2020/03/15

今週の為替相場を考える(3月16~20日)

今週の為替相場を考える(3月16~20日)

過去数週間の金融市場(株式、債券、為替)の大変動を見ると、過去のリーマンショック彷彿させる思いで、今週の為替相場の動向を予想することは難しいと思わざるを得ない。また、仮に予想したとしても一週間のレンジが7.32円となったUSDJPY相場を考えると仮に5円幅のレンジを予想しても無意味に思えてならず、今週は予想レンジを定めることはやめにしたい。

新型コロナウイルスの感染拡大による人的、経済的なダメージを逃れるまたは、弱めるために各国中銀は限られた手札の中で利下げを実施し、政府もやっと財政政策を講じている。それらが効果を表すのか、それとも不足でさらに新たな対策を催促するのか? それを見極める必要がある。

そういう意味では米国の動きと金融市場が最も重要であることは周知のとおり。3月18日のFOMCで3日の利下げに続き期待通り0.5%の利下げを実施し期待している量的緩和(QE)まで踏み込むことになるのだろうか? そうすれば米株の上昇が期待でき、さらなるドル高のリスクが高まる可能性も否定できず。

ところで、VIXが2月末には18%台にいたのが先週は一時77.50台まで急伸するなど、大変動を見てもわかるように、株式市場の大変動はすさまじい。NYダウの一日当たりの値幅は2月25日~3月13日の14日営業日で9日間も1000ドルを超えており、この間の平均値幅は1151.81ドルで1000ドル幅の上下変動でも驚かなくなってきていることは当たり前の状態。

結果、NYダウは週終値ベースで見ると3月6日=25,864.78で、3月13日=23,185.62と、2679.16ドル値を下げて終わっている。

一方、米10年債利回りは同期間の2月25日の高値1.416%から、3月9日に0.318%まで低下しているが、週末ベースで比較すると3月6日=0.8120%、3月13日=0.983%と上昇して終わっている。

USDJPYは2月21日の112.187を高値に、3月9日には取引業者のシステムトラブルも一因と言われているが101.18まで急落。週末終値ベースで比較すると3月6日=105.341、3月13日=107.96と+2.62円の円安で、債券利回りと同じく上昇している。予想ではないが105~110円が座りの良い位置に思えてならない。

この動きを他の主要通貨と比較してみると、EURUSD1.12855 →1.11037-181ポイントのEUR安、USDCHF0.93699→0.95069、と137ポイント上昇のCHF安、GBPUSD=1.30449→1.22770-768ポイントのポンド安、AUDUD0.66454→0.61836-462ポイントのポンド安と、見ての通りドルは全面高。USDJPYは期末に向けてリパトリのドル買いとかの可能性もあるが、相場はリスク回避通貨の有無を問わず、ドルを選好していたことになる。

長くなってしまったが、新型コロナウイルスの感染拡大が危惧されEUの懸念材料は多く、結果としてEURは強くなり難い状況にある。資源価格の下落と中国経済の低迷リスクと昨年末の自然災害に最安値を更新しているAUDUSDと連動しているNZDUSDは、どのような状況で上昇に転じるきっかけがつかめるか? なければ追加利下げ期待もあり売り圧力は止まらず。

USDCADは原油価格の下落や景気低迷リスクにカナダ中銀の3月4日、3月13日と連続した利下げもあり先週は1.4000の大台直前まで上昇(カナダドル売り)となった。ただ、他の通貨に先駆け系1%の大幅利下げが実施されたこと、IMMポジションでもCADはロングからショートに変化していることもあり、USDが上昇を続けると仮定すれば、クロスでのCAD買いが強まることになり、この水準から積極的に上昇するかは疑問。むしろ。。。。。。


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