2020/03/03

2020年3月3日(火)昨日2日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2020年3月3日(火)昨日2日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

3日に新型肺炎による景気減速阻止に向けにG7は緊急電話会談へ。協調緩和を期待した株価の上昇と、債券利回りの低下は止まらず。BOE、FRB、BOJは緩和姿勢を示し、FRB3月0.5%の利下げ期待が市場に広まる。

原油価格(WTI)は47ドル台へ上昇、欧州主要国株はボトムから値を戻し前日とほぼ変わらず。米株はG7の協調緩和を期待して急伸、特に終盤にかけては上げ幅を拡大しダウは4.8%近く、Nasdaq4.0%近く、S&P5004.3%近くの上昇となった。米10年債は1.15%近く、2年債は0.91%と終盤にかけて上昇幅を拡大。

為替相場は、「G7の協調緩和=株価持ち直し」を意識したリスク回避の巻き戻しを意識しながらも、その効果へ有効性や新型肺炎の感染拡散の継続を意識して、リスクオンの動きも限定的。

ただし、EURの上昇は止まらず一人勝ち状態。EURUSDは+1.0%近く、EURJPY+1.2%近く、EURGBPは1.52%近くの上昇へ。英国とEU、米国とEUの通商交渉を意識しているとは思われず、大きな流れの変化なのか? EURUSDはアジア市場の1.1038をボトムに年初来の高値(1月16日=1.1173)を一時上回る1.1185まで上昇し伸び悩み、この水準が大きなポイントに。

USDJPYは、アジア市場早朝の107.37をボトムに、一日を通じて大枠107.40~108.60とワイドな動きとなった。G7の協調緩和=株高を意識したJPY売りに底堅くなりながらも、米債利回りの低下を意識しているのか円売り圧力は限定的となった。ただ、終盤にかけて米株上昇傾向が強まると、再び高値108.58を狙う動きとなっており、3日の日本株の上昇幅を意識しながら底堅い動きとなっている。

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G7財務相・中銀総裁は3日に緊急電話会談へ
①新型コロナウイルスの対応策を協議する。金融緩和や財政出動も含めて「あらゆる手段でリスクに対処する」と打ち出す見通し
②ムニューシン財務長官が3日にも緊急の財務相・中銀総裁会議を開く方向で各国と調整に入った。フランスのルメール経済・財務相も2日、仏国営テレビのインタビューで「G7が協調行動に向けて近く電話協議する」と明らかにした。会議後には共同声明を出して、各国が早期に政策対応を打ち出すことを確認する見通しだ。
③金融市場ではECBやBOEも協調的な金融緩和に動くとの観測が強まってきた。欧州市場は8割の確率でECBが12日の理事会で利下げに踏み切ると織り込んだ。政策金利はマイナス0.5%と利下げ余地に乏しい。ただ、急激なユーロ高を抑えるためには、米国の利下げに追随せざるを得ないとの見方が強い。

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複数の投資家予測
①感染拡大や世界経済に対するリスクの高まりで、米国経済は今年ゼロ成長に陥り、一部の米国債利回りは初めてマイナスを付ける可能性がある
②短期金融市場は米金融当局が3月に0.5ポイント、7月末までにさらに0.5ポイントの利下げを実施することを織り込みつつある
③米緩和観測は2日に急速に高まり、3カ月物のドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は2008年以来の大幅低下となった。

米金融市場
①CMEグループのFEDウオッチによると、短期金利先物はFRBが3月のFOMCで0.5%の利下げを行う確率を完全に織り込んだほか、7月までにさらに0.5%の利下げを見込んでいる。

米調査会社
①米調査会エグザンテ・データは、世界各国・地域の中央銀行が新型コロナウイルスによる経済への悪影響を抑えるために短期的に市場の混乱を緩和する政策を打ち出す可能性があるが、その効果は限定的と見られ、売りの好機になり得るとの見方を示した。

トランプ大統領
①ツイッターへの投稿で、FRBの「行動は遅く」、一段と積極的になるべきと批判し、改めて利下げを要求した

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英国とEU交渉開始
①今後の英・EUの経済や外交関係を固める交渉を開始、
②初交渉は5日まで行い、5月までに5回の交渉を重ねて、6月に進捗を確認する。
③3日から「貿易」「漁業」「原子力・エネルギー」など11の分科会に分かれて集中協議に入る。年内にFTAを結び、経済・社会の混乱を回避できるかが最大の焦点
④英が雇用や競争政策などでEUルールにどこまで従うか、英海域でのEU漁船の操業などを巡り対立は深い。

イングランド銀の報道官2日
①財政、金融の安定性に必要なあらゆる措置をとれるよう英財務省や海外の当局と緊密に連携していく。
②英中銀は「継続的に展開を監視し世界および英国の経済と金融システムに及び得る影響について検証している」

ラガルドECB総裁
①新型コロナを「とても注意深く」監視するとしたが、政策対応が必要な段階には「まだ達していない」

ウンシュ・ベルギー中銀総裁
①ECBはあらゆる負のショックに対応する必要はないが、新型コロナウイルスの感染拡大は成長を妨げる可能性があるため、警戒しなければならない
②ユーロ圏経済はリセッションに陥っておらず、雇用は依然として創出されている」として、追加の金融緩和策を急ぐべきではない

欧州委員会のジェンティローニ委員(経済担当)
①新型コロナウイルスの感染が拡大する中、EUとして対応策を検討している
②EUは成長を保護するために必要なら、あらゆる政策手段を活用する用意があり、今週4日に開かれる緊急のEU財務相会合では、経済リスクの緩和に向け国レベルでの緊急対応について協議

英政府
①米国との通商協議における交渉方針を公表、米英の「特別な関係」を試す交渉となりそうだ

デギンドスECB副総裁
①世界の主要な中央銀行が新型コロナウイルスの影響について協議していると明らかにした
②コロナウイルスは世界や欧州経済に不確実性を増加させた
③我々は依然として慎重で経済データを注視する

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【新型肺炎関連】

ゴットリーブ・前FDA長官
①米国では報告されていない新型コロナウイルスの感染症例が「数百ないし数千」ある可能性があり、少なくとも2州、場合によっては4州で「地域的な拡大」が進行している恐れがある

WTO事務局長
①新型コロナウイルスの感染拡大は世界経済に「かなり」の影響を及ぼすが、6月に予定している閣僚会議は予定通りに開催する。

ペンス米副大統領
①もっと多くのコロナウイルスの感染を予測

米ワシントン州
①NBCは新型肺炎による6人目の死亡を確認

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