2018/09/30

今週の為替相場を考える(10月1~5日)

今週の為替相場を考える(10月1~5日)


USDJPYは、Dailyベースでは買われ過ぎゾーンにあり短期的な円高を狙いやすい反面、中長期の上昇は変わらず。7月19日の高値113.17を上回り10週間ぶりの高値を更新するも、昨年12月から1月初旬まで続いた114台を高値とした112~113.80のレンジを意識。今週114円台超えを達成できなければ112.80~114.00のレンジを模索する動きをメインシナリオにするも、弱含みの米債利回りが再上昇し、新興国通貨が下げに転じ、114円台を超えるようなら115円を目指す動きも選択に。

EURUSDは、今年5月中旬から「越すに越えられないEURUSD1.1800」、直近も2週連続で失敗。直近5週間は大枠1.1500~1.1800のレンジ。過去を振り返っても6月上旬から8月までの10週間も同じく大枠1.1500~1.1800のレンジ。ブレグジットの不透明感やイタリアの財政赤字比率を材料として売りが続くも1.150を割り込む気もせず、引き続きレンジ相場へ。

GBPUSDは、1.3000の大台を上抜けしてから上昇局面かと思われたが1.3300を高値に失速。先週は1.3200の上値も重くメイ首相の意固地な姿勢が気になる。ブレグジット交渉も最終局面に入り、どのような展開になるのか? 目先は3日の保守党大会最終日、メイ英首相の記者会見次第? 1.3000で下げ止まり先週のレンジ1.3000~1.3200に収まるのか、失望に1.2850まで続落するのか? 
USDCADは、ある意味では不思議、NAFTA再交渉の失望感は?(週末合意の期待も残っているようで、週明けのCAD相場は非常に注目に値する)、原油価格の上昇は? 過去10週は大枠1.2900~1.3200のレンジで推移。結局は「1.29で買い1.3200売り」でやっていれば大儲けしていたことになるが? 結果論で思うように行かず。NAFTA再交渉の結果を見守りましょう


先週をちょっとだけ振り返ってみたい。特徴としてはドル全面高で、前週比ではUSDCHFが2.36%上昇とCHF安が目立っており、USDJPY+1.13%、EURUSD-1.44%、AUDUSD-0.62%、そして、GBPUSD-0.48%と、ポンドはハードブレグジットのリスクを残しながらも、それほどの落ち込みとなっていない。

逆にCHF安が目立っており、TRYやZARなどの新興国通貨高の影響にリスク回避の巻き戻しもあったと思われる。それでは、本来ならリスク回避通貨の円がなぜ弱いのかと考えれば、米金利の高止まりとFRBの継続的な利上げ期待と日本株高が影響していると思われ、潜在的な円先高期待による円ロングポジションの巻き戻しも多数見られた。現に周囲でも113円台高値期待にショートをから入りストップをトリガーした動きもみられる。

特異なのはUSDCADでNAFTA再交渉が決裂するリスクがある中で、先週はわずか-0.04%と過去3週連続でカナダドル高に動いている。NAFTA再交渉の合意期待なのか、原油高なのか、ドル高の流れの中では特異ではないだろうか? 当然ながらCADJPYを3週間前と比較すると安値83.767→88,077と、終値ベースでは2.55%、2.3%、2.14%と上昇し、タラレバながら、CADJPYのロングのパフォーマンスがベストだったと思われる。

米10年債は3.0628→3.0612(-0.05%)と3.0%の大台を維持するも小幅低下で、5月下旬の高値を超えられず3.11%が壁に。ダウは26,743.50→26,458.31と-285.19(-1.07%)と低下。一方、日経平均株価は23,869.93→24,120.04+250.11(+1.05%)と年初来の高値を更新。原油価格は73ドル台と7月中旬来高水準で7月10日の高値74.70が見えてくる。

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今週の主な材料(10月1~5日)

今週の主な材料(10月1~5日)

今週の予定を見る限り、10/5(金)の米雇用統計が最大の山場になることは間違いないが、先週のFOMCを受けた米利上げ期待が急変するとは考えにくい。逆に、米中貿易戦争は? NAFTA再交渉の変化は? イラン制裁は? 日米通商協議は? トランプ大統領が11月6日の米中間選挙に合わせて画策しているとしか思えない反グローバリズムの動きはどうなるのだろうか? 

NAFTA再交渉では、28日に公表するとあった米国・メキシコは2国間協定の発行は先送りされ、3か国での合意を模索中とのことだがどうなったのだろうか? 週明けのカナダドル相場を注目したい。

英国とEUでは11月のEU首脳会議で決着をつけると思われているブレグジット関連の署名は本当に行うことができるのだろうか? EUの離脱交渉担当者は妥協案を示しているように思えるがEU各国の首脳は冷たく、メイ英首相から政治的な駆け引きなのか攻撃的な発言しか聞こえてこない。内部対立が続く保守党大会は9/30~10/3まで開催され、特に最終日の3日、メイ英首相の演説には目が離せない。

今週は中国市場が国慶節で一週間休場となり、来週月曜日は日本とカナダ市場が休場となるが、注目しているのは◎米雇用統計、◎米貿易収支、◎カナダ雇用統計、◎豪中銀金融政策、◎日銀短観、◎クォールズFRB副議長の上院銀行委員会での証言。

10/5(金)には米雇用統計、米貿易収支、カナダ雇用統計が発表される。米雇用統計は今までの強さが薄れる予想となっている。失業率予想が3.8%と3.9%から改善が予想される反面、非農業部門雇用者数の予想は18.5万人と前回の20.1万人から減少が、平均時給も前月比0.3%(前回0.4%)と前年比2.8%(前回2.9%)と前回より低下が予想されており、ドル買いを抑制する材料になりかねない。

米貿易収支の予想は-524億ドルで前回-501億ドルから赤字額が拡大することが予想されている。米国は貿易赤字の削減を第一目標にしており、米中貿易戦争が続く中で、対中国、対日、対EUの赤字額の増減にはどうしても敏感になりそうである。

カナダの雇用統計は失業率予想5.9%と6.0%から改善が、新規雇用者数は3万人と前回拡大した-5.16万人から大幅な改善が見込まれており、NAFTA再交渉の影響を受けることは間違いないが、21日のカナダCPIが前回から低下していただけ強くでてほしいいが? どうなることやら。

10/2(火)には豪中銀の金融政策とクォールズFRB副議長証言 上院銀行委員会で証言が予定されている。豪中銀は政策金利1.5%で据え置きは固いと思われ、声明文が相場変動要因となる。クォールズFRB副議長証言も注目している。

10/1(月)の日銀短観は、大企業製造業・業況判断=予想22 前回21、大企業製造業・先行き=予想20 前回21と、通商問題なのか先行きにやや不安感は残るも業況判断は前回から上昇が見込まれている。


詳細は別表をご覧ください


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2018/09/29

最新のIMMポジションから見えること

最新のIMMポジションから見えること

円の一人負け! 

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の9月25日集計日では、投機的ポジションは前週比でみると-289,888→-287,612と僅か2,276コントラクトの減少でほぼ変わらずと考えてもいいでしょう。

個々を見るとユーロは唯一ロングで変わらず、円のショートが大幅に拡大しているのが特徴で、特にポンドとカナダドルのロングを相殺し、株高と米金利の上昇傾向や、米中貿易戦争の第3弾の発動や日米通商協議・首脳会談を意識しながら、本格的な円安相場入りとなっています。

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の公表日は毎週火曜日で、週末とは3日間のずれがあります。そのため、短期的な動きを捉えることはできませんが、市場全体の流れを判断するには利用価値は高いと思います。


【円】前週-63,755→-84,719(-20,964)
6月19日の週から15週連続しネット・ショートが続き、前週比で見ると直近4週間はショートが増加傾向にあり、先週は6月19日の週に次ぐ売り越し額で、この数字だけ見ても市場参加者の円先安観が強いことがわかります。

【ユーロ】前週1,666→3,696(2,030)
66週続いたネット・ロングから流れが変わり、以降の3週間はショートに、次に4週間はロングと変化。現状では主要通貨の中で唯一ロングを維持していますが、ポジションは移り気で軽く、どちらに転ぶかわからない状況と言えるでしょう。

【ポンド】前週-79,258→-67,078(12,180)
6月19日の週から15週連続でネット・ショートが続き、直近の7週間では6~7万コントラクト台のショートで、ブレグジット交渉が難航し残された時間も少なくなる状況下でも、前週比ではショートが減少するなど大きな変化は見られず。

【カナダドル】前週-30,111→-19,532(10,579)
3月27日の週から27週連続でネット・ショートが続くも、過去9週間は大枠2~3万コントラクトのショートで動きは少なく、米カナダのNAFTA再交渉が行き詰まる中でも大きな変化は見られず。原油価格高騰のおりカナダドルの信認が予想外に高いともいえるのでしょうか?

【豪ドル】前週-68,003→-72,061(-4,058)
4月3日の週から26週連続でネット・ショートが続き、6月19日以降は4~5万コントラクト近辺で安定推移から、過去2週間はショートが拡大傾向にあります。米中間貿易戦争の影響を強く受け、ついに7万コントラクトの大台に乗り2015年3月10日以来に拡大し、市場参加者の弱きムードは変わりそうにありません。


詳細はデータをご覧ください

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2018年9月29日(土曜)28日、海外市場の動き

2018年9月29日(土曜)28日、海外市場の動き

期末・月末・週末の金曜日。

為替相場は、カナダドルの上昇が目立ち独り勝ち。NAFTA関連のニュースは確認できないが、予想を上回るGDPや原油高もあり強く、USDCADは前日比で1%超の上昇し1.2900台へと続落。USDJPYは米株がマイナスからスタートするも予想外に底堅い米株+米債利回りに、円売りは止まず、フィキシングでは113.66まで上昇し、続伸し終盤にかけて一時113.71へ上昇と月末終値ベースでは昨年10月末の113.62を上回り2016年12月の116.98以来の円安水準となった。CADJPYは前日比+1.29%の上昇で88円台と2月2日の水準まで上昇。

EURUSDは、強い独雇用統計に1.1620近辺をボトムに下げ止まっていたが、イタリア予算案では財政赤字GDP比率が期待を裏切る前年比2.4%にEUと間で不信感が強まりイタリア株は-3.72%と大幅安で、欧州株も続落し一時EUR売りの材料となり一時1.1570台まで続落。しばらく1.1570~95のレンジで推移したが、フィキシングに向けた動きなのか1.1620台を回復し、欧州市場で続落が始まった水準に値を戻し、1.1600台で終了するも上値は重い。

GBPUSDは、英GDPは前年比が予想を下回り強さが見られず、英保守党労働党大会の不安もあり1.3030~50の買いを消化し、9月12日来の水準となる1.3000ギリギリまで続落。弱い米経済指標もありようやく下げ止まり、オプションカット近辺をボトムにフィキシングを経て01:00時には1.3060まで上昇し1.3029で終了と、何とか1.30の大台を維持し今後のブレグジットを巡る材料待ち。

ダウはマイナスから始まるも+18.38(+0.07%)と小幅上昇、Nasdaqは4.38(+0.05%)、S&P500+0.00%と前日と変わらず。米10年債利回りは終盤にかけ上昇し3.06%と小幅高で終了。原油価格は供給不足を懸念し続伸、一時73.73ドルへ上昇し73.50台と1.4%近く上昇して終了。

米経済指標は期待通りの強さは見られず。コアPCEデフレータの前月比は0.0%と予想と前回を下回り弱く、シカゴPMIとミシガン大学消費者信頼感指数も弱く、ドル売りの流れが強まる。

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16:55    GER 9月 雇用統計: 失業率=5.1%(予想5.2% 前回5.2%)、失業者数=-2.3万人(予想-0.9万人 前回-0.8→-1.0万人)→ 失業率は低下し、失業者数も改善へ。

17:30    GBP 第2四半期 GDP・確報値=前期比0.4%(予想0.4% 前回0.4%)、前年比1.2%(予想1.3% 前回1.3%)→ 前年比は予想を下回りポンド売りが強まる

18:00    EUR 9月 消費者物価指数(HICP)・速報値=前年比2.1%(予想2.1% 前回2.0%)、コア前年比0.9%(予想1.1% 前回1.0%)→ コア前年比は予想を下回りEUR売りが強まる。

21:30    USD 8月 個人所得=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.3%)、個人支出=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.4%)、PCE価格指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比2.2% (予想2.2% 前回2.3%)、コアPCE価格指数=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.2%)、前年比2.0%(予想2.0% 前回2.0%)→ コアPCEデフレータは予想を下回り物価の伸びは減速

21:30    CAD 7月 月次GDP=0.2%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比2.4%(予想2.2% 前回2.4%)→ 予想を上回る

21:30    CAD 8月 鉱工業製品価格=前月比-0.5%(予想-0.4% 前回-0.2%)、原材料価格指数=前月比-4.6%(予想 前回0.7%)→ 共に前回よりマイナス幅が拡大

22:45    USD 9月 シカゴ購買部協会景気指数=60.4(予想62.0 前回63.6)→ 予想と前回を下回る

23:00    USD 9月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=100.1(予想100.6 前回100.8)→ 予想と前回を下回る

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2018/09/28

2018年9月28日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月28日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

週末金曜日のアジア市場は、日経平均株価が一時400円超上昇し、結局は+323.30(-1.36%)と大幅高で終了。中国株も強く上海総合は1%近い上昇となっている。

その影響もあり円売り傾向は止まらず、東京仲値近辺では実需筋と思われる買いも加わり前日のNY市場の高値113.47を上回り、ポイントと思われた113.50をも上回り一時113.64まで上昇。欧州市場に入り欧州株安やクロスの円買い戻しに一時113.30円台まで値を下げるも下げ幅は限定的で、前日NYクロージングレベルで、アジア市場の安値113.30台を去り込むことはできずにいる。

欧州市場に入ると株高の流れは止まり株は軟調に推移中。EURUSDは1.1650台を高値に、前日のNY市場の下げの影響が続き、イタリア株2.7%超の下げや、独雇用統計は強い反面、英GDP、ユーロ圏CPIの前年比は弱く出た影響もあり、EURUSDは1.1600割れまで続落。GBPUSDも日曜日からスタートする保守党大会を意識してなのか上値は重く、予想を下回るGDP前年比もあり一時1.3030台まで下落し売りの流れが続いている。

今日は、これから21:30時の米個人所得、個人支出や、カナダGDP、米シカゴPMI、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が注目される。

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15:45    FRN 9月 消費者物価指数・速報値=前月比-0.2%(予想-0.2% 前回0.5%)、前年比2.2%(予想2.3% 前回2.3%)→ 前年比は予想を下回る

16:00    CHF 9月 KOF景気先行指数=102.2(予想100.0 前回100.3→98.9)→ 前回が下方修正されるも予想を上回る

16:55    GER 9月 雇用統計: 失業率=5.1%(予想5.2% 前回5.2%)、失業者数=-2.3万人(予想-0.9万人 前回-0.8→-1.0万人)→ 失業率は低下し、失業者数も改善へ。

17:30    GBP 第2四半期 GDP・確報値=前期比0.4%(予想0.4% 前回0.4%)、前年比1.2%(予想1.3% 前回1.3%)→ 前年比は予想を下回る

18:00    EUR 9月 消費者物価指数(HICP)・速報値=前年比2.1%(予想2.1% 前回2.0%)、コア前年比0.9%(予想1.1% 前回1.0%)→ コア前年比は予想を下回る

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2018年9月28日(金曜)27日、海外市場の動き

2018年9月28日(金曜)27日、海外市場の動き

ドルは主要通貨で全面高!ドル円はついに113円台で、新興国通貨は健闘中。米株はピークから値を下げるも前日比で上昇。米10年債利回りは3.057%近辺と高水準を維持。

ダウは+54.65(+0.21%)、NasdaqとS&P500も小幅上昇へ。米10年債利回りは3.073%とピークに下落し3.055%近辺で推移。

米第3四半期GDPは前年比4.2%と予想と変わらないが他国と比較して高水準を維持。コアPCEデフレータは2.1%と小幅上昇。米耐久財受注は前月比4.5%と予想外に非常に強い。逆に中古住宅販売制約指数は前月比-1.8%と予想外の落ち込みへ。

「日米首脳会談、FOMCの予想通りの利上げと将来の利上げ継続、米中制裁関税第3弾の発動」と、目先のイベントをとりあえず消化した動きは、米国買いとしか言いようのない動きで、新興国通貨を除きドルは全面高。

USDJPYは前日比で約0.6%の円安で久しぶりの変動率。アジア市場では目先のイベント終了に投機筋の円ショートの巻き戻しが続き円高傾向を意識した動きも見られた。欧州市場序盤には112.56をボトムに円売りへと変化。米国市場に入り、予想通りながら高水準の米GDP、強い米耐久財受注を経て113円台を復活。オプションカットを経て前日の高値113.138を上回り、7月19日の高値113.176を上回ると幅広い筋からの円売りが強まり、主要通貨でもドル買いの影響もあり113.47まで続伸。引き続き113.30台で推移と、113.50のポイントを意識しながらもドル買い傾向は止まらず。

EURUSDは前日比約-0.82%のユーロ安で下げ幅は大きい。FOMCも終わり政治的なイベントを経た流れはEUR売りへ。アジア市場の1.1757をピークにアジア市場では1.1691まで下落、欧州市場では、イタリア予算をめぐりトリア財務相の辞任のうわさや連立与党内の対立を危惧したEUR売りも見られ1.1670台まで続落。結局は「イタリア連立政権は2019年の財政赤字目標をGDP2.4%にすることで合意」と税制規律3.0%を維持する結果となるも、米国市場に入ってもEUR売りは止まらず。米国市場の終盤では1.1640台まで続落中。

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21:00    GER 9月 消費者物価指数・速報値=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.1%)、前年比2.3%(予想2.0% 前回2.0%)、HICP前月比=0.4%(予想0.1% 前回0.0%)、HICP前年比=2.2%(予想1.9% 前回1.9%)→ 予想を上回るもEURUSDは上昇せず

21:30    USD 第3四半期 GDP・確報値=4.2%(予想4.2% 前回4.2%)、個人消費=3.8%(予想3.8% 前回3.8%)、コアPCE・デフレータ=2.1%(予想2.0% 前回2.0%)、デフレータ=3.0%(予想3.0% 前回3.0%)→ 予想と変わらず

21:30    USD 8月 耐久財受注・速報値=前月比4.5%(予想2.0% 前回-1.7→-1.2%)、除く輸送機器=前月比0.1%(予想0.4% 前回0.1→0.2%)→ 予想を大幅に上回る

21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=21.4万件(予想21.0万件 前回20.1→20.2万件)、

23:00    USD 中古住宅販売成約指数=前月比-1.8%(予想-0.2% 前回-0.7→-0.8%)、前年比-2.5%(予想-1.0% 前回-0.7%)→ 予想外の落ち込みへ

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【北米】
トルドー・カナダ首相=カナダはタフな交渉相手。公正な条件で合意できる可能性は依然として高い

【欧州】
プラートECB専務理事=低金利の長期化により、将来的に金融安定に対する課題が台頭する可能性があり、資産バブルの発生リスクに備える必要がある。国民投票前と同じく需給バランスや為替レートの動向次第で方向が決まる。

EU加盟国27か国(除く英国)=英国と合意ができない事態に備えた緊急対策策の準備強化を話し合う。本格的な作業は英国と交渉が公式に失敗したと決まる11月まで様子を見る→ EU各国は英国との合意承認に向け11月17~18日に首脳会議を開く予定。

ホールデンBOE理事=無秩序で合意なきブレグジットとなった場合、中銀は利下げと利上げのいずれの可能性もあると。ポンド安や供給減に伴うインフレ高進など各種要因によって方針が決まる。

サルビーニ・イタリア副首相=イタリア連立政権は2019年の財政赤字目標をGDP2.4%にすることで合意。→ EURUSDの買いは見られず。トリア財務相は1.9%を主張、五つ星運動と同盟の与党連合は2.4%主張していた。トリア氏辞任のうわさや、イタリア政府は連立与党内や閣僚間での対立に、2019年予算案の会合を延期する可能性との報道も事前に流れていたが、直前には通信社が2.4~2.5%と報道していた。

トルコ上場で第2位のアクバンクは返済期限が近付く中、借り換え成功し債務危機の懸念が後退し、TRY買が強まり一時USDTRYは今月に入りはじめて6.0を割り込み下落へ。TRYJPYは円安もあり一時18.94まで上昇。

ラマポーザ南ア大統領(国連演説)=土地問題については混乱させない。ランドは過小評価されているとの、前日の報道や、FOMCの緩和的が文言の削除や2020年の利上げ打ち止め予測に、米金利が低下しUSDZARの上昇が続く。

【アジア・その他】
インドネシア中銀=政策金利を0.25%引き上げ5.75%決定、予想通り。

フィリピン中銀=政策金利を0.5%引き上げ4.5%に決定、予想通りでインフレ抑制の決意を強調。

NZ中銀金融政策=政策金利1.75%の据え置きを予想通り決定。オア総裁は政策金利を2019年いっぱいと20年にかけて現行の水準に維持するとの見通しを改めて示した上で、「次の政策金利の動きは上下いずれの可能性もある」と指摘。ただ、成長見通しには引き続き下振れリスクがあるとも説明した。


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2018/09/27

2018年9月27日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月27日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

中国が中間選挙を介入しようとしていると非難していたが、トランプ大統領は国連総会後の記者会見で、「習主席はもはや友人ではないかもしれない」。みずから蒔いた種ながら米中関係は最悪の状態ともいえそう。

FOMCからあまり多くの時間を経ていないアジア市場は、前日NY市場の流れを受け継ぎ、株安(日経平均株価-237.05-0.99%)と下落、中国株も総じて弱く、米10年債先物は3.04%近くと弱含みで推移。

肝心の為替相場は、新興国通貨高が目立つ。ラマポーザ南ア大統領(国連演説)は「土地問題については混乱させない」、「ランドは過小評価されている」との前日の報道や、FOMCの「緩和的が文言の削除」や、「2020年の米利上げ打ち止め予測」にも反応しているのか? 米金利が低下しUSDZARの上昇が続き、USDTRYもエルドアン・トルコ大統領の「利上げには反対だが、中銀の独立性を維持」する発言が影響しているのか、FOMC直後をボトムにアジア市場に入ると上昇傾向が続き、新興国通貨高が目立っている

主要国通貨に対して円を除きドルが上昇する動きとなっている。USDJPYは株安以外のも日米物品貿易協定の締結への動きが原因なのかは不明ながら、円は全面高で、クロスではAUDJPYの-0.4%近くを筆頭に円は全面高で、CHFに対しても上昇。

