2020/03/08

今週の主な材料(3月9~13日)

今週の主な材料(3月9~13日)

今週のテーマ

1.新型コロナウイルスの感染の広がりと状況、2.米大統領選、民主党指名争い、3.ECB理事会とドラギ総裁の動き、4.FRBの追加利下げの可能性。加えるなら米国と中国のCPI、日本GDP第2次速報値(リセッションリスク)、英予算案。そして、各国の経済対策で、株式・債券・為替相場がどう動くのか? これが問題。


今週から米国は夏時間へと移行するが、新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の大波乱は収まりそうにない。VIXは15台からこの2週間で一時54.39まで信じられない急騰を示している。

1.新型コロナウイルスの感染の広がりと状況(特に米国)
中国は小康状態にあるといわれるが、どのニュースを見ても世界的な感染拡大は止まらず。特に注目は米国で、クルーズ船内での感染拡大問題や大都市での感染が拡大しているのがとても気になる。NY州だけで感染者が44名(6日)との発表もあり、FRBの追加緩和の期待感も強くドル売りの材料が横たわっている。

2.米大統領選、民主党指名争いはサンダース氏? それともバイデン氏? 
ご存じの通り、左派サンダース有利=株安=リスク資産買い、中道派バイデン氏有利=株高=リスク資産買いの動きは既に実証済み。米株にとっては引き続きこの動きに乗りやすい状態で、それと連動した為替相場の展開になりやすい。

3.ECB理事会とドラギ総裁の動き(ECBは利下げしないのか? では何をするのか?)。
政策金利の据え置き予想が多いがハト派に傾いていることはまちがいなく、何らかのサプライズを期待したくなる。3月3日の夜にECBは電話会談を実施したが政策措置は議題にならなかったとある。欧州委員会はEU財務相に「新型コロナウイルスの感染拡大で、フランスとイタリアがリセッション入りする恐れと、相場下落の悪循環を引き起す可能性を警告」、4日にはEU財務相も電話会議で協調対策を協議している。S&Pエコノミストはユーロ圏2020年GDPを1.0→0.5%に下方修正している。独10年債利回りも過去最低を記録しリスク回避に向けた催促相場でもありこれでは何らかの手を打たざるを得ない状況。

4.FRBの追加利下げの可能性。
1.と重複するが、トランプ氏はいつもながらFRBに利下げ圧力を加え、新型コロナウイルスの米国内での感染拡大は抑え込めると主張するも、事態は逆で深刻な問題へと発展しかねず、米大統領選を11月に控えてトランプ政権にとってはもとより、民主党大統領候補にとっても重要な問題となっている。結局のところFRBは追加緩和と資産買い入れを余儀なくされる可能性に、ドル売り圧力の材料となりやすく、FF金利ゼロ%がボトムとの見方もちらほら。

経済指標ではいつもながら米国発が多数予定されている。それを含め以下を特に注視したい。
3/11(水)
米国CPIは、前年比予想2.2%(前回2.5%)、コア前年比予想2.3%(前回2.3%)と低下が予想されており、さらに低下するリスクも残る。

3/10(火)
中国CPIは、前年比5.2%(前回5.4%)と低下が予想されている。

3/9(月)
日本GDP(第2次速報値)は、前年比-6.6%(前回-6.3%)と悪化が予想されており、市場ではリセッションのリスクを危惧する声も多い。

3/11(水)
英政府は2020年予算を発表する。2月13日に財政規律をめぐりジョンソン英首相に反発ジャビド財務相が短期間で辞任、後任にナック氏が着任し今回の予算案を発表する。注目したい。

詳しい予定は別表をご覧ください

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