2015/09/19

2015年9日12日(土曜) 最新のIMMポジション(9月15日集計分)から 

2015年9日12日(土曜) 最新のIMMポジション(9月15日集計分)から 

IMMのデータは毎週火曜日時点のポジションが週末に公表されるので、どうしても時間的な差は免れない。特に今回はメイン・イベントのFOMCが17日にあり、中国や新興市場国を含め、世界的な景気スローダウンに、FOMCは政策金利の据え置きを決定し、今後の情勢を見守ることになった。

前日16日の米CPIが弱かったことで、金利据え置き観測が優勢となってはいたが、成長見通しも下方修正し、米国以外の多くの国の景気見通しの悪化が暗に示されたことで、リスク回避の動きがやや強くなっている。

今回のデータにはその影響によるポジションの動きは反映されていないが、重要な発表だったことで、事前にポジションの調整が続いていた。為替相場に限定すれば、FOMC後のポジション変化は見られるが、極端なポジションの変化も考えにくい。

一週間のIMMポジションの変化を見ると、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)では、ネット・ショートが-226,213→-200,759コントラクトへと、25,454ショートが減少した。ドル換算ではドルロングが約17億ドル減少している。

全体でみると、ポンド+カナダドル+豪ドル+NZドルと、コモンウェルズ通貨は強く、スイスフランはショートからロングへと変化し、逆に円とユーロはショートが増加する異なる変化が見られた。


※※※※※※※※※※※

円・ポジション
-6,662→-26,814(-20,152)、4週連続でショートが減少していたが、5週目にして逆に増加、2012年10月以来、本当に久々にロングへの変化期待は裏切られた。最近の傾向は4週ごとのサイクルに入っているのか、ショートとロングの変化がみられる。

ユーロ・ポジション
-81,241→-84,202(-2,961)、3週連続でショートが増加。トータルのショートポジションはピーク時の半分以下の水準で推移しており、極端にユーロだけが弱いというようにも感じられない。

ポンド・ポジション
-17,638→-3,619(14,019)、3週間目にしてネットポジションが減少。ショートのトータルポジションの千通貨単位台まで減少し、ロングへの変化期待が持てる。

スイスフラン・ポジション
-6,896→3,782(10,678)、3週連続でロングが拡大し、ネットでロングへと変化。FOMCを前にしてリスク買いにのスイスフラン買いが増加し、7月28日以来の転換となった。

カナダドル・ポジション
-48,640→-47,083(1,557)、5週連続でカナダドルのショートは減少。ただし、減少幅は少なく限定的なカナダドル高と言える。原油価格も予想外に伸びは鈍く、カナダドルの上昇を削いでいる。

豪ドル・ポジション
-53,316→-40,729(12,587)、3週連続で豪ドルのショートは減少。ショートの減少幅は大きく中国経済の不安感を織り込みながら、人民元高へと動き+中国株は軟調ながら急落もなく、中国政府の景気の追加対策の期待も強く、豪ドルの買い戻しが続いている。

NZドル・ポジション
-11,820→-2,094(9,726)、3週連続でショートが減少。NZ中銀の利下げと追加利下げ観測にNZドル安のプレッシャーが続いているが、FOMCを前に早くもポジション調整の動きが続いていた。