2019/12/15

今週の為替相場を考える(12月16~20日)

今週の為替相場を考える(12月16~20日)

英総選挙の結果と米中は第1段階の署名合意に達し、危惧された15日の追加制裁は回避され、米株と米債利回りは急伸し、長期的にも世界的な株高傾向は止まらず。債利回りも上昇力は鈍いながらボトムアウト気味に推移。

為替相場はGBPUSDの急伸が目立ち、主要通貨でドルはピークアウト気味に推移して、今週を迎えるというよりも2019年が終わろうとしている。

今週の為替相場を考えるに、英総選挙で与党保守党が歴史的勝利を得て、1月末で英国はEUを離脱し1年間の猶予を経た後に新たな道を歩むことになりそうで、その弊害が明確になるまでは短期的なポンドロングの巻き戻しを経ながらも、続伸することを期待している。

一方、米中通商協議は、期待通りに年末・年始を目前にしてき休戦し15日の制裁解除にこぎつけたが、米中間の認識のずれが表面化し、合意文書の署名は来年1月以降に持ち越され、報道ではトランプ大統領に変わりライトハイザーUSTR代表自らが署名するともある。

「buy the rumor、sell the fact! 」の一時的な動きなのか?年末に向けたポジション調整なのか? それとも、合意そのものが一時しのぎで米中共に強硬姿勢は変わりないことを示唆しているのか? 主要国の中銀の不透明性の一部が解除されたことによるドル売りへの反応なのか? 米中通商協議の楽観的な見通しと比例してドル売りが強まっていることが気になる。

いずれにしてもとりあえず、「英総選挙で英保守党勝利、第4弾の制裁関税発動は回避」となり、今週からは年末相場の色合いが強く出ることは間違いなく、それを意識した取引を心掛ける必要がありそう。


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USDJPY 予想レンジ(109.00~109.80)

英総選挙の保守党大勝+米国の対中制裁関税取り下げと第1弾の合意署名の動きにリスクオンの流れが全て。今までの108.40~90のレンジ相場を上抜けし、110円台達成の夢をもちながらも、200週MA=109.77のトライを失敗、12月2日の109.73の高値を超えることも失敗し、売り圧力が強いことが実証された。ただし、ブレグジットをめぐり予想外のネガティブ材料や、米中が合意文書の署名に応じない動きがない限り、底値も限定的とで上昇圧力は変わらず。仮にそのような動きがあれば、ためらわずドル売りを選択。


EURUSD 予想レンジ(1.1100~1.1200)

Weeklyベースでは上昇傾向が続くも、200日MA=1.1153を上抜けし10月21日の1.1180、10月31日の1.1176を上抜け1.1200まで上昇したことで、勝負があったかと思われたが、EURGBPの続落の影響もあって終わってみれば逆に200日MAを割り込みほぼ元の水準に逆戻りと、期待と失望が混在している。ただし、ブレグジットの方向性が示されたこともあり、欧州経済のボトムアウトを期待したいが?


GBPUSD 予想レンジ(1.3250~1.3500)

ようやく、ようやく英国民はEU離脱を支持するジョンソン氏の保守党に予想外の支持を示した。1年後にEUを完全離脱するまでの以降期間のごたごたは避けられないが、とりあえずはGBPを評価する動きは変わらず。GBPロングの一時的な巻き戻しは当然のことながら、1.32台をボトムに押し目での買いは強くどこまで上昇するのか試す動きを期待したい。


USDCAD 予想レンジ(1.3050~1.3200)

12月10日にフリーランド・カナダ外相は、米国、メキシコ、カナダ協定の修正案の議定書にサインしている。米議会民主党とトランプ政権はUSMCAの修正で合意し、メキシコ上院もUSMCA修正案で署名した。米中通商協議が仮に継続的に安定することになれば、カナダにとってもメリットがありカナダドル高を期待したくなる。


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