2018/07/31

2018年7月31日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年7月31日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

今日のアジア市場の焦点はもちろん日銀! 相変わらず煮え切れない結果に為替相場は上下し円売り圧力が勝る動きへ。日経平均株価は利上げ示唆もなく株高へ動くも、結局は前日比+8.88円とほぼ変わらず。

日銀の政策は基本据え置き、ただし、フレキシブルで長これまで0.0~0.1%程度に抑えてきた期金利を柔軟に調節することを決めやや円買いへ。そして、展望レポートは、物価上昇見通しを引き下げ2.0%の物価目標達成の時期が2020年以降に先送りされることが確実となり、円売り圧力が強まる。

黒田総裁の記者会見で「早期の出口や金利引き上げ観測を否定」、「現時点で追加緩和は必要ない」、「0.1%から倍程度に変動することを想定」

USDJPYは、久しぶりに日本発の材料が注目される展開となった。日銀の金融政策決定会合を意識して発表までは、110.90~10の狭いレンジで取引が続いた。会合で「期金利を柔軟に調節」に110.75まで下落。展望レポートは、物価上昇見通しを引き下げ111.44まで上昇し、その後もこの111.00をボトムにレンジ内での展開となった。黒田総裁の発言でも111.05~45のレンジ相場を続けているが、ビットアップし底堅さが感じられる。

EURUSDは、1.1700~19の閑散な取引が続き、欧州市場に入り、予想を上回る独小売売上高と仏CPIに前日NY市場の高値1.1719を上回り1.1730まで続伸中。

AUDUSDは、中国の製造業PMIとサービス業PMIは予想に届かず若干売りが強まるも0.7400台の買いは底堅く、豪住宅許可件数は前年比1.6%(予想-6.0% 前回3.1%)と非常に強く、この数字を受けAUDUSDは0.7430台へ上昇している。

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8:30    JPY 6月 雇用統計: 失業率2.4%(予想2.3% 前回2.2%)、有効求人倍率=1.62(予想1.6 前回1.6)

8:50    JPY 6月 鉱工業生産・速報値=前月比-2.1%(予想-0.3% 前回-0.2%)、前年比-1.2%(予想0.6% 前回4.2%)

10:00    CNY 7月 総合PMI=53.6(予想 前回54.4)、製造業PMI=51.2(予想51.3 前回51.5)、サービス業PMI=54.0(予想55.0 前回55.0)→ 予想と前回を下回る

10:30    AUD 6月 住宅建設許可=前月比6.4%(予想1.0% 前回-3.2%)、前年比1.6%(予想-6.0% 前回3.1%)→ 予想と前回を大幅に上回る

15:00    GER 6月 小売売上高=前月比1.2%(予想1.0% 前回-2.1%)、前年比3.0%(予想1.5% 前回-1.6%)→ 予想を上回る

15:45    FRN 7月 消費者物価指数・速報値=前月比-0.1%(予想-0.2% 前回0.0%)、前年比2.3%(予想2.2% 前回2.0%)→ 予想を上回る

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日銀金融政策決定会合(日経新聞)=長期金利の変動許容で、金融緩和運用を柔軟に。長期金利の操作目標である10年物国債金利を現状のゼロ%程度で維持しつつ、「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるもの」とする。買い入れ額は保有残高の増加額の年80兆円をめどとしながら「弾力的な買い入れを実施する」とした。株価指数連動型上場投資信託(ETF)の年間買い入れ額は6兆円に維持しつつ「買い入れ額は上下に変動しうる」方針を決めた。

黒田日銀総裁記者会見=ガイダンス、早期の出口や金利引き上げ観測を否定、消費増税の影響は前回や前々回のようなことはないと思う。2019年度の2%達成という従来の見通しは後ずれしている。現時点で追加緩和は必要ない。0.1%から倍程度に変動することを想定。

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2018年7月31日(火曜)昨日30日、海外市場の動き(クロージング近く)

2018年7月31日(火曜)昨日30日、海外市場の動き(クロージング近く)

週明けの為替相場は、日銀、BOE、FOMCを重要なイベントを控え、ドルロングの巻き戻しが強くドル売りへ。USDJPYは日銀の結果待ちで111円を中心に小幅な値動きに終始しクロスでは円安方向へ。

USDJPYはアジア市場では日銀が会合を続ける中で、債券利回りの上昇の抑制に今月3度目の指値オペを実施するも、円相場への影響はほとんど見られず、31日の決定会合と黒田総裁発言を見守る動きに終始。欧州市場は111.05を中心に大枠110.00~15、米国市場では弱い米株と債券利回りの低下にドル売りが強まる中で110.92まで下落するも続かず。終盤にかけては債券利回りが上昇すると111.10直前まで値を戻し、結局は111.00を中心に大枠110.90~10と方向感は見られず。

EURUSDは、ユーロ圏景況感指数は予想を若干下回るも、消費者信頼感は横ばいで、独CPIは予想を若干下回るもコアは予想通りで前年比2.1%と変わらず。引き続きECB目標値を上回るのかEUR相場への影響は見られず。欧州市場に入り特に材料は見られなかったが、先週末のNY市場から上値が重かった1.1650~70を上回るとドル買いが強まり、逆に1.1670台をボトムに1.1690台へ上昇。米国市場に入ると米債利回りの軟化と同調して26日の米GDPから始まったドル売り水準近くとなる1.1719まで続伸し1.1700台で推移中。

米株は弱く、ダウ-144.23(-0.57%)、Nasdaq-107.41(-1.39%)、S&P500-16.22(-0.58%)、米10年債利回りは一時2.991%まで上昇後に低下するも終盤にかけて2.98%を回復し2.975%(+0.020)で推移。原油価格(WTI)は一時70.43ドルまで上昇後にやや軟化し69.99ドル(+1.30+1.89%)と上昇して推移。

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18:00    EUR 7月 景況感指数=112.1(予想112.0 前回112.3)、景気の波の段階を示す、業況指数=1.29(予想1.35 前回1.39→1.38)、製造業の景況感指数=5.8(予想6.4 前回6.9)、サービス業の景況感指数=15.3(予想14.9 前回14.4)

18:00    EUR 7月 消費者信頼感・確報値=-0.6(予想-0.6 前回-0.6)

21:00    GER 7月 消費者物価指数・速報値=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.1%)、前年比2.0%(予想2.1% 前回2.1%)、HICP前月比0.4%(予想0.4% 前回0.1%)、前年比2.1%(予想2.1% 前回2.1%)→ 予想を若干下回るが、コアは予想通りで前年比は2.1%と前回とかわらずECB目標値を引き続き上回りEUR売りは見られず。

