24)、独GfK消費者信頼感調査(3/26)を注目してください。

アジアでは、日本は3月の東京都区部消費者物価指数(3/27)、NZの貿易収支(3/25)、
中国は第4四半期の経常収支(3/27)を注目してください。

中央銀行では、先週まで突然の緊急利下げや大規模な債券購入のアナウンスが続いていますが、今週は、BOE(3/26)と発表予定は限られており、FRB理事や連銀総裁の発言は見当たりませんが、先週までと同じくサプライズな発表を注意しましょう。

詳しくは別表をご覧ください。

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2020/03/21

最新のIMMポジションから(3月21日)

最新のIMMポジションから(3月21日)

集計日が3月17日の7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のトータルポジションは、ドル高水準で推移している為替相場に反して、「通貨のロング=ドルのショート」が拡大し、2018年6月19日以降、92週間ぶりにネットロングへと変化し、市場参加者はバーゲンハンティングの通貨買いへと動いている可能性もあります。

一時的な動きなのか長期的な変化の始まりの予兆なの知るすべもありませんが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた、トランプ政権の大規模な経済対策とFRBの超緩和策にも長期間続いた通貨のショートが巻き戻されていることだけは確かです。前週比の変化だけを見ても、3週連続でネットロングとなり直近は2週連続して大幅な変化となりました。

ネットポジションですが、ユーロが2018年10月16日以降、77週間ぶりにロングへと変化し、これで、円+32,935、ユーロ+32,495、ポンド+18,640、スイス+7,374とロングで、一方、カナダドル-9,623、豪ドル-28,733、NZドル-20,275がショートとなっています。

つまり、最近の為替相場の傾向と同じく、主要通貨でリスクヘッジに選好される、円、ユーロ、ポンド、スイスがロングで、資源価格の下げの影響を強く受ける、豪ドル、NZドル、カナダドルがネットでマイナスとなっています。

詳しくは別表をご覧ください。

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2020年3月21日(土)昨日20日、海外市場の動き

2020年3月21日(土)昨日20日、海外市場の動き

世界的な新型ウイルス対策による超大規模刺激策に安心感が金融市場に広まるも、週末の米国市場では株価反発の期待もむなしくに株安で債券利回りは低下。為替相場はドルが弱含みで推移するも一時的と考える市場参加者は多い。

ゴールドマン・エコノミストは、第2四半期GDPが前期比-24%と予想するも第3四半期+12%、第4四半期+10%と急回復とあり、超大富豪の中には一生に1度あるかどうかの大バーゲンと豪語、暴風の中で買い越しとなっている人もあると言う。

ただし週末の米株は下落。ダウは一時前日比100ドル超上昇するも終盤にかけ下落幅を拡大し2万ドルの大台を割り込み前日比-913.21(-4.55%)で終了。米債利回りは低下し、10年債は前日1.158→0.885%近くと急低下。

原油価格(WTI)はトランプ大統領がロシア・サウジアラビア間の石油価格戦争に介入することを示唆してから底堅い動きが続いたが、逆に一時19.46ドルまで急落と失墜。

為替相場はドルが弱いが、直近の急激なドル高の調整の可能性を意識してなのか、本格的な反転を予想する市場参加者は意外に少ない。もちろん、日々ボラティリティが高い状態で底値を探る動きは難しく、日々難しい相場が続きそう。

ただし、過去に例の見ない各国中銀の金融緩和策、政府の財政出動に、新型コロナウイルス感染を防御できる材料が表れたとき、または、感じる可能性が期待されたとき以後の戻りも大きいことの必然性が高い。

USDJPYは、アジア市場高値111.36→欧州市場安値109.33といつもながら上下の変動が激しい中で、欧州主要国の大規模刺激策と金融緩和もあり、欧州株の上昇+米株の上昇を受け、米国市場の序盤から上昇傾向が続きアジア市場の高値を上回り一時111.50台まで上昇。ただし、米株価の下落や債券利回りの低下もあり終盤にかけ110.70まで下落し110.75で終了と、水準的には108~112円のレンジ入りでいつか来た道へ逆戻り。

GBPUSDは、アジア市場の安値1.1410をボトムに、スナク英財務相が史上初めて政府が給与支払いの支援(80%)に踏み切り、米国市場の序盤では1.1933まで急伸するも、終盤にかけて下げ幅を拡大し1.1555まで下落し1.15658で終了。一日を通じてみても約500ポイントと大きな変動幅。過去3日間で1.1500割れをボトムに下げ止まり感はあるも、英EUの離脱交渉どころではない金融市場の混乱の影響のリスクを考えれば不透明感は強い。