NZDUSDは、NZ中銀が政策金利1.75%の据え置きを予想通り決定。オア総裁は政策金利を2019年いっぱいと20年にかけて現行の水準に維持するとの見通しを改めて示した上で、「次の政策金利の動きは上下いずれの可能性もある」と指摘。ただ、成長見通しには引き続き下振れリスクがあるとも説明した。これを受け、短期見通しは政策金利引き下げの方向になお傾いているとの見方もあるが、発表直後の反応は、NZDUSD0.6655→0.6680まで上昇後に0.6630台まで下落している。

EURUSDは、相変わらずネックはイタリアとブレグジット。イタリア紙コリエレは「イタリア政府は連立与党内や閣僚間での対立に、2019年予算案の会合を延期する可能性がある」との報道に、1.1750→前日の安値1.1726をブレークし1.1690台まで急落。 GBPUSDもメイ英首相の意地を張るような強情な発言、党大会を控えブレグジット交渉への不安感が強く煮え切れない動きで、前日の安値1.3138をブレークし1.3124まで下落中で、共に上値は重い。

USDCADは早朝の0.9646をボトムに0.9680台まで続伸中。トランプ大統領は煮え切らない米カナダとのNAFTA再交渉を意識し、「トルドー・カナダ首相との個別会談を拒否」。トルドー首相は変更を望んでいないようだ。それで、首相には『それはもういい。率直に言って、われわれはカナダからの自動車の輸入に関税を課すことを考えている』と発言。自動車関税まで飛び出すしまつとなっては、CAD売りが出ることは止められず。ただし、予想外に現時点ではその影響も少ない。

2018年9月27日(木曜)26日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年9月27日(木曜)26日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

FOMCは期待通り利上げを実施。

FOMCでは米経済は力強く労働市場は引き締まりに年内12月、来年3回の利上げの可能性を示唆。ドル相場はFOMC直後の上下変動を経て元の水準近くに逆戻りするも、USDJPYは日米物品貿易協定(TAG)の締結合意に向け動きはじめ、米株の下落と米金利の下落に112.60台まで続落中。USDCADはトルドー発言に米カナダNAFTA再交渉の合意期待が遠のき1.3000の大台へとCAD下落へ。結果、CADJPYは0.7%近く下落と変動幅は大きくなる。

FOMCは、予想通り全会一致で政策金利0.25%引き下げを決定し、今後の見通しは年内12月、2019年は3回、2020年は1回との見通しを示す。金融政策は依然緩和的というも、金融政策の運営姿勢で「緩和的」との文言を削除し、FRBが現在は金利が中立的な水準に近いと考えていることを示唆。

米株は下落、ダウ-106.93(-0.40%)、NasdaqとS&P500も下落。米10年債は売られ利回りは一時3.1%へ上昇し3.045%近辺に下落して推移。2年債や逆に2.823%近くへ小幅低下。


為替相場は、米利上げと継続的な利上げの可能性と影響を受けた米株の下落もあり、新興国通貨はTRYの買いがリードしたドル売りの流れも、FOMC後からはドル買いに変化。

USDJPYは、欧州市場で113.06を高値に上値を試す動きが続くも失敗。日米は物品貿易協定(TAG)の締結に向けた交渉を始めることで合意、円安相場もやや気になるのか上値も重く112.90台で推移。FOMCは予想通りの利上げを実施、力強い米経済を引き続き安定させるため、来年にかけて利上げを継続する意向に一時113.10台まで上昇。ただし、113円台の売り圧力は強く米株の下落と米金利の低下に、利食いの売り先行なのか112.60台まで続落中。

EURUSDは27日のイタリア予算案の不安は残るも1.1725~55のレンジから、FOMCを受け直後は1.1798と1.1800をほぼ達成から逆に1.1732まで下落し1.1740台で推移。

GBPUSDはブレグジットの不安を残しながらも底堅く1.3138~1.3200のレンジで上下。FOMCを受け一時1.3217まで上昇するも1.3159まで下落と、共に大きな変化は見られず。

USDCADはトルドー・カナダ首相が「NAFTA再交渉で合意は急がず、カナダにとって適切な合意を得るまで、必要な限り時間をかける」と強調し弱さが目立つ。アジア・欧州市場の1.2940台をボトム1.2980台へ上昇。米国市場に入りFOMCで上下変動を経てトルドー首相の発言もあり1.3025まで上昇し1.3010台で推移。

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【北米】
トランプ米大統領=安倍首相とニューヨークで会談し、二国間の自由貿易協定締結に向け協議を開始することで合意。日本がようやく通商協議に前向きとなり喜ばしく感じている。満足のいく結果を出すことができると確信している。→ トランプ大統領はこれまで、690億ドルに上る対日貿易赤字に不満を示し、赤字解消に向け二国間の貿易協定を求めていた。対日貿易赤字のうち、3分の2近くは自動車が占める。

ポンペオ米国務長官=米朝首脳歓談は10月以降になる可能性。

トランプ大統領(国連安全保障理事会の演説)=米中間選挙に中国が干渉しようとしていると非難。

FOMC=政策金利1.75~2.0%→2.00~2.2%へ、0.25%の引き上げを決定、予想通りで全会一致で力強い米経済を引き続き安定させるため、来年にかけて利上げを継続する意向で、今後の見通しは年内12月、2019年は3回、2020年は1回との見通しを示す。→ 今回の利上げは今年に入ってから3回目。過去8四半期では7回目となる。 前回8月1日の声明から唯一変わった点は、金融政策について長期にわたり表現してきた「緩和的」という文言の削除。金利が景気を浮揚も引き締めもしない中立水準に近づいていることを認めた格好。

声明=労働市場は引き締まり続け、経済活動は力強い速度(at a strong rate)で拡大。金融政策の運営姿勢は引き続き「緩和的」との文言は削除→ 今回の声明でこの文言が削除されたことは、FRBが現在は金利が中立的な水準に近いと考えていることを示している。

パウエルFRB議長=米金融システムはより強力と確信。米成長見通しは引き続き良好、財政刺激が支援。FOMCは労働市場が引き続き堅調に推移と予想。インフレ率は持続的に2%近辺にとどまると予想。「緩和的」の文言削除、金融政策が予想通り推移していること示す。FRBは金融政策決定に政治的要因考慮せず。金利が2020・21年に中立水準上回る必要あるとの確信持てず。全米の企業間で貿易の緊張巡る懸念強まる。関税や保護主義が拡大すれば米・世界経済に悪影響。インフレの予想外の上振れは見込まず。金融政策は依然緩和的。ドルは2017年に下落した分の一部しか戻していない。

FRB当局者による金利見通し=年内12月、2019年は3回、2020年は1回との見通しを示す。16人中12人が今年、計4回の利上げを想定しており、6月の15人中8人、昨年12月の16人中4人から増えた。また、大半の当局者は来年少なくとも3回、2020年は1回の利上げが必要と考えている。

トルドー・カナダ首相=NAFTA再交渉で合意をは急がず、カナダにとって適切な合意を得るまで、必要な限り時間をかけると強調→ トランプ政権は今月30日までに協定文書をまとめる必要があるとの見方を示しており、米・メキシコ・カナダの3か国協定が成立支配可能性を示唆

【欧州】
プラートECB専務理事=インフレ率の伸び悩みでECBは金融政策の正常化を急がず、金利は今後数年抑制される。ユーロ圏の成長リスクは増大しているが極端な減速の懸念を否定。

ECBの分析=米国が他国と防衛戦争を始めると、報復合戦後に失うものが最も多いのは米国で、中国は恩恵を受けると分析。ECBは、米国がすべての輸入品に10%の関税を導入し、他国が同等の報復関税を課した場合のシミュレーションでは、推定結果は、米国の純輸出が大幅に悪化することを示唆している。このモデルでは、米企業の投資と雇用も減少し、悪影響が増幅されれ、米国の成長率が2%ポイント以上押し下げられると推定。

メイ英首相=単一市場の部分的なメンバーシップを求めているわけではない

コービン労働党党首=合意なき離脱は悲惨なことになり断固反対、議会でメイ英首相の離脱案には反対票を投じる。→ GBPUSDは買に反応し一時1.3170台へ上昇。

ディマイオ・イタリア副首相=財政収支の対GDP比2%の水準はタブーではない。

トリア・イタリア経済財務省=2019年度の予算は貧困層向けのベーシック・インカムや退職年齢の引き下げを盛り込む方針→ 同盟と連立与党を構成する「五つ星運動」は25日、ベーシック・インカムと退職年齢の引き下げを他の施策と併せて19年度予算に盛り込まなければ、賛成票を投じないと警告した。

エルドアン・トルコ大統領=米国人牧師を開放する権限は判事のみで自分にはない。

【アジア・その他】
日米両政府=2国間のモノの貿易を自由化する「日米物品貿易協定(TAG)」の締結に向けた交渉を始めることを26日に開いた日米首脳会談で正式に合意。サービス分野などを含む自由貿易協定(FTA)とは異なる。TAGの交渉期間中は、米国側が検討する輸入自動車にかける25%の追加関税措置は発動しないことを確約。

茂木経済財政相=日米2国間で通商交渉をしている間は、米政府が検討している自動車の関税引き上げを課されることはない

中国国務院=11月1日から1500超の輸入品目の輸入関税率を引き下げる。関税率は2017年9.8%→2018年に7.5%に低下する。

上海総合指数が反発=MSCIは新興国指数に組み入れるA株のウエートを引き上げる方針へ。

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2018/09/26

2018年9月26日(水曜)日米首脳会談と明日未明のFOMCを前にしてどう動くのか?

2018年9月26日(水曜)日米首脳会談と明日未明のFOMCを前にしてどう動くのか?

今回のFOMCは、政策金利0.25%の引き上げは間違いないと思われて相場にほぼ織り込み済みと思われる。逆に市場の注目は金利見通しを示すドットチャートやフォワードガイダンスに傾き、パウエル議長の記者会見待ちの状態と考えたい。

日米閣僚級の貿易協議の2回目も終わり、日米首脳会談が焦点となっている。とはいえ、どうせトランプ氏から自動車や農産物を含め通商交渉で譲歩を要求されることも間違いなく、その内容によっては円相場が上下変動することも間違いない。

USDJPYは午前9時の大口取引開始時刻に無理やり113.027まで持ち上げるもストップロスを付けるまで買い上げることはできず、逆に、FOMCと日米首脳会談を前にして売り圧力が引き続き強いことも証明されている。

テクニカルにはドル売りに傾いており、しばらくUSDJPYの戻り売り圧力が強まる可能性を意識したいが、112.50~70を割り込むことは難しそうでもある。事前に会談内容やパウエル氏の発言内容を知っていれば別だが、二つの重要なリスク要因を抱えてしまってはどちらにしても積極的にポジションを傾けることはできない。

EURUSDは、25日の独連邦議会院内総務選挙で、メルケル首相の相棒で13年にわたりコンビを組んでいたる側近のカウダー氏が敗退。 驚きの事態に一部からはメルケル首相の吸引力の低下が指摘されている。

一方、GBPUSDは、メイ英首相が離脱方針を巡り、国内とEUから強い批判を浴びており、辞任要求に発展する可能性と、現政権の崩壊説まで飛び出す始末。 ブレグジットの行方は結果をみるまでは不明であることは間違いないが、メイ首相の困難は続きそうで、前日のNY市場で1.3200直前まで上昇し底値を切り上げている相場でも、なかなか怖くて積極的にロングをつくるとも躊躇う。

2018年9月26日(水曜)25日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年9月26日(水曜)25日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

国連演説ではトランプ大統領はいつもの持論を展開し「強硬は貿易政策の妥当性を主張」。安倍首相の具体性は不明ながら「日米貿易では対話を重視し双方の利益となるような関係を継続」を表明へ。共にサプライズはなく為替相場への直接的な影響は感じられず。

日米通商協議は僅か1時間で終わり、茂木経済相が「大きな方向では一致をみることができた、首脳会談で合意を目指す」と形式的に思え煮え切れず、26日の首脳会談待ち。

米CB消費者信頼感指数は138.4と18年ぶりの高水準で、米経済の底堅さを維持。ダウとS&P500は小幅下落、Nasdaqは小幅上昇。米10年債利回りは3.115%を高値に3.092%近辺で推移。原油価格は一時72.78まで上昇し72.30近辺で推移。

USDJPYは約+0.16%と円安方向を維持し円はGBPJPYが0.66%近く上昇するなどクロスでも全面安。日米通商協議は期待通り何も結論を出せず、日米首脳会談で日本はどのようなプレッシャを受けるのか? そんな中でも、USDJPYのレンジは112.75~00の円安水準で25ポイントの狭いレンジで推移。高値(円安)は、アジア市場で112.98、欧州市場で112.96、米国市場で112.98と113円の大台を達成できず、113台超えでどのような動きになるのか期待したいが?

GBPUSDは約+0.47%とGBPは上昇し主要通貨の中では強い動きを維持。欧州市場の序盤につけた1.3095をボトムにプリハBOE政策委員は「1年で1~2回の利上げが可能」とタカ派発言や、メルケル独首相の「離脱交渉は10月か11月に合意することは可能」との発言。メイ英首相からは「自身が示した離脱方針に対しEU側が提案を行う必要がある」とし、「対抗する提案がある場合は提示してもらい、共に協議していきたい」と発言。欧州市場では1.3170台まで上昇、米国市場では1.3194まで上昇と、9月20日にEU側の楽観的発言に上昇し逆に悲観論に反落したが、1.3300直前の高値から急落後の半値近くまで値を戻している。

USDARSは+2.58%とARSは下落。カプト・アルゼンチン中銀総裁就任からわずか3か月で辞任、追加支援でIMFと協議中に突然の辞任劇にUSDARSは36.969→一時39.299まで一時上昇へ。その影響もあり新興国通貨の売りが強まる。USDARSは37.4690まで一時値を戻したこともあり、他の新興国通貨も安定するも、引き続き38.25近辺のARS安の水準で推移。


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22:00    USD 7月 FHFA 住宅価格指数=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2→0.3%)

22:00    USD 7月 S&Pケースシラー住宅価格(20都市)=前年比5.9%(予想6.2% 前回6.3→6.4%)

23:00    USD CB消費者信頼感指数=138.4(予想132.0 前回133.4→134.7)→ 予想を上回り18年ぶりの高水準

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【北米】
ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長=中国が報復すれば大統領は追加関税を課すだろう

トランプ大統領の国連演説=複数の国際機関や同盟について責任を果たしていないと批判。米政権による強硬な貿易政策の妥当性を主張。イラン核合意離脱の正当性を主張。北朝鮮は「紛争の火だね」から「平和に向けた大胆で新たな推進」に変わった。オバマ前大統領が2015年に核合意に調印して以来、イランとの緊張は増した。中国について「貿易不均衡は容認できない」と強調。非核化の実現まで制裁を続ける。

トランプ大統領の国連演説=米国の労働者が犠牲になったり、米企業がだまされたり、わが国の富が略奪され移管されることは許さない」とし、「米国は国民を保護する措置について謝罪することは決してない」と言明した。

ライトハイザーUSTR代表=NAFTA再交渉でカナダに残された時間は少ない、カナダとは依然として距離がある、自動車関税に関してトランプ大統領は何も決断していない、重要な問題でカナダは譲歩していない時間を使い果たしている。→ USDCADは1.2936の日中のボトムから一時1.2958まで上昇するも買も続かず、上値は重い。

カプト・アルゼンチン中銀総裁就任からわずか3か月で辞任=追加支援でIMFと協議中に突然の辞任劇にUSDARSは一時39.299まで上昇後に上昇開始地点近くまで値を下げる。

【欧州】
プラートECB専務理事=昨日のドラギECB総裁の発言はなにも目新しいいニュースではない。中銀は長期にわたって緩和てきであり続ける必要がある。政策の正常化の加速は計画せず、前回予測から早まることはない、賃金の上昇は穏やかだが上昇している。賃金上昇がインフレに影響を与えるには時間がかかる。→ この発言を受けEURUSDは1.1770→1.1734まで下落。

短期金融市場=ECBが2011年以来の利上げ時期の予想を、2019年9月のドラギ総裁の在
任中と前倒しの予想へ。任期は2019年10月まで。

ブリハBOE政策委員=BOEは円滑な離脱と謂う基調シナリオを変えず。1年で1~2回の利上げが可能。

メルケル独首相=離脱交渉は10月か11月に合意することは可能。6~8週間は非常に厳しい努力が控えている。

メイ英首相=ブレグジットの2回目の国民投票はない。EU側が現在提示している条件を受け入れるよりは、条件などで合意しないまま離脱する方が望ましい。悪い合意とは英国の解体につながるものだと考えている。自身が示した離脱方針に対しEU側が提案を行う必要がある。EUに何らかの懸念がある場合、英国に対しそうした懸念を表明する必要がある。対抗する提案がある場合は提示してもらい、共に協議していきたい。

スウェーデン議会=ロベーン首相の不信任決議案を可決。→ EURSEK10.3330→10.31まで一時下落。

イタリア紙=イタリア連立政権は予算で妥結に至った。財政赤字はGDPの1.9%にとどまる。→ EURSEKの買いやEURUSDは欧州市場の序盤に、新興国通貨高に一時1.1770台まで上昇するも、直ぐに下落へ。

前日のポンペオ米国務長官から=米牧師が開放される可能性を指摘との報道に上昇した流れを継続し、USDTRYが一時下落するも続かず。

アルバイラク・トルコ財務相=政府は必要なら銀行を支援する用意がある。

【アジア・その他】
日米通商協議=ライトハイザーUSTR代表との協議で茂木経済相は、大きな方向では一致をみることができた。個別項目は首脳会談で合意したうえで発表したい。

黒田日銀総裁=日米金利差の拡大で他の条件が同じならドル高円安に。追加緩和策にはいろいろな方法がある。貿易戦争の影響は限定的だが看過できず。低金利は当面の間で特定の期間を念頭に置かず、いつまでというわけではない。2%の実現にはこれまでの予想より時間がかかる見込み。今後も強力な金融緩和を粘り強く続けていることが重要と判断。

中国国家発展改革委員会副主任=米中の貿易摩擦の影響を完全に打ち消すことは可能。EU,日本、ASEAN諸国との協力強化。民間企業の景況感改善に投資を増やし税と料金引き下げへ。貿易交渉の再開時期は米国次第。貿易戦争は望まないが恐れない、必要であれば戦う。中国は方針を転換しない、改革を進める。

安倍首相の国連演説=自由貿易体制の強化に向け日本が主導的立場を取るとの意向。日米貿易では対話を重視し、双方の利益となるような関係を継続。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉を進めるなど多国間の貿易体制を重視する姿勢も重ねて表明。米国の産業や雇用への日本企業の貢献を強調し理解を求める。ロシアについては、会談を重ねているプーチン大統領との間で領土問題を解決した上で、平和条約を締結したい。中国とは、来月の安倍首相の訪中をはじめ首脳の相互往来を継続することで、両国だけでなく地域の安定に協力する方針。北朝鮮問題に関しては、6月の米朝首脳会談後の変化に関心を寄せる一方、国交正常化を実現する前提として拉致問題の解決に懸ける

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2018/09/25

2018年9月25日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

2018年9月25日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

米中貿易戦争の拡大など目に入らず、米株は上昇からスタートし、米10年債利回りも3.1%と底堅く推移。りあえずトランプ大統領の国連演説をと注目。

為替相場は、カプト・アルゼンチン中銀が辞任報道にUSDARSが4%近く急伸。その影響もあり新興国通貨の売りが強まり今後の懸念材料に。

USDJPYは+0.08%の上昇。112.75~95のレンジで113円の大台を達成できず、逆に取り巻くリスク回避の流れでも円買いへの動きは見られず。日米通商協議と日米首脳会談の結果を見守る動きの中でも、押し目は限定的で相変わらず底堅い動きに。

EURUSDは+0.35%の上昇。欧州市場の序盤からユーロの買い戻しが強く「イタリア連立政権が予算案で妥結」との報道や、議会は「スウェーデン首相の不信任決議案」可決した影響にEURSEKが上昇、新興国通貨高もありEURUSD一時1.1770台へ上昇するも、プラートECB専務理事の「長期にわたって緩和てきであり続ける必要がある」と、政策の正常化の加速は計画せずとの報道に1.1734まで下落から、買が復活。1.1790と1.1800を直前にして上げ渋るも前日の高値1.1815を狙える位置で取引が続いている。

AUDUSDは+0.07%と0.7235~65のレンジで上下変動するも、前日比で大きな変化は見られず。GBPUSDは+0.31%の上昇。欧州市場序盤の1.3095をボトムに前日の高値1.3167を微妙に上回る1.3170台まで上昇中。

2018年9月25日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月25日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

日米通商協議、日米首脳会談を直前にしながらも、USDJPYの買い圧力止まらず。トランプ政権は日本に何を要求するのだろうか?

USDJPYは、アジア市場の112.76をボトムに112.98まで上昇。わずか22ポイントの上昇ながら、113円の壁を前にした攻防が続く。黒田日銀総裁は「日米金利差の拡大で他の条件が同じならドル高円安に」と大意はないと思うがあまりにも素直な発言では?