23:00    USD 6月 中古住宅販売成約指数=前月比0.9%(予想0.2% 前回-0.5%)、前年比-4.0%(予想-6.0% 前回-2.2%)→ 予想を上回る

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【北米】
日米通商協議が開催へ=ライトハイザー代表は26日米議会上院の公聴会で、「FFR」と呼ばれる日米間の新たな二国間通商協議を30日以内に開きたいとの意向(当初は7月中の開催で調整していた)

トランプ大統領=ロウハニ・イラン大統領と会談の意思があるかとの記者の質問に対して、だれとでも会談する。イラン側に会う意思がある場合、当然会談を行う。し、これには条件はないと

トランプ大統領=移民に関する改革を議会が承認しなければ連邦政府閉鎖も辞さない→ 議会は連邦政府閉鎖を回避するためには9月末までに予算案を通過させる必要があるが、トランプ氏はメキシコとの呼吸に壁を建設する費用250億ドルを含む移民改革を予算案に盛り込むことを主張し対立。何年もの協議を経ても国境警備が実現しないなら、政府閉鎖も辞さないとイタリアのコンテ首相との記者会見で発言。

トランプ大統領(米伊首脳会談)=冒頭に不法移民や合法移民へのイタリアの対応に大いに賛成

ロス米商務長官=メキシコとのNAFTA再交渉は進んでおり完了も近い。

ロス米商務長官=中国との貿易摩擦はダイエットと同じで最初はきついが後のために大切。

トランプ政権=米輸入車関税問題 日欧など対応策協議、スイス・ジュネーブで次官級の会議を開く

【欧州】
コンテ・イタリア首相(米伊首脳会談)=中国は他国と同じ貿易ルールを順守すべき。NATO拠出金に対するトランプ大統領の要求は合理的

【アジア・その他】
王毅国務委員=貿易赤字の根本原因は米国にあり、米中の貿易不均衡で中国が責められる問題ではない。米国は中国との貿易から多くの恩恵受けている。中国は貿易戦争望まず。米中はWTOの枠組みを通じて摩擦解消すべき。

日銀=午後の指値オペで、今月3度目の指値オペ、2営業日連続で金利上昇を抑制。「長期金利の動きを踏まえ、10年物国債金利の操作目標をゼロ%程度とする金融市場調節方針をしっかり実現するよう実施した」とのコメントを出した。

トルコ国家安全保障会議(NSC)=米国の脅しは受け入れられない

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2018/07/30

2018年7月30日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

2018年7月30日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

週明けの月曜日、相場を動かすような重大は出来事もなく、明日からの日銀、BOE、FRBと続く金融政策の発表を見守る動きに、動きは鈍くなるも、米国市場はドル売りからスタート。

ユーロ圏景況感指数はやや軟調で、消費者信頼感は前回・予想と変わらず。注目の独CPIの前年比は予想を若干下回るが、コアは予想通りで前年比は2.1%と前回とかわらずECB目標値を引き続き上回りEUR売りは見られず。米中古住宅販売制約指数は、

欧州株は総じて弱く米株は強弱混在で、DJIAは前日比で若干の増加を維持するも、NasdaqとS&P500は弱含みで推移。

USDJPYは、明日の日銀金融政策決定会合を直前にして動きは緩慢で110.90~16の狭いレンジで推移。

EURUSDは、動きが緩慢な通貨ペアの中で、0.5%近く上昇と26日のドラギECB総裁記者会見から始まった売りの水準近くまで値を戻し、EUR買が目立っている。

GBPUSDは、アジア・欧州市場を通じて1.3094~38のレンジから米国市場の序盤には先週末の高値を超え1.3150まで上昇とGBP買いの流れが続く。

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2018/07/29

今週の為替相場を考える(7月30~8月3日)

今週の為替相場を考える(7月30~8月3日)

今週の相場を考える前に先週の動きを簡単に振り返ってみましょう。

23日にメイ英首相が自らブレグジット交渉の指揮を発表しGBP買いが強まるも、26日にはバルニエEU主席交渉官がメイ英首相の関税に関する提案を拒否し失速気味。米EU通商問題が懸念される中、25日にはトランプ・ユンケル会談で自動車関連の関税を棚上げにして、表向きは有効ムードで終了にEUR相場は事なきを得ています(先送り感は強いが!)。

26日のECB理事会では予想通り政策金利の据え置き、ドラギ総裁発言が「ECBは現時点でガイダンスの修正は必要ない。大規模な金融刺激策は引き続き必要」等の慎重意見を引き金にEURUSD・主要通貨のドル買いの流れと動きましたが、27日の強い米GDPにも事前の重量オーバーの期待感の反動と大型ハイテク株を主にした米株安にドル売りと動き、主要通貨は反発しています。

一週間を通じた変動幅は、USDJPY-45ポイント(-0.40%)、EURUSD-65ポイント(-0.56%)、GBPUSD-19ポイント(-0.15%)、AUDUSD-16ポイント(-0.22%)、USDCAD-82ポイント(-0.63%)と変動幅は小幅でしたが、円クロスではEURJPY-126.5ポイント(-0.97%)、GBPJPY-92.1ポイント(-0.63%)、AUDJPY-50.8ポイント(-0.61%)、日銀の政策変化を意識した円高傾向が目立っていました。

さて今週の為替相場ですが、基本方針はドル高の流れを意識しながら「今週の主な材料」にも記載していますが、「日銀の金融政策決定会合」で政策に変化があるのでしょうか? これを確認するまでは円相場の見通しは語ることはできず、あくまでの予想のための予想となりそうです。また、「FOMC」、「BOE金融政策決定会合(MPC)」、「米雇用統計」と最重要なイベントが続き、月末・月初のタイミングもあり相場変動が高くなるこが予想されます。


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今週の予想レンジ


USDJPY (予想レンジ110.00~112.50) 31日の日銀次第でいかようにも変化! 相場感は「buy the rumor & sell the fact」と思いながらも、相場変動の予感に決め打ちはできず!

