2020年3月14日（土）昨日13日、海外市場の動き
主要国は新型コロナウイスルの感染防止対策に加え、利下げや財政出動など景気刺激策を実施。功を奏して世界的に株価は反発。ダウは終盤にかけ急騰し＋1985.00（＋9.36％）の上昇へ。
トランプ大統領は感染拡大で国家非常事態を宣言し約5.4兆円の予算を確保。カナダは0.5％の緊急利下げを実施、中国は預金準備率を引き下げ、日銀は2000億＋5000億の国債買い入れオペを実施して19日の会合でCPと社債の購入を増やす検討に入ったともある。ドイツ政府は感染拡大の影響を受けた企業などの資金繰りに総額に上限を設けない無制限の信用供与を実施すると発表。G7は16日（月）にテレビ会議方式で緊急会合を開催する。
結果、欧米株は急騰、債券利回りは高止まりし、原油価格はサウジが油生産能力を引き上げ欧州にバレル25ドルで原油を供給との報道もあったがWTIは32.93ドルと底堅く推移。
肝心の為替相場だが、ドルは選好され全面高で、株価の急反発にリスク選好と日銀・政府への緩和策期待策を意識してかJPYは急落。USDJPYは一時108.50まで急伸とボトムから約4円の上昇で結局は高値圏となる107.96で終了し、JPYはクロスでも全面安で特にCADJPYは4％近くの上昇となった。
JPYに次いで弱さが目立ったのはGBPで、EURGBPの急伸の影響もあるのか、GBPUSDはMPC議事録でもインフレ1％を割り込む可能性や追加利下げや量的緩和（QE）再開の可能性も指摘されており、欧州市場の1.2620台とピークに終盤にかけ1.2260まで続落し弱さが目立っている。
USDCADは、トルドー首相の妻が新柄コロナウイルスに感染するなど感染拡大リスクが危惧されるが、1日を通じて1.3782→1.3395と上下変動するも、カナダ中銀の緊急0.5％利下げ実施にも1.4000の大台の壁を超えられず。結局はUSD高に連動する傾向が強くクロスでは上昇が目立ち終盤にかけては1.3800まで値を戻し、前日比では小幅下落（CAD高）で終了している。
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G7
①16日（月）、テレビ会議方式で緊急会合を開催
②フランスのマクロン大統領がツイートで明らかにした。
カナダ中銀（緊急利下げ）
①政策金利を0.5％引き下げ0.5％に決定。
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トランプ大統領
①新型コロナウイスル対策で国家非常事態を正式宣言
②連邦政府の最大で500億ドル（約5.4兆円）の予算を活用し各州を支援するなど、必要な措置をとる
③連邦政府はすべての学生ローンの金利放棄や備蓄のための石油の大量購入を検討
事前の観測記事→ 国家非常事態を正式宣言
①ホワイトハウス関係者、トランプ米大統領が13日中にも何らかの宣言に署名する意向を表明する可能性がある
②署名した場合、感染の広がる新型コロナウイルスへの対策に400億ドル（約4.3兆円）の資金が注入される可能性があるが、流動的。
ムニューシン財務長官
①大統領は大規模刺激策を予定。新型コロナウイルス対応で
②先日の第1イニングの８億ドル規模のコロナ法案に続き、第２イニングの財政刺激策を策定中。
③流動性を高めるためにさらに取り組む
ローゼングレン・ボストン連銀総裁
①米国の人口の約４分の１が新型コロナウイルスに感染する恐れが現実的にあり、封じ込められなかった場合、米国の医療システムは「大きなストレス」にさらされると警告した。
米国の経済対策
①ムニューシン米財務長官は、トランプ大統領は大型の景気対策に取り組んでいる（12日）
②ペロシ下院議長、トランプ政権と感染の緊急事態への支援策で合意に近づいている（12日）
③FRB、金融システムに計1.5兆ドルの流動性を一時的に供給（12日）
④トランプ大統領、給与税の大統領選までの免除を提案するも、議会は拒否（12日）
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欧州委員会のフォンデアライエン委員長
①13日、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響を緩和する措置の一環として、総額370億ユーロの投資促進策を導入すると発表
②ＥＵは加盟各国政府が柔軟的に財政赤字と公的支援に対応できるようにする。これにより感染拡大が欧州で最悪となっているイタリアは歳出を自由に決定できる。
③、感染拡大で影響を受けた小売、観光、輸送業などの約10万社に対し、最大80億ユーロの融資保証を実施するためにＥＵ予算から10億ユーロを拠出する。
欧州委員会
①新型コロナウイルスによる危機で欧州連合（EU）とユーロ圏は今年、深刻なリセッションに陥るとの予測
②今年の実質域内GDP成長率はパンデミックがなかった場合と比べ、0.25％押し下げられる」と試算。
③ＥＵの今年の実質GDP成長率が1.4％と予想されており、成長率は－１％をやや上回る落ち込みを示唆
③2021年は大幅に回復するが、落ち込みを完全に取り戻すには至らない」との見通しを示した。
ビスコ・イタリア中銀総裁
①ユーロ圏のいずれかの国や地域を支えるために必要であれば、債券購入を前倒しで実施できる。