連休明けの日経平均株価は下落からスタートするも前日比+70.33(+0.29%)と小幅上昇。中国株は上海総合が-16.35(-0.58%)と小幅低下。

米国の対中制裁第3弾の発動と、中国の報復制裁発は事前に予想されていたこともあり、為替市場を含め金融市場への影響は今のところ見られない。

アジア市場は前日のポンペオ米国務長官は「米牧師が開放される可能性」との報道の影響が続き、TRY買いが継続し、ZARも連れ高。ただし、買い一巡後には売りへ圧力が強まっており、TRYJPYは18.27→18.57→18.20台と上下に変動。

EURUSDは前日のドラギ発言での上昇から逆に下落へと変化し、今日もアジア市場では前日のNY市場安値1.1744を割り込み下落するも、1.1730~60のレンジで推移。欧州市場に入り、イタリア連立政権が予算案で妥結との報道や、スウェーデン首相の不信任決議案を議会が可決した影響にEURSEKが上昇、新興国通貨高もありEURUSD一時1.1770台へ上昇するも結局は続かず、元の水準に逆戻り。

GBPUSDは1.3100近辺をボトムに下げ止まりやや反発するも、メイ英首相の突っ放す発言には自信をもってGBPロングは作りにくい。今後のブレグジット交渉の動き次第ながら、英保守党と労働党の党大会を意識すれば、積極的に動けない。


2018年9月25日(火曜)24日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年9月25日(火曜)24日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

23日の日米首脳夕食会では通商問題で何を話し合ったのであろうか? トランプ氏は夕食会前に「軍事と貿易の話をする。我々はこれまで日本をたくさん支援してきた。より互恵的な関係にしたい。きっとうまくいくだろう」とツイート、プレッシャーが強く感じる。24日の日米通商協議は米側の要請に25日へと延期へ。その中で円売り傾向が続いている。

米中貿易戦争はついに第3弾まで進攻。事態解消への話し合いと思われた米中通商協議はキャンセルされ、トランプ大統領を辞任に追い込むために会話を極秘時に論音することを提案したと報道されていた、ローゼンスタイン米司法副長官は解任前に辞任。27日にトランプ大統領と会談するとの報道があった。

ドラギECB総裁は欧州議会で証言しインフレのさらなる上昇を指摘し一時EUR買が強まり。ポンペオ米国務長官は米国とトルコの悪材料となっていた、トルコで拘束されている米国人牧師が今月解放される可能性が指摘されトルコリラは上昇。米カナダNAFTA再交渉では進展が見られず。

USDJPYは底堅い動きで変わらず。アジア・欧州市場は早朝の112.40台をボトムに底堅い動きにも、日米通商協議を意識して上値も重く、112.40~70の狭いレンジで推移。米国市場に入りEURUSDの上昇に米国市場でも112.44まで値を下げる局面も見られたが、米株は安定し、米金利も上昇傾向を維持。終盤にかけては高値を更新し112.80台まで上昇中。

EURUSDは、アジア市場の1.1724をボトムに欧州市場に入り1.1780を超えられず伸び悩む。米国市場に入りドラギECB総裁が欧州議会での証言で「基調インフレのさらなる上昇を見込む」、「来年終盤の利上げに向け準中に進んでいることを示唆」に、1.1750近くから先週末の高値1.1803を上回り一時1.1815まで急伸。6月14日の高値1.1852を目指すも失速、1.1740台と元の水準近くに逆戻り。

TRYJPYは、アジア市場は17.689~17.85の狭いレンジから、欧州市場に入るとZARを含め新興国通貨の買いが強まり、18.176まで続伸へ。米国市場に入っても買いは止まらず18.30台へ上昇。ポンペオ米国務長官が「トルコで拘束されている米国人牧師が今月解放される可能性がある」との報道に、18.595まで急伸し18.20台で推移。

ダウは小幅とS&P500は小幅下落、Nasdaqは小幅上昇。米10年債利回りは約3.08%、2年債も約2.82%と小幅上昇。原油価格は強く一時72.74まで上昇するなど72.20台で推移。

2018/09/24

2018年9月24日(月曜)アジア・欧州市場前半の動き

2018年9月24日(月曜)アジア・欧州市場前半の動き

東京市場が休場、中国市場も休場の中、米中貿易戦争、日米首脳会談・日米通商協議と円に絡む材料も。

予想されていたことながら、週明け9月24日東部午前零時(日本時間24日午後1時)米国は中国製品2000億ドルに対し、10%の追加関税の第3弾を発動。中国は米国製品600億ドルに5~10%の上乗せ課税する報復措置を発表した影響を気にした動きとなっている。

早朝には、週末に米国務省が「中国がロシアから兵器購入したと」して中国共産党中央軍事委員会の装備発展部と部長を制裁対象としたこともあり、中国は米国との通商協議を取りやめたことが材料とされ、AUDUSD+NZDUSDが先週末からギャップを開けて下落してスタート。逆に、リスク回避の円買いにUSDJPYもギャップを開け112.40台からスタート。

欧州株は弱含みで推移。独IFO景況観指数は103.7と予想を上回り前回より若干弱い。原油価格は72ドル台へと上昇、OPEC減産見送りイランでの軍事パレード中のテロ攻撃、原油生産量の減少などを意識している。

USDJPYは112.50割れが相変わらず底堅くドル買い意欲は旺盛。ただし、日米首脳会談・通商協議と続く貿易問題へのリスクも無視できず112.50~80のコアレンジを抜け出すことができるか? 材料待ちへ。

GBPUSDは日本・中国が休場の週明けのアジア市場ということもあり市場参加者は取引を抑え気味で1.3060~90の狭いレンジで推移。欧州勢の参入に買が強まり、1.3130台へと上昇中。ブレグジット交渉の動きが気になり先週金曜日の急落の反動の動きとしか思えず。

EURUSDは日本・中国が休場の週明けのアジア市場ということもあり市場参加者は取引を抑え気味の中、欧州勢は先週末の安値1.1733割れからスタートするも、1.1724をボトムに反発し1.1770台を回復。ただし、本格的な反動となる材料も乏しく米国市場の動き待ち。



2018/09/23

今週の為替相場を考える(9月24~28日)

今週の為替相場を考える(9月24~28日)

先週一週間の印象は、米金利の上昇と(にも関わらず)、株価の上昇。そして、為替相場は新興国通貨の反発と、円安とドル安の動きであることは間違いないが、ドル売りと円売り相場の一翼を担っていたポンド相場の急落の影響が気になっている。

米中制裁関税・報復関税のかけ合いにも税率は控え気味が好感した動きも、週末に中国は今週予定の米中貿易協議を取りやめ中間選挙前に再開する可能性が薄らいでおり、楽観論だけが選好するリスクも気になる。

EU非公式首脳会談で、事前の楽観的なコメント期待に反してハードブレグジットのリスクの高まりポンドは急落。GBPUSDは先週1週間の上げ幅を一日で帳消しにしてしまった。結果として、他の主要通貨でもドル安を更新できずドル売りの達成感も意識せざるを得ない動きとなっている。

GBPUSDは、予想外に健在な英国経済と強さが目立つCPI、ソフトブレグジット期待に長期的なポンド買も見られたが、EU非公式首脳会議後の失望感で1.3300の上値はひとまず遠くなっている。今週からスタートする英労働党大会と保守党大会は波乱要因で重要。それ以外でも、10月18日のEU理事会を経て11月中旬のEU首脳会議の期待に続伸することができるのか? ポンド相場の先行きで意見が分かれるところでもある。

USDJPYは、3連休と9月四半期決済の最終週を前にしたポジション調整や、円ショートポジションの巻き戻しも意識。直接的にはGBPJPYの下落がリードする円の買い戻しが続くのか? 112.80台を高値に上値は重くなっているが、前日比では上昇傾向を続けている。今週は日米通商協議(24日)と日米首脳会談(26日)の重大イベントを控えて結果待ちでそれまでは積極的に動きにくい。円安水準の目安としては、7月17日の終値112.87(高値112.92)、7月18日の終値112.84(高値113.14)、7月19日の終値112.46(高値113.17)を意識せざるを得ない。余談ながら円クロスではGBPJPYの急落が影響したのか、ローソク足の日足では対主要通貨に対して円安を達成したかのような転換サインが見られるのが気になる。


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USDJPY (予想レンジ111.80~113.20)

日米貿易問題がどのように変化するか? 発言で上下変動するリスクも意識。長期的は107~103.50の持ち合い状況を継続。中期的はドル買いを維持し113.18の再トライへ。短期的は押し目買の流れは変わらず。


EURUSD (予想レンジ 1.1625~1.1850)

イタリア財政問題も落ち着きブレグジット交渉によるGBPUSDの影響を強く受けるリスクも意識。長期的は1.1300~1.1850のレンジの継続から反発の動きへ。中期的は1.1500~11800のレンジで売り圧力が続き、短期的は上昇傾向が続き1.1650~1.1800のレンジから上値をためす動きへ。


AUDUSD (予想レンジ 0.7220~0.7300→続伸へ)

米中通商問題の影響と新興国通貨の影響を受けながら、先週は共に最悪を脱したとの判断で上昇するも、GBPUSDの反落の影響に上値も限定的で、今週もポンド相場の影響次第。長期的・中期的な売りサインは変わらず、ただし、0.7185超を維持することができれば変化も。短期は0.7250~0.7300のレンジから上値が重くなっている。


USDCAD (予想レンジ 1.2850~1.3000で、NAFT交渉の動き次第)

NAFTA再交渉の結論がでず、タイムリミットが近づいていることが懸念材料。長期的には1.22~1.3400のレンジ。中期的は1.2800~1.3380のレンジで底固め中。短期的には1.28800~1.2980のレンジで上値を試す動きへ。

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今週の主な材料(9月24~28日)

今週の主な材料(9月24~28日)

今週は日米通商協議・日米首脳会談でサプライズはないのか? FOMCは期待通り利上げし12月の利上げや来年の利上げ期待がどのように変化するのか? 英保守党・労働党の党大会で合意なきハードブレグジットの可能性がどのように変化するのか? 月末期限までが期限と言われている米カナダNAFTA通商協議で結論を出すことができるのか? 各国中銀の要人発言など注意すべき材料は豊富。

国連総会に合わせ、23日にトランプ・安部両首脳が会食し、24日に日米通商協議の第2回が再開し、25日にはトランプ・安部両首脳の演説が、26日には本丸となる日米首脳会談が予定されている。トランプ大統領の口から何が飛び出すか予想できにくいだけに今週の相場変動の要因として注意が必要。

26日(水)(日本時間27日午前3時)、FOMCはFF金利を0.25%引き上げて、1.75~2.0%→2.00~2.2%になることはほぼ間違いないと思われており、CMEのFedWatch Toolではその確率は93.8%となっている。今回は、パウエル議長の記者会見とドットチャートとフォワードガイダンスが相場変動の要因となりやすく、12月の追加利上げの可能性も78.4%とさらなる利上げを織り込んだ動きで、来年の利上げ回数とターゲットがより注目されている。

英労働党大会(24~26日)では2回目の国民投票を支持する可能性についての動きは? 英保守党大会(30~10月3日)を前にして、英政府当局者の間ではメイ英首相が党大会を乗り切るのを後押しするとの期待があったが、EU首脳から首相案に対して否定的な評価が相次ぎ、その希望は無くなってしまっている。

9月末期限のNAFTA再交渉では、米国の貿易関連法でメキシコの現政権が退く11月末日までに3か国協定を結ぶためには10月1日までに協定文書を公表する必要があり、9月30日(日)までに合意する必要があるといわれている。ハセット米経済諮問委員会(CEA)委員長は先週末に「NAFTA再交渉はカナダ抜きの協定で合意する可能性が極めて大きい」と発言しており、カナダドル相場にとっては非常に重要。


それ以外での以下も重要です。

24日(月)ドラギECB総裁発言、
27日(木)NZ中銀の金融政策(1.75%の据え置き予想)、独CPI、米耐久財受注、ドラギECB総裁発言、カーニBOE総裁発言、パウエルFRB議長発言、
28日(金)中国財新製造業PMI、独雇用統計、英GP、ユーロ圏CPI、米個人所得・個人支出、カナダGDP、米シカゴ購買部協会指数、米ミシガン大学消費者信頼感指数


詳細は別表をご覧ください

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最新のIMMポジションから見えること

最新のIMMポジションから見えること

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の9月18日集計日では、投機的ポジションは前週比でみると-56,742コントラクトとショートが急拡大(ドル高思考)し、トータルでは前週と同じくユーロだけがかろうじてネットロングとなっています。

前週比でみると、ハードブレグジットのリスクや米中貿易戦争を回避した動きと思われ、スイスだけが前週比でロングが増加しており、逆に当事国通貨のポンドと中国と関連性の高い豪ドルのショートの増加が目立っています。

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の公表日は毎週火曜日で、週末とは3日間のずれがあります。そのため、短期的な動きを捉えることはできませんが、市場全体の流れを判断するには利用価値は高いと思います。


【円】前週-53,886→-63,755(-9,869)
集計日ベースのUSDJPYは、9/11日(111.628)→9/18日(112.353)と、70ポイント近く円安へと動き、ドルに換算してみると約10億ドル相当の円売りポジションが積み上がり約71億ドルの円売りとなっています。直近の円安は7/17日の112.871で約65億ドルの円売りで、ポジションが大きく膨らむ前に円安が進んでいたことになります。

【ユーロ】前週11,170→1,666(-9,504)
集計日ベースのEURUSDは、9/11日(1.16042)→9/18日(1.16640)と、60ポイント近くユーロ高へと動き、ユーロ買ポジションが約14億ユーロ→2.1億ユーロまで減少しほぼニュートラルといってもいいでしょう。先週末は1.1747とユーロ高で終了し買いポジションがさらに拡大していると思われます。

【ポンド】前週-61,179→-79,258(-18,079)
集計日ベースのGBPUSDは、9/11日(1.3030)→9/18日(1.3146)と、110ポイント近く上昇する反面、EU非公式首脳会議を意識していたのでしょうか、ポンドの売りポジションが急拡大しており、先週末の終値1.3077と金曜日にはブレグジット交渉の行き詰まりで1日約220ポイント近く急落しています。 

【カナダドル】前週-26,942→-30,111(-3,169)
集計日ベースのUSDCADは、9/11日(1.3067)→9/18日(1.2974)と、約100ポイント近く下落しカナダドル高に動いている反面、カナダドルのショートポジションが拡大しています。先週末の終値1.2911とNAFTA再交渉が膠着状態ですが、なんらかの合意を期待しているのでしょうか? 

【豪ドル】前週-44,312→-68,003(-23,691)
集計日ベースのAUDUSDは、9/11日(0.7116)→9/18日(0.7219)と100ポイント近く豪ドル高となっている反面、豪ドルのショートは急拡大しています。先週末の終値は0.7285とさらに豪ドル高で終了しており、ポジションのショート拡大=実際は豪ドル高と、米中間の通商問題が影響しているかもしれませんが、今週の相場展開が注目されます。


詳細はデータをご覧ください


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2018/09/22

2018年9月22日(土曜)21日、海外市場の動き

2018年9月22日(土曜)21日、海外市場の動き

日本は3連休前で週末金曜日。ブレグジット交渉の行方が注目されたEU非公式首脳会議からは失望の色が鮮明に! 市場は9月26(水)のFOMCの利上げ(ほぼ間違いないと思われている)と今後のドットチャートとフォワードガイダンスに注目がシフトし始める可能性が高くなっている。

メイ英首相は会議翌日に会見し、「EU離脱は悪意の合意ならしないほうがましだ」と、自らのEU離脱案をけんもほろろに拒否したEU首脳らを非難。結果、GBPUSDは前日トライした1.3300直前から、日中の高値1.3270台から1.3055まで急落(前日終値比-1.43%)し週初めからの上昇をすべて吐き出す。

USDJPYはGBPJPYが1.38%下落した影響に欧州市場序盤の112.87高値に上値が重くなり、7月18~19日にトライして失敗した113円台をターゲットにしていた参加者は多く利食いの売りが優勢で下落するも112.50を割り込めず、112.55で終了。来週は23日に日米首脳の会食、24日に通商協議、25日に安倍首相の国連演説、26日に日米首脳会談をすると発表と、政治色の強い動きに警戒する必要もある。

日経平均株価は6連騰、ユーロストックス50は10連騰、ダウも4連騰。米10年債利回りは3.0628%、2年債は2.7999%と過去数日間は大きな変化は見られず。

EURUSDは前日比-0.30%。欧州市場の序盤につけた1.1808を高値に1.1800台の大台達成後からは、弱いユーロ圏各国のPMIもあり伸び悩み、GBPUSDの下落の影響に1.1733まで続落。ただし、EURGBP(0.8880台→0.8990台)の大幅上昇の影響もあり下げ幅は限定的で、米国市場に入りGBPUSDの売りも収まり一時1.1767まで値を戻し1.1747で終了。

USDCADは前日比+0.07%。GBPUSDの下落は蚊帳の外で、カナダCPIは前年2.8%と予想通りの結果ながら前回が上方修正され強く、小売売上高は前回を上回り特に除自動車でも前回が上方修正され0.9%と強く出ると、1.2920台→1.2886まで下落。米カナダのNAFT再交渉の行き詰まりが懸念され、タイムリミットを9月30日に迫る中、ハセット米CEA委員長から「NAFTA再交渉はカナダ抜きの協定で合意する可能性が極めて大きい」とフォックス・ニュース(トランプ大統領のお気に入りの報道機関)の報道もあり1.2940台まで上昇するなど乱高下が続きながら結局は前日と同水準近くの1.2910台で終了。貿易交渉の行方が今後の相場を左右。

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21:30    CAD 8月 消費者物価指数=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回0.5%)、前年比2.8%(予想2.8% 前回3.0%)、
コアCommon前年比2.0%(予想1.9% 前回1.9%)、コアMedian=2.1%(予想 前回2.0%)、コアTrim前年比=2.2%(予想 前回2.1%)

21:30    CAD 8月 小売売上高=前月比0.3%(予想0.4% 前回-0.2→-0.1%)、除自動車前月比0.9%(予想0.6% 前回-0.1→0.1%)→ 除く自動車は強く、上方修正され前回を上回る→ カナダドル買いが直後に強まるも続かず

22:45    USD 9月 総合PMI・速報値=53.4(予想55.0 前回54.7)、製造業PMI=55.6(予想55.0 前回54.7)、サービス業PMI=52.6(予想55.0 前回54.8)→ 予想を下回る

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【北米】
ポンペオ米国務長官(フォックス・ニュース)=ベネズエラ政府への圧力強化に向け数日中に行動する準備へ。

ポンペオ米国務長官(フォックス・ニュース)=米政府は2回目の米朝首脳会談の実現に向け取り組んでいる→ NBCニュースでは会談はそれほど遠くない将来に実現するとの発言もしている

ホワイトハウス=トランプ大統領はロシア疑惑を巡る捜査に関連した追加情報について、機密扱いを直ちに解除するよう司法省に指示。

アクション・エコノミクス=政策金利の予想分布(ドットチャート)や金融政策方針(フォワードガイダンス)がより重要で、段階的な政策正常化継続を下支えする公算が大きい→ ドットチャートの中間水準が年内4回、来年3回の利上げを引き続き示すと予想した。 短期金利先物が織り込む12月の引き締め予想確率が約80%、来年3月以降の追加利上げ確率は50%で推移

ハセット米経済諮問委員会(CEA)委員長(フォックス・ニュース)=NAFTA再交渉はカナダ抜きの協定で合意する可能性が極めて大きい。→ NAFTA文章の公表期限を10月1日に控えて、米国はカナダとの合意ができていないことを指摘、

【欧州】
グレイリング英運輸相=アイルランド国境問題が解決しない場合には合意なき離脱となる

英BBC放送=メイ英首相がEU離脱で進路を変えないと述べた。→ EUは北アイルランド問題でEU関税同盟に実質的にとどまるバックストプ案を提示しているが、メイ首相はこれを拒否→ 合意なき離脱の可能性が意識されている。

メイ英首相はEU首脳会議の翌日に声明を発表=自らのEU離脱法案をたやすく拒否されるのは受け入れられない。英国とEUは袋小路に陥っている。EU離脱は悪意の合意ならしないほうがましだ。→ EU首脳は自身が示した提案を十分に説明することなく拒否した。しっかりとした説明や代替提案もなく、他方の提案を否定することは受け入れないと、交渉が行き詰まっていることを示唆。この報道を受けGBPUSDの下げ幅はさらに加速。

英ラーブEU離脱担当相=北アイルランド問題は英国が支払わなければならない代償と欧州側は騒いでいる
BRE    トゥスクEU大統領=英国の離脱問題で妥協点を見出す可能性は残っている。→ 提案内容の一部は、離脱に伴う悪影響を最小限にとどめる意思や、英国側の姿勢が前向きに変化したことをうかがわせたと指摘。アイルランド問題や経済協力ルールを巡って、英国案の修正や追加協議が必要になるとの認識も示した。

ディマイオ・イタリア副首相=仮に来年、赤字が拡大しても問題はない、2020年には縮小すると予想。

【アジア・その他】
日米首脳会談=菅官房長官、23日に日米首脳の会食、24日に通商協議、25日に安倍首相の国連演説、26日に日米首脳会談をすると発表。

S&Pはオーストラリアの格付けを「AAA」の見通しをネガティブ→安定的に引き上げたことを受け、一時0.7297と0.73直前まで上昇している。

OPEC加盟・非加盟国(関係筋)=日量50万バレルの増産検討


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2018/09/21

2018年9月21日(金)欧州・米国市場序盤の動き

2018年9月21日(金)欧州・米国市場序盤の動き

欧州株は強く、米株と米債利回りは上昇からスタートし伸び悩みぎみ。為替相場は週末の金曜日でポジション調整色も強くポンド売りがリードするドル買いで、ドル円を除き主要通貨でドル高傾向が強まっている。

欧州市場ではブレグジット絡みの発言、特にBBC放送の「メイ英首相はEU離脱で進路を変えない」と述べたとの報道に1.3200~50を割り込み下落。メイ英首相の注目の声明で「英国とEUは袋小路に陥っている、EU離脱は悪い合意ならしないほうがましだ」と、「合意なき離脱」の可能性にGBPUSDの売り圧力が続き、1.3100の大台を割り込みドル買いをリードする存在に。

USDJPYは今までの流れの逆で、「主要通貨安=クロスでの円買い=USDJPYの売り」の動きでGBPUSDの下落に連動する形で、アジア市場の終盤につけた112.87をピークにUSDJPYの上値が重くなっている。

ユーロ圏の各種PMIが予想外に弱く、特にユーロ製造業PMIは2年ぶりの低水準で、GBPUSDの売りに連動してEURUSDも続落気味。カナダのCPIは予想通りながら前回よりは低下気味。カナダ小売売上高は除く自動車が予想外に強く出るも直後のカナダドル買いから売りへと変化。


2018年9月21日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月21日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

3連休前の週末金曜日。為替相場はドル売りが収まる反面、円売りは止まらず。USDJPYは日本株高の影響もあり一時112.87まで上昇、市場参加者が注目している113円は達成できず。他の主要通貨ペアは上下変動しながらも、GBPUSDの下げを除き方向性は出ず。

USDJPYは24日(月)が秋分の日で3連休前の金曜日。朝方発表の日本CPIは前年比が予想より強かったが相場には影響はなし。連騰気味の日本株は疲れを知らず続伸し、株高=円安の方程式は健在で、前日の高値112.58をあっさりと上抜け夕方には112.87まで上昇。ただし、113円をターゲットに置いている投機筋も見られ、利食いの売りが目立っているが押しも112.70割れが限度で、引き続き買いきれず押し目の買い待ちも願いは叶わず。 ちょっと気になるのはようやく本決まりとなった日米首脳会談と通商協議。【23日に日米首脳の会食、24日に通商協議、25日に安倍首相の国連演説、26日に日米首脳会談】をするという。