今週は「日銀の金融政策決定会合」で政策に変化があるのでしょうか? 久々に円の動向が注目されており我々にとっては円相場を動かすことができる数少ないチャンスとなっています。

スタンスの変化を期待するような事前報道もあり円高リスクを気にした展開で、USDJPYオプションでもドルプット・円コールオーバーが拡大気味で、IMM通貨先物の円ポジションでは円ショートが拡大していることを考えれば、両サイド可能性を意識せざるを得ません。

テクニカルでは、1時間足で売り圧力が続き、4時間足でも110.60~111.50のレンジで売り圧力が続き、日足では110.00、110.50をボトムに買いの流れが継続中で、週足は108.00~113.00のレンジを示唆しています。

先のことになりますが、ライトファイザーUSTR代表が議会で「米国は日本との間で慢性的な貿易赤字を抱えており、輸出に際して不公平な貿易障壁があると考えている」と発言し、8月中の開催へと変更された2国間協議を意識せざるを得ません。


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EURUSD (予想レンジ 1.1580~1.1800) ECB理事会後のEUR売りや米EU貿易摩擦の後退にも1.1750台を超えられず失望感も、ただし底値もしっかりでレンジ相場入りから反発期待も。

IMM通貨先物ではユーロ・ロングは急減しニュートラルな状態一歩手前で下げ止まり気味。EURUSDのオプションではEURプット・ドルコールが低下しており1週間では一時EURプットからコールへの転換も見られ、1~12か月もEURプットが弱まりつつある。短期的にEUR売り圧力が軽減されEURUSDの上昇期待を感じるも、1.1500~1.1800のコアレンジの上値を抜け切れるかを注目しています。

 
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GBPUSD (予想レンジ 1.3000~1.3230) メイ首相主導のソフトブレグジット期待も、バルニエEU主席交渉官のメイ首相の関税提案を拒否にGBP買いは撃沈と、引き続きブレグジット交渉の行方が相場を決定する不透明感はぬぐい切れず。

IMM通貨先物ではポンド・ショートに変わりないが拡大もせず安定推移へ。GBPUSDのオプションではGBPプット・ドルコールは1W~1Mは前週の急拡大から縮小気味ながら、3M超は逆に上昇しポンド先安リスクを強く意識している。テクニカルにも短期か中長期とポンド売りの流れに変化は見られず。市場参加者はどうしても、合意のないブレグジット「ハードブレグジット」へのリスク警戒感を払しょくできずにいるように思えてなりません。

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今週の主な材料(7月30~8月3日)

今週の主な材料(7月30~8月3日)

最近の教訓として間違いなく動く材料として、一にトランプ大統領の発言、二に米国と他国との通商問題、三に米金利の動向、四にブレグジット交渉の動向、そして、五には珍しく先週から日本発で日銀の金融政策の動向が加わっています。

今週もこれらに関連する材料で相場が動くことになりそうで、特に以下の項目を注視してください。また、経済指標の発表では月末の7月31日(火曜)に比較的重要な指標が多く集中しますので注意が必要です。


◎日銀金融政策決定会合・黒田総裁発言(7/31火曜)
政策金利は0.0~0.1%で動かしようはありませんが、銀行の業績悪化を理由とした緩和策の修正をアナウンスするか注目。市場は何らかの変化を期待し円ショートにできずややロング気味で、有無の変化で円高・円安と上下へいずれの可能性も残しています。日銀展望レポートも要注意。

◎FOMC(8/1水曜 日本時間2日未明)
記者会見の予定もなく政策金利1.75~2.0%の据え置きでほぼ間違いないでしょう。市場は残りの年内に最大2度の利上げを予想していますが、声明文で何を示唆することになるのでしょうか? 現状は1~2度の利上げを織り込んだドル高となっていますので、追加利上げ期待が弱まるとドル売りへ、期待通りなら利食いのドル売りの後に期待通りのドル高傾向が続く可能性が高くなりそうです。

◎BOE金融政策委員会(8/2木曜)
0.25%の利上げ予想が高確率で続いています。ブレグジット交渉の不透明感は相変わらず残っていますが、事前の利上げ予想確率から市場参加者は0.25%の利上を強く意識しています。逆に据え置きともなればGBP売りが強まる可能性が高く、逆に利上げを実施した場合には一時的なGBP買いへと動きそうですが織り込み済みの動きとブレグジット交渉のリスクが残ることを考えれば、昨年11月2日に利上実施後のGBPUSDの動きのように単発で終わる可能性も残ります。四半期インフレレポートも注視。

◎米雇用統計(8/3金曜)
非農業部門雇用者数予想19.3万人(前回21.3万人)、平均時給前月比予想0.3% 前回0.2%、前年比予想2.7% 前回2.7%、週平均労働時間予想34.5(前回34.5)で、非農業部門雇用者数が弱く、賃金の若干の上昇を予想しておりこれに反する結果に動きが加速しそうです。どのような結果となったとしても短期投機筋は相場を動かそうとすることは間違いなさそうです。


◎その他の注目材料
7/30(月)「ユーロ圏経済信頼感」、「独CPI、「米中古住宅販売」
7/31(火)「中国製造業PMI、「独小売売上高、「仏CPI、「独雇用統計、「ユーロ圏GDP」、「ユーロ圏CPI」、「イタリアGDP」、「米個人所得・個人消費」、「米シカゴPMI」、「米CB消費者信頼感」
8/1(水)「中国財新製造業PMI」、「ユーロ圏各国PMI」、「米ADP雇用統計」、「米ISM製造業景気指数」
8/2(木)「米週間新規失業保険申請件数」、「米製造業新規受注」
8/3(金)「日銀金融政策決定会合議事録」、「ユーロ圏各国総合・サービス業PMI」、「米貿易収支」、「米総合・サービス業PMI」、「米ISM非製造業景気指数」


なお、詳しくは別表をご覧ください。

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2018/07/28

最新のIMMポジションから、2018年7月28日(土曜)

最新のIMMポジションから、2018年7月28日(土曜)

6週連続し通貨ショートが拡大するも小幅にとどまる。

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の投機的部門の取り組みで、集計日が7月24日(火)の主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネット・ポジションは、[-251,047」コントラクトと6週連続でショートが拡大しています。

集計日の終値ベースでドル換算すると[219.8億ドル」のドル買いで前週の[201.1億ドル」からさらに増加し、2017年1月14日の[207.6億ドル」に次ぐ数字となっておりドル高思考が非常に強く継続中であることが推測されます。

先週は集計日の24日(火曜)以降となる26日(木曜)に、ECB理事会がありドル買いが加速し、27日(金曜)には強い米GDPの発表後には逆にドル売りへと変化していましたが、トータルでは集計日とほぼ同水準で終わっています。

傾向としては、先週と変わらずユーロを除き他の6通貨でネット・ショートの状況に変化はなく、前週比ではユーロ、カナダドル、NZドルが増加し、円、ポンド、スイス、豪ドルでは逆に減少しています。


【円】前週-58,650→-73,769(-15,119)
6週連続しネット・ショートが続き3月13日の週の-79,539に次ぐ水準まで拡大しています。集計日終値ベースでは112.871→111.19と日銀の政策変更の期待に円高へと動いていますが、逆に前週比で円ショートが拡大していることを考えれば、円先安センチメントに変化はないと考えられます。

【ユーロ】前週21,407→29,640(8,233)
2017年5月9日から64週連続でネットロングを維持していますが、ロングポジションは大幅に減少し土俵際で何とか下げ止まり、先週は微増しています。集計日後にECB理事会のEUR売りと米GDP後のEUR買へと動き、集計日終値1.1683、先週末終値1.1654と大きな変化は見られず底固め状況とも言えそうです。