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米政府
①米政府がG7と4月と5月に追加的なテレビ会議を開くことを希望している。

FRB
①他の5中銀(BOJ、ECB、BOC、BOE、SNB)とドル・スワップ協定を通じた流動性供給の拡充を発表。
②ドル資金の需要増に対応し、これまで毎週行っている期間7日のドル供給を 23日から毎日実施し、少なくとも4月末まで継続する。
③MMF向け流動性支援制度について、地方債を組み入れているMMFも支援対象に含める方針。

トランプ大統領
①ロシア・サウジアラビア間で勃発した石油の価格戦争に、自身が「適切な時期」に介入するだろう

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト
①「米経済の突然の停止」を理由に、米第2四半期GDPは、前期比年率換算で前回予想24%縮小の見込み。
②従来の予想は-5%だった。-24%との予想は確定値が対象で、速報値では確定値ほどの落ち込みは表れない公算が大きいという。
③第1四半期は-6%と予想。第3四半期+12%、第4四半期+10%と急回復するものの、通年の平均では-3.8%になるとみている。

世界の超富裕層が株式爆買い
①アイカーン氏やバフェット氏は市場混乱の中で株式買い越し
②世界各地の市場が混乱する中で、世界の超富裕層の一部は投資先企業の株式買い増しに合計10億ドル(約1100億円)以上を投じた。
③アックマン氏は、、「現在の危機が正しく制御されるなら、一生に1度あるかどうかの大バーゲンだ」

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スナク英財務相
①史上初めて政府が給与支払いの支援に踏み切った
②企業が雇用を維持した場合、従業員1人当たり給与の80%(月額最大2500ポンド)分を補助金として支給する。

スイス政府
①新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた企業などの支援に向け総額320億スイスフラン(約325.6億ドル)を支援

独首相報道官
①メルケル首相は、州首相と危機対策会合を開き、新型コロナウイルスの感染拡大抑制に向け取られている措置の順守状況を検証する
②「メルケル首相と州首相は状況を厳しく精査する。国民が21日にどのように行動するかが決定的となる
③連邦制を敷くドイツでは首相に全国的な外出禁止令を発令する権限はなく、州首相や地方政府が発令する必要がある。

フォンデアライエン欧州委員長
①欧州が保証する「コロナ債」の発行を検討する用意がある

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メキシコ中銀(利下げ実施)
①政策金利を0.5%引き下げ、7.0→6.5%に決定。
②声明では、インフレ見通しを巡り上下両方に向かうリスクがあるなど不透明感が高まっている

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米・サウジと原油価格安定で話し合い
①トランプ米政権が原油価格の安定化に向けサウジアラビアにエネルギー省高官を派遣へ。
②感染拡大で世界経済が甚大な影響を受けている時にサウジが増産姿勢を示していることで事態が複雑化。

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21:30    CAD 1月 小売売上高=前月比0.4%(予想 前回0.0%)、除く自動車前月比-0.1%(予想 前回0.5%)

23:30    USD 2月 中古住宅販売件数=前月比6.5%(予想0.7% 前回-1.3→-2.0%)、577万件(予想550万件 前回546→542万件)→ 予想と前回を上回り2007年2月以来の高水準。2月の米中古住宅販売戸数は、新型ウイルスが米経済活動に深刻な打撃を与える前の1月と2月上旬の契約数を反映

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2020/03/20

2020年3月20日(金)21:45時ごろの動き

2020年3月20日(金)21:45時ごろの動き

週末金曜日。東京市場が不在の中で、中国株は強く、EURSTOXX50は+3.62%と欧州株は大幅上昇、ダウ先物も1.3%近く上昇。米10年債利回りは1.0%に低下、原油価格(WTI)は一時27.89ドルまで上昇するも25ドル台と前日ほぼ変わらず。

為替相場は、前日まで弱かったAUDUSD、NZDUSD、GBPUSDが反発し上昇、USDCADは弱くドル売りの流れとなるも、USDJPY、EURUSD、USDCHFはドル売りも限定的で、逆にドルの買い戻しが強まっている。

あいかわらず金融市場は全体的に上下に大きく揺れる動きに変わりないが、中国は1年、5年物プライムレートの据え置きを決定。

USDJPYは、早朝には一時111.37まで上昇、欧州市場に入り一時109.33まで上昇、米国市場に入ると株高の流れを意識しえか111.00まで一時上昇している。


