2020/03/07

2020年3月7日(土)昨日6日、海外市場の動き

2020年3月7日(土)昨日6日、海外市場の動き

週末金曜日、今日も新型コロナウイルスの感染拡大が市場の最大のテーマで、世界的な株安と安全資産の債券買い(利回り低下)は止まらず(米終盤には下げ幅を縮めるが)。為替相場はドルが全面安で対ドルでは円高も加速。

強い米雇用統計も感染前のデータと市場は無視し、FRBの追加利下げを織り込み済み催促相場でトランプ氏も「FRBは利下げし刺激すべき」と援護射撃。一方、BOJ、ECB、BOEと利下げや追加緩和策の期待は強い。

欧米市場では株安と債券利回りの低下は止まらず。ダウは一時900ドル近く下落するも、終盤にかけて前日比-256.50ドル(-0.98%)まで下げ幅を縮めるなど、200~300ドルの上下変化は当たり前の状況が続く。米10年債利回りは一時0.663%まで下落し0.77%近くまで回復と、こちらも急速に変化している。

注目の米雇用統計は、失業率は低下、非農業部門雇用者数は予想外に強く、1月と12月も上方修正され、時間当たり賃金も上昇し強さが目立っていたが、新型肺炎の悪影響を反映していないとの判断で、相場の動きは限定的。米貿易赤字は予想外に減少したが、新型ウイルスの影響で輸入の減少が影響していた。(昨晩のコメントで1月のNFPの数字減少は間違いで上昇修正されています、訂正させていただきます)

一方、カナダの雇用統計は失業率が上昇した反面、新規雇用者数は予想外に拡大と強弱混在。カナダ貿易赤字は大幅に拡大し前回も下方修正(赤字額が拡大)された。

新型コロナウイルスは、日本、韓国、中国、イラン、イタリア、米国を含むその他多くの国へと感染拡大が続き、累計では10万人を突破し、米国内でも200人超で死者も14人との報道もあり、トランプ氏は総額83億ドルの新型コロナウイルス対策法案に署名し、FRBにさらなる利下げを促し景気を刺激すべきと要求。市場でもFRBの月内の利下げを期待する声は強い。

その影響もあり、為替相場は米金利の低下と共にドル売り流れが強まり米株急落もあり、USDJPYが一時105.00まで下落し円高が加速しオプションカットでは一時105.73まで値を戻すも、大枠105.10~60の円高水準で推移し、民主党米大統領候補選でバイデン氏、サンダーズ氏いずれかが優勢なのかの、その状況に反応しやすくなっている。

EURUSD、GBPUSD共に、欧米市場から続く上昇圧力は止まらず、米国市場では高値圏で推移し、AUDUSD、NZDUSDも上昇している。

EURUSDはリスク回避通貨に選択され、アジア市場の1.1212をボトムに中長期ポジションの巻き戻しもあり昨年12月31日の高値1.1239を上回り、一時1.1355と7月の高値近くまで続伸。 

GBPUSDは1.2950から米国市場では一時1.3049まで上昇と、2月29~3月3日にかけての1.2720~50をボトムとし4日連騰。BOEの利下を織り込みEU・英国の通商協議を好感しているわけではないが、悪材料の織り込み済みもありドル全面安の流れに便乗ぎみ。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【新型ウイルス関連】
イタリア
①新型ウイルス対策で75億ユーロ規模の刺激措置を準備

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【米国】

トランプ大統領
①総額83億ドルの新型コロナウイルス対策法案に署名し、同法が成立
②CDC関係者が新型ウイルスに感染した可能性があるという情報がホワイトハウスに報告されたと述べており、予防措置としてトランプ大統領の訪問が取りやめになった可能性を示唆した。

ペンス副大統領
①米国で新型コロナウイルス感染がもっとも深刻とされるワシントン州を訪問し、連邦政府からの支援を表明するとともに、トランプ大統領の発言をめぐり大統領を擁護

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長
①トランプ政権が的を絞った景気刺激策を講じる可能性を指摘。
②米経済全体は基本的に堅調さを維持しており、リセッション(景気後退)には向かっていない

リフィニティブ・リッパー調べ
①米社債やローンのファンドから122億ドル流出-過去10年で最大
②3月4日終了週の資金流出入は、高格付け債ファンドが48億ドル、ジャンク債ファンドが51億ドル、レバレッジドローン・ファンドが22億9000万ドルのそれぞれ純流出となった。合計の資金流出額はブルームバーグによる2010年1月までの集計データでは最大

カプラン・ダラス連銀総裁
①追加利下げの判断で、全米での新型コロナウイルス感染の加速ペースが重要な要素に。
②今後10日、2週間で実際にどんな展開になるか注目する必要があろう。それは重要な要素

シティグループ・グローバル・マーケット
①世界経済が新型コロナウイルス感染問題からすぐに立ち直るという期待は見当違いとの様相が一段と濃くなっている

ブラード・セントルイス連銀総裁
①新型コロナウイルスの感染拡大を受けて米経済は減速する可能性はあるが、最悪の結果は回避できる
②市場は最悪の結果を織り込んでいるようだが、それが正しいかは定かではない

米金利先物
 ①4月のFOMCまでにFF金利が金融危機以来の0~0.25%まで引き下げられる見方が50%以上の確率で織り込まれている。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

22:30    USD 2月 雇用統計:失業率=3.5%(予想3.6% 前回3.6%、非農業部門雇用者数=273,000人(予想17.5万人 1月22.5→27.3 万人 12月14.7→18.4万人)、週平均労働時間=34.4(予想 前回34.3)、平均時給=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.2%)、平均時給=前年比3.0%(予想3.0% 前回3.1%)、時間当賃金=28.52(予想 前回28.43)、労働参加率=63.4(予想 前回63.4%)、新規雇用者数=3.03万人(予想1万人 前回3.45万人)→ 失業率は低下し非農業部門雇用者数は予想外に伸びるも、1月分が大幅な下方修正となり3か月平均は16.83万人と前回と大きな変化は見られず。

22:30    USD 1月 貿易収支=-453億ドル(予想-461億ドル 前回-489→486億ドル)

22:30    CAD 2月 雇用統計:失業率5.6%(予想5.6% 前回5.5%)、新規雇用者数=3.03万人(予想1万人 前回3.45万人)、労働参加率=65.5%(予想 前回65.4%)、フルタイム雇用=3.76万人(予想 前回3.57万人)、パートタイム雇用=-0.73万人(予想 前回-0.12万人)

22:30    CAD 1月 貿易収支=-14.7億カナダドル(予想-8.3 前回-3.7→-7.3億カナダドル)

0:00    USD 1月 卸売売上高=前月比1.6%(予想 前回-0.7%)、卸売在庫=前月比-0.4%(予想-0.2% 前回-0.2%)

0:00    CAD 2月 IveyPMI=54.1(予想 前回57.3)

5:00    USD 1月 消費者信用残高=前月比120.21億ドル(予想165億ドル 前回220.6→202.51億ドル)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※