2020/03/21

2020年3月21日(土)昨日20日、海外市場の動き

2020年3月21日(土)昨日20日、海外市場の動き

世界的な新型ウイルス対策による超大規模刺激策に安心感が金融市場に広まるも、週末の米国市場では株価反発の期待もむなしくに株安で債券利回りは低下。為替相場はドルが弱含みで推移するも一時的と考える市場参加者は多い。

ゴールドマン・エコノミストは、第2四半期GDPが前期比-24%と予想するも第3四半期+12%、第4四半期+10%と急回復とあり、超大富豪の中には一生に1度あるかどうかの大バーゲンと豪語、暴風の中で買い越しとなっている人もあると言う。

ただし週末の米株は下落。ダウは一時前日比100ドル超上昇するも終盤にかけ下落幅を拡大し2万ドルの大台を割り込み前日比-913.21(-4.55%)で終了。米債利回りは低下し、10年債は前日1.158→0.885%近くと急低下。

原油価格(WTI)はトランプ大統領がロシア・サウジアラビア間の石油価格戦争に介入することを示唆してから底堅い動きが続いたが、逆に一時19.46ドルまで急落と失墜。

為替相場はドルが弱いが、直近の急激なドル高の調整の可能性を意識してなのか、本格的な反転を予想する市場参加者は意外に少ない。もちろん、日々ボラティリティが高い状態で底値を探る動きは難しく、日々難しい相場が続きそう。

ただし、過去に例の見ない各国中銀の金融緩和策、政府の財政出動に、新型コロナウイルス感染を防御できる材料が表れたとき、または、感じる可能性が期待されたとき以後の戻りも大きいことの必然性が高い。

USDJPYは、アジア市場高値111.36→欧州市場安値109.33といつもながら上下の変動が激しい中で、欧州主要国の大規模刺激策と金融緩和もあり、欧州株の上昇+米株の上昇を受け、米国市場の序盤から上昇傾向が続きアジア市場の高値を上回り一時111.50台まで上昇。ただし、米株価の下落や債券利回りの低下もあり終盤にかけ110.70まで下落し110.75で終了と、水準的には108~112円のレンジ入りでいつか来た道へ逆戻り。

GBPUSDは、アジア市場の安値1.1410をボトムに、スナク英財務相が史上初めて政府が給与支払いの支援(80%)に踏み切り、米国市場の序盤では1.1933まで急伸するも、終盤にかけて下げ幅を拡大し1.1555まで下落し1.15658で終了。一日を通じてみても約500ポイントと大きな変動幅。過去3日間で1.1500割れをボトムに下げ止まり感はあるも、英EUの離脱交渉どころではない金融市場の混乱の影響のリスクを考えれば不透明感は強い。

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米政府
①米政府がG7と4月と5月に追加的なテレビ会議を開くことを希望している。

FRB
①他の5中銀(BOJ、ECB、BOC、BOE、SNB)とドル・スワップ協定を通じた流動性供給の拡充を発表。
②ドル資金の需要増に対応し、これまで毎週行っている期間7日のドル供給を 23日から毎日実施し、少なくとも4月末まで継続する。
③MMF向け流動性支援制度について、地方債を組み入れているMMFも支援対象に含める方針。

トランプ大統領
①ロシア・サウジアラビア間で勃発した石油の価格戦争に、自身が「適切な時期」に介入するだろう

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト
①「米経済の突然の停止」を理由に、米第2四半期GDPは、前期比年率換算で前回予想24%縮小の見込み。
②従来の予想は-5%だった。-24%との予想は確定値が対象で、速報値では確定値ほどの落ち込みは表れない公算が大きいという。
③第1四半期は-6%と予想。第3四半期+12%、第4四半期+10%と急回復するものの、通年の平均では-3.8%になるとみている。

世界の超富裕層が株式爆買い
①アイカーン氏やバフェット氏は市場混乱の中で株式買い越し
②世界各地の市場が混乱する中で、世界の超富裕層の一部は投資先企業の株式買い増しに合計10億ドル(約1100億円)以上を投じた。
③アックマン氏は、、「現在の危機が正しく制御されるなら、一生に1度あるかどうかの大バーゲンだ」

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スナク英財務相
①史上初めて政府が給与支払いの支援に踏み切った
②企業が雇用を維持した場合、従業員1人当たり給与の80%(月額最大2500ポンド)分を補助金として支給する。

スイス政府
①新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた企業などの支援に向け総額320億スイスフラン(約325.6億ドル)を支援

独首相報道官
①メルケル首相は、州首相と危機対策会合を開き、新型コロナウイルスの感染拡大抑制に向け取られている措置の順守状況を検証する
②「メルケル首相と州首相は状況を厳しく精査する。国民が21日にどのように行動するかが決定的となる
③連邦制を敷くドイツでは首相に全国的な外出禁止令を発令する権限はなく、州首相や地方政府が発令する必要がある。

フォンデアライエン欧州委員長
①欧州が保証する「コロナ債」の発行を検討する用意がある

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メキシコ中銀(利下げ実施)
①政策金利を0.5%引き下げ、7.0→6.5%に決定。
②声明では、インフレ見通しを巡り上下両方に向かうリスクがあるなど不透明感が高まっている

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米・サウジと原油価格安定で話し合い
①トランプ米政権が原油価格の安定化に向けサウジアラビアにエネルギー省高官を派遣へ。
②感染拡大で世界経済が甚大な影響を受けている時にサウジが増産姿勢を示していることで事態が複雑化。

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21:30    CAD 1月 小売売上高=前月比0.4%(予想 前回0.0%)、除く自動車前月比-0.1%(予想 前回0.5%)

23:30    USD 2月 中古住宅販売件数=前月比6.5%(予想0.7% 前回-1.3→-2.0%)、577万件(予想550万件 前回546→542万件)→ 予想と前回を上回り2007年2月以来の高水準。2月の米中古住宅販売戸数は、新型ウイルスが米経済活動に深刻な打撃を与える前の1月と2月上旬の契約数を反映

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