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FRB
①バランスシートは今週、過去最高の4.7兆ドルに達した。金利を引き下げた割引窓口(ディスカウント・ウィンドウ)貸出制度の利用も増えた。新型コロナウイルス流行による経済への影響を軽減するため打ち出した措置の効果が出始めている。
②ディスカウント・ウィンドウの利用は280億ドル超と、前週の1100万ドルから急増した。FRBが経済全般への信用供与に向け、金利を引き下げ、銀行に同制度の利用を促したことが背景。

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10:30    CNY 3月 1年物プライムレート=4.05%(’予想4.0% 前回4.05%)、5年物4.75%(予想4.7% 前回4.75%)→ 市場の利下げ予想に反して据え置きを決定

16:00    GER 2月 生産者物価指数=前月比-0.4%(予想-0.2% 前回0.8%)、前年比-0.1%(予想0.2% 前回0.2%)

18:00    EUR 1月 経常収支:季調前=87億ユーロ(予想205 前回512億ユーロ)、季調済=347億ユーロ(予想 前回326億ユーロ)
18:00    GBP 2月 消費者インフレ期待=3.0%(予想 前回3.1%)

18:30    GBP 2月 Public Finances (PSNCR) =13.8億ポンド(予想 前回-188→-117億ポンド)、Central Government NCR=-25億ポンド(予想 前回-205億ポンド)、Public Sector Net Borrowing=-3億ポンド(予想7億ポンド 前回-105→-124億ポンド)、PSNB ex Banking Groups(公共部門の銀行を除く公共部門の純借入)=3億ポンド((予想8億ポンド 前回-98→-117億ポンド)

21:30    CAD 1月 小売売上高=前月比0.4%(予想 前回0.0%)、除く自動車前月比-0.1%(予想 前回0.5%)

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ノルウェー中銀
①政策金利を1.5→1.0%に引き下げ、銀行への低利融資の提供を開始。
②NOK相場が過去最安値を付け、為替介入の検討も示唆。

豪中銀
①前日発表した量的緩和策に基づき、導入初日に最大50億豪ドル規模の国債を購入した新型計画を発表した

ホークスビーNZ中銀総裁王甫
①次の刺激策は量的緩和(QE)であることは明白。

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2020年3月20日(金)昨日19日、海外市場の動き

2020年3月20日(金)昨日19日、海外市場の動き

日本は3連休前の海外市場は、株価が下落から逆に急伸し、EUROSTOXX50は+2.86%上昇、ダウは-700ドル近くから逆に+188.27(+0.95%)上昇し20,000ドル台を回復。日本が連休中にサプライズがないことを願うだけ。

BOEは0.15%の緊急利下げ2000億ポンドの債券買い入れ枠を拡大。ECBは7500億ユーロの臨時の資産購入プログラムを導入。スイス中銀は金利据え置くも通貨防衛でフラン売り介入を示唆。トルコ中銀は17日に1.0%の利下げを実施済みで、南ア中銀は政策金利(レポレート)を5.35→5.25%へ0.1%引き下げを決定。一方、デンマーク中銀はクローネ通貨防衛に政策金利0.15%引き上げ、-0.6%へ。日銀はETF買い入れ過去最大更新、FRBは9カ国の中央銀行と新たに通貨スワップ協定を締結と、世の中は騒動しい動きは止まらず。

世界的に債券利回りは上昇傾向を維持。一部ではショートポジションの大幅な巻き戻しとの声も聞こえてくるが、ECBの緊急債券購入策を受けイタリアなど欧州債利回りの上昇幅は縮小。米10年債利回りは1.158%(前日1.183%)で推移。

為替相場は安全資産への逃避もあるが、キャッシュ化やリスク資産の売却に伴うドル買いにドルは全面高。期末要因なのリパトリの動きも強くJPYの弱さが目立ち、USDJPYは一時110.95とほぼ111円で、早朝の安値107.84から3円強の上昇でクロスでもJPY安。EURUSDも弱くポイントとで前日のボトム1.0802と1.080レベルを割り込むと1.0655まで急落。

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トランプ米大統領(原油価格上昇)
①サウジアラビアとロシアの原油価格戦争に適切な時期に関与すると表明

BOE緊急利下げ実施
①政策金利0.25→0.1%へと0.15%引き下げた。
②債券買い入れ枠、4450→6450億ポンドと2000億ポンド増額。
③英国債市場は過去数日間で悪化し、英国内外の金融状況は逼迫したした。追加の買い入れ資産のほとんどは英国債
④財政ファイナンスについて、中銀として反対の姿勢に変わりはないと表明。