GBPUSDは注目のEU非公式首脳会談は終了。双方で期待感だけが選好しながらも、結局はメイ英首相が望むブレグジット案の承認は得られず。今日はグレイリング英運輸相が「アイルランド国境問題が解決しない場合には合意なき離脱となる」と発言。GBPUSDは前日の1.3300の大台が遠くなりアジア市場は1.3270台を高値に1.3300を試す気配も見られず、昨日のNY市場の安値を割り込み一時1.3210台まで値を下げている。

NZDUSDは19日から続伸傾向が続いているが、AUDUSDの上昇力は弱まり0.73を中心に売り買いが交錯していることもあり、0.6700の大台を達成できず、0.6680~95の狭いレンジで推移中。




2018年9月21日(金曜)20日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年9月21日(金曜)20日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)

米株は強い米経済指標や米中通商問題の悪材料の出尽くし感なのか、1%弱の上昇で、DJIAは最高値を更新中。米10年債利回りは3.1%直前への上昇から上げ幅を縮め3.066%と小幅上昇にとどまり、原油価格はトランプ氏の価格抑制発言もあり71ドル割れへと下落。

為替相場はドル+円が一蓮托生で売りが目立ち、EURUSD+GBPUSD+NZDUSDが上昇しUSDCHFは下落とドル売りが目立ち0.9~1.0%近く変動へ、新興国通貨ではUSDZAR+USDBRL+USDARSでドル売りが目立ち、ZARJPYは南ア中銀が金利据え置くも利上げ支持3名で次回の利上げ期待に3%超の上昇で、TRYJPYも中期経済対策前後の上下変動から0.8%近くの上昇へ。

USDJPYは、自民党総裁選による出尽くし感の中、112.05~112.30の狭いレンジで推移していたが、強い米経済指標や米株の上昇、米金利の上昇もあり、オプションカットの23:00時過ぎから上昇が始まり、アジア市場の高値112.34を超え、前日の高値112.45を超えて、112.50の壁をクリア。24:00時のロンドンフィキシングでは112.55近くまで続伸し、112.58の高値を示現。その後は、米金利が伸び悩み、原油価格の低下も影響したのか、投機筋の売り食いが強まり112.39まで下落するも高値圏で維持と、主要通貨でドル全面安、スイスフランも上昇する中で、新興国でも円売りで円だけが特異な動きとなっている。

GBPUSDはEU非公式首脳会議からブレグジット交渉の動きに反応したのか強さが目立っている。欧州市場で英国のリディントン内閣府担当相が「ブレグジット合意は85~90%進展」との報道もあり一時1.3298と1.33の大台直前まで上昇へ。強い米経済指標に伸び悩み「EU加盟国首脳=英国との離脱交渉で11月中の合意を目指す。メイ英首相が11月までに貿易やアイルランド国境問題で譲歩しなければ合意なしの離脱に備える」との報道もあり、今後の不安材料は残り一時1.3220台まで値を下げるも再び上昇へと、相場の反動を見ればポンド売りも限定的で底堅い動きは変わらず。

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21:30    USD 新規失業保険申請件数=20.1万件(予想21.0万件 前回20.4万件)→ 予想より改善へ

21:30    USD フィラデルフィア連銀景況指数=22.9(予想15.5 前回11.9)→ 予想と前回を大幅に上回る

22:09    ZAR 南ア中銀金融政策発表=政策金利6.5%の据え置きを決定、予想通り

23:00    USD 8月 景気先行指数=前月比0.4%(予想0.5% 前回0.6→0.7%)

23:00    USD 8月 中古住宅販売件数=534万件(予想537万件 前回534万件)、前月比0.0%(予想0.5% 前回-0.7%)→ 予想を若干下回る

23:00    EUR 9月 消費者信頼感指数・速報値=-2.9(予想-2.0 前回-1.9)→ 予想外にマイナス幅が拡大



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【北米】
トランプ大統領=OPECに原油価格を下げる必要があると発言。「米国は中東諸国を守っており、われわれなしに同地域は長い間、安全ではいられない。それにもかかわらず、原油価格をますます引き上げている!われわれはこうした状況を忘れることはない。独占OPECは原油価格をすぐに引き下げるべきだ!」→ 原油価格は高止まりから徐々に下落へ。

FRB第2四半期の家計純資産=106.9兆ドル(前期比+2.2兆ドル)、株+0.8兆ドル、不動産+0.6兆ドル、家計債務15.4兆ドル

ホワイトハウス=トランプ大統領は来週の国連総会中に日本、英国、フランス、韓国、イスラエル、エジプトの各国首脳と2国間協議を行う

【欧州】
ディマイオ・イタリア副首相=政府な成長見通しを信頼できるもにするため、財政赤字を拡大させることを検討している。政府の優先事項は国民の生活向上であり、市場に安心感を与えることである→ 財政規律の問題が気になる

英国のリディントン内閣府担当相(アイルランドのラジオ局)=ブレグジット合意は85~90%進展。10月、11月の合意は可能かとの質問に可能と考えていると答えている。

メイ英首相=アイルランド首相との会談では、バックストップに関する協議はない。

EU加盟国首脳=英国との離脱交渉で11月中の合意を目指す。メイ英首相が11月までに貿易やアイルランド国境問題で譲歩しなければ合意なしの離脱に備える。→ メイ首相は、アイルランドと英領北アイルランドとの間に「ハードボーダー(厳格な境界管理)」を設けない新たな提案を行うと同時に、合意なしの離脱の可能性も指摘している

ディマイオ・イタリア副首相=連立政権から離脱する姿勢を示していないと説明、政権が公約順守に向け一丸となっている

ノルウェー中銀=政策金利を0.25%引き上げ0.5→0.75%に決定、予想通り。直後の反応はEURNOK9.5020 →9.5910台へ急伸よNOK売りが強まる。12月利上げの可能性はあるが6月時点より可能性は低い。2019年第1四半期までには利上げが実施されるだろう

トルコ政府=鉄鋼製品の一部に25%の関税をかけることを発表。

トルコ政府=慎重な成長見通しに大規模な財政出動への懸念が後退し一時18.25まで上昇、

トルコ経済相発表の中期経済対策=経済成長見通し、2018年3.8%、2019年2.3%、2020年3.5%。財政赤字2018年GDP比4.7%。税制改革はこれ以上不要。ルドラン大統領の金融機関への介入警戒感が強まりUSDTRYは6.125台から上昇へと変化。

スイス中銀=インフレ見通しを下方修正、2019年0.9→0.8%、2020年1.6→1.2%、2018年0.9%で据え置く。

ジョーダン・スイス中銀総裁=経済が過熱化する危険性は見られない。第2四半期の成長は減速すると鵜予想

【アジア・その他】

日銀が20日公表した4~6月期の資金循環統の速報=GPIFや3共済など公的年金は日本株2583億円買い。外国証券を1兆1093億円買い越し、国債・財融債を3791億円売り越し、6月末の保有資産、日本株は52兆3302億円、国債・財融債は45兆9584億円、外国証券は74兆2108億円

自民党総裁選 3選確定=安倍553票、石破氏254票、阿部氏圧勝ながら石破氏も検討。日本株の買いは見られず、円相場も動けず

南ア中銀金融政策発表=政策金利6.5%の据え置きを決定、予想通りだが4名が金利据え置き、3名が利上げを主張していたことでZAR買が強まる。

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2018/09/20

2018年9月20日(木曜)米国市場序盤までの動き

2018年9月20日(木曜)米国市場序盤までの動き

欧州市場に入りドル全面安。米国市場に入り強い新規失業保険申請件数やフィラデルフィア連銀景況指数にようやくドル売りも弱まるが高値圏での推移が続く。

特に、ポンドとNYドルの上昇が目立ち、トルコリラは中期経済対策前後に上下変動が目立ち、南アランドは急伸し人民元も上昇へ。

GBPUSDは、EU非公式首脳会談の動向を注視する中、英国のリディントン内閣府担当相が「ブレグジット合意は85~90%進展」とのポジティブ発言や、予想外に強い英小売売上高もあり、前日の高値1.3214を上抜けしポンド買は止まらず、1.3300直前まで上昇し大口の売りや強い米経済指標もありようやく上げ止まる。

NZDUSDは、朝方の強いGDPに急伸した流れを維持し、欧州市場に入っても緩やかな上昇が続き8月30日来の高値となる0.6670台へと上昇。

USDJPYは、自民党総裁選は期待通り安倍氏大勝するも石破氏も健闘。結果を受けても日本株の買いは見られず、円相場も動けず。ただし、112.50の壁は鉄壁で円ショートの巻き戻しも多く、欧州市場に入ってからは112.30を超えられず112.05~30のレンジで、強い米経済指標に底堅く反発するも上値の重い展開となっている。

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17:30    GBP 8月 小売売上高=前月比0.3%(予想-0.2% 前回0.7→0.9%)、前年比3.3%(予想2.3% 前回3.5→3.8%)、除く燃料・前月比0.3%(予想-0.3% 前回0.9→1.1%)、除く燃料・前年比3.5%(予想2.3% 前回3.7→4.0%)→ 予想を大幅に上回り前回分も上方修正され、ポンド買の材料となる

21:30    USD 新規失業保険申請件数=20.1万件(予想21.0万件 前回20.4万件)→ 予想より改善へ

21:30    USD フィラデルフィア連銀景況指数=22.9(予想15.5 前回11.9)→ 予想と前回を大幅に上回る


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2018年9月20日(木曜)19日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年9月20日(木曜)19日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)


米金利は続伸し10年債3.077%へ、米株はDJIAが+0.61%、S&P500+0.13%と上昇を維持、Nasdaqはハイテク株が弱く逆に-0.08%と小幅低下、原油価格は供給不足と在庫減に71ドル台へ続伸。為替相場は米中制裁関税による影響力の低下や中国株高にショートポジションの巻き戻しが続きAUDUSD(+0.65%)+NZDUSDの上昇が目立ち、USDCADはNAFTA再交渉を巡る報道に上下変動するも終盤には1.2900ギリギリまで続落(-0.42%)。EURUSD(+0.08%)+GBPUSDは上下変動しながらも前日比での変化は鈍く、USDJPYは112.50を超えられず小幅安(-0.05%)。新興国通貨はUSDTRY(20日の中期経済プログラムを意識)とUSDZARの売り目立ち、TRYJPY+ZARJPYは2%近くの上昇へ。

目立ったのは、AUDUSDとNZDUSDとUSDCADの下落で、長期的な反発のサインは見えず長続きするかは不明ながら、直近ではショートポジションの巻き戻しによる買い戻しが主流に思われる。いずれにしても材料では異なる面もあるが、共にコモンウェルズ通貨で同方向に動く可能性もあり、中国経済の影響や新興国通貨と共にリスク選好時に買われる傾向が高くなっている。

USDCADはハセット米CEA委員長のNAFTA再交渉をめぐり「米国はカナダなしでメキシコと協定を結ぶ用意がある」との報道に一時1.3015まで上昇するも、1.30台の上値が重くNAFT交渉の継続に続落。終盤にかけて8月28日の安値1.2887に迫る一時1.2900まで下落。テクニカルではこの水準を割り込むと続落の可能性も高まる。9月末がタイムリミットと思われあまり余裕がないのが現実で突然のニュースに相場が変化するリスクは消えず。

GBPUSDは強い英CPIにポンド買が強まるも1.3210台の上値は重く、EU非公式首脳会談が開催中で英国発+EU発のブレグジットをめぐる発言が多数に1.3098~1.3170で上下変動。結局は前日比と大きな変化は見られず。


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21:30    USD 8月 住宅着工件数=128.2万件(予想123.8万件 前回116.8→117.4万件)、前月比9.2%(予想5.7 前回-0.9→-0.3%)、住宅建築許可件数=122.9万件(予想131万件 前回131.1→130.3万件)、前月比-5.7%(予想0.5 前回1.9 →0.9%着工件数は予想を上回るも、許可件数は予想を下回る

21:30    USD 第2四半期 経常収支=-1015億ドル(予想-1034 前回-1241→1217億ドル)

23:30    USD 週間原油在庫=前週比-205.7万バレル(予想-274.1万バレル 前回-529.6万バレル)→ 予想外に減少幅は少ない

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    【北米】
ハセット米大統領経済諮問委員会委員長(CEA)=米国はカナダなしでメキシコと協定を結ぶ用意がある。カナダとの通商協商は9月末が最終期限→ CAD売りが強まり、USDCADは1.2934→1.2960台へ上昇し、その後も1.2980台へ上昇。

フリーランド・カナダ外相=19日の協議は午後に再開し継続へ

ブルームバーグ記事=米カナダのNAFTA再交渉は州内に合意できない可能性も→ USDCADは一時1.3020まで上昇後に続落

    【欧州】
ドラギECB総裁=マクロ経済的な安定に追加の財政手段が必要

ロンドン住宅価格=7月は2009年以来の大幅下落。

ツゥスクEU大統領(EU首脳会談前)=ブレグジット協議は結論を出さなければならない局面にはいった。11月中旬に新たなEU首脳会議の開催を提案。

メイ英首相(独ウェルト紙)=ブレグジット交渉で前向きな姿勢を要求。北アイルランド問題でEU側の提案で前姿勢の変化を求める。

メイ英首相(英タイムズ紙)=ブレグジット協議でアイルランド国境問題に関するEUの修正案を拒否する方針→ GBPUSD1.3099まで一時急落。EUの解決策へのコミットメントは歓迎するが、英領北アイルランドを英国本土から切り離すような提案は受け入れられない。

ストライド英財務閣外相=ブレグジットをめぐり、議会が英首相の案を否定した場合は、国民投票の再実施もあり得る。

ラーブ英離脱担当相=今がブレグジット合意に近づくときだ。進展がなければ両者が負けになる。英国はEUと合意できると信じている。EU側に妥協してもらう必要がありムードの変化がみられる。

メイ英首相=北アイルランドの分離は受け入れられない。労働党に国民投票の実施運動を止めるように要請。2回目の国民投票は受け入れない。
BRE    ユンケル欧州委員長=EUと英国は離脱協議の合意からかけ離れている→ GBPUSD1.3168→1.3126まで下落。

クルツ・オーストリア首相=11月にブレグジットのために特別なEUサミットを提案

ディマイオ・イタリア副首相=政権内での予算目標をめぐる衝突を否定。
TRY    トルコリラ上昇=20日発表予定の中期経済プログラムを意識した買いか?

    【アジア・その他】
黒田日銀総裁記者会見=政策措置の効果を評価するのはやや性急だ。2019年度の2%達成見通しは先送り。現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが不可欠。安倍晋三首相が「今後3年のうちに金融緩和の出口に道筋をつける」とした発言に対して、「日銀として2%目標の実現に全力を尽くす」、「物価2%を達成しても異次元緩和を付けることはない」。

黒田日銀総裁記者会見=景気は穏やかに拡大。自然災害の経済への影響は一時的。通商問題などのリスク要因がメインシナリオを変える状況ではない。

李中国首相(夏季ダボス経済フォーラム)=人民元は適切な水準で維持する。輸出を促進するために通貨を切り下げることはない。競争的な通貨の切り下げは行わない。中国経済は安定的な成長を維持しファンダメンタルズは健全。→ 人民元相場を支える姿勢にAUDUSD買いが強まる

李中国首相(夏季ダボス経済フォーラム)=中国にとって安定的な成長を維持する難しさが増しているが、大規模な刺激策を講じることは控える。

南北首脳会談=北朝鮮側は非核化を巡り、米国による信頼構築のための措置を条件に寧辺(ニョンビョン)の核施設を廃棄する用意があると表明。ミサイルエンジン試験場の廃止を改めて宣言した。金正恩氏は記者会見で、近くソウルを訪問する意向


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2018/09/19

2018年9月19日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

2018年9月19日(水曜)欧州・米国市場序盤の動き

強い英CPIとブレグジット交渉をめぐる報道にポンドは上下に変動。米カナダNAFTA再交渉でハセットCEA委員高のネガティブ発言にカナダ売りが一時強まる。

欧州株は強含みで推移、米株は上昇からスタート、米10年債利回りは3.06%台と強含みで推移。

GBPUSDは、英CPIと小売物価指数が予想外に強く、1.3160台→1.3215まで上昇。英タイムズ紙がメイ英首相は、ブレグジット協議でアイルランド国境問題に関するEUの修正案を拒否する方針との報道に、1.3190近辺→1.3099まで下落。

USDCADはアジア市場の1.2980台を高値に、米カナダのNAFTA再交渉で何等かの進展を期待しカナダドル買いが続いていたが、1.2930台をボトムにハセット米CEA委員長は米メキシコでの2国間協定の可能性を示唆すると、1.2980台まで値を戻し1.2955~80の狭いレンジで推移。

USDJPYは112.20~45のレンジを抜け出せず。GBPJPYの影響を強く受けながら、英CPI直後のGBPUSDの上昇にGBPJPYの上昇=USDJPYの買いにつながり112.45まで上昇。逆に、GBPUSDが1.3099まで下落にGBPJPYの売り=USDJPYの売りにつながり112.20近くまでの下げ要因となる。

2018年9月19日(水曜)アジア・欧州序盤の動きから

2018年9月19日(水曜)アジア・欧州序盤の動きから

強い日本株! 日経平均株は+251.98(+1.08%)と高値維持で推移。中国株は「sell the rumor & buy the fact」なのか、李首相の「人民元安を武器に使わない」姿勢を評価してか、米中間の新たな制裁・報復関税の表明後から中国株は安定へ。

この流れに、AUDUSDは前日の海外市場に続き、李首相発言もあり上昇傾向が続き、0.7250のポイントを試す動きへ。USDCADはNAFTA再交渉の協議再開(19日)の期待感と原油価格の上昇もあり、1.2950台まで続落中。

EURUSDは1.1650台をボトムに欧州市場の序盤にはEURGBPの買いの流れが続き1.1700台まで上昇。前日の高値1.1720台を試す動きへ。GBPUSDは今日19日~20日の非公式首脳会議(ザルツブルグ)で何らかの動きがあることを意識してなのか1.3140台~70台のレンジで動けず。

そして、USDJPYは112.23~43の20pointレンジ。何と言ったらいいのだろう! 株高+米金利上昇+貿易黒字額の減少と、日米通商問題は不透明ながら米国からのプレッシャーは現時点で表面化せず。112円割れの水準が目先の買いポイントになっている。


2018年9月19日(水曜)18日の海外市場を振り返る(05:30時頃)

2018年9月19日(水曜)18日の海外市場を振り返る(05:30時頃)

米金利は上昇、米株は上昇、原油価格も上昇。為替市場は円が全面安で、逆に、豪ドル+カナダドル高が目立つ。新興国通貨はトルコ安が目立っているが総じて小動き。

米国の対米制裁関税の第3弾2000億ドル24日発動決定を受け、中国は600億ドルの報復関税を24日に発動へ。ただし、どちらも当初の予定より影響力を弱めた決定で、とりあえず材料出尽くし感にポジションの調整が強い。

トランプ大統領は「中国との交渉の用意」と、「さらなる報復措置を講じる可能性」と両面を披露、さらに、ユンケル欧州委員長に「汚い」とかみつく。いつもながら本音は不明。

円全面安。USDJPYはアジア市場の安値111.60台から、米国市場に入り株高+米金利の上昇に111.39まで上昇。クロスでもAUDJPYとCADJPYが1%近く上昇するなど対主要通で円は全面安。112.50が大きなポイントで7月20日来の高値更新したことで中長期の流れの変化も意識。

豪ドル高(米中制裁・報復関税発動で市場への悪影響が予想外軽微+出尽くし感)。AUDUSDはアジア市場の安値0.7144→0.7220台へ上昇した後は、欧州・米国市場に入ると0.7220台を超えられず、0.7190~25のレンジで推移。USDJPYの上昇が続く中で、AUDJPは81円台を維持し1%超の上昇へ。米中間の貿易戦争の動き次第ながら、AUDUSDは8月29日来の高値を更新し0.7250を超えて上昇するのか上値が重くなるのか注目。

カナダドル高(強い製造業売上高+原油高+NAFTA再交渉の継続)。USDCADはアジア市場の1.3060台を高値にアジア・欧州・米国市場を通じて続落し終盤にかけては1.2970台まで下落。にCADJPYはUSDJPYの上昇もあり86.60台まで1.0%近く上昇へ。USDCADはいずれにしても上値は重いがNAFTA再交渉の行方次第で不明。

米株は強く、ダウ+184.84(+0.71%)、Nasdaq+60.31(+0.76%)、S&P500 +15.51(+0.54%)上昇。米10年債利回りは3.012%と3%台が定着へ、2年債も2.811%と2.8%台が定着へ。原油価格は69.92と1%超上昇一時70ドル台へ(イラン産原油の供給減少+サウジ・ブレント目標価格80ドル超との観測)

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21:30    CAD 製造業売上高=前月比0.9%(予想0.6% 前回1.1→1.3%)→ 予想を上回りカナダドル買いが強まる

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    【北米】
ロス米商務長官=中国への追加関税の目的な中国の貿易慣行を修正すること。欧州と日本にも中国の慣行修正の要求に同調している。米中間で通商協議を行うか否かは中国次第。

トランプ大統領=米国は中国やEUに貿易で略奪されている。ユンケル欧州委員長は汚い。

トランプ大統領=中国に対するわれわれの影響は計り知れない。中国との交渉は非常にうまくいっている。米政府には常に中国と協議を行う用意があり、いずれかの時点で中国と合意できる可能性も。

トランプ大統領=米中通商戦争の収束に向け交渉に道が開けていると、中国との交渉する用意を表明。

トランプ大統領=中国が対米関税措置で農家や工業労働者を標的とし、米選挙に影響を及ぼそうとしていると批判し、さらなる報復措置を講じる可能性があるとけん制

フリーランド・カナダ外相=NAFTA再交渉を19日に再開

トランプ大統領=カナダは乳製品に300%の税金を賦課することを続けることはできない。

    【欧州】
ディマイオ・イタリア副首相=17日のトリア・イタリア財務相が「2019年の財政赤字を対GDP比で1.6%維持する」との報道に苦言。27日の予算案発表に向け内閣の不一致を警戒。

ディマイオ・イタリア副首相=トリア財務相が最低所得補償導入に向けた資金拠出を拒否すれば財務相のポストを失う可能性。

アイルランド財務相=米アップルに対する追徴課税の131億ユーロ全額に加え、12億ユーロの利息を受領(1.87兆円)

英議会のEU離脱委員会=メイ英首相がまとめたEU離脱に向けた交渉戦略がうまくいかない場合に備え、代替案を用意する必要があると提言 → 与党保守党内のEU懐疑派と親EU派に加え、欧州委員会からも交渉方針を変えるようメイ首相に対する圧力が高まっている

ツゥスクEU大統領=合意なきブレグジットの可能性は依然として十分ある

ラーブ英EU離脱担当相=アイルランドとの国境問題は解決可能

バルニエEU首席交渉団=アイルランド国境問題でEU提案を改善する用意がある。ブレグジット交渉で10月が重要なポイント

    【アジア・その他】
中国の劉鶴副首相=米国の対中制裁関税第3弾を受け、18日朝に北京で会議を開催し対応を協議する見通し

中国高官(香港サウスチャイナモーニング)=米中閣僚級通商協議が取りやめになる可能性も。

中国=600億ドル相当の対米制裁関税を24日に発動

中国=米国の2000億ドルの関税をWTOに提訴

米対中追加関税の決定にも、日本株は上昇。

豪中銀議事録公表(9月4日分)=経済が予想通りに進展すれば次の動きは利上げになるだろう。貿易摩擦は見通しに大きなリスク。短期的に政策金利を変更する強い根拠はない。豪GDPは今後2~3年にわたって潜在成長率を上回るだろう。


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2018/09/18

2018年9月18日(火)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月18日(火)アジア・欧州市場序盤の動き

日経平均株価は+325.87(+1.41%)上昇。上海総合も+1.2%近くと中国株は米国の対中制裁関税の第3弾の発動発表にも上昇へ。

USDJPYは朝方の111.67をボトムに、日本株高の影響と中国株が予想外に強く底値を切り上げ112円台へ。15:00時を過ぎるとさらにドル買い強まり、前日の高値111.17を上回り一時112.26まで上昇。 最近特有の「レンジ相場を継続、押し目は限定的で気が付けば上昇」のパターンを継続中。

今日の欧米市場では経済指標の発表も極めて少なく、米中国当局の政治的な発言を注目したい。本当に、米中閣僚級通商協議が取りやめになるのか? 今日18日~20日まで天津梅江会議展覧センターで開催される「夏季ダボス会議」の場で、米中間で何らかの動きの見られるのか?

