2018/08/22

2018年8月22日(水曜)昨日21日、海外市場の動き

2018年8月22日(水曜)昨日21日、海外市場の動き

トランプ発言(パウエルFRB議長の利上げを批判、中国との貿易戦争は無期限で協議は大きな進展を期待してない、中国とEUを為替操作していると批判)から続くドル売りの流れはいまだ止まらず。主要通貨では短期・中期ではドル売りの流れへと変化するも、長期的な変化はまだ確認できず。

22~23日の米中次官級通商協議を見守り、23日の米中追加関税&報復関税の動きを見守り、11月の米中首脳会談の実現の有無を見守る動きへ。そんな中で柔軟姿勢へ変化とは思えないが、ロス商務長官が自動車関税の導入判断の調査報告が予定8月中から遅れることを示唆。

NYダウは+63.60(+0.25%)、NasdaqとS&P500も上昇傾向を維持、米10年債利回りは2.829%(一時2.8353%)と上昇。原油価格は67.32(+0.89%)とイラン問題で強さが目立っている。

今日は、トルコ市場が犠牲祭(Kurban Bayramı)で休場(21~24日まで)の影響があるのかは不明ながら、トルコ関係の材料や報道は見られず、TRYJPYは17.80~18.33のレンジで、18.10近辺で推移し動きは静か。ZARJPYは7.561→7.729まで上昇し、ZAR買いへと動く。

一方、ブレグジット交渉が再開されたが、英国とEUの交渉官の話し合いでは、アイルランドの国境問題や将来の経済協力関係を巡り意見に隔たりがあり、協議は来週に再開するも、合意が10月以降になる可能性を示唆。

GBPUSDは前日比0.85%近く上昇しポンド買の流れは止まらず。英とEUのブレグジット交渉が再開するも大きな成果は感じられない中でのポンド買いが強まる。アジア市場の1.2790台をボトムに上値の重かった1.2850を米国市場に入り上回り、8月9日以来の水準となる1.2925まで続伸。GBPJPYも140.67→142.68まで上昇と1%を超える上昇で、NZDJPY(1%超上昇)の上昇と共に円売りの流れをリード。

USDJPYはアジア市場早朝の110.00台をボトムに、株高+米債利回りの上昇+原油価格の上昇もあるのか、欧州、米国市場の前半まで続伸。110.50のポイントを上回り一時110.55まで上昇。短期の円ロングを一掃した動きとクロスでの円売りの影響もあり、110.30~50のレンジで推移したが、終盤にかけて110.30を割り込むと再び円の買い戻しが強まり110.10台まで値を下げている。

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【北米】
ロス商務長官(WSJ)=トランプ政権が検討している自動車関税の導入是非を判断する調査報告書について、当初予定していた8月中の提出が遅れる見通しだと明らかにした→貿易摩擦の警戒感がやや緩む

コーエン元トランプ大統領の個人弁護士(複数のメディア報道)=選挙運動の財務関連違反や銀行詐欺、脱税の罪を認め、NY連邦検察当局と司法取引で合意。

米財務省(ブルームバーグ)=ロシアのサイバー攻撃に絡み、新たにロシアの個人2人と企業1社、スロバキアの企業1社に制裁を科したと発表。さらに、国連の対北朝鮮制裁に違反し、北朝鮮への石油精製品輸送に関与したとして、ロシアの海運会社2社と船舶6隻に対しても制裁を科すと発表した。米国務省と財務省の高官は同日、対ロシア制裁に絡み上院銀行委員会の公聴会で証言し、ロシアが行動を改めないようであれば、さらなる経済的苦痛を与えることも辞さないとの認識を示した。

カプラン・ダラス連銀総裁=利上げは最大雇用と物価安定を巡る二重責務の目標を達成したとした上で、金利を中立水準へと段階的に引き上げるべきで、自身が判断する中立金利は2.5~2.75%程度中立水準までの利上げ回数はあと3~4回になり、一方でその水準に達した後は、利上げをいったん休止するのが望ましい。

【欧州】
ラーブ英EU離脱担当相とバルニエ欧州委員会主席交渉官との協議=アイルランドの国境問題や将来の経済協力関係を巡り意見に隔たりがあると明らかにした。来年3月の英EU離脱に向けて交渉を加速することで合意し、次回協議は来週に行う。合意は10月以降になりそうだと示唆

ラーブ英EU離脱担当相=双方が野心、現実主義、エネルギーを持てば、10月までに合意できると確信している

バルニエ欧州委員会主席交渉官=経済関係に関してはなお合意できていない分野がある、協力関係は単一市場や欧州プロジェクトの礎を尊重する必要があると強調。アイルランドの国境運営を巡り意見が分かれているほか、原産地表示などの小規模な問題についても調整が必要。
   
ハンガリー中銀=政策金利のベース金利を過去最低水準の0.9%に、翌日物預金金利も-0.15%に予想通り据え置いた。→ インフレ上昇やトルコ通貨危機による市場の売りに目を覆った格好となった。

ムーディーズ=イタリアの財政や改革の動向を見極めるため、イタリア国債格付け見直し期限を延長すると発表したことで、イタリア国債価格が上昇し利回りは低下

【アジア・その他】
中国人民銀行=適度に潤沢な流動性を維持するとした一方、強力な景気刺激策には頼らない意向を示した。政策をよりフォワード・ルッキングで柔軟かつ効果的なものにすると指摘。


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