ベイリーBOE総裁
①BOEは指標が出た後ではなく、今行動をとる
②財政ファイナンスについて、中銀として反対の姿勢に変わりはないと表明

ECB18日の夜に臨時の資産購入プログラムの導入を発表
①新型コロナウイルス対策として7500億ユーロ規模の緊急量的緩和(QE)を発表。
②ギリシャ国債も現行ルールの適用を免除して購入対象に含め、主要なリスクパラメーターの調整を通じて担保基準も緩和する。新型コロナ感染拡大に伴う危機のフェーズが去ったと判断すれば、PEPPの純資産購入を打ち切るが、いずれにしても年内は続ける。
③ECBが自主規制として設けている買い入れ制限を必要に応じて見直す方針にドイツやオランダなど少数国が反対していた。

スイス中銀
①政策金利-0.75%の据え置き、フラン売り為替介入を強化 通貨高を抑制

トルコ中銀
①17日に政策金利10.75→9.75%へ1%の利下げを実施済み

南ア中銀
①政策金利(レポレート)を5.35→5.25%へ0.1%引き下げを決定。
②新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による影響が深刻化しており、国内外の経済見通しが悲惨な状態にあるとの見方を

デンマーク中銀
①市場の流れとは逆行、クローネ通貨防衛に政策金利0.15%引き上げ、-0.6%へ。
②クローネ買いで介入の用意あると表明

日銀
①ETF買い入れ過去最大更新、2016億円-今月会合後は2回目

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ムニューシン米財務長官
①米政府は企業への流動性供給が重要と考えている
②景気刺激策の議会承認を来週初めまでには得たい
③3週間以内に国民への現金給付を実施したい

FRB
①9カ国の中央銀行と新たに通貨スワップ協定を結んだと発表した。ドル資金の市場への供給を拡充し、新型コロナウイルス流行による混乱緩和を目指す。

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EU英離脱交渉に遅れ
①新型コロナウイルスの感染拡大で欧州では一部の国で移動制限が導入されており、交渉がさらに難航し、12月末までの移行期間について、延長を求める声が欧州で高まっている。

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2020/03/19

2020年3月19日(木) 15:00時ごろの動き

2020年3月19日(木) 15:00時ごろの動き

日経平均株価は上昇からスタートするも、いつもと同じパターンで結局は中国株も弱く前日比-1.04%の下落へ。米債利回りは10年債が1.24%台と上昇傾向は止まらず。為替相場はドル高傾向が続き前日のNY市場の動きを継続。

結局は新型コロナウイルスの感染拡大による経済的リスクを意識したドル選好の動きと、主要国の財政支出の拡大意識した金利上昇の流れへで、JPYは本邦が3連休となることへのリスクも気になる。(休み中に大きく相場が動くリスク)

豪中銀は3月3日に続き、政策委員会を開き政策金利を0.25%引き下げ0.25%に決定し、初めてQEを実施した。

AUDUSDは、早朝の0.5817を高値に利下げ後は0.5509まで下落するも、ロウ豪中銀の為替介入に言及する発言もあり、徐々に値を戻し下落スタート近くとなる0.5680近くへ値を戻している。

USDJPYは、株価との連動性はなく、米債利回りの上昇もあり107.86のボトムjから109.56まで上昇と強さは見られず。クロスでは資源国通貨に対して強さを維持している。

EURUSDは、早朝に1.0981まで上昇から一時1.0878まで下落するも再び緩やかに上昇と。他の主要通貨でドル高傾向が続く中で、比較的強さを維持している。

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豪中銀
①政策金利(キャッシュレート)を0.5%→0.25%に引き下げを決定。
②新型コロナウイルスの感染拡大による経済への打撃を緩和するため、初の量的緩和(QE)にも踏み切った。

ロウ豪中銀総裁
①為替介入はまだ実施していない、必要であれば為替相場に介入する
②更なる刺激策が必要
③雇用とインフレに関する中銀の目標を達成するまで金融引き締めを行わない。
④今後数年間、金利は同水準を維持する
⑤確な雇用の減少が見込まれる
⑤6現状から金利水準が下がるには少し時間が必要

豪中銀声明
コロナウイルスは何よりも公衆衛生上の問題だが、経済や金融システムにも大きな影響を与えている。ウイルスが広がるにつれ、各国は国境を越えた人々の移動を制限し、国内や都市内での移動を制限するなど、社会的に距離を保つ措置を講じた。その結果、世界中の経済活動に大きな混乱が生じている。このような状況は、ウイルスの封じ込め努力が続けられているため、しばらくの間続く可能性が高い。