GBPUSDは米国の対中制裁関税の第3弾の発表を受け1.3140台まで小幅下落するも大きな変化は見られず。逆に、ブレグジット交渉に関する、ツゥスクEU大統領のネガティブ発言と、ラーブ英EU離脱担当相のポジティブ発言に上下変動しながらも、1.3140~70の狭いレンジで推移。引き続き、このような単発的な発言で動く地合いが続きそう。

AUDUSDは米国の対中制裁関税の第3弾の発表による中国株の影響を危惧し一時0.7144と前日の安値0.7142に迫る水準まで売りが続くも、日本株上昇、中国株の上昇に急速に買い戻しが強まり、前日の高値を上抜け0.7200の水準も超え一時0.7220台へと上昇し、ようやく上げ止まる。


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休み明けの東京市場を見て思うこと。 弱気な円? 強気なポンド?

休み明けの東京市場を見て思うこと。 弱気な円? 強気なポンド?

米中貿易戦争の拡大も既に織り込み済みなのか? まるで動じない日本の株価と円相場に、円安のリスクが気になる。

米国の対中制裁関税第3弾は24日発動することになり、中国が報復関税に出れば、さらに、2670億ドルの制裁を加えるとある。

今や円は、リスク回避の主役を引きずり降ろされ、円全面安の流れまっしぐら。来年10月の消費増税もネガティブ要因としてとらえられ、日本の貿易黒字額は減少を続け、国内から海外へと投資が拡大し、海外勢の日本買いの動きは鈍く、米10年債利回りが一時3%台を復活し、米2年債利回りも2.8%近くまで上昇し、日米金利差がさらに拡大中。

最近のUSDJPY相場を見ていると直近では、110.50円台、111.50円台も然り、「動かないか、円売り」状況が続き、わずかな押し目に買いが集まってくる状況となっている。

もちろん、リスクシナリオもある。日米貿易問題がエスカレートし、為替問題で円安がクローズアップするリスクはあり、9月21日に日米通商協議の2回目が開催、26日ごろには日米首脳会談のセットアップが調整されているという。ただし、このリスクは現時点ではそれほど心配していないようにも思えてならない。

主要国通貨では、中国との影響が強いAUDやNZDもドルに対して予想外に健闘。CHFはリスクヘッジ通貨の機能を十分発揮し0.9600の大台直前まで下落。EURUSDもイタリア・スペインの政治リスクも弱まり、ブレグジット交渉でやや楽観的意見が拡大し上昇しているGBPUSDの影響を受け、1.1700の大台を回復。

GBPUSDは大詰めに近づいているブレグジット交渉で、EU側の妥協案が目立ちGBPUSDは1.31台まで続伸。20日(19?~20日)のEU非公式首脳会議、10月18日のEU理事会サミット、11月中旬予定のブレグジット臨時首脳会議へと、サプライズがなければ、底堅さを維持することになりそうでるもある。

問題は、保守党大会(9月30日~10月3日)で反メイ首相派がどのように巻き返すか?

2018年9月18日(火曜)昨日17日の為替相場は、市場終了後の対米追加関税に関してのトランプ発言を注目!

2018年9月18日(火曜)昨日17日の為替相場は市場終了後の対米追加関税に関してのトランプ発言次第!

トランプ大統領からNY市場で「中国の貿易赤字は大きすぎてこれ以上容認できない」、そして、「市場終了後に対中貿易関税についてアナウンスする」との報道に、約2000億ドル相当の中国製品に関税を課すとみられており、リスク回避の流れが強まる。

USDJPYは、この報道を受けて終盤にかけては111.80を一時割り込み下落へ。それまでは111.80台から112.10台の狭いレンジで大きな変化は見られず。クロスでの円売り圧力が続いていたがこの報道を契機にクロスでの円売り圧力も弱まり、中国と関連性の高いAUDJPY、NZDJPYで円の買い戻しが強まる。

上海総合が米中貿易摩擦を意識して、2016年1月の人民元ショック後の安値を更新、新興国株の弱さが目立つ中、トランプ大統領の発言もあり米株も弱く、ダウ-92.55(-0.35%)、Nasdaq-114.25(-1.43%)、S&P500-16.18(-0.56%)。

USDCADは、交渉継続中と言われているが、米カナダのNAFTA再交渉でカナダの乳製品保護を死守する動きに結論を出せず。ドル売りの流れの中で、米国市場に入り一時1.3003まで下落するも、1.3000の大台を割り込めず。一日を通じて1.3000~1.3050の狭いレンジの上下変動中で、引き続き今後の交渉の動きを見守る動きへ。

GBPUSDは、アジア市場の1.3060台をボトムに1.3000の大台を維持し欧米市場では、EUと英国のブレグジット交渉で、メイ英首相の「政府案以外で合意せず」との強硬発言が国内的に目立つ中で、バルニエEU首席交渉官は「EU単一市場の整合性が維持できれば英国の合意は可能」とし、懸案の北アイルランド問題でも「離脱後の英国から北アイルランド向けの製品に関してはEUの検査官よりも英国のチェックを認めることを検討」と前向きな動きに、高値を更新し一時1.3160台まで上昇、引き続き高値圏で推移。

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【北米】
WSJ紙16日=中国政府は月内の開催を提案されている米国との通商協議について、トランプ米政権が中国製品に対する追加関税を推進すれば、中国側は米国との貿易協議を拒否する可能性がある

政府高官(15日、ロイター)= トランプ米大統領は約2000億ドルの中国製品に対する追加関税について17日にも発表する公算が大きい→ 米政権は、知的財産権侵害を理由にすでに2回にわたって計500億ドル相当の中国からの輸入品に25%の追加関税を課した。一方的な制裁を認めた米通商法301条に基づく。第3弾をあわせると、追加関税を課すのは中国からのモノの輸入額のほぼ半分となる。トランプ大統領は残る輸入品全てに追加関税を課す可能性も示

WSJ紙=中国はムニューシン米財務長官らとの通商協議の提案を拒否することを検討中。米国が中国製品2000億ドル相当への関税発動を警告する中で、米中間の貿易摩擦の解消を目指す通商協議は開かれない恐れがある

WSJ紙17日=トランプ政権は中国からの輸入品2000億ドル相当に新たな関税を表明する予定で、中国政府は同国で事業展開する米国企業に対する新たな報復措置を検討。輸出制限が中国本土で組み立てられているアップルの「iPhone(アイフォーン)」にも適用される可能性がある

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長=中国が関税などの引き下げに向け真剣な協議を行う準備ができ次第、米政府は中国との通商協議に臨む用意ができている。中国の経済改革は誤った方向に向かっているとし、米政府は近く追加的に2000億ドル相当の中国製品に対する関税措置の発動を発表するとの見方も示した。

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長=向こう1~2年間の米財政赤字はGDP比で約4~5%になるとの見通し

トランプ大統領=習中国国家主席に対しては非常に尊敬の念を抱くが、「貿易赤字は大き過ぎてこれ以上容認できない」→ 円買いの材料へ

トランプ大統領=マーケット終了後に対中貿易関税についてアナウンスする。→ 約2000億ドル相当の中国製品に関税を課すとみられており、 USDJPY111.80を割り込み売り圧力が一時強まる。

ツイッター株価下落=アナリストはコスト面の不透明感があり市場はそれを過少評価、来年はおそらく利益見通しを下方修正する可能性がある。目標株価を21→23ドルに引き上げた。

アマゾン株下落=WSJ紙がデータを漏洩しわいろをもらった疑いで、従業員を調査、納入業者への調査が及ぶ可能性

フリーラドカナダ外相=今週、ライトハイザーUSTR代表と協議を継続

フリーラドカナダ外相=NAFTAの話し合いではカナダの乳製品産業を守る

トルドーカナダ首相=NAFTA再交渉で、カナダ政府は乳製品を保護する国内システムを守る→ 米政府はカナダに対し乳製品の分野での譲歩を要請

【欧州】
IMF(英国経済に関する報告)=英国の無秩序なEU離脱で英国経済の見通しが「大幅に悪化」すると指摘した。
格付け会社S&P(14日)=ポルトガル国債の格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ(強含み)」に修正した。同国の財政赤字縮小が進展している兆しが見られることを理由

クーレECB専務理事=ECBは金融政策を一段と引き締める局面になった場合、企図する金利引き上げペースを明示すべき。

カーン・ロンドン市長(英紙オブザーバーへの寄稿16日)=英国は悪い合意か合意なき離脱のいずれかの可能性に直面、どちらも「極めてリスクが高い」と指摘。国民に新たな発言の機会を与えることが唯一の正しい選択肢。メイ首相は離脱案への支持を得ることができないなら総選挙を実施するのが「分別のある対応」だが、総選挙を行わないなら「交渉結果に対する発言の機会を国民に与えることが次善策だ」

ハモンド財務相(英紙サン15日)=閣僚幹部に対し、議会の承認を得るためにEUからの離脱を来年3月29日以降に延期することが必要になる可能性があるとしたが、メイ首相はこの案を直ちに否定。

バルニエEU首席交渉官=EU単一市場の整合性が維持できれば英国の合意は可能。離脱後の英国から北アイルランド向けの製品に関してはEUの検査官よりも英国のチェックを認めることを検討

メイ英首相=政府の欧州連合(EU)離脱案に反対する与党・保守党議員に対し、政府案以外で合意せずと警告した。→ メイ首相が、下院で合意承認に必要な320票を獲得できるかは不透明だ。

バルニエ首席交渉官=8日、英国を除く加盟国に交渉の進展状況を説明する予定。→ 文書は「離脱合意案の一部は英国とEU交渉官の間で原則合意に達したが、すべての分野で意見が一致するまで合意はない」とし、さらなる交渉が必要な問題として、英領北アイルランドとEU加盟国であるアイルランドの国境問題のほか、合意事項の監視、データ保護や特産品に関する問題を挙げた。

【アジア・その他】
中国株の下落止まらず=米中貿易戦争を懸念し、上海総合は2016年1月の人民元ショック後の安値を更新し、2014年11月以来の低水準へ→ 16年1月の安値(2655)は「国家隊」と呼ばれる政府系資金が買い支えを発動する目安と受け止められてきた。

2018/09/17

2018年9月17日(月曜)アジア・欧州市場の動き

2018年9月17日(月曜)アジア・欧州市場の動き

東京市場が敬老の日で休日の月曜。為替市場はドル売り傾向が続き、特に欧州市場に入りその流れが強まっている。

先週末と16日の報道では、トランプ大統領は「対中制裁関税第3弾の2000億ドルを17日にも発表」との報道に、スワ! リスク回避の動きか? と思割れたが、中国に配慮したと思われるが、税率は10%と当初25%から引き下げられている。

為替相場は、円を除きドル全面安。EURUSDは先週末に強い米経済指標に米金利が上昇しEUR売りが始まった水準1.1690近くまで上昇。GBPUSDは先週末にラーブ英EU離脱担当相が8キーとなる合意は合意に近い」との発言直後に追家1.3143を上な割一時1.3150へと上昇。

USDJPYは、111.85~112.11のレンジで方向感定まらず。AUDUSDとNZDUSDもアジア市場の序盤に一時安値を更新するも逆に反発。欧州市場に入ると買いの動きが強まってる。

上海総合は-29.85(-1.11%)と中国株は総じて下落。欧州株は、イギリス、ドイツ、フランスと株価は弱いが、S&Pはポルトガル国債の格付け見通しをポジティブに上方修正に、ポルトガル株は上昇、イタリア株も強い。米株先物も強さは見られず。

2018/09/16

今週の為替相場を考える(9月17~21日)

今週の為替相場を考える(9月17~21日)

特異な円売り相場は今週どのように変化するのか? 米金利と、米中通商協議(15日のWSJ紙はトランプ氏が中国製品に2000億ドルの新たな関税を発表する予定と報道)、21日予定の日米通商協議の流れ次第ながら、今のところ円買い材料に反応示せず円売りリスクは強い。

直近の為替相場は9月7日から円売りへと変化し先週末のUSDJPYは112円台と終値ベースで7月19日の水準まで逆戻りで、円はクロスでも週末14日を除き全面安へ。

9月7日は、強い米雇用統計とトランプ大統領の対中強硬姿勢による米債利回りが上昇(10年債9月6日2.8731→9月14日2.9959%、2年債2.6330→2.7777%)し株価は安定。そして、米国が日本に貿易問題を警告した日で、ブレグジット交渉でEUが英国に懸案のアイルランド国境問題で擦り寄ってきた日でもある。

この日を境に、円売りが加速し112円台と終値ベースでは7月19日の水準まで上昇し、クロスでも全面安。ポンドは逆にブレグジット交渉でポジティブ材料が多く買い戻され週を通じて上昇、GBPJPYは147円台を一時達成と8月1日の水準まで上昇している。

13日に「米中間で新たな通商協議の再開」との報道に新興国通貨の買い戻しが目立ち、トルコ中銀が予想に政策金利を24%まで引き上げる思い切った通貨防衛策に新興国通貨が安定。AUDUSDとNZDUSDは米金利の影響を強く受けながらもこれらを材料に買い戻しが強まり、14日(金)「トランプ大統領は2000億ドルの中国製品に追加関税措置を進めるように側近に指示(ブルームバーグ)」の報道に上値が重くなるまで上昇傾向を継続できず。

EURUSDは、イタリアが財政規律の順守を示す発言に、イタリア債券利回りは低下しイタリア株が上昇とEUR買いの材料となり、ブレグジット交渉の楽観的な見通しも加わり重しとなっていた1.1650を上抜け一時1.1700の大台を回復するも、他の主要国通貨と同じく米金利の上昇が止まらず、14日(金)「トランプ大統領の対中強硬姿勢の再開」にEURGBPの売りが再開し1.1620台まで値を下げている。

円と同じくリスク回避時に動くCHFは逆に変化しておりUSDJPYの上昇=USDCHFの下落で、CHFJPYは一時116円の大台まで上昇し終値ベースでは2月9日の水準近くまで上昇しており、円相場だけが特殊と言わざるを得ない。

長くなってしまったが、これらを考えるとUSDJPY相場がどこまで上昇するのかを試してみたくなり、GBPUSD相場は19日~20日はEU非公式首脳会議の結果次第で、英国のチェッカーズ案を容認するか? ただし、米国発の貿易戦争による不安材料は残るが上昇圧力を期待したくなる。

また、AUDUSDとNZDUSD、もちろん、USDCNHは当然ながら、ムニューシン財務長官が取りまとめている米中の新たな通商協議が開催でき成功するのか? 逆にトランプ大統領が2000億ドルの中国製品に追加関税を実施するのか? これ次第で積極的に動けず。

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USDJPY予想レンジ(111.50~112.50、米中貿易問題次第で110.50~112.15)

USDJPYは、先週末引け際に無理やり112円台の引け値を狙った気もする。仮に、トランプ氏が中国製品に2000億ドルの新たな関税を実際に発表した場合の市場の反応は円買いに動くリスクもまだ強くのこっている。とくに直近数日ではムニューシン財務長官かららか楽観的は発言もあり、テクニカルでも円ショートのポジションがたまってきているので注意したい。

111.50を割り込むまでは目先の円安ムード変わらず。また、110.50を割り込むまでは中期的な円売りも変わらず。逆に112円台での取引時間が長くなればなるに従い7月の高値113.176を意識した動きになりやすいが、その前に8月1日の高値112.15も強い抵抗がありそう。

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今週の主な材料(9月17~21日)

今週の主な材料(9月17~21日)

ひとまず落ち着きをとりもどしている新興国通貨は、米金利の続伸(米10年債一時3.0%、2年債高値更新し2.78%台へ)に他国との金利差拡大もあり今後も目が離せない。

米国が中国に通商協議の再開を要請し中国が受け入れたと思われている中、先週末はトランプ大統領が「2000億ドルの中国製人に追加関税措置をするように側近に指示」との報道。いったいどうなっているのであろうか? 為替相場にとっては頭痛の種で特に主要通貨では豪ドル相場への影響大。

NAFTA再交渉は、米メキシコの合意に続き、米カナダの2国間協議は8月31日に結論が出せず、先週末にもまだ交渉を続いている状態。米カナダ共に合意を望んではいるとのコメントが目立つが先週末でも結論を出せず今週も話し合いが続くと思われる。カナダドル相場にとっては重要。

18~20日には中国の天津で夏季ダボス会議が開催される。最近はダボス会議発の材料で相場が変動することも稀で、あまり気にはしていないがとりあえず注目。

ブレグジット交渉では、EUが英国に妥協しているのか最近ではEUからポジティブ発言が目立っている。19日~20日はEU非公式首脳会議が予定されており、メイ英氏がこの席で7月に首相の別荘「チェッカーズ」でまとめたEU離脱案を議論する最初の場になると思われている。どうなることうらポンド相場にとっては重要。

9月21日と言われていた日米通商協議の2回目の会合はどうなるのだろうか?(確定との報道は確認できず)。茂木経済財政相とライトハイザーUSTR代表が協議すると思われている。1回目の会合では突っ込んだ話し合いがなかったことを考えれば、2回目は重要では?円相場にとっては重要。

9月20日投開票の自民党総裁選は、安倍氏が圧勝で国内での盛り上がり・サプライズ期待度は今一つながら、石破氏の得票率とどの程度差がつくのか? 先週末に安倍氏が「異次元の金融緩和をずっとやってよいとは思わない」との発言もあり、大きな政策転換は期待していないがひとまず注目したい。

さて、今週の経済指標、金融政策、発言で特に重要と思われるものは以下の通りで、早期利上げ期待が遠のいているが英CPIを注目、南ア中銀の金融政策は据え置き予想ながらトルコ中銀に続きサプライズがあるのか? NZGDPは前年比予想が弱いが薄商いのアジア市場の早朝の発表だけにどちらに、強弱どちらに転んでも初動のインパクトは大きい。カナダCPIは予想数字が手に入らないがNAFTA再交渉の影響が大きいので一方向に動きにくいと思われるが、仮に結果が出た後の発表となればインパクトが大きいと思われる。

9/17(月)
ユーロ圏CPI、米NY連銀製造業契機指数

9/18(火)
豪中銀議事録

9/19(水)
日通関ベース貿易収支、日銀金融政策決定会合、黒田日銀総裁記者会見、英CPI・小売物価指数、米住宅着工件数、ドラギECB総裁発言

9/20(木)
南ア中銀金融政策、NZGDP、スイス中銀金融政策、英小売売上高、米新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数、米景気先行指数、米中古住宅販売、ユーロ圏消費者信頼感指数

9/21(金)
日本CPI、仏GDP、ユーロ圏各種PMI、カナダCPI、カナダ小売売上高、米PMI。


詳しくは別表をご覧ください

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最新のIMMポジションから見えること




最新のIMMポジションから見えること

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の公表日は毎週火曜日で、週末とは3日間のずれがあります。そのため、短期的な動きを捉えることはできませんが、市場全体の流れを判断するには十分ではないでしょうか?

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の9月11日集計日では、投機的ポジションは前週からの変化は乏しいものの、ネットで大幅なショートを維持しており、「ユーロ」以外ではドルの強気センチメントに変わりありません。

ネット合計は-233,146コントラクトと前週の-249,208から小幅ですが売り越し額が減少しています。直近では3週連続で小幅ですがショートが減少していますが、今年に入ってからの平均-27,937コントラクトであることを考えると、最近の米金利の上昇もあり強いドル高思考に変化はないと考えます。


【円】前週-51,932→-53,886(-1,954)
3月27日の週に70週続いた円のネット・ショートポジションが終わってからの円相場は、ポジションを見ると強弱が混在していましたが、直近は2週連続ショートが拡大し、6月19日以来13週連続でネットのショートが続き円の先安感が続いています。

【ユーロ】前週7,963→11,170(3,207)
唯一ネット・ロングを維持。67週間続いたユーロ・ロングが8月14日の週に終了し、本格的なユーロ売りに入ったと思われましたが、それも3週間で終わり過去2週は逆にロングへと変化しており現時点では唯一ドルに対して強気な優等生。

【ポンド】前週-69,613→-61,179(8,434)
ブレグジット期日を来年3月に控えたリスクヘッジに6月19日から13週連続でネット・ショートが続いています。ただ、英国とEUの交渉の変化もあり、過去2週間は前日比で小幅ながらロングが増加しており今後のブレグジット交渉次第ですが、注意が必要な通貨と考えます。

【カナダドル】前週-26,307→-26,942(-635)
3月27日以来25週連続でショートが続き、直近でもNAFTA再交渉の合意が見られず2週連続で小幅ながらショートが拡大しています。ただ、原油価格も上昇し全体のショートの金額は少なく極端に弱気とも言いにくい状況で、NAFTA再交渉次第で変化の期待を持てそうです。

【豪ドル】前週-44,031→-44,312(-281)
4月3日以来、24週連続でショートが続き、前週も小幅ながらショートが拡大しています。米中貿易戦争の行方と米国との金利差が大きなカギを握っていることは間違いなく、このネガティブ材料が解消できるかがポイントになりそうです。


詳細はデータをご覧ください

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2018/09/15

2018年9月15日(土曜)14日の為替相場を振り返ると!