【ポンド】前週-38,752→-46,743(-7,991)
6週連続でネット・ショートが続き前週比でもショートが拡大していますが、4万コントラクト台にとどまり安定し水準的には増加傾向が見られません。EUと英国の離脱交渉の行方が不透明で、ハードブレグジット、ソフトブレグジットの思惑が交錯するなかでポジション一方向に傾けにくいように思われます。

【カナダドル】前週-47,484→-44,511(2,973)
18週連続でネット・ショートが続いていますが4万コントラクト台にとどまり、前週比では2週続けて若干のロングで市場の弱気ムードが弱まっています。

【豪ドル】前週-40,525→-45,486(-4,961)
17週連続でネット・ショートが続き前週比でも若干のショートになっていますが、4万コントラクト台にとどまり水準的には増加傾向が見られず弱気ムードも感じられません。


別表もご覧ください。

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2018年7月28日(土曜)昨日27日、海外市場の動き

2018年7月28日(土曜)昨日27日、海外市場の動き

トランプ氏に焚きつけられた期待が膨張した米GDP祭りも幕を閉じ、米大型ハイテク株の下落と債券利回りの低下。為替相場はドル買いからドル売りへと変化するも前日比で大きな変化は見られず。夏休み入りなのか他国の要人発言は極めて少なくトランプ氏の発言だけが目立つ今日此の頃。

さて、肝心の為替相場は、強い・強いと焚きつける「トランプ・クドロー両氏」の発言に膨らんだ期待感に、米GDPは前年比4.1%と4年ぶりの強い数字にもより高い4.7~5.0%近い期待感に失望のドル売りへと変化。ただし、成長率は他国を圧倒しており決してドル売りの材料ではないが、「buy the rumor & sell the fact」のことわざがまさに的中!

米GDPまではドル買い→終わってみれば期待感が剥奪されドル売りへと変化し前日終値水準と大きな変化は見られず。トランプ氏の記者会見は「米国経済は世界からねたまれる存在」と自画自賛、いつもながら主役はトランプ大統領。

欧州株高の中で、目立ったのは米株の弱さで、決算でアクティブユーザー減少を受けツイッター株は20.54%暴落、前日のフェイズブック株19%暴落に続く下げで、インテルは好決算にも株価は下落しマイクロソフト、アップルなど大型ハイテク株が崩れる。この影響もあり、米債利回りは軟化。

USDJPYは、米GDPまではドル買い(高値111.24)=結果でドル売りの流れ(安値110.80)と111.00を中心に上下20pointのレンジ相場。31日の日銀金融政策決定会合で何等かの変化を期待する動きに円売りのポジションは作りにくい状態となっている。さらに、米株安+米債上昇(利回り低下)の弱いリスク回避の流れもあり、111.20~30超の上値は重い。ただし、政策変更は期待できず、今回の米GDPと同じく「buy the rumor & sell the fact」で結果的に円売りになるリスクも強く残り、110.80をボトムに底値の買いも消えず、むしろこの動きを期待したい。

EURUSDも、米GDPまではドル買い(安値1.1621)=結果でドル売りの流れ(高値1.1662)と1.1640中心に上下20pointのレンジ相場。イタリアからは「五つ星運動」創設者のペッペ・グリッロ氏が「ユーロ圏を離脱する案を用意すべきで、ユーロ離脱を望むか判断するために国民投票を行うべき」と主張するも、五つ星運動の閣僚からは動きは見られず。各国首脳も夏休み入りで発言は減少気味。レンジもワイドでは1.16~1.18のレンジ相場が続く。

米株は下落、ダウ-76.01(-0.30%)、Nasdaq-114.77(-1.46%)、S&P500-18.62(-0.66%)、米10年債利回りはGDPを受け2.98%台から一時2.9486%まで軟化し2.9542%で終了、2年債も2.6694%(-0.0121)と小幅低下。原油価格(WTI)69.04(-0.82%)とロシア・エネルギー相の増産発言に低下。


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21:30    USD 第2四半期 GDP・速報値=前期比年率比4.1%(予想4.2% 前回2.0→2.2%)、GDP価格指数(デフレータ)=前期比年率3.0%(予想2.3% 前回2.2→2.0%)、個人消費=前期比年率4.0%(予想3.0% 前回0.9 →0.5%)、コアPCE価格指数(デフレータ)=前期比年率2.0%(予想2.2% 前回2.3→2.2%)→ 予想を上回る強い数字であることは間違いないが、直線により強い数字になるのではとの観測も流れ逆に失望感にドル売りが強まる。いずれにしても個人諸費が強く高水準の数字で前期が上方修正され、約4年ぶりの伸び率

23:00    USD 7月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=97.1(予想97.1 前回97.1)→予想・前回と変わらず

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【北米】
トランプ大統領(米国経済について)=米国経済は世界からねたまれる存在。米国は貿易でかつてないほど虐待された。貿易協定が経済成長をさらに強くする。

 マティス米国防長官=米国はイランの体制の変更、もしくは崩壊望まず。イランは軍事力や秘密警察などを利用して及ぼすことのできる数々の脅威を巡る態度を変える必要があると考える。→ オーストラリアのメディアは、当局は米国が来月にもイランを爆撃する可能性との報道は作り話と否定

グアハルト・メキシコ経済相=NAFTA再交渉について、メキシコの交渉団は協議再開の用意ができている。フリーランド・カナダ外相は取り組む必要があるが「2カ国間交渉が2件行われるか、3カ国交渉が1件行われるか、われわれの合意次第」

ツイッター株暴落=決算でアクティブユーザー減少を受けツイッター株は20.54%暴落、前日のフェイズブック株19%暴落に続く。

【欧州】
イタリア連立政権を担うポピュリズム政党「五つ星運動」創設者のペッペ・グリッロ氏=経済状況次第でユーロ圏を離脱する案を用意すべきで、多数がユーロ離脱を望むか判断するために国民投票を行うべき。

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2018年7月27日(金曜)欧州・米国市場序盤の動き

2018年7月27日(金曜)欧州・米国市場序盤の動き


注目の米GDP前年比は4.1%とオリジナルの予想通りの結果となったが、トランプ・クドロー両氏の強いGDP発言を受けより強い数字を期待していたこともあり、「GDP直前はドル買い=直後は米債利回りも低下しドル売り」と両極端な動きへ。軟調な米株と債券利回りの低下に、結局ドル売りの流れが続いている。