金融市場のボラティリティは非常に高い。株価は大幅に下落した。国債利回りは歴史的な低水準に落ち込んだ。しかし、主要な国債市場の機能が損なわれ、金融指標としての重要な役割を果たしていることから他の市場を混乱させている。資金調達市場は、質の高い借り手に対してのみ開かれている。

ウイルスへの主要な対応は、人々の健康を管理することであるが、金融・財政政策を含む他の政策手段は、ウイルスに起因する経済・金融の混乱を軽減する上で重要な役割を果たす。

いずれ、ウイルスは封じ込められ、オーストラリア経済は回復するだろう。暫定的に、準備銀行の優先事項は、雇用、所得、企業を支援することであり、これにより、この健康危機が収束したときに、国が力強く回復するための態勢が整う。

豪準備銀行理事会は昨日の会合で、この困難な時期を通じたオーストラリア経済支援のための包括的なパッケージについて合意した。

1、キャッシュレート目標を0.25%に引き下げる。

理事会は、完全雇用に向けた進展がみられ、インフレが持続的に2-3%の目標範囲内に収まると確信するまでは、キャッシュレート目標を引き上げない。

2、3年物のオーストラリア国債の利回り目標は約0.25%。

これは流通市場での国債の購入を通じて達成される。この目標の達成、また市場の混乱に対処するため、イールドカーブ全般の国債・準国債の購入が行われる。これらの購入は明日から始まる。準備銀は、この行動の実効性を確保するため、オーストラリア財務管理局(AOFM)および州政府借入当局と緊密に協力していく。

3、銀行システムのためのターム物資金調達ファシリティー。特に中小企業向け融資を支援する。

準備銀行は、期間3年の資金供給ファシリティーを、0.25%の固定金利で、公認預金銀行(ADI)に提供する。ADIは当初、既存の信用残高の最大3%までの融資を受けることができる。企業、特に中小企業への融資を拡大すれば、追加的な資金調達が可能になる。このファシリティーは少なくとも900億ドル。

オーストラリア政府はまた、銀行以外の金融セクター、小規模な貸し手、証券化市場に対する補完的な支援プログラムを開発し、これはAOFMによって実施される。

4、準備銀行の為替決済残高に対しては、従来の取り決めであるゼロではなく、10ベーシスポイントで行う。

これにより、これらの政策措置の実施により準備銀行の決済残高が大幅に増加することに伴う銀行システムへのコストが軽減される。

準備銀行はまた、別途通知があるまで、1カ月および3カ月のレポオペレーションを毎日の市場オペレーションの中で実施することにより、オーストラリア金融市場に流動性を供給し続ける。また、市場環境が許す限り、少なくとも週1回、6カ月以上の長期レポ取引を行う。

このパッケージの様々な要素は相互に補強し合い、経済全体の資金調達コストを下げ、特に中小企業への信用供与を支援する。

モリソン豪首相
①数日中に経済政策を発表する
②明日から豪州は他国からの入国を禁止する

アーダーンNZ首相
①今晩からすべての非居住者の入国を禁止

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FRB
①18日夜、緊急信用プログラム第3弾として、マーケット・ミューチュアル・ファンド(MMF)から購入した資産を担保として差し出す銀行に貸し出しを行うと発表した。
②新設される流動性ファシリティーはボストン地区連銀が運営する。3兆8000億ドル規模のMMF業界が、保有する米国債などの質の高い資産を投資家の求めに応じて売却できるように「家計と企業向け信用フロー支援」を行う。

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2020年3月19日(木)昨日18日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2020年3月19日(木)昨日18日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)


欧米株安止まらず、債券利回りの上昇も止まらず、原油価格の下落は止まらず、ドル買いの流れも止まらず。


欧米株は大幅安。EUROSTOXX50は-5.72%の下落、ダウはサーキット・ブレーカーを発動させながら一時19,000ドルを割り込み終盤にかけやや値を戻すも19,898.92と前日比-1338.46(-6.30%)で終了。

債券は主要国の大規模な財政支援策が意識され下落し、利回りは急伸し独30年債はプラス圏へ、米10年債利回りは一時1.271%(前日1.083%)まで上昇し1.19%近くで推移。原油価格(WTI)はサウジの増産姿勢変わらず一時20ドル直前まで下落し22ドル台で推移。

肝心の為替相場は主要国通貨でドル高水準を更新中。新型コロナウイルスの感染拡大による景気刺激策に対して、外出禁止や人の国内外の移動制限の強化による経済へのダメージを意識した株安と米債利回りの上昇を招き、リスク回避と米国の積極的な経済対策を評価してなのか? 今日もドルは全面高!