2018年9月15日(土曜)14日の為替相場を振り返ると!

米株は上下変動から小幅上昇、米金利は米10年債3.0%の大台へと上昇し、ドルは全面高! 米小売・ミシガンセンチメントもドル買いをフォローし、対中追関税を求めるトランプ氏発言も「金利上昇=ドル買い」の材料へ。

21:30時  米小売売上高は弱く直後はドル売り→前回分が上方修正され結局はドル買いの評価にドル上昇(含む新興国通貨)

23:00時  ミシガン大学消費者信頼感は強く米株高+米金利上昇にドル買いへ。

25:00時頃、トランプ大統領「2000億ドルの中国製品に追加関税措置を進めるように側近に指示」→米金利は高止まり、米株は一時マイナス圏へと下落、一時USDJPYは112.10→111.87へ下落(後に112円台を回復)、主要通貨ではドル買いの流れが続き、関連性の高いAUDUSDは0.7150台まで下落、USDCNHも一時6.8820台まで上昇。

GBPUSDに限定すると、欧州時間では英労働党は英国のEU離脱に反対を表明(FT紙)に、GBPUSD1.3120台→1.3080へ下落。そして、ラーブ英EU離脱担当相=キーとなる上限は合意に近い→ GBPUSD1.3140台へ上昇と、相変わらずブレグジットネタに上下変動し、強い米小売とミシガンセンチメントを受け下落し、トランプ発言で1.3050台まで続落して終了。

USDJPYは欧州市場までは、日本の3連休前のポジション調整の円買いもあり、短期テクニカルでも上値の思い流れとなっていたが、111.80割れの買い意欲は健在で111.50近辺のドル買いは多い。強い米小売とミシガンセンチメントを受け112.17まで続伸。トランプ発言にリスク回避行動に111.87まで急落するも、米金利の上昇+安定した米株に112円台を回復。

米株は上下しながら結局は前日比小幅な変化にとどまる。ダウ+8.68(+0.03%)、Nasdaq-3.67(-0.05%)、S&P500+0.80(+0.03%)。

米10年債利回りは3.001%と3.0%の大台達成し一時3.004%まで上昇。2年債は2.79%と2.8%直前まで上昇。

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21:30    USD 8月 小売売上高=前月比0.1%(予想0.4% 前回0.5→0.7%)、除く自動車前月比0.3%(予想0.6% 前回0.6→0.9%)→ 予想を下回るも、前回分が上方修正されたことでドル売りから逆にドル買いへと動く

21:30    USD 8月 輸入物価指数=前月比-0.6%(予想-0.2% 前回0.0→-0.1%)、前年比3.7%(予想4.1% 前回4.8→4.9%)→ 予想外にマイナス幅が拡大

22:15    USD 8月 鉱工業生産指数=前月比0.4%(予想0.3% 前回0.1→0.4%)、設備稼働率=予想78.1%(78.2% 前回78.1→77.9%)→ 鉱工業生産は予想を上回り、設備稼働率は逆に弱く前回分も下方修正へ

23:00    USD 9月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=100.8(予想96.6 前回96.2)→ 予想を上回る

23:00    USD 7月 企業在庫=前月比0.6%(予想0.6% 前回0.1%)→予想通りながら前回分から増加へ


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2018/09/14

2018年9月14日、週末金曜日の夕方までの動き。

2018年9月14日、週末金曜日の夕方までの動き。

日本株は続伸し、中国株は伸び悩み気味で、為替相場は緩やかなドル売りの流れ変わらず。EURUSDは1.17台へ、GBPUSDは1.31台へ、AUDUSDは0.72台へ上昇、USDCADは1.300割れへ。そして、USDJPYは112円台を定着できず、安倍首相発言に上値は重く、そして、下値も堅い、いつもの相場へ。

昨日のトルコ中銀の強権を発揮した大幅利上げと、予想を下回る米CPIにスタートしたドル売りと円売りの流れをアジア市場は継続中。USDJPYは大意がないと思われる安倍首相の「異次元の金融緩和をずっとやってよいとは思わない」発言に、112円台を定着できず上値の重い流れの中で 111.97→111.80台へ下落。今のところ111.80以下の買い=112円の売りのサンドイッチ状態。

新興国通貨ではTRYとZARは続伸するも、ARSは弱く、CNHは米国が貿易交渉で中国にすり寄る動きに反して、トランプ氏からの対中強硬発に人民元も強さがみられず。

GBPUSDは、英国とEUのブレグジット交渉で何らかの合意に達する可能性を示唆する発言が目立っており、英保守党内の対立が収まればその流れが強まる可能性に底堅くもある。いずれにしてもブレグジット関連のタカ派・ハト派発言に上下変動する動きは変わらず。


2018年9月14日(金曜)13日の為替相場を振り返ると!

2018年9月14日(金曜)13日の為替相場を振り返ると!

弱い米CPIを受けたドル全面安と、ブレグジットリスクの後退。そして、トルコ中銀の必至の通貨防衛を評価した新興国通貨全面高、その中で、株価は堅調に推移し、リスク選好パターンながら、スイスフランは強く、円は単独要因で売り圧力が続いていることになる。一時下落した米債利回りも持ち直し米金利の上昇圧力は変わらず。

昨日の流れを時系列的に見てみたい。

18:00時 エルドアン・トルコ大統領(トルコ中銀の発表前に)「高い金利を下げる必要がある」→ USDTRY一時6.3605→6.5490まで急伸、TRYJPY一時17.48→16.94まで下落。

20:00時  トルコ中銀、サプライズの政策金利をいっきに+6.25%(予想+3.25%)引き上げ17.75→24.00%に決定に、USDTRYは6.4台→6.01台まで急落、TRYJPYも17.20台→18.49まで急伸。

20:00時  BOEは期待感が乏しい中、予想通り金融政策を据え置き、第3四半期の経済成長率予想を0.4→0.5%へ上方修正するも、1.3034~1.3068のレンジで上下。

20:45時 ECBは期待感が乏しい中、予想通り金融政策を据え置き、資産買い入れを12月に終了へ。大枠1.1620~35のレンジで動けず。

21:30時 ドラギ総裁の記者会見では「保護主義の台頭」、「成長見通しの下方修正」、「直面するリスクは均衡」、スタッフ予想は、成長見通しを引き下げ、インフレ見通しを据え置くも、同時発表のCPIが主テーマで、ドラギ総裁の記者会見はからの反応は不確実。

21:30時 米CPIは予想を下回る。前年比2.7%(予想2.8% 前回2.9%)、コア前年比2.2%(予想2.4% 前回2.4%)。米金利は低下し、米株は底堅く推移し、ドル全面安。新興国通貨も続伸しドル売りが加速し、リスクセンチメントが改善し株価は上昇。ただし、USDCHFは続落傾向で変わらずJPYだけが別物。

USDJPYは米CPI直後の111.30台をボトムに上昇し、クロスでも全面安! リスク回避の巻き戻しというより、単独の円売り圧力の流れがで、11:00時のオプションカットから円売りが加速し全面安。USDJPYは112円の大台直前となる111.96まで続伸。米国市場の終盤にかけては112円まで上昇し、下げ幅は限定的。

EURUSDは直米CPIに反応! 1.1610台→1.1670台へ、米金利の低下に8月30日来の高値となる1.17台を達成し1.1701まで上昇。さすがに1.17台では売り圧力が強く、米金利も持ち直し1.1680台まで値を下げるも引き続き高値圏で推移。

GBPUSDはブレグジットに関する材料を意識しながらも、米CPI直後は1.3040台→1.3090台へ上昇。ドル全面安の流れの影響や、「EU離脱交渉を巡り英国が英領北アイルランドとの物流動向に関するより詳細なデータを提出」するなど楽観的な見通しの中で1.3120台へ上昇。米金利も持ち直し大枠1.3080~20のレンジで推移。

2018/09/13

2018年9月13日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月13日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動き

BOE、トルコ中銀、ECB,そして、米CPIの結果待ちで、動けず。 注目はトルコ中銀の利上げ幅と、米CPIの数字! 最近の動きやポジションを考えれば、ポジティブよりネガティブの反応が強そう!

アジア市場は、日経平均株価が216.71(+0.96%)上昇した割に円売りは鈍く、今のところ111.50の売りに上値を抑えられている。 

USDJPYは前日比終値比の+0.19%の変動と上昇し、強い雇用統計に上昇しているAUDUSDの+0.19%と同じ偶然にも同水準の変動率(AUD上昇+JPY下落)となっている。

結果、AUDJPYは79.69→一時80.22まで上昇し、80円の大台を維持しており、17:00現在では0.4%の上昇と、動かないアジア・欧州市場の序盤では、それでも動きが目立つ。

さて、USDJPYは、印象としては底堅い。110.50をボトムに上昇傾向が続き、今は111.00がボトムとなり、111.50がひとまず上値が重く抑えられているが、いつ上昇するのか気がかりでもある。

古くて新しいが、先週の米雇用統計から続く米金利の上昇が要因の一つでもあるが、米中間の貿易問題が解決できず続くなかでも、CHFとことなり安全資産としてのJPY買いの反応は見られない。

ましてや、米国が中国と貿易問題で対話を望んでいることが明らかになった今、今後どのように変化するのだろうか? ランプ大統領の口先の変化で一変するかもしれないが、現状では円にとってはマイナス方向にある。

リスクとしては、日米通帳協議が失敗し円高の動きが強まることだが、当事国として逆のリスクも存在していることも忘れてはならない。


アジア市場の昼過ぎまでの相場をみて思うこと

アジア市場の昼過ぎまでの相場をみて思うこと

さすがの強気のトランプ氏も側近のアドバイスを受けてなのか、対中追加関税で早期結論を出せずにいる。

米中貿易戦争は中国経済へ悪影響と同時に、中国および在上海の米商工会議所調査では中国に進出している米企業も業績の悪化も鮮明に。

昨日は米財務長官が中国に書簡を送り2国間協議で話し合いを提案したことで、「リスク回避+株高+ドル売り」に変化し、今日のアジア市場に引き継がれている。(上海総合が弱いのが気がかり!)

いずれにしても棚上げしている追加関税第3弾の2000億ドルの実施が宙に浮いた状態がどう変化するのか? 日米通商協議も9月21日に再開されその前の思惑に円相場も影響を受けることだろう。

アジア市場のUSDJPYは最近恒例気味で09:00時にUSDJPYが上昇し、仲値に前後に一旦円安のピークを付ける流れが続いている。

今日は10:30時の強い豪雇用統計にAUDUSDが上昇し、AUDJPYが買われた影響もありピークは現時点で10:30時となっているが、実需筋のドル買いの影響と考えやすい。

この、円ベアセンチメントも昨日の海外市場では円ショートの巻き戻しに遭遇と、ちょっとややっこしいが、予想外に底値も限定的。

今日の欧米市場はスーパー・サーズデー。 独CPIから始まり、BOE金融政策委員会、ECB理事会・総裁記者会見、米CPIと、それぞれで相場変動が高いイベントが控えている。
BOEとECBは、何も起こらないことを期待しているが、米CPIは特に注意が必要。前回の強い米雇用統計に米金利が上昇しドル買いへと動いた流れが加速するのか? それとも逆回転するのか? 

残念ながら出てみないとわからない!


2018年9月13日(木曜)昨日12日、海外市場の動き

2018年9月13日(木曜)昨日12日、海外市場の動き

欧州市場の小動きから、米国市場は弱い米PPIや米中間で新たな貿易協開催との報道もあり、リスク回避の流れが弱まりドル売りへと動く。

その影響に、USDZAR、USDTRY、USDCNHなど新興国通貨でのドル売が強まり、主要通貨ではAUDUSDは0.7180台へ急伸、NZDUSDもドル売りへと動く。USDCADは米カナダNAFTA再交渉で前日の楽観的なトランプ氏の発言に続きメキシコ経財相から「貿易合意の確率は高い」とも発言もあり1.30の大台を割り込む。

EURUSDは、イタリアの政局不安が否定され1.16の大台乗せと動くも1.1650台を超えられず、この水準をクリアできるかを注目。GBPUSDは欧州市場の安値1.2980からEUがアイルランド国境問題で妥協する可能性との報道に一時1.3080台まで上昇するなど相変わらずブレグジットを巡る材料で動いている。そして、USDJPYも一時111.12へと円高傾向へ。

米株は小幅ながら強弱混在で、ダウ+27.86(+0.11%)、Nasdaq-18.24(-0.23%)、S&P500+1.03(+0.04%)。米10年債利回りは2.966%と小幅低下、2年債は2.744%で前日と変わらず。

市場参加者が注目する米中貿易摩擦で、2000億ドルの対中制裁関税第3弾の発動の有無が注目される中、WSJ紙は米中通商協議、近く再開へと報道。追加関税発動前に新たな二国間貿易について話し合う新たな会合を提案とあり、「中国政府が米政権の懸念に対応する機会を与える狙い」ともある。いずれにしても、新たな展開への反応は株価では鈍く米債でも鈍く、為替相場はドル売りへと反応しているが、今後の展開次第では上下どちらの方向にでも動きやすい。

米カナダのNAFTA再交渉も継続中で、米カナダNAFTA再交渉はワシントンで協議を継続中。前日にはカナダが国内酪農市場への限定的なアクセスを米国側に認める用意があることを表明している。前日のトランプ大統領から「カナダとの通商協議は順調、カナダは合意したいと考えているはず」との報道に続き、今日もメキシコ経財相が「米・カナダ間の貿易合意は高い確率」との報道に、欧州市場の1.3078をピークに1.30を割り込み一時1.2981へとカナダドル高の流れが続いている。


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21:30    USD 8月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想0.2% 前回0.0%)、前年比2.8%(予想3.2% 前回3.3%)、コア前月比予想-0.1%(0.2% 前回0.1%)、コア前年比2.3%(予想2.7% 前回2.7%)→ 予想外に弱くドル売りへと動く

21:30    CAD 第2四半期 設備稼働率=85.5%(予想86.9% 前回86.1→83.7%)→ 予想を下回る

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【北米】
米カナダNAFTA再交渉はワシントンで協議を継続中=前日にカナダは国内酪農市場への限定的なアクセスを米国側に認める用意があることを表明している。

メキシコ経財相=米・カナダ間の貿易合意は「高い確率」

ブレイナードFRB理事=借り入れコストの上昇に、今後1~2年の間に金利を2.9%以上に引き上げることが可能。イールドカーブの逆転は近々に起こりえり、景気後退リスクを高めるかもしれない。インフレが急騰することはあり得ない。

関係者の話(WSJ紙)=米中通商協議、近く再開へ。米、中国に追加関税発動前に新たな貿易協議開催を提案。スティーブン・ムニューシン財務長官を中心とする複数の政権高官は先日、中国の劉鶴副首相が率いる交渉担当らに書簡を送り、二国間貿易について話し合う新たな会合を提案。トランプ政権が中国からの輸入品に対する追加関税を発動する前に、中国政府が米政権の懸念に対応する機会を与える狙い。

トランプ関税反対、米業界が共同キャンペーン(WSJ紙)=小売り、おもちゃメーカー、農業、ハイテクなどの全米数千社が加盟する各業界団体は12日、輸入関税に反対するロビー活動「Tariffs Hurt the Heartland」(ハートランドを苦しめる関税)を共同で展開する計画を発表する。

ベージュブック=国際貿易問題を巡る懸念から一部国内企業が投資を縮小し先送りしたとの認識。

【欧州】
離脱派議員のグループを率いるジェイコブ・リースモグ議員=英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間にハードボーダー(厳格な国境管理)を導入することなく英国がEUを離脱するための案を12日に明らかにする

メイ英首相(ブルームバーグ)=来週行われる欧州連合(EU)非公式首脳会合が英国のEU離脱交渉の「中継地点(staging post)」になると考えている。報道官はメイ氏が非公式会合に出席するため19日にザルツブルクを訪問し、7月に首相の別荘「チェッカーズ」でまとめたEU離脱案を議論する最初の場になると説明した。
ユンケル欧州委員会委員長(欧州議会)=ブレグジット後の英国との緊密な貿易・安全保障関係を築くことを表明するも、ブレグジットの主要条件で譲歩せずと言明。
カーニー・BOE総裁=歴史は誰も次の金融危機の可能性を否定できないことを示している。

EUはアイルランド国境に関する離脱協定案を見直す可能性(ブルームバーグ)→ GBPUSDは一時1.3080まで上昇。

EU高官=ユンケル欧州委員会委員長=12日に欧州議会で行う一般教書演説で、ドルに代わるグローバル通貨として、国際金融におけるユーロの役割を拡大していくよう呼び掛ける予定。エネルギー輸入価格の大半がドル建てとなっていることなどを懸念。

イタリア五つ星運動の当局者(ANSA通信)=100億ユーロ調達が失敗なら財務省に辞任を要求へ。最低所得補償の予算が確保できなければ、トリア財務相に辞任を求める→ EUR売りが強まるが、五つ星運動の当局者から否定にEUR買へと変化。

【アジア・その他】
安倍首相=習中国国家主席と会談し、10月に日中首脳会議を開催すること、朝鮮半島の非核化を共通目標とすることを確認

日米通商協議21日に2回目の会合で調整=茂木経済財政相とライトハイザーUSTR代表による日米通商協議(FFR)第2回会合が、9月21日を軸に開催される方向で調整

プーチン・ロシア大統領=ウラジオストクの経済フォーラムの質疑応答で安倍首相に、年末までに平和条約を締結することを提案。「何ら前提条件なしに、年末までに平和条約を締結しよう」と述べたが、安倍首相は答えず。


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2018/09/12

2018年9月12日(水曜)アジア・欧州市場で考えること

2018年9月12日(水曜)アジア・欧州市場で考えること


目の前の動きは、引き続きドル高! 日本株小幅安、中国株小幅安で、USDCNH、USDZARと昨日ドル安基調を回復中。

米金利は2年債が2.74%へ上昇、10年債も2.97%近くへと上昇。9月3日のレーバーデー当時は、2.62%、2.84%だったことを考えれば米金利の上昇が目立っている。

特に9月7日の強い米雇用統計後の上昇率は高く、ブレグジット合意期待の影響から強いポンドと、NAFTA交渉妥協が期待されるカナダドルを除き、特に米中貿易摩擦の悪影響を受けている、豪ドルとNZドルの下げは止まらず。

ドル円は、8月23日から続く110.50~111.50のコアレンジを抜け出せないでいる。米金利の上昇の影響(円安)、対、米中貿易問題のリスク+21日の日米通商協議(円高プレッシャー)を考えるこの動きもやむを得ず。

ただし、実感としてはスイスフランがリスクヘッジ通貨として何とか有効基準を保っている反面、円は別行動の動きとなっていることで、直近では110.50の壁を上抜けてからの下げ幅は限定的で、株安円の反応も鈍いことが気になってしまう、今日この頃。はやり米金利上昇の影響なのか?

一方のEURUSDは、せっかく1.1500でボトム感が強まるも1.1650台越えタフなのか、イタリア予算がポジティブ方向に動いているが買いも長続きできず。これで、1.1500でも割り込んでしまったらサプライズ。

GBPUSDは、ブレグジット関連のコメントが出る度に上下変動しては短期の投機筋は値が動くことはハッピーながら、損切、利食いに忙しいことであろう。

英議会(9月4日~13日)、EU非公式首脳会議(9月20日)、労働党大会(9月23~26日)、保守党退会(9月30~10月3日)、欧州理事会(10月18日)そして、仮にEU英国がブレグジット合意に達しても英議会が承認しなければ苦労も水の泡。メイ首相の保守党は過半数に届かず連立中、さらに、保守党内の分裂もあり、今後どうなることやら? 上下いずれの方向かは別として、まだまだポンドの上下変動は止まりそうにない。





ブレグジット!

 ブレグジット!

