2019/12/29

今週の為替相場を考える(12月30日~1月3日)

今週の為替相場を考える(12月30日~1月3日)

今週は年末・年始にあたり、年始は3日(金)まで東京市場が休場となることもあり、一週間の予想は割愛し、全体的な流れを考えてみたいと思います。

市場参加者の声は、2020年中ごろまでは「株高+ドル高」との意見が多いように感じられます。ただし、こう言っては身も蓋もないのですが、年末の来年に向けた予想は当たらないのがセオリーで、予想するということは難しいものです。

相場変動の材料は? 新たな材料が突然現れる可能性はあるものの、今まで継続し現時点でも重要と思われる材料は、「米中通商協議」、「ブレグジット」、「米金利(FRBの金融政策)」、を主に、さらに追加するならば、「欧州経済の悪化」、「世界的な株高」、ではなかったでしょうか?

【米中通商協議】は、期待通り年末ぎりぎりで米中共に不本意ながら妥協しています。部分的な制裁解除の動きや米中首脳は電話会談を行うなど、1月予定の第1弾署名は再延長されればサプライですが、現状は表面的にせよ市場は安心感が広まっていることも確かです。株高+円売り材料。

【ブレグジットの影響】
総選挙で与党保守党が大勝し、ハード・ブレグジットの回避=GBP高から、1月末のEU離脱協定が締結される可能性+2020年末まででEUとの協議で合意できずに移行期間が終わる可能性に下落しました。ただし、今までの暗中模索から朝霧の中を歩く状態へと改善していることも事実で、GBP高傾向を期待しています。

【米金利(FRBの金融政策)】
緩和は終了し目先はニュートラルで様子見。通常なら株安要因ながら、世界主要国中銀の資産買い入れの終了は見受けられず、米大統領選を控えて引き締めもできず、しばらくは株価も安定へ。相対的にドル高傾向が続きそうで、トランプ氏のドル安への強硬発言がサプライズ要因となっています。

余談になりますが、大きなレンジ内での動きとは言え、緩やかな円売りの流れが続く中で、スイスフランは上昇しています。JPYとおなじ安全資産として見られるCHFは強く、USDCHFは昨年9月以来の水準へ。 また、CHFJPYも昨年12月の112.30台近くへ上昇と、JPYとCHFの異なる動きは気になってしかたありません。

また、NZDUSDが9~10月の0.6200台をボトムに今年7月の水準まで上昇、AUDUSDも0.6670台をボトムに0.6980台を回復と、米中通商協議の一部合意や、資源価格の上昇と(CRBは185を超え4~5月ごろの水準へと上昇)流れに乗っている可能性も否定できません。

それで皆さん、良い正月をお迎え下さい。

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