特に、資源価格に影響を受ける通貨安が目立ち、AUDUSD+NZDUSDは-3%台の下落で、USDCADも+1.4%台とCAD安へ。GBPUSDは追加緩和とEUと離脱交渉の難航を意識してなのか-3.5%台と弱さが目立っている。

USDCADは、アジア市場の1.4167をボトムに原油価格の続落と、米国・カナダの国境一時閉鎖、ポロズ・カナダ中銀総裁の追加緩和策の示唆もあり、米国市場では一時1.4650と2016年1月の高値1.4690近くまで上昇するも終盤にかけ1.4350まで下落し1.4400台で推移。今後は1.4690の水準を意識。

AUDUSDは、アジア市場の0.6029を高値に、米国市場で一時0.5702まで下落(同時にAUDNZDは1.0割り込む)してようやく下げ止まるも戻りは0.5800台と限定的で2008年の安値を割り込み2003年の安値を目指し更新中。今日昼に予定している豪中銀の金融政策に関する発表を注意。

GBPUSDは、アジア市場の1.2129を高値に、米国市場では一時1.1449まで下落と前日比3.7%台の下げで2016年10月の安値1.1490を割り込み、GBPの弱さが目立っている。ベイリーBOE新総裁は追加の金融措置を用意とありCPの買い入れも示唆。EUとの離脱協議をめぐる不安もあり弱さが目立っている。

USDJPYは、株価連動型の動きもやや薄れ、米債利回りの上昇と同じような動きもあり、アジア市場の109.75をボトムに米国市場で一時108.65まで上昇から107.75まで下落し108円近くで推移。上下変動幅がやや落ち着いてきているがそれでも2円幅の動きで目が離せない。

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トランプ大統領(米カナダ国境を一時閉鎖)
①新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、両国の同意に基づき、不要不急な移動に対して国境を一時的に閉鎖することになった。
②今回の措置は無期限で、観光目的の人の移動を妨げるのが目的で、ビジネス・商業目的の移動は除外が認められる。

トランプ大統領
①国防生産法を発動
②4月まで住宅・都市開発省の差し押さえや立ち退きを中止。

ムニューシン米財務長官
①失業率が20%になるとは言っていない。大統領の計画に従えばそうはならない

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
①ターム物オークション・ファシリティを検討中で、迅速な導入は可能。
②政府の国民に対する現金支給は理に適う。

トルドー・カナダ首相(今週にすでに発表している)
①国外に滞在するカナダ国民に帰国を促したほか、米国やメキシコ、カリブ諸島以外からの国際便乗り入れを制限

ポロズ・カナダ中銀総裁
①新型コロナウイルスの感染拡大による影響から経済を守るため、緊急利下げなど追加措置を取る可能性を排除せず。

ボーイング
①600億ドルの救済を米政府に求める。

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ECB理事
①18日に新型コロナウイルス対策で緊急電話会議を開いた。

ルメール仏財務相
①ECBは直ちに大規模介入を行うべき

ベイリーBOE総裁
①CP買い入れによる企業への新たな資金の供給を協議
②英中銀が利下げを実施した先週以降、新型コロナウイルスによる経済面への脅威が強まっているため、英中銀は追加の緊急措置を用意している

ホルツマン・オーストリア中銀総裁
①新型コロナウイルスの感染拡大への対応という点からみて、ECBの金融政策はまだ限界には達していない。

ECB(ホルツマン・オーストリア中銀総裁が、金融政策はおそらく限界と示唆したことを受けて、声明を発表?)
①「銀行システムの流動性を守り、金融政策の円滑な流れを確実にするため、適切にあらゆる措置を調整する用意がある」と強調した。

 ユーロ圏当局者
①新型コロナウイルス流行による経済的損害の抑制に向け、救済基金である欧州安定メカニズム(ESM)を活用することを検討
②これによりECBによるイタリア国債購入拡大への道が開ける可能性がある

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ILO
①新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各国政府が迅速に雇用保全に向けた対応を行わなかった場合、世界的に最大で2500万人近い雇用が失われる恐れがあると警告

サウジ
①日量1000万バレルと過去最大に拡大。

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豪中銀
①金融政策に関する発表を19日0330GMT(日本時間午後0時半)に行うと表明。

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金融市場と企業を支えようと、世界各国の政府は合計約1.4兆ドル(約122兆円)の財政支援を計画、または検討。

ドイツとフランスは銀行ローンの保証を約束

2020/03/18

2020年3月18日(水)23:00ごろの動き

2020年3月18日(水)23:00ごろの動き

欧州株安を引き継いだNYダウは1000ドル安かスタート。原油価格(WTI)は23ドル台へと18年ぶりの安値へ下落。米10年債利回りは一時1.22%まで値を上げ結局は1.093%と前日を上回り、株売り+債券売り(利回り上昇)+ドル買いの流れへ。

一日の各市場では上下変動幅が大きい状態は変わらず、トランプ大統領は米食品医薬品局(FDA)からの非常に重要なニュースについて話をしたいとツィート。どのような対策を講じるのだろうか?