昨日もブレグジットに関して発言でポンド相場が急変動していましたが、今後のブレグジットの交渉でポンド相場が動くことは間違いありません。

10日にバルニエEU首席交渉官が「第1段階の交渉が6~8週間で合意に達する可能性がある」と発言、11日にはハモンド英財務相=「ブレグジット交渉で、6~8週間以来に合意が得られる可能性」と同じく発言しており、単純に考えれば、10月15日の週、または、10月29日の週にあたる。

となると、9月30日~10月3日の党大会で分裂することなく、統一意見をまとめることができるか? EUと合意ができたとしても、英議会での承認が必要で、下院定数650議席のうち、保守党は316議席で過半数に届かず、現況では、北アイルランドの民主統一党(DUP)の協力を頼みにしているともいわれており、保守党内で分裂気味の現状で、党大会の結果も非常に重要になっている。

10月18日の欧州理事会当たりが重要になってくる可能性も。


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ちょっと古いのですがNewsweekの抜粋です。

メイ英首相が欧州連合(EU)離脱交渉に合意し、内部で意見が割れている与党・保守党に合意案支持を訴え、議会で承認を得るまでに残された期間は8カ月を切った。来年3月のブレグジット(EU離脱)期限までに予定される重要イベントの日程は次の通り。


<英議会再開 9月4─13日>
英議会が夏休みを終えて審議を再開する。保守党は、メイ氏が示した最新のブレグジット計画が2016年の国民投票に向けた運動に行った約束に違反していると主張する一部党員の声を傾聴することになるだろう。

メイ政権は、ブレグジット前に移民問題から漁業政策までありとあらゆる関連法案を可決しなければならない。前会期では、保守党内のブレグジット推進派と親EU派双方から一部に造反者が出て、7月の貿易・関税に関する法案の採決はかろうじて可決にこぎ着けた。

<EU首脳会議 9月20日> 
メイ氏はオーストリアで開かれるEUの非公式首脳会議でブレグジット問題を話し合う。この夏、加盟各国に閣僚を派遣して自身の計画を説明した成果があるかどうか、そして合意が可能になるかどうかを判断する手掛かりが得られそうだ。

<労働党大会 9月23─26日>
最有力野党の労働党は、ブレグジットの形によっては一定の役割を果たす可能性がある。メイ氏が保守党内で十分な支持を得られなければ、労働党のコービン党首にブレグジット計画の議会可決で協力を要請してもおかしくない。

コービン氏のチームは、メイ氏の計画は労働党が設定した好ましいブレグジットの要件を満たしていないと話している。ただ労働党も内部の足並みはそろっておらず、この大会で親EU派が指導部に態度を和らげるよう迫る可能性がある。

<保守党大会 9月30─10月3日>
保守党大会は白熱した雰囲気になるケースがしばしば見られる。昨年は、メイ氏が演説の途中で声が出なくなる失態を演じ、会場に闖入した男性から「離職証明書」を手渡されるハプニングにも見舞われ、収拾がつかなくなった。

今年はメイ氏の政敵たちが一般党員に自らをアピールする機会として利用することで、ブレグジット計画を巡って緊迫した状況になる公算が大きい。

メイ氏は、10月に目指すEUとの合意内容がどうなろうと支持してほしいと強く訴えかけるだろう。


<欧州理事会 10月18日>
メイ氏は、EU首脳および欧州委員会と会談し、離脱条件ならびに将来の関係に関する取り決めに調印したい考えだ。

この取り決めには当然、通商問題や北アイルランドの国境管理厳格化を防ぐための対策が含まれるはずだ。これらは現在英国とEUの意見が最も対立している分野で、メイ政権が合意なしの離脱にも備える原因となっている。

英国とEUは引き続き10月の合意に向けて動いているが、交渉期限を12月まで延長して双方が新たな取り決めを受け入れる余裕を持たせる可能性もある。欧州理事会は12月13─14日にも開催する。

<英議会のブレグジット合意承認投票 時期未定>
メイ氏がEUと合意にこぎ着けたとしても、英議会で承認を得なければならない。下院定数650議席のうち保守党が有するのは316議席にとどまり、政権運営は北アイルランドの民主統一党(DUP)の協力を頼みにしている。

承認獲得に向けてメイ氏に求められているのは、保守党内に存在する強硬離脱派とEUとの親密な関係維持を望む人々の意見対立を克服することだ。それができなければ労働党の支持を当てにするしかない。ただしいずれの道も先行きは不確実性に満ちている。

議会が承認しない場合、保守党内からメイ氏の辞任要求や倒閣運動が起こり、前倒しの総選挙が実施される事態もあり得る。

<2019年3月29日>
英国のEU離脱がスタート

<2021年1月>
移行期間終了、


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2018年9月12日(水曜)昨日11日、海外市場の動き

2018年9月12日(水曜)昨日11日、海外市場の動き

米株は上昇、欧州も含め米金利も上昇し、原油価格も上昇し、円は全面安。

ドルは強さを維持するも、アジア市場で上昇→欧州市場はブレグジット交渉をめぐるポンド買い主導に下落→米国市場で米金利の上昇にやや持ち直し、終盤にはNAFTA再交渉をめぐるトランプ氏の発言にカナダドル買い主導にドル売りが再開。

欧州市場は、ブレグジットをめぐる発言にGBPUSDは乱高下、GBPJPYやEURGBPもその影響に上下変動。EURUSDや他の主要通貨もその影響をうけている。

GBPUSDは、欧州市場の序盤に、前日のバルニエEU主席交渉官のブレグジット合意進展期待の継続に一時1.3087まで急伸。英雇用統計は強い平均賃金に1.3082まで上昇するも、強いEURGBP買い需要を引き金にGBP売りが強まり1.2989まで急落。

米国市場に入ると、英紙が「英当局はEUの前向きな声明を誤解している」、「英国はEUがレッドラインを変更すると期待しているが起こらない」との報道に→ GBPUSDは一時1.2965まで下落するも、アイルランド首相が「数週間のうちにブレグジット交渉合意の可能性」との発言を受け1.3040台へ急伸。買いも継続できず1.2975まで下落しようやくGBP売りも収まり1.3010台での推移から、USDCADでのドル売りの影響に1.3040近くまで上昇中。

ただし、ハモンド英財務相は「ブレグジット交渉で、6~8週間以来に合意が得られる可能性」と前日のバルニエ氏と同じ発言もあり、一部報道で「英国とEUはブレグジット合意で金融首脳会談を計画」との報道もありGBPの動きから目が離せず。

USDCADは、米国とカナダのNAFTA再交渉の2国間協議が継続する中、結論が出るまでは動きにくい展開が続きいていた。フリーランド・カナダ外相は「NAFTA再交渉で米国との2国間協議は建設的で協議を継続」との報道もあり上値が重く、欧州市場の序盤につけた1.3170台を高値に米国市場の終盤には1.3120台まで下落。トランプ大統領から「カナダとの通商協議は順調、カナダは合意したいと考えているはず」との発言をうけカナダドル買いが強まり、1.3040台まで急落し、他の主要通貨でドル売りへの反応としてリード。

USDJPYは、一日を通じて円売りの流れを継続。欧州市場ではGBPJPYの影響を強く受け111.28まで下落するも売りも限定的で、これをボトムに下げ止まり、米国市場に入ると米株の持ち直しから反発と米金利の上昇を受け111.60台へ上昇。クロスでも円売りが目立ち、リスク回避通貨のスイスフランが上昇する中、円売り傾向が目立っている。


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【北米】
米3年債入札=最高落札利回りは2.821%で2007年来の高水準

フリーランド・カナダ外相=NAFTA再交渉で米国との2国間協議は建設的で協議を継続。

トランプ大統領=カナダとの通商協議は順調、カナダは合意したいと考えているはず→ この発言をうけカナダドル買いが強まる。

【欧州】
米国市場に入ると、英イングニングスタンダード紙が「英当局はEUの前向きな声明を誤解している」、「英国はEUがレッドラインを変更すると期待しているが起こらない」との報道に→ GBPUSDは一時1.2965まで下落から、アイルランド首相が「数週間のうちにブレグジット交渉合意の可能性」との発言を受け1.3040台へ急伸。買いも継続できず1.2975まで下落しようやくGBP売りも収まり1.3010台で推移。

GBP乱高下=欧州市場の序盤には、前日のバルニエEU主席交渉官のブレグジット合意進展期待の継続に一時1.3087まで急伸。英雇用統計は強い平均賃金に1.3082まで上昇するも、強いEURGBP買い需要を引き金にGBP売りが強まり1.2989まで急落。

ハモンド英財務相=「ブレグジット交渉で、6~8週間以来に合意が得られる可能性」。ただし離脱後のEUとの関係を定義付ける詳細な法的文書の策定には十分な時間がない可能性がある。カーニーBOE総裁の任期を2020年1月まで延長する。

一部通信社=英国とEUはブレグジット合意で緊急首脳会談を計画しているようだ

カーニーBOE総裁=2020年1月まで総裁の任期を延長することを承認。任期の延長はうれしく思う、できることは何でもやる。

アイルランド政府=米国側は日程上の問題が生じたとして、トランプ大統領の11月(11月11日の第1次大戦収束記念日の式典に出席の際)訪問中止を発表、

ヨクニック・スウェーデン中銀第1副総裁=インフレが見通し通りならば利上げの予定、12月か来年2月に利上げをするだろう。政策の正常化のポイントに近づいている。

【アジア・その他】
中国=米国のダンピング違法行為をめぐり、米国への報復の許可をWTOに要請。


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2018/09/11

2018年9月11日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

2018年9月11日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

ポンドは瞬間変動の相場へ。

為替相場はアジア市場のドル売りから、欧州市場はドル買いと変化。米国市場の序盤はドル売りの流れを維持。

GBPUSDは乱高下気味で、アジア市場の1.3020台をボトムに欧州市場の序盤に一時1.3087まで続伸。英雇用統計は強い平均賃金を受け1.3082まで再上昇から、材料は不明ながら1.2989まで瞬間急落し1.3040台へ値を戻すも上値の重い流れが続いた。

英イングニングスタンダード紙が「英当局はEUの前向きな声明を誤解している」との報道に一時1.2965まで瞬間下落から1.3040台まで瞬間上昇と、主要通貨では珍しく値が飛ぶ動きとなっている。

USDJPYは脇役ながら、アジア市場の急伸の影響に底堅い動きが続いている。欧州市場は序盤につけた111.57を高値に、欧州株も弱く、GBPJPYやEURJPYの売りもあり111.28まで下落。米国市場に入り米債利回りは上昇、米株も下げ幅を縮小し逆にプラス圏へ上昇し111.50台を回復し上昇中。

EURUSDは、GBPUSDの影響が強く連動性を高める中、欧州市場に入り1.1644→1.1565まで下落し、昨日NY市場の終値近辺となる1.1590台で推移。

欧州株は弱く、米株も下げ幅を縮小し逆にプラス圏へ上昇し、米10年債利回りは2.962%と上昇。

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GBP 8月 雇用統計:失業率=2.6%(予想 前回2.5%)、新規失業保険申請件数=前月比0.87万件(予想1万件 前回0.62→1.02万件)、ILO失業率=4.0%(予想4.0% 前回4.0%)、平均賃金=3か月前月比2.6%(予想2.4% 前回2.4%)、平均賃金(除くボーナス)=3か月前月比2.9%(予想2.8% 前回2.7%)→ 平均賃金が予想を上回る

GER 9月 ZEW景況感指数=-10.6(予想-13.0 前回-13.7)→ 予想より赤字額が縮小へ

EUR 9月 ZEW景況感指数=-7.2(予想-10.9 前回-11.1)→ 予想より赤字額が縮小へ

CAD 8月 住宅着工件数=20.1万件(予想21.63万件 前回20.63→20.58万件)

USD 7月 卸売在庫・確報値=前月比0.6%(予想0.7% 前回0.7%)→ 予想を下回る

USD 7月 JOLT労働調査(求人件数)=693.9万人(予想668万人 前回666.2→682.2万人)

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2018年9月11日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月11日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

昨日から続く、ポンドがリードするドル買いに主要通貨高(ドル安)と円売りの流れは止まらず。新興国通貨ではZARの買い戻しが目立ち、TRYやMXNも買い戻しが続いており、欧州市場の注目は17:30時の英雇用統計へ。

日経平均株価は+291.60(+1.30%)の上昇へ、中国株は弱く上海総合は-8.33(-0.34%)と小幅安となっている。CNHは東京市場の午前中に一時6.8831までと2週間ぶりの安値を付けるも前日NY終値水準となる6.8680まで下落している。

USDJPYは、早朝の111.06台をボトムに午前9時から買いがスタート。円売りのタイミングとしては昨日来のGBPJPYの上昇によるが、リスク回避通貨のCHFも弱く、楽観的に傾きつつあるブレグジット交渉に円売りが強まり、午前10時の仲値前から実需の買い+ルネサスが7330億円で米社を買収との報道も加わり111.48まで上昇。111.50の売りが厚いのか上抜けには至っていないが、111.34をボトムに底堅い動きが続いている。

EURUSDも、10日の安値1.1526を安値に1.1500がボトムなのか?今日はアジア市場の1.1578をボトムに、昨日の高値1.1616を上回り1.1630台へ上昇。EURGBPは0.8890台をボトムに0.8910台へ上昇中で上昇幅はUSDGBPより大きくなっている。

2018年9月11日(火曜)昨日11日、海外市場の動き

2018年9月11日(火曜)昨日11日、海外市場の動き

主役はポンドでバルニエ発言に急伸し全面高。準主役はスイスフランでポジションの巻き戻しに下落、結果論はGBPCHF+1.46%。GBPJPYも連動し+0.93%の上昇に、USDJPYも緩やかながら底値を切り上げる。

どこを見ても同じコメントで材料としはわかりやすいが、GBPUSDは欧州市場に入り、米貿易赤字額が予想を下回り、5~7月のGDPが0.6%と強く1.2955まで上昇。米国市場に入り、バルニエEU首席交渉官が、「第1段階の交渉が6~8週間で合意に達する可能性がある」との報道に、ブレグジット同意期待が高まり、GBPUSDは1.2940台→1.3050台へと5週間ぶりの高値へ急伸、GBPJPYも143.80台→145.03と9月5日の144.97に並ぶ水準へ上昇。

ただし、英保守党大会9月30日~10月3日はブレグジット案で与党議員の反対も強くメイ英首相にとって重大な問題に直面するリスクや、合意なきブレグジットとなった場合の計画について閣僚会議を13日に開く予定もありこの動きも注目したい。

EUは主にアイルランド国境問題で交渉が難航していることから、10月18~19日に予定されている定例会議には間に合わない可能性が高く、来週18日にブリュッセルで開かれる閣僚会議で臨時首脳会議の開催について協議される可能性があるとの報道もある。

EURUSDは、先週末から続くトリア・イタリア経済・財務相の財政規律を順守発言と、「2019年の予算を公表した際に債券利回りが低下するだろう」との発言を受け、イタリア株が上昇債券の買いが強まり利回りは6週間ぶりの水準に低下。EURUSDは1.1580台へ上昇後、GBPUSDの急伸の影響を受け1.1616まで上昇、1.1590~00近辺の高値水準を維持。

USDCADは、米カナダのNAFTA再交渉待ちに上下変動するも決定的な動きに至らず。アジア・欧州市場と1.3160~00のレンジから、米国市場にGBPUSDでのドル売りの影響もあり一時1.3151まで下落。米カナダNAFTA再交渉の協議を12日に再開との報道もあり1.3160台で推移中。

USDJPYは、アジア市場で発表された日本のGDP2次速報値は前年比3.0%(予想2.6%・前回1.9%)と強い結果や、貿易収支の赤字額が予想を下回るも動きは見られず。一日を通じてもGBPUSDの上昇がリードするGBPJPYの買いに111.19、米国市場では一時111.25まで上昇するも、先週末の強い米雇用統計後の高値111.25に並ぶも超えられず。ただし、引き続き111円台で推移。USDCHFが急伸する中では米中貿易問題による円高リスクも消えず、リスク回避の巻き戻しも限定的で円は蚊帳の外。

米株強弱混在、ダウ-59.47(-0.23%)、NasdaqとS&P500は小幅上昇。米10年債利回りは2.934%と若干低下気味。原油価格(WTI)は67.51と小幅下落。


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【北米】
サンダース・ホワイトハウス報道官=キム北朝鮮委員長からトランプ大統領宛に2回目の米朝首脳会談を要請する書簡があった。

ライトハイザーUSTR代表とマルムストローム欧州委員(通商担当)が会談=ライトハイザー氏は建設的な会談ができた。

共和党=中間選挙を控え下院共和党は今週、新たな減税策を公表。
ボスティック・アトランタ連銀総裁=関税の影響でインフレが上昇し始める可能性がある。貿易問題が鮮明になるまでは企業は投資を停止し将来の規律に不透明感を生じる可能性も。中立金利に達したらしばらく様子を見るべき。

NY連銀の8月消費者調査=1年先のインフレ期待が2015年6月以来、初めて3%に達し、3年先のインフレも2.88→3.0%に上昇。

米カナダNAFTA再交渉の協議を12日に再開=フリーランド外相とライトハイザーUSTR代表が協議再開へ。

【欧州】
バルニエEU首席交渉官(スロベニアでのフォーラムで)=ブレグジット交渉で双方が現実的になれば、「第1段階の交渉が6~8週間で合意に達する可能性がある」、「11月初めまでに合意する必要があり、これは可能」→ ブレグジット同意期待が高まり、この報道を受けGBPUSDは1.2940台→1.3050台へと5週間ぶりの高値へ急伸、GBPJPYも143.80台→145.03と9月5日の144.97に並ぶ水準へ上昇。

外交筋=EUは11月中旬にブレグジットの臨時首脳会議を開く可能性が高い。主にアイルランド国境問題で交渉が難航していることから、10月18~19日に予定されている定例会議には間に合わない可能性が高く、来週18日にブリュッセルで開かれる閣僚会議で臨時首脳会議の開催について協議される可能性がある

英首相報道官=合意なきブレグジットとなった場合の計画について閣僚会議を13日に開く予定

英保守党大会9月30日~10月3日に開催。10月の実質的期限となるブレグジット交渉を前にして保守党の意見が一本化できるかが焦点。

ベーカー元EU離脱担当副大臣=メイ英首相が7月に首相の別荘(チェッカーズ)でまとめたブレグジット案に対し、80人以上の与党議員が反対で、メイ首相がごり押しするなら与党が破壊的な分裂局面になる。英保守党大会9月30日~10月3日はメイ英首相にとって重大な問題に直面する。チェッカーズ案よりも、今年3月にEUのトゥスク大統領によってすでに検討された条件に基づくFTAを求めるべき。

エルドアン・トルコ大統領=9月23~27日に国連会議に出席のため訪米。

アルバイラク・トルコ財務相=トルコ経済の均衡が始まっている。先行指数は第3四半期の減速を示唆。

英国立経済研究所(NIESR)=第3四半期GDP0.6%と予想、2016年第4四半期以来の高い伸び率。



2018/09/10

2018年9月10日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

2018年9月10日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

欧州市場はポンドが主人公! 米中通商問題は強い懸念材料ながらひとまず影は薄い。

欧州株は英国を除気総じて上昇、特に先週末のトリア英財務相EU規則を尊重との発言にイタリア株が上昇、ギリシャ株も上昇が目立っており、米株は上昇からスタート。

欧州市場に入り、前週末の強い米雇用統計後のドル高の影響も弱まり、利食いのドル売りの傾向が見られた。特にGBPUSDは英貿易収支の赤字額が予想より縮小し、7月のGDPが強く5~7月のGDPは0.6%(予想0.5% 前回0.4%)と1年ぶりの強さとなり徐々に底堅い展開となった。

さらに、バルニエEU首席交渉官が「6~8週間で離脱交渉が合意に達する実現性がある」との報道に、ブレグジット同意期待が高まり、この報道を受けGBPUSDは1.2940台→一時1.3050台へ急伸、GBPJPYも143.80台→一時145.00の大台へ上昇。

ただし、前後して、英国内のニュースとして、英首相報道官は「合意なきブレグジットとなった場合の計画について閣僚会議を13日に開く予定」との報道や、ベーカー元EU離脱担当副大臣は「メイ英首相が7月に首相の別荘(チェッカーズ)でまとめたブレグジット案に対し、80人以上の与党議員が反対で、メイ首相がゴリ押しするなら与党が破壊的な分裂局面になる」との報道もあり、英保守党大会9月30日~10月3日の開催が大きな焦点になりそうで上げ止まっているが、市場のセンチメントは楽観的になっており上昇余力を残した流れとなっている。

EURUSDも、GBPUSDの上昇の影響もありEURGBPが続落する中でも一時1.1616まで上昇、先週のトリア・イタリア財務省がEUの財政規律を順守するとの発言が引き続きEUR買の材料となっており1.1600の大台を回復している。

USDJPYは、110.85~111.20のレンジで、アジア市場の高値111.08をGBPJPYの買いがリードするクロスの円売りに一時111.20を付けるも、日米金利差拡大の円売り要因にも、米中貿易問題に次いで、日米通商交渉の動きも気になり逆に上値が重くなる。

2018年9月10日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月10日(月曜)アジア・欧州市場序盤の動き

相変わらずのことながら、米中貿易問題はどうなるのか? 米カナダNAFTA再交渉の再開はどうなるのか? トランプ大統領からどのような発言が飛び出すのか?

日経平均株価+66.03(+0.30%)と小幅上昇し新興株も強含みで推移するも、中国株は弱く上海総合は-32.82(-1.21%)安と弱い。

日本のGDP2次速報は前年比3.0%と予想2.6%・前回1.9%を上回り、貿易収支は予想外に強くでるも円相場への影響は見られず。USDJPYは、110.85~111.10の狭いレンジを抜け出せず。

中国CPIは前年比2.3%と強く、逆にPPIは前年比4.1%と強弱混在に動きは鈍い。AUDUSDは発表直後と欧州市場の序盤に先週末の安値0.7099を試す動きが続くも、0.7100近辺をボトムに下げ止まっている。市場ではサイコロジカル・ポイントの0.7000を試す期待感も強いがどうなることやら。

USDTRYは、トルコ第2四半期GDPは前年比5.2%(予想5.3%・前回7.4%)と若干弱い数字となったが、発表前にはTRY売りが続きUSDTRYは一時6.4935まで上昇したが、発表直後は利食いの売りに6.4161まで値を下げるも、先週末終値比では米中通商問題の不安感は消えず中国株も弱くTRY売りが続く。一方、逆にUSDZARやUSDMXNは欧州市場の序盤からドル売りが強まっている。

GBPUSDは、欧州市場に入り先週末の安値1.2914を割り込み一時1.2897まで下落していたが、弱い英鉱工業生産と製造業生産が続くと同時に、英貿易収支の赤字額が予想を下回り、結果としてGBPUSDは底堅く推移し1.2940台を回復している。

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8:50    JPY 第2四半期 GDP・2次速報=前期比0.7%(予想0.7% 前回0.5%)、前年比3.0%(予想2.6% 前回1.9%)、デフレータ前年比0.1%(予想0.1% 前回0.1%)→ 予想を上回る

8:50    JPY 7月 国際収支: 貿易収支=-10億円(予想-509億円 前回8205億円)、経常収支=2兆97億円(予想1兆8726億円 前回1兆1756億円)、季調済・経常収支=1兆4847億円(予想1兆5108億円 前回1兆7624億円)→ 予想よりマイナス幅が縮小へ

10:30    CNY 8月 消費者物価指数=前年比2.3%(予想2.1% 前回2.1%)→ 予想と前回を上回る

10:30    CNY 8月 生産者物価指数=前年比4.1%(予想4.0% 前回4.6%)→ 予想と前回を下回る

16:00    TRY 第2四半期 GDP=前年比5.2%(予想5.3% 前回7.4%)→ 発表直前まで小幅下落するも、発表後は弱い数字にも関わらずTRY買いが強まる。

17:30    GBP 7月 鉱工業生産=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.4%)、前年比0.9%(予想1.1% 前回1.1%)→ 予想を下回る

17:30    GBP 7月 製造業生産=前月比-0.2%(予想0.2% 前回0.4%)、前年比1.1%(予想1.4% 前回1.5%)→予想を下回る

17:30    GBP 7月 商品貿易収支=-99.73憶ポンド(予想-117.5憶ポンド 前回-113.83 →-106.68億ポンド)、総合貿易収支=-1.11憶ポンド(予想-21億ポンド 前回-9.42億ポンド)、貿易収支(除くEU)=-28億ポンド(予想-33億ポンド 前回-29.40→-28.56億ポンド)→ 予想よりマイナス幅が縮小し弱い鉱工業生産と製造業生産にも関わらずポンド買いが強まる

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2018/09/09

今週の為替相場を考える(9月10~14日)

今週の為替相場を考える(9月10~14日)

先週の強い米雇用統計に年内2度の利上げの可能性が高まり、株価は伸び悩む中で、米10年債利回りは2.90の壁を突破して8月上旬の水準となる一時2.95%近くまで上昇、2年債は7月後半の高値水準を上回り一時2.7%台までと高値を更新しています。「米金利の上昇=ドル高』の連動性が強まる中、今週もドル高傾向が続くのでしょうか?

