2020/03/22

今週の為替相場を考える(3月23~27日)

今週の為替相場を考える(3月23~27日)

為替相場は新型コロナウイルスの感染拡大による経済不安にドル資産への回避なのか絶対的なドル高傾向にあるも、最新のIMMデータでは主要7通貨で長期間続いた通貨ショート(ドル高思考)から通貨ロングへと流れが変化。

また、主要通貨の中で過去の安値水準を下回る動きもみられる中、中銀の為替介入のリスクは弱いも水準を見れば気になる。デンマーク中銀は通貨クローネの防衛に金利を引き上げており、スイス中銀はいつもの通り通貨介入の可能性を示唆しており、ルメール仏財務相はECBに対して大規模介入(ユーロ防衛)を促している。

トランプ政権は週末、新型コロナウイルス対策として検討する大型景気刺激策が最大2兆ドル(約220兆円)に達すると表明した。これはGDPで10%に当たるとのこと。連邦政府が1.3~1.4兆ドルの財政支出をし、FRBなどが追加支援で2兆ドル積み増すとある。

一方、メルケル政権も、1500億ユーロ(約18兆円)規模の追加予算を計上する方針で、新型コロナ対策を決定する見通しとのことで、追加予算を含めた規模は全体で7500億ユーロ(約90兆円)となり、さらに「経済安定ファンド」を設置し、企業の債務を最大4000億ユーロ保証するなどと報道もあった。

ゴールドマンのエコノミストは、米第2四半期GDPが前期比年率換算で前回予想24%縮小の見込みとあり、一方では、株価下落を受け、「現在の危機が正しく制御されるなら、一生に1度あるかどうかの大バーゲン」と考えている超大富豪もある。問題は危機の制御がいつ確認できるか? 最も確認できてから動くことは「遅きに失する」ことになりそう。

為替相場を考えるに、リーマンショックに匹敵する、場合によっては新型コロナウイスルの感染による世界経済の停滞による異なる要因で、世界経済がリセッション入り確実視されている。

結果、中銀がゼロ金利近くへ金利の引き下げと資産買い入れを拡大させ、さらに、政府が超大型の財政出動に動かざるを得ない状況で、一時的なリパトリはもちろんながら、ドル資産へと動くなかでどこまでドル高傾向が続くのかピンポイントで予測することは難しく、今週も短期的な取引でドルロングに徹するか、中期オプションでドルプットを買うか、それとも、様子見するかの三択となっている。


USDJPY
最近の債券利回りの反発と、円安の連動性は高く、債券相場の流れは気になる。USDJPYは2.5週間かけ112円台→101円台まで下落後、2週間かけて111.50まで急反発。特に3月13日(前日比3.33円)、3月19日(前日比2.67円)と大幅な円安となった。同日の米10年債リ利回りは0.983%、3月9日に0.318%の安値を付けてからは1.28%台まで上昇傾向にあった。

Dailyチャートでは、2月20、21日の112.20台が上値の大きなポイントとなり、3月19日に急伸となったポイントの107.50~108.00が下値のポイントになっている。

Weeklyチャートを見ると、2週間前の大幅な下髭の長い週から2週間続けて反発を続けており、急激なドル急伸と緩やかな上昇と速度は異なるも2018年年初の急落時のパターンに似ている。2018年終盤から続く112円台(00~30)の高値を超えて、110~115円の過去のレンジに逆戻りするのか? それとも失敗し、上下変動時に重要なポイントとなっていた108円を維持できるのか?失敗すれば元の円高に戻りのリスクも。

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