為替市場はGBPUSDが-2%台の下落となり他の主要通貨でもドル全面高。原油価格の下落と緩和期待もあり、AUDUSD、NZDUSD、USDCADでドル高の流れは止まらず。

USDCADは、カナダ中銀が00:15時(日本時間)景気刺激策を発表するも、CAD売りの流れは止まらず、1.4470台と、1.4500の大台近くへと推移。

USDJPYは、アジア市場の終盤にかけて付けた106.75をボトムに米国市場の序盤では米株安の中、米債利回りの上昇を意識したの108円台まで上昇へ。

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トランプ大統領
3月18日に米食品医薬品局(FDA)からの非常に重要なニュースについて話をしたいとツィート。

カナダ中銀総裁とカナダ財務相
①日本時間午前零時15分に感染を受けたカナダ経済の支援策を予定。
② 新型ウイルスを受けたカナダ経済の支援に関する重要な発表を行う

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ベイリーBOE新総裁
①来週のMPC会合では、まず企業融資枠の拡大を検討する
②市場を開放的にすること重要、英国の市場は管理不能ではない
③週末の各国中銀のドル資金融通措置は市場落ち着かせることに寄与している
④政府による雇用支援が重要で、最近のポンド安の材料は複合的なもの
⑤来週のMPCではポンド安についても注意深く議論

ECB
①イタリア中銀を通じてイタリア市場に介入

ノルウェー中銀
①1日当たりのノルウェークローネの購入額を従来の5億クローネから16億クローネ(1.52億ドルドル)に増額る

ラガルドECB総裁
①EU首脳に対して、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための外出禁止などの措置が継続すればEUの域内総生産で、5%縮小する

BOE
①公開市場で米ドルのレポオペを実施、金融機関に150億ドル超を供給→ リーマンショック以降で最大。

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中国の飲料大手・中国匯源果汁集団
①今年8月に満期を迎える総額2億ドルのドル建て社債(3年物、利率6.5%)の利払いが不履行となったのは、新型コロナウイルスの流行によって短期的なキャッシュフローに問題が生じたためだと述べた。


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2020年3月18日(水)昨日17日、午前5時半ごろの動き

2020年3月18日(水)昨日17日、午前5時半ごろの動き

米政府の大規模な景気刺激の発動を準備(総額1.2兆ドルで国民1人当たり1,000ドル超の小切手支援を含む)との報道を好感しリスク選好へ。米株高+債券利回り上昇、USDは全面高+JPY売りも。原油価格(WTI)はサウジ増産姿勢強め一時26ドル台へ急落。

米10年債利回りは1.0%を上回り上昇、ダウは一時2万ドルを割り込みスタートするも21,237.79(+1049.27+5.2%)と大幅高。米債利回りも上昇幅を拡大し一時1.101%(前日0.734% )まで上昇、2年債も一時0.524%(前日0.362%)へ。為替相場はドルが全面高でリスク選好にJPYも弱い。

USDJPY、東京市場の105.84のボトムから世界各国の積極的な景気刺激策を好感した株高と米債利回りの上昇もあり、米国市場ではトランプ政権の大規模な景気刺激策を好感し終盤にかけ107.86までワンウェー上昇。ただし、ドルは他の主要国に対しても上昇幅を拡大しており、JPYクロスでは通貨間で強弱混在し大きな変化は見られず。

GBPUSD、東京市場の1.2273をピークに、ラーブ英外相が海外渡航を30日間中止するよう勧告するなど新型コロナウイスルによる英経済への悪影響を危惧。BOEの追加利下げ+QEの期待も強く1.2002まで一時下落し、ようやく下げ止まるも戻り高値は1.2115が限度で上値の思い展開が続く。

EURUSD、東京市場の1.1189をピークに米国市場では1.10の大台を割り込み一時1.0955まで下落しようやく下げ止まるも戻り高値は1.1020が限度で上値の重さは変わらず。EU首脳は非加盟国からの入域禁止で合意し、ECBは金融機関に対しつなぎのリファイナンスオペで1091億ユーロのLTROを実施へ。