USDJPYは、安定通貨とでもいうのか、31日の日銀金融政策決定会合を前にして、円ブル・円ベアの両方の可能性があるため、米GDPを受けても積極的に動けず。結局は110.90~111.25の狭いレンジで上下変動中、決め打ちできず。

AUDUSDは、0.7370近辺をボトムに「GDP直前はドル買い=直後は米債利回りも低下しドル売り」の関係が続く。アジア・欧州市場の高値0.7395を上回るとショートカバーが強まり、0.741まで続伸中。

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21:30    USD 第2四半期 GDP・速報値=前期比年率比4.1%(予想4.2% 前回2.0→2.2%)、GDP価格指数(デフレータ)=前期比年率3.0%(予想2.3% 前回2.2→2.0%)、個人消費=前期比年率4.0%(予想3.0% 前回0.9 →0.5%)、コアPCE価格指数(デフレータ)=前期比年率2.0%(予想2.2% 前回2.3→2.2%)→ 予想を上回る強い数字であることは間違いないが、直線により強い数字になるのではとの観測も流れ逆に失望感にドル売りが強まる。


23:00    USD 7月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=97.1(予想97.1 前回97.1)→予想・前回と変わらず


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2018/07/27

2018年7月27日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年7月27日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

週末の金曜日、米国市場ではトランプ氏とクドロー氏が強い数字期待している米GDPの発表がある。市場予想は4.0~4.1%前後だったものが、4.4%や5.0%近くまで上昇するのではとの期待感がドル高の流れをリードしている。

市場では「buy the rumor & sell the fact」のことわざがあるように、市場は昨日からドル買いが先行しており、実際の数字がどの程度強いのかによっても変わってくるが、そこそこの強さにとどまれば、利食いのドル売りが強まる可能性も否定できない。

かといってドル売り相場がこの先も続くかは別問題。米10年債利回りは昨日から上昇傾向を維持しており日米長期金利が上昇しており、日本の10年債利回りは一時0.105%まで上昇。31日の金融政策決定会合で「副作用の軽減に政策調整を議論する」との思惑が円売りを抑制していることは間違いない。

いずれにしても結果で債券相場が動き、USDJPY相場が動くことは間違いなく、今日のアジア市場のUSDJPYは、110.92~25の狭いレンジで取引が続いているが、海外市場で110.50~111.50のレンジに収まるのか? ここは米GDP後のドタバタ劇が終演してもじっと31日の日銀政策決定会合を見守ることにしたい。

EURUSDは、昨日ドラギECB総裁発言を受けたEUR売りの流れを抜け出せずにいるが、総裁はEUR売りが加速するようなベアは発言をしていたのか? やや疑問。むしろ、USDCNHの上昇の流れがリードしていたのでは? 今日のアジア市場ではUSDCNHは6.83047→6.80301まで下落し昨日と異なりドルの上昇力は見られない。その影響の有無は不明ながら、EURUSDは1.1630台をボトムに何とか下げ止まっているように見えるが、この通貨も今日の米GDP次第!

2018年7月27日(金曜)昨日26日、海外市場の動き

2018年7月27日(金曜)昨日26日、海外市場の動き

ドラギECB総裁発言から続くドル買いの流れは、トランプ大統領の「27日のGDPで何が起きるかわかっている」、クドローNEC委員長の「明日の米GDPは好調な内容になる可能性」発言に、ドルは主要通貨、資源関連通貨、新興国通貨の一部でも全面高。特に、AUDUSD1%超の下落、EURUSD0.7%台の下落、NZDUSD0.8%台の下落。USDTRY1.8%台の下落で、USDJPYは+0.22%でクロスでは円高傾向が続いている。

◎米株は強弱混在、ダウは米EUの貿易懸念が弱まり0.44%近く上昇するも、逆に弱い決済にフェイズブックが20%近く急落にNasdaqは1%超の下落。S&P500も-0.3%下落へ。
◎米10年債利回りは一時2.945%まで下落から、終盤にかけ7年債入札を受け2.983%まで上昇し2.797%で推移。2年債も一時2.697%と2.7%直前まで上昇し2.677%近くで推移。
◎ECB理事会は政策金利の据え置き予想通り決定、ドラギECB総裁は「インフレ勝利宣言は時期尚早、ECBは再投資の方針を議論せず。ECBは現時点でガイダンスの修正は必要ない。大規模な金融刺激策は引き続き必要」にEURUSDは下落へ。
◎米耐久財受注は前期比1.0%(予想3.0 前回-0.4%)と前回を上回るも予想より低下、GDP算出に用いるコア資本財が1.0%(前回0.2%)とGDP上昇の期待感が強まりドル買いへと動く。
◎トランプ大統領は「牧師が解放されなければトルコに大型政策を発動するだろう」→ USDTRYは4.8010台→一時4.8810台へ急騰
◎ラーブ英離脱担当相とバルニエEU主席交渉官が協議。バルニエ氏はメイ英首相の関税に関する提案を拒否。GBPUSD1.3140台→1.3100台へ続落。

EURUSDは続落。アジア市場の1.1740台を高値に、欧州市場はポジション調整に1.1700台まで緩やかに下落するも、ECB理事会とドラギ総裁発言を前に動きは緩慢。注目のECB理事会は予想通り政策金利を据え置き大きな変更はなし、ドラギ総裁に1.1670台へ下落。トランプ大統領が強い米GDPを示唆すると、1.1650割れまで下落、終盤にかけては米債利回りの上昇もあり1.1640台へ下落。

GBPUSDは続落。アジア市場の1.3210台をピークに続落の流れは変わらず。欧州市場では1.3200台をピークにECB理事会とドラギ総裁記者会見後のEURUSDの急落の流れの影響に1.3170を割り込むと売りが加速し1.3120台へ続落。フィキシングでは弱い米債利回もあり1.3150台まで値を戻すも、強い米GDP期待感やバルニエEU主席交渉官が英国の関税提案を拒否したことで、7月24日の水準1.3106まで続落。何とか1.3100の大台で下げ止まるも戻りは非常に鈍い。

USDJPYは続伸。アジア・欧州市場序盤の110.59をボトムに111.25まで続伸。結局は110.60~111.50台のレンジを継続中。アジア市場では日銀が金融政策決定会合で政策調整を検討との観測に新発10年物国債利回りは0.1%に上昇、金融機関が非公式に日銀に対しマイナス金利での債券購入を中止するよう求めていたとの報道もあり円買いの流れが進む。欧州市場に入ると110.80台を回復、ECB理事会とドラギECB総裁発言を受けたドル買いの流れに111.10台を回復、強い米GDPの期待感に底値を切り上げ、米債利回りの上昇に111.25まで上昇へ。さすがに、31日の日銀金融政策決会合を前にして25日の高値111.38を意識しているのかドル買いも弱まるが底堅い動きが続く。

