2020/03/01

今週の為替相場を考える((3月2~6日)

今週の為替相場を考える((3月2~6日)

新型コロナウイルスの感染が米国を含め世界的に拡大し株価が急落し資源価格も下落しVIX指数は急伸。逆に債券は買われ利回りが急低下とリスク回避ムードは全開。

ただし、今週はパウエルFRB議長による利下げの可能性を示唆する発言を契機に下げ止まり気味の株価は持ち直すことができるのか? それとも続落するのか? それが問題だが新たなポジティブ要因が提供されえいることは間違いない。結果、やや楽観的。

豪中銀、カナダ中銀は米緩和期待に追従し予想外に利下げをするのか?資源価格も下落し中国の景況感は大幅悪化、貿易収支にも悪影響が危惧される中で、AUDUSD、USDCADにとっては大きな変動要因となるが、期待感は利下げもしくはハト派発言。

ECBの利下げ余地は限定的で、量的緩和に動くのか? イタリアを主に新型コロナウイルスの感染がEU国内で広まり、景気悪化が危惧される中でも、短期的に積みあがったショートの巻き戻しやクロスでのEUR買いにEURUSDはボトムから反発し上昇傾向が続いている。ただし、EURUSDは1.1100台までの上昇は期待薄で伸び悩み感も。

英国はEUと6月までにFTAで大枠合意を目指しており、その交渉3月2日からスタートするが、現状は大きな隔たりが埋まりそうになく、EUのバルニエ首席交渉官は先に、「どんな代償を払っても、合意するということではない」とあり、GBP相場に悪影響を与えている。ただし、IMM通貨先物ではショートに傾く動きも見られず、どこかに潜在的な上昇期待だけは残っていそう。


USDJPYは、リスク回避通貨の円は、25日時点のIMM通貨先物ポジションからもわかる通りショートポジションを積み増ししていた状態から、逆に激しい巻き戻しも加わっていたことは間違いない。

金曜日には一時107.51まで円高が進んだが、108円台に値を戻し終値ベースでは前週比約3.1%の下落(円高)となった。円はクロスでも全面高で、特にGBPJPYは前週比4.16%の下落と激しさを増している。

Dailyチャートでは、108.50、108.00を割り込み、一時年初来の安値107.65を更新し107.51まで下落するなど一通りの達成感は感じられる。また、先週金曜日のクローズ間際のパウエルFRB議長の緩和の可能性を示唆する発言に、株価がボトムアウトできるのか? この動きも円相場にとっては重要で

昨年10月から続く108円を中心とした、いやボトムとした流れの下限にあり、この水準で下げ止まるのか、それとも反発するのか?あいかわらず新型コロナウイルスの感染抑制の有無にかかわってくるが、個人的にはこの水準をボトムとして反発を期待したい。

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