2018/08/09

2018年8月9日(木曜)昨日8日、海外市場の動き

2018年8月9日(木曜)昨日8日、海外市場の動き

材料は色とりどり。円高、ポンド安、新興国通貨安。

◎米中貿易摩擦拡大のリスク。人民元安+中国株安へ(米国は23日に中国へ制裁措置の160億ドルの第2弾を発動し、中国は同日・同額に米国へ報復措置を課すことを表明)。
◎日米通商協議で米国はFTA要求必死で、日本のTPP復帰を求める動きは厳しく合意で余談を許さず。
◎サウジは、サウジアラビア当局が逮捕した人権活動家の解放を要求したカナダに対してサウジが内政干渉だと反発し対立激化、ついにカナダ資産の売却へ。ただし、米加NAFTA再交渉で進展の可能性にカナダドル買いへと変化。
◎英国は9月に合意なきEU離脱の可能性で会合を計画。
◎トルコと米国の対立も変わらず。
◎イタリア財政論争も変わらず。

米株は強弱混在、-45.16(-0.18%)、Nasdaq+4.66(+0.06%)、S&P500 -0.75(-0.03%)。米10年債利回りは2.964%(-0.011)と大きな変化は見られず。原油価格は在庫統計を受け3.5%近く急落し66.75ドルへ。

GBPUSDは、1.30を回復できずアジア市場の1.2960を高値に、欧州市場は1.2950近辺から、英最大野党労働党のコービン党首に「EU離脱で再び国民投票を支持する圧力」が強まり続落。英政府は「9月にブレグジット交渉が不調に終わり、合意なきEU離脱のケースに備え会合を開催する」との報道も加わり1.2850台まで一時急落。米国市場に入り一1.2897まで値を戻すも1.2900を回復できず売り圧力は消えず。

USDCADは、「サウジがカナダ資産の売却を開始」の報道や、弱いカナダ住宅建設許可はマイナス幅が拡大し、一時1.3120近くまで上昇するも、相場はある程度織り込み済みで1.3050~80のレンジで推移から、午後2時過ぎには「カナダは早ければ来週からNAFTAに参加」との一部報道に1.3000台まで値を下げ下げ止まるも買い戻しは限定的。

USDJPYは、「日米新通商協議」を前にして111円台を中心に小幅な変動に。アジア市場の111.44を高値に、日本の長期金利の上昇を材料とした円買いが強まり、GBPJPYを中心としたクロスの円買いが強まり、欧州序盤に110.84まで下落から安値でのドル買いも強く一時111.19まで値を戻すも、米中貿易摩擦拡大のリスク、不透明なブレグジットの動き、新興国通貨安の動きに、リスク回避の円買いの動きに110.90~05のレンジ推移。

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21:30    CAD 6月 住宅建設許可=前月比-2.3%(予想-0.1% 前回4.7→4.8%)→ 予想外にマイナス幅が拡大へ

23:30    USD 週間原油在庫=前週比-135.1万バレル(予想-333.3万バレル 前回380.3万バレル)

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【北米】
カナダはサウジとの対立で、UEAと英国に支援を要請(7日 関係筋・ロイター)=サウジアラビア当局が逮捕した人権活動家の解放を要求したカナダに対してサウジが内政干渉だと反発し、両国の緊張が高まっている問題で、カナダはアラブ首長国連邦(UAE)と英国に支援を求める方針。ただし、米国は関与しない方針。

トランプ大統領(7日)=イラン核合意離脱に伴い米国が一部復活させた対イラン制裁について、「これまでで最も痛みを伴う制裁」になると述べ、イランと取引を行なう企業については米国との取引も禁止する構え(ロイター)
トランプ大統領(7日)=11月には制裁をもう一段階引き上げる。イランと取引する者は、米国と取引『しない』ようになる。私が求めているのは他ならぬ世界の平和だ!」とツイッターに投稿(ロイター)

サウジ(FT紙・関係者)=カナダ資産売却をサウジ中銀などが指示とFT紙
トルドー・カナダ首相=カナダは引き続きサウジと関与している。フリーランドカナダ首相はサウジと火曜日に長時間会談を実施。サウジに謝罪するかの質問には、カナダ人は首相が人権について強く発言することを期待。

カナダは早ければ来週からNAFTAに参加するとの一部報道に、USDCADは一時1.3007まで急落。

一部通信社=英国でロシア人元スパイ2人が神経剤で攻撃された事件で、米国はロシアに制裁を発動の予定


【欧州】
トリア・イタリア経済財務省=零年度予算は税制改革も含めるべき。政府はEU離脱の議論はしていない。2018年GDP予想値は1.2%、2019年は1.0~1.1%を予想。

英政府=9月にNo-Deal Brexitに関する会合を計画

英国のEU離脱をめぐり、英最大野党労働党のコービン党首にEU離脱で再び国民投票を支持する圧力が強まる。

イタリア連立政権の五つ星運動の党首で副首相の、ディマイオ氏=EUとの財政論争では強硬は先日を繰り返すことを誓う。とあり、イタリアの財政拡大策への懸念が残る。

【アジア・その他】
イランのロウハニ大統領=制裁の数時間前の生中継の演説で、トランプ大統領が提案した対話を拒否する姿勢を表明。「ナイフで刺した上で対話を提案したが、まず刺したナイフを引き抜く必要がある」とし、「われわれは常に外交と協議を重んじているが、協議には誠実さが必要だ」

NZ中銀四半期レポート=今後2年間のインフレ率予想2.01%→2.04%に上方修正。→ NZDUSD0.6730台から一時0.6760台まで上昇へ。

ロウ豪中銀総裁=景気が見通し通りなら次回は利上げへだが、当面は金利変更が必要と判断せず。→ 強弱混在に動きは鈍い

中国税関総署=7月の貿易統計によると、米国の対中関税発動にもかかわらず、ドル建て輸出が予想外に加速した。対米貿易黒字も依然として高水準にとどまった。7月のドル建て輸出は前年比12.2%増と市場予想(10%増)を上回り、6月(11.2%増)から伸びが加速した。ドル建て輸入も、依然堅調な内需に支えられ前年比27.3%増と予想(16.2%増)を上回り、6月(14.1%増)からも伸びが加速した。銅や鉄鉱石など商品(コモディティー)輸入が前月から増加した。

中国国家発展改革委員会(発改委)=国内企業の債務の株式化を促進するため、市中銀行に対する預金準備率(RRR)の的を絞った引き下げなどの金融政策を活用していく方針を

中国商務省=中国は8月23日から米製品160億ドルに報復関税を課す
日米通商協議(共同)=米国は日本のFTAの要求必死。合意で予断許さず。


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