2020/02/11

2020年2月11日(火)昨日10日、海外市場の動き(午前6時半ごろの動き)

2020年2月11日(火)昨日10日、海外市場の動き(午前6時半ごろの動き)

新型肺炎の感染拡大とドイツの政治的リスク、経済的リスクが気になる。

蛇足ながらIMFは日本に「2030年までに消費税15%、50年までに20%への引き上げを提言」、なんの話? と目を疑う。話を戻すことにして、本日は日本が建国記念日で休日の中、米国では注目のパウエルFRB議長の議会証言が控えており、相場変動リスクは非常に高い。

新型肺炎の感染拡大の悪影響は中国を主に世界経済へ拡大。英国は公衆衛生に「深刻で差し迫った脅威」をもたらすと宣言。また、スーパースプレッダーの懸念が強まり、弱いながらもリスク回避に債券利回りは低下するも。欧州株が下落する中で逆に米株だけは強い。

メルケル独首相の後継者クランプカレンバウアー氏は次期首相候補をギブアップし党首も退任すると表明、感染肺炎拡大懸念にセンティックス投資家センチメントは予想外に弱く、EURの売り圧力が目立つ。

欧州株は軟調に推移したが、米株は強くNYダウ+0.6%、Nasdaq+1.13%、S&P500+0.73%と共に上昇。米債利回りは軟化し、10年債は一時1.54%台へ低下し1.56%台近くで推移。WTIも弱く50ドルを割り込み49.60近辺で推移。為替相場は、EURを除き全体的にドル売りの流れとリスク回避通貨がやや選好される動き。

USDJPYは109.56~88の狭いレンジで109.75を中心とした動きに終始し方向感は見られず。ただし、新型肺炎の悪影響を織り込んだ動きなのか不明。米債利回りの低下+米株の上昇とJPYに対しては強弱混在で、JPYはクロスでも通貨間で強弱混在。

EURUSDは、ユーロ圏、ドイツのセンティックス投資家センチメントの落お見込みが強く、メルケル独首相の後継者クランプカレンバウアー氏は次期首相候補をギブアップし党首も退任すると表明。アジア市場の1.0958を高値に米国市場に入り1.0907まで続落。戻りも極め限定的で弱さが目立ち、EURCHF、EURGBP、EURJPYとクロスでも独歩安。

USCADは、アジア、欧州市場で1.3289~13のレンジで推移していたが、欧州市場から上昇が始まり、米国市場に入り強いカナダの住宅着工件数、住宅建設許可件数にも関わらず上昇は止まらず。オプションカット時には1.3330と昨年11月後半から12月にかけての高値圏に並ぶ水準まで急伸し、1.3315~25のレンジと高値圏で推移。1.3350、80が次の上値のポイントに。

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22:15    CAD 1月 住宅着工件数=21.32万件(予想20.5万件 前回19.73万件)

22:30    CAD 12月 住宅建設許可件数=前月比7.4%(予想2.8% 前回-2.4→-3.5%)

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IMFスタッフレポート
①日銀は金融政策の目標を包括的に見直す必要がある。
②2%の物価目標を中・長期的な目標に再定義し、目標に一定の幅を持たせるべきだと主張。そうすれば、物価目標がより現実的なものになり、金融緩和の長期化で打撃を受けている金融機関の負担に対処できるとしている。

IMF日本経済に関する年次審査報告書
①消費税率を段階的に引き上げる必要がある」と指摘した。2030年までに15%、50年までに20%への引き上げを提言。富裕層への増税は「格差是正や重要な税収増」になると分析し、歳入面の取り組み強化を促した。

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新型肺炎の感染拡大(他者への感染力が極めて強い「スーパースプレッダー」の懸念が強まる)

IMF幹部
①感染拡大が長期化し、広範囲に及んだ場合、日本経済は観光や小売り、輸出などを通じて打撃を受ける可能性がある。

英国
①新型肺炎「差し迫った脅威」宣言 隔離に強制力

政府景気調査
①内閣府の最新1月分の景気ウオッチャー調査では、2、3カ月先の景気についての見解が示された。
②1月の景気の現状判断DIは改善するも、家計、企業、雇用の部門別指標の全てが悪化する中での景気の先行き判断DIの低下し、今後の景気悪化を避けるのが難しいことを示している。