先週は、豪株、MSCI、英FTSE、上海総合、など、8月に入って株価の下落が顕著で、通貨安も連動した動きとなっており、今週も主要通貨の株価には目が離せません。

相場全体では、米中貿易問題がリスクとなり、中国株と新興国通貨と株価は弱く、関連性の高い豪ドルとNZドルも株安を含め弱さが目立ち、米カナダのNAFTA再交渉が長引きカナダドル売りも目立っています。これらの通貨は通商問題が改善傾向に向かえば買い戻しが強まることが予想されますが、現状ではその判断ができないでいます。

先週から継続中の懸念材料は多数後を引き、13日(木)には豪雇用統計、独仏CPI、BOE・ECB・トルコ中銀が金融政策を発表と、重要なイベントも多数控えており、今週一週間を通じて相場変動が高くなることは間違いなさそうです。

その懸念材料ですが、我々日本にとってどうしても意識せざるを得ないのは、6日の「Trump Eyes a Japan Trade Fight」 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のコラミスト、フリーマン氏の記事で、トランプ大統領はまだ日本との米国貿易の条件に悩まされているようで、日本のリーダーとの良好な関係を説明したが、『もちろん私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう』と付け加えたとあります。

そして、7日のトランプ大統領が大統領専用機エアフォース・ワンで記者団に「実は日本側から接触があり先週やってきた』とあり、日本と貿易交渉を始めたことを示唆しています。仮に物別れに終われば、日本側が「一大事になることを認識している」とありました。9月25日に調整しいるといわれる日米首脳会談で何等かの答えが示される可能性も考えられます。ドル高傾向の中で、リスク回避の円買いにドル円相場も小康状態を保っていますが、貿易問題で日本が当事国にでもなれば円買いが加速するリスクも気になります。(表面化するまでには米中問題などが片付くことが必要で時間がかかりそうです)

次に気になるのは、ワシントンポスト紙は9月5日に11日発売で 著名ジャーナリストのウッドワード氏は「トランプ米政権の内幕を描いた著書」の抜粋し「有害で危険な行動を防ぐため側近が時に大統領の指示を無視する状況」を描写とのことです。NYタイムズはトランプ氏の批判記事(暴露記事)を掲載し「多数の高官が大統領の言動の危うさを認識し、一部の政策の実現を阻止し画策してきた」、「大統領の罷免措置を検討するも、憲法の危機を恐れ思いとどまった」とありました。トランプ大統領は犯人捜しを司法省に命令し側近は無実を証明するのに躍起となっているようです。11月の米中間選挙前の醜い戦いが短期間で収まるのでしょうか? 

米国の対中追加関税2000億ドルに関して6日期限のパブルックコメントは5914通の意見がありましたが、本当に精査するつもりがあるのでしょうか? 現状は「中国の出方待ち状態」で、態度を軟化させない中国に「私が望めば2670億ドルの追加関税を直ぐに発動する用意がある」と脅しを連発。中国側の出方待ちで水面下の交渉中であることは間違いありませんが、米中貿易戦争の拡大リスクを軽減できるのでしょうか? 続くようならば「ドル高=新興国通貨安+豪ドル安=スイス高+円高』の流れが継続する可能性が高くなります。

NAFTA再交渉も、米カナダは乳製品、メディア企業の保護、紛争解決プログラムの3つの問題で合意に至らず、話し合いが月末まで続く可能性が指摘されている。もし、失敗して合意できない場合、カナダドル売りが強まることになりそうで、メキシコの動きも気になる。

イラン問題、ロシア問題、等々、それ以外でも多数の懸念材料が控えていますが、とりあえずこの辺で打ち止めにします。


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USDJPY 予想レンジ(109.70←110.45~112.00)

高値113.18(7月19日)~安値109.77(8月21日)のレンジ相場が、直近でも8月23日以降では110.38~111.83とドル高傾向が続く中でリスク回避の円買いの影響なのか約150ポイントのレンジ相場が続いており、月足チャートでは三角持ち合い状態が続き、現段階では方向性を示唆するものは見当たりません。

ただ、同じリスク回避通貨のスイスフランはUSDCHFが2週間続落後、先週はようやく下げ止まっており、「米金利の上昇=円安」の相関関係が強い中、円売りが再開するリスクと、日本の貿易問題に焦点が当たり円高へ動く可能性と、相反する材料が控えています。現状ではレンジ相場を継続しながらどちらが先に意識されるのかを見極める必要がありそうです。

ちなみに、USDJPYオプション 1M 25delta Risk Reversal 21:30現在を前週と比較すると、0.95→1.20とドルプット・円コールが拡大し長いところも連動しており、1M=6日1.05→7日1.20と拡大傾向にあり、1W=0.7→1.15と円高リスクを意識した流れとなっています。


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EURUSD 予想レンジ(1.1480~1.1650)

イタリア財政問題も何とか収まりつつあり、GBPUSDの売りがリードするユーロ安もブレグジット交渉でEUの妥協に何とか解決に向けた動きが期待できそうでもありますが、先週末は強い米雇用統計に米金利が上昇しユーロ売りが拡大して今週も迎えています。13日のECB理事会は据え置きでほぼ間違いなく、ドラギ総裁発言はサプライズがない限り大きな変化は期待できそうにありません。

テクニカルでは、1.1800をトップにした動きが続き、中期的には1.1300~1.1800のレンジの継続で変わらず。今週1週間の動きを考えれば1.16台の上値は重くなり、1.1500の大台を試す売りの流れが予想される反面、9月4日の安値1.1530台で下げ止まることができれば1.1650までの上昇も期待できます。

ちなみに、EURUSDオプション 1M 25delta Risk Reversal 21:30時現在を前週と比較すると、1M=0.8→0.95とEURプット・ドルコールが拡大し、1W=0.5→0.6と短期を含め長いところも拡大傾向にありユーロ売りのリスクを意識した流れとなっています。


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AUDUSD 予想レンジ(0.7000~0.7150 または、0.7080~0.7200)

米中貿易問題が激化する中で、0.7130~50で下げ止まっていましたが、先週末の強い米雇用統計で0.7100を割り込み続落中。今週もテーマは米中通商問題の行方で、パブリックコメントを受けて米国は対中制裁の第3弾を発動するのでしょうか? 豪雇用統計もありますが政策金利の変更は考えられず、中国と妥協点を見つけて制裁解除となるのでしょうか? それとも制裁が実行されるのでしょうか? これ次第と言って過言ではありません。

テクニカルには、0.7100をボトムに下げ止まり反発しない限り、サイコロジカルには0.7000の大台を目指す動きが予想されます。ただし、0.7000は重要なポイントどこれをボトムに反発の可能性も期待できそうです。

ちなみに、AUDUSDオプション 1M 25delta Risk Reversal 21:30時現在を前週と比較すると、1M=0.85→1.25、1W=0.6→0.85と、長いところは特に拡大傾向にあり市場参加は、豪ドル安を意識した流れとなっています。


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今週の主な材料(9月10~14日)


今週の主な材料(9月10~14日)

今週も先週か引き継がれている懸念材料は多数残っており、重要で突然の相場変動の材料にされやすいので注意してください。13日(木)には重要なイベントも多数控えており、この日は相場変動が高くなることが予想されますので、それを意識したポジションを持つ必要がありそうです。

【先週から継続する不安要因】
1.トランプ氏側近の反乱! (トランプ批判の記事が目立つ)
2.対中追加関税2000億ドル+脅しの追加2670億ドル!(輸入総額に課税か?)
3.結論先送り中の米カナダ2NAFTA再交渉!(米国のゴリ押し通用するか?)
4.「Trump Eyes a Japan Trade Fight」(米国は日本も標的に?)
5.EU側の妥協が目立つブレグジット交渉!(離脱条件は10月に合意の可能性?)


【今週の予定】
【スーパーThursday】BOEとECBと主要中銀による金融政策や、雇用統計の発表が多く事前のポジション調整の動きや予想数字の変化に注目してください。

9/10(月)
日ロ首脳会談、日本GDP、日本貿易収支、中国CPI、トルコGDP

9/11(火)
英雇用統計、

9/12(水)
米PPI、米ベージュブック

9/13(木)
豪雇用統計、独仏CPI、BOE・ECB・トルコ中銀が金融政策を発表と重要なイベントが集中。相場変動が高まることは間違いありません。
◎豪雇用統計は、失業率5.3%で据え置き予想、新規雇用者数は2万人予想で前回-0.39万人から拡大が見込まれています。
◎独CPIは確報値で予想は前年比2.0%と速報値と変わらず、仏CPIも前年比2.3%と速報値と同じ予想となっています。
◎BOE金融政策委員会は、政策金利0.75%の据え置きでほぼ間違いなく、資産買い入れ枠も据え置きに。前回8月2日には予想外の9対ゼロの全員が利上げを支持していたことが思い出されるが、今回の据え置きは何人が支持するのか議事録と共に注目しています。
◎トルコ中銀は、前回は予想外に金利を据え置きTRY売りにつながったことが思い出される。TRY売り圧力が続く中で政策金利17.75%→21.0%への引き上げが予想されています。またはサプライズがあるのでしょうか?
◎ECB理事会は、政策金利0.0%、上限金利0.25%、下限金利-0.4%、債券買いれ額月額150億を12月まで継続し年内に終了することの維持と、現行の金融政策の据え置きで間違いないと思われます。問題はドラギECB総裁の記者会見で、ブレグジット交渉、米国の通商問題を意識しながら、周囲から利上げ催促の声が上がる中でどのような発言をするのでしょうか?

9/14(金)
カーニBOE総裁講演、米小売売上高・輸入物価指数・鉱工業生産・設備稼働率。ミシガン大学消費者信頼感指数・企業在庫
経済指標の詳細は別表をご覧ください。


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最新のIMMポジションから見えること

最新のIMMポジションから見えること

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物で主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の9月4日集計日では、投機的ポジションのネット合計-249,208コントラクトと前週の-268,281から小幅ですが売り越し額が減少しています。

特徴としては、ユーロの買い越しが急増し、4週間ぶりにネットで買い越しへと変化したこと、ユーロとポンド、スイスが前週比で増加したことです。ただし、集計日後で先週末の強い米雇用統計で米金利が上昇し米中通商協議と米カナダNAFTA再交渉の不透明感で、ドル買い傾向が強まっていたこともあり、結果として通貨の売り越し額が拡大している可能性を意識する必要があります。


【円】前週-46,041→-51,932(-5,891)
7月31日以降は前週比でショートが減少していましたが、今回は6週間ぶりに売り越し額が増加しました。ただし、7月24日以降の集計日のUSDJPY相場の終値ベースでは110円台が1回、111円台が6回で、110.29~111.87のレンジで推移しており変化が感じられません。

【ユーロ】前週-7,219→7,963(15,182)
67週間続いたユーロ買が8月14日の週に終了、直近では3週連続で売り越し額が拡大していましたが、今回は逆に前週比で買い越し増となっています。ただし、米雇用統計後のユーロ売りに集計日ベースで比較すると前週1.1694→1.1581とユーロロングは割り引いて考える必要がありそうです。

【ポンド】前週-76,928→-69,613(7,315)
久々に前週比で買い越しが増加しています。6月19日以降の12週連続で売り越し状況は変わらず、前週比で買い越し増となったのは今回を含めて僅か2回だけにとどまっています。EU側から妥協案が示されハードブレグジットのリスク低下がポンド買に要因と思われますが、期待通り10月中に暗黙の合意ができか見極めが必要です。

【カナダドル】前週-24,789→-26,307(-1,518)
3月27日から24週連続で売り越し状況は変わっていません。ただし、売り越し額は過去4週2万台と比較的低水準で、米メキシコはNAFTA再交渉で2国間合意に達し、米カナダの合意期待が潜在的に残っていると思われますが、集計日のUSDCADを比較すると1.2931→1.3188とカナダ売りが強まっており、先週末時点でも合意に至らず豪ドル買いの勢いは感じられません。

【豪ドル】前週-44,633→-44,031(602)
4月3日から23週連続で売り越し状況は変わっていません。直近4週間は前週比で買い越し額が拡大し相場反転の期待感もありますが、中国経済と連動性の高い豪経済にとっては米中貿易戦争のリスクが足を引っ張り続け、集計日のAUDUSDを比較すると0.7337→0.7174と大幅なAUD売りとなっており、先週末の終値も0.7100台とさらにその動きが加速しています。

詳細はデータをご覧ください
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2018/09/08

2018年9月8日(土曜)昨日7日、海外市場の動き

2018年9月8日(土曜)昨日7日、海外市場の動き


週末金曜日。強い米雇用統計に相場が変動し、トランプ大統領のさらなる対中追加関税措置の警告(脅し?)に米株、米債、為替市場が揺れる。それ以外にもブレグジットの動き、米加NAFTA再交渉の動き、弱いカナダの雇用統計。そして、日本との貿易問題の警告(脅し?)もさらに加わる。

米雇用統計では、非農業部門雇用者数は20.1万人と予想を上回り、平均時給の前年比2.9%は2009年6月以来の高水準とダブルパンチ。9月の利上げ期待度が上昇し年内2度の利上げ確率も高まり、ドル全面高、米株下落し、米金利は上昇へ。

トランプ大統領は、中国側の動き次第で、2000億ドルの対中制裁関税が近く発動される可能性がある。その後追加で私が望めば2670億ドルの追加関税を直ぐに発動する用意がある。→ 中国からの輸入ほぼすべてに関税を課すことになり、この報道を受けCHYは下落し米株は下落し、リスク回避に一時円高へ。(米10年債利回りは上昇)

USDJPYは上昇中の米国市場でこの報道を受け111.20台→110.70台へ急落し一時円買いが強まるが、米年内2度の利上げ期待と米株が下げ幅を縮小したこともあり111.10台を一時回復し111.04で終了。ただし、トランプ大統領(大統領専用機エアフォース・ワンで記者団に)「実は日本側から接触があり、先週やって来た」、「日本と貿易交渉を始めた」、「仮に物別れに終われば、日本側が一大事になることを認識している」とも、あり今後の円相場への影響が気になる!

英議会が公表した9月3日の議事録では、バルニエEU首席交渉官がアイルランド国境問題で英国と協議したいと述べていたことが明らかとなった。「他のバックストップを協議することにオープンである」、EUには、英国とアイルランドの国境での審査を「簡素化する用意」があるとした。この報道を受け、GBPUSDは欧州市場で1.2920台→一時1.3028まで急伸。 ただし、「合意に達しなければ、それ以上、協議も交渉もない。それで終わりで、それぞれ独自の非常措置をとることになる」ともあり、強い米雇用統計にドル全面高となり米金利の上昇に、逆に1.2908まで続落し1.2913で終了。

米カナダのNAFTA再交渉は乳製品、メディア企業の保護、紛争解決プログラムの3つの問題で7日にも合意に至らず話し合いは月末まで続く可能性も。そして、強い米雇用統計に反して、弱いカナダ雇用統計は失業率が6.0%に上昇し、雇用者は-5.16万人減少と予想外の悪化に、カナダドル急落。米雇用統計が強かったこともありUSDCADは1.3120→1.3180台まで急伸。その後カナダドル売りの流れが止まらず1.3190台へ上昇。ただし、10月のカナダ中銀利上げ予想は変わらず1.3166で終了。


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18:00    EUR 第2四半期 GDP・確報値=前期比0.4%(予想0.4% 前回0.4%)、前年比2.1%(予想2.2% 前回2.2%)→ 前年比が予想と前回を下回る

21:30    USD 8月 雇用統計: 失業率=3.9%(予想3.8% 前回3.9%)、非農業部門雇用者数=20.1万人(予想19.0万人 前回15.7→14.7万人)、労働参加率=62.7%(予想63.0% 前回62.9%)、平均時給(時間当たり賃金)=予想 前回27.05ドル、平均時給=前月比0.4%(予想0.2% 前回0.3%)、平均時給=前年比2.9%(予想2.7% 前回2.7%)、平均週間労働時間=34.5(予想34.5 前回34.5)

21:30    CAD 8月 雇用統計:失業率6.0%(予想5.9% 前回5.8%)、雇用者数=-5.16万人(予想0.5万人 前回5.41万人)、正規雇用者数=4.04万人(予想3.5 前回-2.8万人)、パートタイム雇用者数=-9.2万人(予想-3.0 前回8.2万人)、時間当たり賃金=前年比2.6%(予想 前回3.0%)、労働参加率=予想65.4% 前回65.4%

23:00    CAD Ivey購買部担当者景況感指数=61.9(予想 前回61.8)

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【北米】
カナダ関係者NAFTA再交渉に関して=カナダが米国との二国間協議での合意を楽観しているものの、話し合いは月末まで続く可能性がある。米国とカナダの二国間協議は6日も続けられたが、乳製品、メディア企業の保護、紛争解決プログラムの3つの問題で合意に至っていない。

ガドローNEC委員長=NAFTA再交渉のカナダとの2国間協議では乳製品が懸案で協議の妨げとなっている

カドローNEC委員長= 2000億ドル分の中国製品に対する追加関税を巡り、トランプ大統領は市民から寄せられた5914通の意見を精査した上で決定を下す。米国は多数の通商問題で中国と協議を続けているが今のところ中国は要求にこたえていない。

トランプ大統領=中国側の動き次第で、2000億ドルの対中制裁関税が近く発動される可能性がある。その後追加で私が望めば2670億ドルの追加関税を直ぐに発動する用意がある。

トランプ大統領(大統領専用機エアフォース・ワンで記者団)=実は日本側から接触があり、先週やって来た。日本と貿易交渉を始めたとし、仮に物別れに終われば、日本側が「一大事になることを認識している」

トランプ大統領=NYタイムズが掲載したトランプ政権高官による「政権内の抵抗勢力」を巡る匿名の論説文について、NYタイムズを調査するよう司法省に要請

メスター・クリーブランド連銀総裁=力強い雇用統計は漸進的な利上げの道筋を支援。インフレは年内までに2%で安定する。成長見通しは6月から強まっているように見える。

カプラン・ダラス連銀総裁=米利上げサイクル終了時期巡る判断は時期尚早。中立金利が上昇していることに疑いを持っている。米金利は2.5─2.75%付近まで上昇した後は、景気浮揚効果はなくなる。中立金利が上昇していることに疑いを持っている。現在は財政刺激策の絶頂下にいる。至る所で労働市場のひっ迫が見られる。財政的な追い風は後に財政赤字という逆風に変わる可能性も。米GDPは2020年か21年までに1.75─2%に減速すると予想。中国との問題に関しては時間がかかる可能性がある。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁=2019年は緩やかな利上げが合理的。米国は金利が依然低く、利下げ余地が限られており、次の景気後退への備えが十分とはいえない

【欧州】
トリア・イタリア財務相=EU規則を尊重すると改めて表明。イタリア紙=トリア財務相は、イタリアの財政赤字をGDP比1.6%以下とすることを目指す

モスコビシ欧州委員=イタリアは構造的な赤字を削減しなければならない。財政赤字を抑制するのはイタリアの役目。

英議会が公表した9月3日の議事録では、バルニエEU首席交渉官がアイルランド国境問題で英国と協議したいと述べていたことが明らかとなった。「他のバックストップを協議することにオープンである」、EUには、英国とアイルランドの国境での審査を「簡素化する用意」があるとした。ただし、「合意に達しなければ、それ以上、協議も交渉もない。それで終わりで、それぞれ独自の非常措置をとることになる」

ハモンド英財務相=ブレグジットについて、非公式な期限となっている10月までにEUと離脱条件などで合意することは可能


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2018/09/07

2018年9月7日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年9月7日(金曜)アジア・欧州市場序盤の動き

週末金曜日、主役は米雇用統計ながら、昨日から続くトランプ大統領の話題も引き続きテーマに。

トランプ大統領の毒舌(本心なのでしょうか?)に円相場も翻弄気味。WSJ紙の「Trump Eyes a Japan Trade Fight」のコラムにある日米貿易摩擦を意識した材料に円高へ動き、今日のアジア市場では、日経平均株価の下落もあり一時110.38まで円高が進むも、中国株は底堅く推移し、新興国通貨も堅調で、110.70台まで一時値を戻すも上値は引き続き重そう。本音はそうなのだろうとは推測できるが、米中間選挙、日本の総裁選を前にして波風を立てる必要があるのか? やや疑問。

USDCADは、気になる米カナダNAFTA再交渉は15日、16日と続き、フリーランド・カナダ外相は「合意は依然として可能」というも、話し合いはいまだに決裂中。17日に再開の予定でトランプ大統領は「カナダと公平な貿易協定を結ぶ、新しいNAFTAに加わるだろう」と楽観的な発言に、USDCADはアジア市場の高値1.3166から一時1.3113まで下落。「公平な貿易協定とはなにか?」との疑問は消えないが引き続き前日NY引け値近辺の1.3120台の上値が抑えられている。

EURUSDは、独鉱工業生産が予想外のマイナスで、貿易黒字も予想外に減少し、直後は売りが強まるも、アジア市場では1.1610台をボトムに下げ止まり底堅い展開で、欧州勢の参入に1.1640台まで逆に底値を切り上げている。

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10:30    AUD 7月 住宅ローン許可件数=前月比0.4%(予想-0.1% 前回-1.1%)→ 予想と前回を上回る

14:45    CHF 8月 失業率=季調前2.4%(予想2.4% 前回2.4%)、季調済2.6%(予想2.6% 前回2.6%)

15:00    GER 7月 鉱工業生産=前月比-1.1%(予想0.2% 前回-0.9%)、前年比1.1%(予想2.6% 前回2.5%)→ 予想を大幅に下回りマイナスに直後はEUR売りが強まるも過ぎに値を戻す。

15:00    GER 7月 国際収支:経常収支=153億ユーロ(予想200億ユーロ 前回262億ユーロ、貿易収支=165億ユーロ(予想195億ユーロ 前回218億ユーロ)→ 貿易黒字が予想外に減少しEUR売りが強まるも続かず。

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