USDTRYは続伸。トルコ中銀が期待を裏切る政策金利据え置きによる急騰したスタート地点の4.75~4.77近辺を意識しているのか、アジア市場の早朝4.7690台をボトムに、欧米市場では4.8010台をボトムに緩やかな上昇がつづいていた。トランプ大統領が「牧師が解放されなければトルコに大型政策を発動するだろう」と発言、USDTRYは4.8010台→一時4.8810台へ急騰し、高値圏で推移している。

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20:45    EUR ECB理事会=リファイナンス金利(政策金利)0.00%、限界貸出金利0.25%、中銀預金金利-0.40%の据え置きと、債券買い入れ額を9月以降、12月までに月額300→150億ユーロに縮小し「年内に終了する方針」の維持を決定、予想通り。

21:30    USD 週間 新規失業保険申請件数=21.7万件(予想21.5万件 前回20.7万件)、4週間移動平均21.8万件、失業保険受給総数174.5万件

21:30    USD 6月 耐久財受注・速報値=前月比1.0%(予想3.0% 前回-0.4%)、除輸送・コア=前月比0.4%(予想0.5% 前回0.0%)→ 前回を上回るも予想より低下するも、GDP算出に用いる、コア資本財が1.0%(前回0.2%)とGDP上昇の期待感が強まりドル買いへと動く

21:30    USD 6月 卸売在庫・速報値=前月比0.0%(予想0.3% 前回0.6%)

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2018/07/26

2018年7月26日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2018年7月26日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

ドル全面高! 米株は強弱混在、米債利回りは軟化、ECB理事会後にはドルは全面高。

米新規失業保険申請件数は予想・前回より上昇し弱く、米耐久財受注は前回を上回るも予想より弱く、卸売在庫は前回・予想を下回る。

注目のECB理事会は予想通り政策金利を据え置き大きな変更はなし、 インフレの不確実性は減少 →EURUSD1.1730台まで上昇、ガイダンスの修正は必要ない、再投資の方針を議論せず、大規模な金融緩和は必要に → EURUSDは1.1650台へ下落。

USDJPYは、アジア市場の110.59をボトムに、欧米市場は111.20直前まで続伸。EURUSDの下落=ドル全面高の中、クロスでは円は上昇傾向が続く。


2018年7月26日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年7月26日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

米EU首脳会談は終わった。マース独外務相は予想以上の成果だといい「EUは米国とオン貿易戦争で時間を獲得した」と発言。肝心の自動車を除く「関税ゼロ、非関税障壁ゼロ、補助金ゼロ」を目指すというが今後の対応次第であることに変わりない。

これからの欧州市場の注目度NO.1は、ECB理事会とドラギ総裁の記者会見。午後8時45分と9時30分に、EURUSDにどのような変化がみられるのだろうか? 「大山動じて鼠一匹」ということは無いだろう!

市場予想は金融政策の変更無しでほぼ間違いなく、問題は声明文で前回の理事会で「少なくとも2019年夏にかけて現行水準にとどまる」とあり、市場では9月ごろの利上げを期待している。この時期が前後にずれるようなことにでもなればEURUSD相場に大きな動きが出ることになるが、それまでは前哨戦で大きな変動は期待薄。

USDJPYは、日銀が金融政策決定会合で政策調整を検討との観測に、日本の長期金利(新発10年物国債利回りは)0.1%に上昇し円買いの流れを誘発し、早朝の111.00円台を高値に、上値が切り下がり110.60近くまで値を下げている。ブルームバーグ記事では金融機関は「社債オペレーションで社債をマイナス金利で買い取ってきたことを不服だとして非公式に日銀に対し、これを中止するよう求めている」とある。31日にまでに一波乱も二波乱もありそうな雰囲気であることに違いない。

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10:30    AUD 第2四半期 輸入物価指数=前期比3.2%(予想1.9% 前回2.1%)、輸出物価指数=前期比1.9%(予想3.9% 前回4.9%)→ 輸入物価は弱く、輸出物価は強い

15:00    GER 8月 GfK消費者信頼感=10.6(予想10.7 前回10.7)

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トランプ大統領とユンケル欧州委員会委員長の共同声明=高官協議の枠組みをただちに設ける。自動車を除く工業製品について関税や非関税障壁、補助金をゼロにするために話しあう。大豆のほか、化学品や医薬品の取引も増やす。EUがエネルギーの調達先を多様化するために米国産LNGの輸入を増やす トランプ大統領はまた、米国とEUは世界貿易機関(WTO)改革で「緊密に連携」するとし、共同の議題を実行に移すための「高官級の作業グループ」を設置する考えを示した。

WSJ(25日)=米EU、貿易摩擦「解決で」一致 自動車は保留。「自動車関連製品以外で、関税ゼロ、非関税障壁ゼロ、補助金ゼロを共に目指す」。トランプ大統領は米国とEUの関係が「新たな局面」に入ったと宣言した。発動の構えを見せていた自動車関税を棚上げするとともに、鉄鋼・アルミニウム関税を巡る問題に協力して取り組むことで合意し双方の貿易促進を目指す

日銀が金融政策決定会合で政策調整を検討との観測に、日本の長期金利(新発10年物国債利回りは)0.1%に上昇、昨年7月7日以来の高水準。市場では微調整があり得るのではとの観測が強まりUSDJPYの売り要因となっている。

ロバートソンNZ財務相=インフレはそのうち2%まで上昇すると予想。NZの賃金インフレは上昇すると予想。NZ中銀の新たな政策コミットは2019年第2四半期からは始まる可能性。


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2018年7月26日(木曜)昨日25日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年7月26日(木曜)昨日25日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

米国とEUの通商協議と日銀の動きがテーマとなり、終盤には「米株は上昇、米債利回りは上昇」。為替相場は一日を通じドル売りが続き全面安で、終盤にかけその流れが強まる。特に原油・資源価格の上昇もあり資源関連通貨の上昇が目立ち、新興国通貨も強さが目立っている。

トランプ大統領とユンケル欧州委員会委員長の協議では、トランプ大統領は会談直前「互恵的な通商関係を求める」とややハト派でEURUSDが上昇へ。米国はEUから譲歩を引き出すとの報道もあったが、終盤にかけては共同声明を発表するとの報道に「何らかの合意期待」が膨らみさらにドル売へ。EURUSDは会談前の1.1660台をボトムに1.1740直前まで上昇。

日銀関連では、日経新聞で日銀は31日の金融政策決定会合で年6兆円買っている上場投資信託(ETF)の購入配分の見直しを検討するとの報道が好感したのか、USDJPYは111.00~10近辺の小動きから一時110.67まで下落。「出口戦略の議論ではなくアロケーションの見直し」に限定されていたことや、米EUの共同声明発表との報道もあり111.10直前まで一時値を戻す。