AUDUSD-2%近く、NZDUSD-1.7%近くの下げと、ドルは主要国に対して全面高の流れは変わらず。

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ムニューシン米財務長官
①1.2兆ドルの景気刺激策を提案、内5000億ドルを国民へ支援
②国民への支援金の2週間内の支給が可能

ムニューシン米財務長官
①政権が新型コロナウィルス対策として、米国民に小切手を支給することを検討

ムニューシン米財務長官
①今は財政赤字を心配する時ではない
②上院議員と建設的な話し合いを持てたが、議員は労働者と中小企業を心配している

トランプ大統領
①国民1人当たり1000度ル以上の直接支援を検討と報道。

トランプ大統領
①ボーイングを守る姿勢を鮮明にし、記者会見で「われわれはボーイングを助ける」と明言した。
②給与税減税を検討しているが、時間がかかる
③中国はウィルスの感染源に関する誤った情報を出した、パンデミックは宣言のずっと前から感じ取っていた
④彼らの誤りゆえに「中国ウィルス」と呼ぶ。

FRB(CPの買い入れを再開)
①短期社債市場を下支えするための貸出ファシリティーを導入
②投資家が再びCP市場で貸し出しに参加することを促すだろう
③貸出によりFRBに貸倒損失が発生するのを防ぐため、財務省は「為替安定化基金(ESF)」から100億ドル(約1兆0700億円)を拠出する。ESFの総額は約940億ドル。

FRB
①銀行のレバレッジと会計規則の緩和を検討

米大手銀8行
①FRBの連銀窓口貸出制度を利用する

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
①新型コロナウィルスの拡大が急に米経済の危機になった
②ウィルス拡大は急速にリセッションに陥りはじめる」
③健康の危機であり、金融危機ではない」
④国民がレイオフになると経済が回復するために何年も必要になる」

メスター・クリーブランド連銀総裁
①金融市場の混乱ぶりを踏まえると、もっと段階的なアプローチが好ましかった
②流動性ひっ迫が続けば更なる行動を支持
③CPやTAFも選択肢の一つ。

デブラシオNY市長
①新型コロナウィルスの感染拡大を受け、市民の外出を禁じる命令を出すかどうかを48時間以内に判断

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メルケル独首相
①EU首脳は非加盟国からの入域禁止で合意

ナスク英財務相
①新型コロナウィルスは経済的に緊急性を要する、このような経済的な戦いに直面したことはない。
②今まで想像してきた以上のことを政府は経済を支えるために介入することを保証する
③企業向けに3300億ポンドの保証付き融資を利用可能に

ラーブ英外相
①新型コロナウィルス感染拡大防止に向けて、全ての不要不急の海外渡航を30日間中止するよう勧告

スペインのサンチェス首相
①新型コロナウィルスの感染拡大で経済が受ける影響の緩和に向け、総額2000億ユーロ(2190億ドル)の支援策を発表

ECB
① 17日、新型コロナウィルス対策として金融機関に対しつなぎのリファイナンスオペで1091億ユーロ(1203億ドル)の追加の資金供給オペ(LTRO)を実施。

欧州委員会のベステアー委員
①新たな一時的措置として、新型コロナウィルスによって打撃を受けた域内企業が最大50万ユーロ(55万1200ドル)の補助金または政府保証付き銀行融資を受けられるようにする

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中国財政省
①新型コロナウィルス感染拡大による影響を受けた企業に対する圧力の緩和に向け、約1500品目に対する輸出税の還付率を20日付で引き上げると発表した。

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トルコ中銀
①政策金利を1.0%引き下げ、10.75→9.75%に決定。

サウジアラビア
①石油輸出を拡大へ-日量1000万バレルと過去最大

モルガン・スタンレー(チェタン・アーヤ氏)
①世界的リセッションは今や「基本シナリオ」だが、ただ金融危機の時ほど深刻なものにはならない見通し
②これによると、1-3月(第1四半期)の経済への影響が最も大きいのは中国で、他の国・地域は4-6月(第2四半期)に痛みを実感する見通し。第1四半期に中国経済が5%縮小すると予想。先進国・地域ではユーロ圏が最悪で、年間で5%のマイナス成長になると見込んでいる。
③米金融当局が政策金利を事実上ゼロに引き下げたことを勘案し、モルガン・スタンレーは世界の平均金利を0.48%と計算している。 既に金融危機時の最低水準を下回っているが、さらに低下する可能性が高いという。7-9月(第3四半期)までには25の中央銀行で、政策金利が1月時点の水準から引き下げられていると予想している。

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