今週の為替相場を考える(10月29~11月2日)
リーマンショックから10年目。世界的な株価暴落の連鎖は一時的で、米中間選挙の11月6日を前にして短期間で終息し反発することができるのでしょうか? 為替相場はファンダメンタルズやテクニカル以外に、予想することが困難な点を考慮しなければなりません。10月28日から欧州は冬時間に入り、欧州発の経済指標は一時間早めに発表となることも忘れずに。
先週は。前週比で日経平均株価は-5.8%、ダウは-2.97%へと下落、独DAX-3.057%、英FTSE-1.564%と下落。米10年債利回りは3.192→3.0755%へ低下、ドイツも0.46→0.35%、英国も1.576→1.383%へ低下し、VIXは19.89→24.16へ上昇し市場はリスク回避の動きを示しています。
為替相場の変動、特にドル円相場は先週に続き、リスクオフで株安と米債利回りの低下に連動した動きが続くのでしょうか? それともリスクオンに変化するのかで、112円越えが重くなるのか、逆に111円割れがボトムになるのかが変わってきます。
また、個別材料としては、EURUSDはイタリアの予算案で、財政赤字GDP比2.4%を欧州委員会はEU規則で前例のない型破りとして拒否、イタリアも修正を拒否。 GBPUSDはブレグジット交渉で、EUがアイルランド国境問題に対し離脱合意とは分離し、英国全体の関税同盟を提案も英国は受け入れず。一部報道で「ブレグジット協議はメイ英首相のチームで合意できず保留」ともありどうなるかは不明で、共にこれらがクリアになれば反発が予想されますが、どうなることやら。
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USDJPY 株価と金利次第で予断を持たず、ポジション管理が重要に。
Daily=一時111.50のポイントを割り込み111.38まで下落するも、終値ベースで111.76を維持、引き続き111.50~112.90のレンジ相場ながら112.30超の上値は重く下値リスクが続く。
Weekly=112円を割り込み陰線引けで売り圧力を確認。111.00~112.50のレンジへシフト。
EURUSD イタリアと欧州委員会の対立激化では続落傾向止まらず。
Daily=安値を更新するも、終値ベースでは1.1370~90で下げ止まり陽線引けでボトムアウトの期待も残るが、1.1450を上回り変化の確認まで至らず。
Weekly=1.1300を試し、ダブルボトムにすることができるか? 1.1300~1.1500のレンジへ。
GBPUSD ブレグジット交渉の進展次第、どのような妥協策で合意できるか、できないか?
Daily=1.2800割れの再トライから終値ベースでは1.28の大台を維持するも、1.3000を超えるまでは強気になれず。
Weekly=大幅な陰線引けで数々のポイントを割り込み続落。1.2740がポイントで下げ止まるか? 割り込むと8月中旬の1.2662を狙う動きへ。
AUDUSD 中国経済の影響と米中貿易戦争の動き次第で、G20で歩み寄りも期待がもてるか?
Daily=一時0.7021まで下落する0.70の大台を維持し0.7080台を回復。大枠0.7050~0.7150のレンジ継続。
Weekly=下落リスクが続くも、終値ベースで0.7050~0.7150のどちらの方向に動くかによって変わってくる。
USDCAD 再利上げにも市場センチメントは強弱混在。
Daily=再利上げにも1.300割れは一時的で、1.3000~1.3150のレンジを継続し、方向感は見られず。
Weekly=上下振幅の動きは止まらず。週終値ベースで1.2800~1.3200を抜け出し方向への動きを期待。
EURJPY イタリアリスクと株価の変動リスクと混在。リスクオン・オフに左右。
Daily=一時126.60台まで下落、戻りも限定的で終値では8月21日以来の安値更新し売り圧力は変わらず。
Weekly=8月下旬の125.00が大きなポイントで、125~130円のレンジで変わらず。
GBPJPY ブレグジットリスクと株価の変動リスクと混在。リスクオン・オフに左右。
Daily=143.00割れをボトムに反発するも、5日続けて陰線引けで145.00を超えるまでは売り圧力は止まらず。
Weekly=前週比-3.53円と大陰線引け、3週連続の下落に底値を試す動きは変わらないが、143円は一つの節目でこの水準を維持できるかを注目。
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