原油価格は在庫が3年ぶりの水準へと減少したことや、資源価格の上昇もあり、関連性の高い通貨の上昇が目立っている。また、前日に変動した、USDTRYは終盤にかけ2%近くの下げで4.78台まで続落。USDZARも終盤にかけ1.32%近くの下げで13.10台まで続落している。

USDCADはアジア市場の1.3160台を高値に、米国市場の1.3130台を高値に「パーデュー米農務長官がNAFTA再交渉協議で9月までに合意を目指し米国はカナダとメキシコと個別に交渉を行う可能性がある」との報道もあり終盤には前日比0.88%近くの下げで1.3020台まで続落。

AUDUSDはアジア市場の安値0.7390台をボトムに、米国市場でも0.7400をボトムに終盤にかけ前日比0.52%近くの上げで0.7460台まで一時上昇している。

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17:00    GER 7月 Ifo景況感指数=101.7(予想101.5 前回101.8)、現況指数=105.3(予想104.8 前回105.1)、期待指数=98.2(予想98.1 前回98.6)→ 予想を上回るも前回より小幅低下

23:00    USD 6月 新築住宅販売件数=63.1万件(予想67.0件 前回68.9→66.6万件)、前月比-5.3%(予想-2.7% 前回6.7→3.9%)→ 予想を大幅に下回り8か月ぶりの低水準

23:30    USD 週間原油在庫=前週比-614.7万件(予想-340.1万バレル 前回583.6万バレル)→ 予想を大幅に下回り約3年ぶりの減少水準に原油価格は上昇へ


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【北米】

トランプ大統領=互恵的な通商関係を求めると述べ、米国は輸入自動車に新たな関税を賦課する考えを示す。関税も、貿易障壁も、政府助成も撤廃できれば、米国は非常に嬉しく思う

ユンケル委員長=米国とEUはパートナーであり、敵ではない。共に取り組んでいく必要がある。相互に言い合うのではなく、共に話し合う必要がある。われわれは関税の引き上げではなく、引き下げに注力する必要がある

トランプ大統領とユンケル欧州委員会委員長=ホワイトハウスのオーバルオフィス(大統領執務室)で会見に臨み、欧州とより公平な貿易を巡り何らかの合意が得られることを期待している。

ホワイトハウス=トランプ大統領とユンケル欧州委員会委員長の会談が終了後に共同声明を発表→ ドル売りの流れが強まり、EURJPYやクロスでの円売りが強まりUSDJPYは逆に上昇へ。

【欧州】
マース独外相=秩序だった英国のEU離脱で、英政府はいいとこ取りはできない、英国領北アイルランドとEU加盟国アイルランド国境の取り扱いや単一域内市場にかんして先に進む必要がある。我々は欧州の不利益となるいかなる合意も結ばない。

【アジア・その他】
日経新聞では、日銀は31日の金融政策決定会合で年6兆円買っている上場投資信託(ETF)の購入配分の見直しを検討する。個別株の価格形成への過度な影響を抑えるため、東証株価指数(TOPIX)連動型ETFなどを増やし、日経平均株価連動型ETFの購入額を減らす方向で議論する

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2018/07/25

2018年7月25日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年7月25日(水曜)アジア・欧州市場序盤の動き


トランプ大統領から「金利とドル」に関して新たな発言も聞こえず、あれだけマスコミが騒いだ日銀の政策柔軟化に関する記事は紙面では全く見られず。結果、事態の推移を見守るだけのUSDJPY相場は110.15~38の狭いレンジでやる気が全く見られない。ただし、短期的な円買い圧力は変わらず、長期的な円売り圧力も現状では変わっていない。

そんな中で、次の相場変動の一助となりうる、EUと米国の通商問題の協議が今晩開催され、EUからユンケル欧州委員長とマルムストローム欧州委員が渡米しワシントンでトランプ大統領と協議をする。

先にトランプ曰く【米国を不当に扱ってきた貿易相手国は、公正な取引の交渉をするか、関税の直撃を受けるかのいずれか】とは言うも、全ての製品で関税の引き下げができ友好ムードで終わるのか? 欧米の自動車関税で衝突しEUR相場が変動するのか? どのような妥協点をみだせるのかが焦点。いずれの結果となっても、短期投機筋はEURUSD相場を動かすことは間違いないが、1.1600~1.1800のレンジを抜け出せだせるか?

アジア市場で最も動きが目立ったのは、第2四半期豪CPIを受け下落したAUDUSD。前期比0.4%(予想0.5 前回0.4%)、前年比2.1%(2.2 前回1.9%)と結果的には予想に近いが強弱混在。

トリム平均値は中銀の長期目標レンジ(2~3%)を10四半期連続で下回り過去最長記録を更新していることを材料視知っているが、本当なのであろうか? いずれにしても結果を受けた流れは0.7435→25~49のレンジで上下後に、0.7390台まで下落している。

昨日予想外に政策金利を据え置いたことによりUSDTRYは急伸していたが、アジア市場は逆に4.8800台の上値が重くなり4.8530台まで一時下落。中国が147億ドルの投資を約束した南アランドは昨日から強く、USDZARはアジア市場で一時上昇するも再び下落し113.24近辺と昨日の安値を更新中。


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NZD 6月 貿易収支=-1.13億NZドル(予想2.0億NZドル 前回2.94億NZドル)、前年比-40.3億NZドル(予想-36.81 前回-36.0憶NZドル)

AUD 第2四半期 消費者物価指数=前期比0.4%(予想0.5% 前回0.4%)、前年比2.1%(予想2.2% 前回1.9%)、RBAトリム平均値=前期比0.5%(予想0.5% 前回0.5%)、RBAトリム平均値=前年比1.9%(予想1.9% 前回1.9%)、加重平均値=前期比0.5%(予想0.5% 前回0.5%)、加重平均値=前年比1.9%(予想1.9% 前回2.0%)

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【北米】
トランプ大統領(24日)=国内の農家に最大120億ドル(約1兆3300億円)の緊急支援を提供する計画を発表。米国に対する報復措置や法的措置が相次いでいでおり、海外との貿易摩擦によって農業セクターが痛手を受けかねないとの懸念。

【欧州】
エッティンガー欧州委員会委員(財政・人事担当)=今日のユンケル欧州委員長とマルムストローム欧州委員(貿易担当)と、トランプ大統領との会談で、米国側から新規の関税が課されたら同じ方法で対応する。すべての製品で関税を引き引き下げることを話し合う。

ユンケル欧州委員長=貿易戦争を防ぐ方法を探るために説明を行うが、自己弁護はしない。米国が自動車関税を提案したら、直ちに報復する用意がある。EUは米国の敵ではない、

