2020/03/11

2020年3月11日(水)昨日10日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2020年3月11日(水)昨日10日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

トランプ大統領の経済対策の評価は? 「給与税の減税、小規模企業に対する支援策」を期待。米国内の新型コロナウイルスの感染は止まらず、18日のFOMCを含め緊急利下げ期待も強く残る。

結果、金融市場は様変わりでボラ非常に高い状況で、欧州株安に反して米株は上昇し、米債利回りは急伸、原油価格急伸、VIXは低下。為替市場はドル全面高! そして、JPYは全面安。

ダウは+1167.14(+4.89%)、米10年債利回りは0.79%、2年債も0.54%近くと急伸。WTIはサウジ・ロシアの対立が止まないが逆に34.50台に上昇、VIXは低下し47.20近くで推移。

為替市場は、ドルが全面高でDXYは+1.73%上昇し、ドルはリスク選好通貨や主要通貨、資源関連通貨、新興国通貨に対して上昇。特に、リスク選好にJPY売りが加速し、USDJPYが一時105.92まで上昇し105.50台で推移と、3%超の上昇を維持。

USDJPYは、日銀のETF買い入れ枠拡大、緊急対策第2弾を評価したかわ不明ながら、新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に拡大する中で、101円台のこのステージの安値から約4.5円近く切り返している。米株高+米債利回りの急伸、資源価格の持ち直しもあり、リスク回避の巻き戻しに、JPYロングの激しい巻き戻し+個人投資家のJPY売り+大きな買いの手も加わり、東京市場の安値102.01から、クロスでのJPY売りも加わり、米国市場の終盤では105.92まで一時上昇し105.50台で推移と前日比で3.1%近く上昇となっている。

USDCADはCAD安で一時1.3796まで上昇するも、USD高がサポート+原油価格の反発にCAD売りは限定的で0.36%の上昇幅にとどまり1.3750近辺で推移。結果、JPYはクロスでCADJPYの+2.7%の上昇を最大に、1.3~1.8%近くのJPY安になっている。

結果論だが、ポジションを1/10に限定したロングは功を奏していたことになるが、今回の連高下相場がどの位置で終息(収束)するのか? 現状の水準で終わるとはどうしても思えず、引き続き下値リスクを含めボラの高い状況を意識したポジションのマネジメントが必要では。

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新型コロナウイルス関連

米疾病対策センター(CDC)所長
①9日時点の公共衛生施設は約4900人が新型コロナウイルスの検査を受けた。

アダムス米公衆衛生局長官
①米国内での新型コロナウイルス感染拡大は悪化する見通し。
→ 新型コロナの感染は米50州中34州とワシントンDCで確認されており、ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、感染者は10日午前時点で755人。死者は累計26人で、大半はワシントン州に集中している。

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メルケル独首相
①新型コロナウイルスの感染拡大による影響に対応するために現時点で景気刺激策を導入する必要はない
②ただ、新型ウイルスの感染拡大の封じ込めに向け、不要不急なものは全て中止する必要がある。

コンテイタリア首相
①ECBに大胆な行動を取るよう呼び掛けた
②新型コロナ感染拡大防止策によって打撃を受けている景気を安定させるため、ユーロ圏は利用可能な全ての金融、財政手段を用いる必要があると主張。具体的には、EU加盟国で協調した財政出動による景気対策の必要性を挙げた。

ドイツの銀行監督当局
①新型コロナウイルスの感染拡大による悪影響を和らげるため、銀行の資本規制を緩和する方策を議論

仏大統領
①ウイルス感染に予算措置が必要
②EU首脳会談にラガルドECB総裁も参加

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トランプ大統領
①給与税を11月の選挙まで免除することが望ましいと共和党上院議員らに伝えた。
②自らの再選が決まるまでは税金が上がらないようにする計らいだという。

ムニューシン米財務長官
①米財務省は独自のウイルス対策を模索

トランプ大統領ツイッター
①FRBは主要政策金利を競合国の水準に引き下げるべきと、17~18日の定例会合での大幅利下げを要求。
②パウエル議長が率いるFRBは哀れで動きが遅い」と批判し、FRBは「リーダーにならなければならない」

JPモルガン・チエース エコノミスト
①3月17、18日のFOMC会合かそれ以前に、1ポイントの追加利下げを予想。

ゴールドマンサックス・グループのストラテジスト
①世界の株式は高値から20-25%下げ、その後で反発に向かう公算が大きいと予想。
②株式相場が2008年の金融危機以降で最悪の急落から力強く回復すると予想するが、その前にはさらに下落するとみている。

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日銀
①金融緩和政策の一環としETFの購入枠を現行の年間約6兆円から増やす手段を検討している。
②18、19の両日開かれる金融政策決定会合で議論する見通し

政府
①新型コロナウイルス対策本部会合で、緊急対策第2弾をまとめた。財政措置は4308億円。予備費2715億円を活用する。金融支援の総額は1.6兆円となる。今後も、感染の状況とともに、地域経済および世界経済の動向を十分注視し、必要な対策は躊躇なく講じていく、としている。

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ノバク・ロシアエネルギ相
①「必要に応じて、取り得る手段はいろいろある。減産や増産はそれに含まれる。新たな合意を結ぶこともあり得る」
②近い将来に日量50万バレルの増産もあり得る
③5月か6月にOPECプラス会合を開き、新たな合意は可能

ロシア中銀
①ルーブル防衛策に予定を前倒しで外貨売却を開始、ロシア中銀は直ちに外貨準備からの売却を開始するとし、金融の安定を維持するため追加手段も講じる用意があると表明した。
②10日のモスクワ外為市場でルーブルは一時4.7%安を記録した。ロシアとサウジアラビアは原油価格戦争に入った様相で、トレーダーはその影響を警戒している。ロシアの株式と債券も下落した。

ロシア財務省(9日)
①原油価格がバレル当たり42.40ドルを下回る水準が続けば、外貨売却を開始する意向を示していた。ロシアはこの水準を財政規則で下限としている。

サウジアラムコ
①4月の原油供給を日量1230万バレルに引き上げると発表。
②ロシアが提案した話し合いを実質的に拒否したことになる
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