2020/03/15

今週の主な材料(3月16~20日)

今週の主な材料(3月16~20日)

主なテーマは、18日のFOMCがメインとなるが、市場はすでに利下げを織り込み済みで、新型コロナウイルスの感染拡大状況の有無と、各国中銀・政府が発表した、または、今後発表する対策の有無と規模で、それを受け市場参加者(特に大型ファンド勢)がどう評価するか。先週に落ち着きを取り戻し反発している米株が、このままで続伸することができるか? 

新型コロナウイスルの世界的な感染拡大は止まらず、特にイタリア感染者数2万人・死者1000人超など欧州各国での感染が拡大を危惧し、WHOは「今や欧州がパンデミックの中心地になった」とあり、中国は「世界で最も安全な場所」との評判も(本当ですか?)

英国
16日にカーニー総裁に変わり就任するベイリーBOE総裁にはイバラの道となるが、BOEは新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化を食い止めるため、11日に0.5%の緊急利下げを実施し、ナスク英財務省は300億ポンド(約4兆円)の景気刺激策を発表し今後5年間で公共投資は6000億ポンド超の1955年以降最高水準に引き上げるという。

EU
12日にECBは政策金利据え置きを発表し、スタッフ予想ではGDP見通しを引き下げ、インフレ見通しを据え置いていた。同時に現行の月額200億ユーロの債券買い入れに加え年末まで1200億ユーロ(約14.2兆円)の量的緩和を拡大するという。また、ラガルドECB総裁は「必要があればあらゆる政策手段を調整する」ともある。

ドイツ政府は感染拡大の影響を受けた企業などの資金繰りに総額に上限を設けない無制限の信用供与を実施すると発表。ショルツ独財務相は「ラガルドECB総裁が財政政策を要求したことは正しい」と財政出動を容認し、財政刺激プログラムの必要性を示し、政府が企業の株式を保有することも排除せずとある。EUは「財政刺激を可能とする危機条項を発動する用意がある」と言う。イタリア政府は5日の75億ユーロに加え、11日に250億ユーロ(約3兆円)の追加策を発表していた。

米国
先日NY連銀が12日と13日で計1.5兆ドルの追加オペを実施しており、13日にNY連銀は総額370億ドルの国債を買い入れて、対象を短期債から中期債へと拡大している。トランプ大統領は感染拡大で国家非常事態を宣言したことで最大500億ドル(約5.4兆円)の予算を確保し新型ウイルス対策に500億ドルを支出する。ムニューシン米財務長官は「大統領は大規模な刺激策を予定している」とあり、第2段階の財政刺激策を策定中とある。

日本
日銀は連日の大量のETFの購入に加え、5000億円の資金供給を通知し、西村経済再生相は「相当思い切ったことをやらないといけないのではないかという危機感を持っている」と発言。19日の会合でCPと社債の購入を増やす検討に入ったともある。先の日米首脳電話会談の公表はないが、お茶飲み話をしているだけの話ではありえず。週末から今週はは一つの大きな転機となる可能性も意識したい。

カナダ
カナダ中銀は4日の利下げに続き、13日に0.5%の緊急利下げを実施、声明では「利下げは消費者の信頼感を支援で、経済支援のために何でもする用意がある」と言う。カナダ政府は100億カナダドルの企業支援策を発表している。最も、トルドーカナダ首相は妻が新型コロナウイルスで陽性反応があり、14日間自宅で自主隔離とあり本気度は強そうでもある。

中国
中国は預金準備率を引き下げ、20日は1年物プライムレート=予想3.95% 前回4.05%、5年物予想4.7% 前回4.75%と、引き下げも見込まれている。

G7
16日(月)にテレビ会議方式で緊急会合を開催する。



【今週発表の経済指標や金融政策からは、以下を注目】

3/16
中国鉱工業生産、小売売上高、
NY連銀製造業景気指数

3/17
豪中銀議事要旨
英雇用統計
ユーロ圏・独ZEW景況感調査
米小売売上高、鉱工業生産、NAHB住宅市場指数・企業在庫

3/18
NZ第4四半期経常収支
日本通関ベース貿易収支
ユーロ圏CPI
米建設許可・住宅着工
カナダCPI
米FOMC・パウエル議長記者会見n

3/19
NZGDP
日本CPI
豪雇用統計
日銀金融政策決定会合・黒田日銀総裁会見
スイス金融政策
トルコ金融政策
米週間新規失業保険申請件数・フィラデルフィア連銀製造業景況指数・第4四半期経常収支・景気先行指数

3/20
中国1年・5年物プライムレート
英消費インフレ期待
英財政
カナダ小売売上高
米中古住宅販売


発表の詳細は別表をご覧ください

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