ドイツ政府（ショルツ財務相とアルトマイヤー経済相が記者会見で発表）
①新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた企業などの資金繰りを支援するため、総額に上限を設けない無制限の信用供与を実施すると発表
②独ルフトハンザ航空はドイツ政府などに資金繰りなどの支援を要請することを明らかにした。
欧州委員会がまとめた英国との将来の関係を規定する草案
①欧州連合（ＥＵ）が貿易と安全保障で英国と緊密な関係を維持する将来像を描いている。
②英国が１月にＥＵを離脱した後、双方はこれまでの取り決めが有効である年末までの移行期間後に向けた新協定を協議している。１８日から第２回会合が開かれる。
③ロイターが確認した草案は「平等な条件」を巡る条項に言及。規制をそろえることで公正な競争を確保する狙いだが、英国はこれに反対している。441ページある草案では「英ＥＵは当事者間の平等な条件を確保することが貿易と投資にとって不可欠であることを認識する」としている。
④英EUは漁業の取り決めでも意見が相違。ＥＵは草案で海域への相互アクセスを提示しており、毎年１２月１０日までに翌年の漁業の取り決めを交渉するとしている。
⑤貿易で混乱が生じた場合は、ＥＵは英国に通知した１５日後に保護対策を導入することができるとした。
スペインのサンチェス首相
①１３日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、１４日に開く閣議で非常事態を宣言する
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BOE緊急MPC議事要旨(3月11日）
①大幅な利下げに踏み切る「強い根拠」があると判断
②原油価格の下落を指摘し、インフレがこの春に１％近辺か、それを下回る水準にまで低下する可能性がある。
③今後の選択肢として、追加利下げや量的緩和（QE）再開、中小企業向けタームファンディングスキーム（TFSME）拡大の可能性がある。
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カナダ中銀緊急利下げ実施
①政策金利1.25％から0.75％に0.5％引き下げた。
声明では、
①声明では、新型コロナウイルスによるパンデミックと最近の原油価格の急激な下落から生じるカナダ経済への悪影響を考慮した積極的な措置で、危機は一時的と確信するが、長引く可能性。
②利下げは消費者の信頼感を支援で、経済支援のために何でもする用意。
③原油価格下落は持続の可能性を示唆、原油価格は追加利下げの検討事項。
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人民銀行
①13日、預金準備率を引き下げる、下げ幅は現行水準から0.5ポイントもしくは１ポイント引き下げると発表
②株式制商業銀行に対しては準備率をさらに１ポイント引き下げる。これにより人民銀は合計で5500億元（約8.3兆円）の流動性を放出する。
③新たな準備率は３月16日から適用される
中国政府
①新型コロナウイルス感染拡大に打撃を受けた経済を、金融状況の緩和で支えるため、一部の銀行に対する預金準備率引き下げを求めた。
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サウジ（アブドルアジズ・エネルギー相が統括するエネルギー省）11日。
①原油生産能力を現行の日量1200万バレルから1300万バレルに増強するよう国営石油会社サウジアラムコに指示
②少なくとも過去10年で初めてとなる生産能力の引き上げをサウジアラムコに指示したと発表した。
サウジ
①欧州市場に安い原油を大量に供給している。サウジはロシア産原油の石油精製大手に対抗し、原油を最低１バレル25ドルで販売。
②ロシアとの市場シェア競争が激化している。石油メジャーや欧州の精製会社の５人の関係筋が話した。
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日銀
①13日午前には２週連続となる国債買い現先オペを実施した。午後に予定外の国債買い入れオペを通知
②午後１時の金融調節で、残存期間５年超10年以下の国債買い入れ2000億円を通知した。毎月末に公表される月間のオペ計画にない予定外の国債買い入れが実施されるのは2018年８月２日以来。
③日銀は午前にも、先週２日と３日に続いて２週連続となる国債買い現先オペ5000億円を実施。期間は16日から30日までで、下限となる応札レート（期間利回り）はマイナス0.10％。オペの結果は、応札額が５億円にとどまる大幅な札割れになった。
日銀
①日銀は18～19日の金融政策決定会合で、大企業が資金調達のため発行するコマーシャルペーパー（CP）と社債の購入を増やす検討に入った
②現在はそれぞれ2.2兆円と3.2兆円の残高を維持する目標を掲げているが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う金融市場の動揺を受けて機動的に対応する方向だ。
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