マース独外相=秩序だった英国のEU離脱で、英政府はいいとこ取りはできない、英国領北アイルランドとEU加盟国アイルランド国境の取り扱いや単一域内市場にかんして先に進む必要がある。我々は欧州の不利益となるいかなる合意も結ばない。

【アジア・その他】
習近平国家主席(24日)=南アフリカに対して147億ドルの投資を約束⇒ 24日の海外市場からUSDZARが下落し、南アランド高が強まる

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2018年7月25日(水曜)昨日24日、海外市場の動き

2018年7月25日(水曜)昨日24日、海外市場の動き

重要なイベントが不在の中、トランプ大統領の「米利上げとドル高けん制」の余震は続き全体的にドル売りの流れへ。今後の発言の真意の確認待ちと、日銀の金利調整の有無の確認が必要となり、円相場は7月31日の日銀会合まで積極的な動きにならず。

債券市場は、日米金融引き締めの動きを意識しているのか、今日は軟化するも傾向として債券利回りの上昇が目立つ一方、逆に日英共に株価は安定。

ダウは+197.65(+0.79%)、Nasdaq-1.10(-0.01%)、S&P500 +13.42(+0.48%)。米債利回りは2.955%(-0.004)と一時2.975%から低下、原油価格(WTI)は68.49と上昇中。

USDJPYは、31日の日銀の「YCC柔軟化検討の可能性」に円高傾向の流れが続き、上値が重い展開が続く中で、結論が10月まで先送りされる可能性もあり底値でのドル買い・円売り圧力も消えず。結局は110.96~34のレンジ相場入りで、アジア市場の111.51、欧州市場序盤の111.45、米国市場の111.34と上値の重い展開が続くも、先週末の110.75のボトムを試す動きも見られず。

GBPUSDは、欧州市場序盤には前日の安値1.3083を割り込み一時1.3070台まで下落するも、これをボトムに上昇傾向が目立っている。英議会が夏休みの休会入りにブレグジットをめぐるネガティブ材料が薄らぐ中で、GBPショートの買い戻しが強く、メイ英首相が「EU離脱交渉を自ら指揮」との報道に1.3159まで続伸するも前日の高値1.3158を上抜けできず、1.3130~55の高値圏で推移。

材料が乏しい中で目立ったのはUSDTRYの上昇(トルコリラの下落)。政策金利の引き上げ予想の中、蓋を開ければ金利が据え置かれ、USDTRYは4.7500→一時4.9370台まで上昇から、米国市場に入ると4.8617~4.9052のレンジで動きは止まる。

USDCNHは、米債利回り上昇や中国の緩和策期待もあり、アジア欧州市場では6.8440台まで一時1年で超ぶりに上昇するも、欧州市場の中盤から続落し、米国市場に入ると一時6.7908まで下落し、結局は前日終値水準と大きな変化は見られず。


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22:00    USD 5月 FHFA住宅価格指数=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.1→0.2%)

22:45    USD 7月 総合PMI・速報値=55.9(予想56.0 前回56.2)、製造業PMI・速報値=55.5(予想55.5 前回55.4)、サービス業PMI・速報値=56.2(予想56.3 前回56.5)→ 総合は予想と前回を下回る

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【北米】
トランプ大統領=米国を不当に扱ってきた貿易相手国は、公正な取引の交渉をするか、関税の直撃を受けるかのいずれか。

トランプ大統領=イランとは何が起きるか様子を見るが、前政権が結んだ最悪の合意ではなく、本物の合意を結ぶ用意がある
米2年債入札、最高落札利回りが10年ぶり高水準 応札倍率は1月以来の水準に上昇

【欧州】
メイ英首相=EU離脱交渉を自ら指揮。ラーブEU離脱担当相が私の代理を務める格好で、私がEUとの交渉を主導する。EU交渉での日々の業務は今後、首相府内の部局が担当し、担当者レベルの交渉は首相の欧州問題担当顧問オリー・ロビンス氏が率いる。ブレグジット交渉を巡ってはここ数カ月、メイ首相率いる特別部門の担う責務が拡大していた。→ この報道を受けGBPUSDは一時1.3159まで上昇。

英国政府はEU離脱に関する法制面での政策文書を発表=来年3月から2020年12月の離脱移行期間中、欧州司法裁判所(ECJ)の判断を含め、EU法に従う方針を示す。円滑かつ秩序だった離脱に向け、移行期間中、既存のEU監督・執行制度は英国に適用されることで双方が合意している。

ラーブ英離脱担当相=EU法を維持することは移行期間中の確実性確保という点で必要。欧州共同体法(ECA)の効力を限られた一定期間内に設ければ、企業や個人に継続性や確実性を効果的に提供することができる。

【アジア・その他】
USDCNH、米債利回り上昇や中国の緩和策期待もあり一時1年で超ぶりに上昇し人民元安へ。

中国の国家発展改革委員会(NDRC)=中国インフレ、下半期は安定化 金融政策微調整の余地

IMFの年次の対外部門の安定性に関する報告書=ドル過大評価、人民元は基礎的条件に沿っていると認識。ドルは中期の基礎的条件が正当化する水準と比べ8─16%過大評価されたとの推計。

ロシアのウシャコフ大統領補佐官=トランプ米大統領から招待を受けたことを確認した上で、両首脳が他の機会に顔合わせする可能性がある

日本の債券相場は下落=日本銀行が来週の金融政策決定会合で緩和策長期化の副作用対応を議論するとの観測がくすぶる中、超長期債を中心に売りが優勢となり、利回り曲線にスティープ(傾斜)化圧力が掛かった。

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2018/07/24

2018年7月24日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き


2018724日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

トランプ発言がなければ動けないのか? 

欧州市場に入って弱いユーロ圏のPMIにも小幅なドル安の流れは変わらず、予想を下回る米PMIにドル売りが強まり、AUDUSD0.7360→0.7420台までの上昇(約+0.5%)と上昇幅を拡大中。

目立ったのはUSDTRYの上昇(トルコリラの下落)で、政策金利の引き上げ予想の中、蓋を開ければ金利据え置かれ、USDTRY4.7500→一時4.9370台まで上昇から4.8730台と落ち着いた動きとなっている。

主要通貨では、EURUSD1.1710台へ上昇、GBPUSD1.3160一時上昇とドル売りの流れを維持。USDJPY111.00を割り込みやや円高が進むも、31日の日銀金融政策決定会合で金融スタンスの変化の有無を確認するまでは積極的に動きにくい状況となっている。
 
米株の先物は上昇を維持しダウも上昇からスタート。米債利回りは一時2.97%まで上昇。原油価格(WTI)は一時68.48まで上昇後67.88まで小幅軟化。