中国政府
①中国は、100億ドル(約1兆1000億円)以上を投じて感染拡大を阻止し、医療物資を各地に送る。
②劉昆財政相は、新型ウイルスの感染対策に配分する718億5000万人民元(約1兆1260億円)のうちこれまでに315億5000万元を費やす。

テドロスWTO事務局長
①中国への渡航歴がない人々から新型ウイルスが広がった懸念されるケースがあると指摘

シンガポールで開かれたビジネス会議で人から人へ感染した新型コロナウイルスがアジアから欧州3カ国に飛び火
① 他者への感染力が極めて強い「スーパースプレッダー」が存在するとの懸念が強まっている。

劉昆財政相
①新型ウイルスの感染対策に配分する718億5000万人民元(約1兆1260億円)のうちこれまでに315億5000万元を費やす。

人民銀行
①感染拡大が急速に進む困難な時期を企業が乗り越えるのを支援するため、主要預金金利の引き下げを検討すべきとの認識

モルノー・カナダ財務相
①感染拡大がカナダ経済に打撃を与える。りわけ同国の主要輸出品目である原油や観光業、中国にエクスポージャーのある企業の供給網などに影響が及ぶと予想

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ドイツの政治的リスク
①キリスト教民主同盟(CDU)の党首でメルケル首相後継の最有力とみられていたクランプカレンバウアー氏は次期首相候補になることを諦め、党首も退任すると表明。→ ドイツ東部チューリンゲン州の首相選出で指導力を発揮できなかったことが原因だ。メルケル首相の後継者選びが振り出しに戻った。
②極右や緑の党の台頭で世論が左右両極に引き裂かれるなか、中道色の強い既存政党の混迷が深まっている。
③極右に流れる票を取り戻そうと党内で保守回帰を求める声が強まる一方、難民問題などで保守派に歩み寄ると、メルケル路線を支持する中道派の反発を招いた。党と自分自身が股裂きになり、求心力が急速に失われるなか「かなり長い時間」をかけて今回の決断に至ったとクランプカレンバウアー氏は説明した。
④かつて4割を超えていた二大政党の支持率はCDUが27%、ドイツ社会民主党(SPD)が14%にとどまる。緑の党が22%、AfDが14%で追い上げるなか、ドイツで初めて緑の党出身の首相が誕生するとの観測も飛び交い始めた。

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JPモルガン・チェースのストラテジスト
①新型コロナウイルスへの懸念を考慮しても債券相場は「買われ過ぎ」に見える。
②債券は「短期的にはコロナウイルス関連ニュースに振り回される状況が続くかもしれないが、年後半にかけて債券利回りは上昇する」と予想。
③米中関税合戦の休戦を受けた製造業の回復と、債券利回りの上昇が、年末までに景気循環株の上昇を促すはずだと説明。

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米予算教書(強制力はないが今後の議会審議のたたき台)
①2021会計年度の予算教書は、社会保障費などの圧縮で、年1兆ドル(約110兆円)の財政赤字を5年で半減するよう提案。
②21年度の歳出全体を前年度比0.8%増の4兆8290億ドルと要求した。国防費を7540億ドルと5.7%増やすよう求める一方、社会保障費など「義務的経費」は0.3%の減額を促した。税収増によって、財政赤字は20年度の1兆830億ドルから21年度は9660億ドルへと11%も減ると見込んだ。
③一方で国防費を増額してインフラにも1兆ドルを投じるなど、選挙を前に支持基盤の保守層に強く配慮。
④経済成長率を3%と見込むなど試算は極めて楽観的

トランプ大統領
①米国はコロナウイルス感染に対して良く対応
②自身の予算案は無駄も不正も削減を求めている

デーリー・サンフランシスコ連銀総裁
①財政政策はショックを緩めるという点で大きな役割
②非常に低い失業率は必ずしも労働市場の過熱ぶりを示すものではない
③物価上昇率が加速すれば、米国経済には追い風になる

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
①金融政策は維持されるだろう、FRBは当面の間、金利を安定させるべき
②経済は良好な状態。今年2%の経済成長を予想
③経済は2%のインフレ目標を達成するための軌道に乗っている

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