2018/08/31

2018年8月31日(金曜)昨日30日、海外市場の動き

2018年8月31日(金曜)昨日30日、海外市場の動き

材料豊富な一日。主役はトランプ大統領で、中国への2000億ドルの関税発動の意向に米株は下落、USDCNH上昇、AUDUSD下落、USDJPY下落へ。

脇役は政策金利を60%に引き上げながらもARSの下落と新興国通貨の下落、伸び悩む独CPIとカナダGDP、まずまずの米個人消費、米カナダNAFTA再交渉の合意期待、豹変したバルニエ氏発言、そして70ドル台に上昇した原油価格。

USDARS約-12.0%、USDTRY+3.04%、TRYJPY-3.4%、USDZAR+2.50%、ZARJPY-3.0%、USDCNH+0.69%。主要国通貨ではNZDUSDが-0.90%と大きく、円はUSDJPY-0.58%で、NZDJPY-1.41%、AUDJPY-1.20%を筆頭にクロスでは円買いが続いている。

米株下落、ダウ-137.65(-0.53%)、NasdaqとS&P500も弱さが目立つ。米10年債利回りは2.862%と小幅低下、原油価格はイラン・ベネズエラの供給減と原油在庫減に一時70.50台と70ドル台へ上昇。

USDCADはGDPは前月比0.0%と弱く、これを契機にUSDCADは1.2930台→1.3000台へ急伸。米カナダのNAFTA再交渉で合意の可能性が高まり+原油価格の急伸にも、事前に織り込み済みでカナダドルロングの影響なのか1.2960台を割り込めず。米国市場では1.2960~1.3000の水準で推移中。

NZDUSDとAUDUSDは、アジア市場の弱いNZの住宅建設許可にNZDUSDは下落、弱い豪民間設備投資と企業信頼感にAUDUSDは下落から続き、欧州市場では何とか下げ止まっていたが、米国市場に入り売りが再開。米国の中国への2000億ドルの関税発動の動きに、NZDUSDは0.6630台まで続落、AUDUSDは0.7249まで下落してようやく下げ止まる。

GBPUSDはアジア・欧州市場の1.3040台を高値に上げ止まりながら高値圏で推移したが、英消費者信用残高が8.17億ポンドと予想15億ポンド、前回15.21億ポンドから減少、バルニエEU主席交渉官がラジオで「合意なしのブレグジットシナリオにも備える必要」と前日の超楽観的な観測に冷や水を浴びせる報道も見られが契機になったのか、1.3000を割り込み1.2990まで下落。結局は31日の「ラーブ英EU離脱担当官とバルニエEU首席交渉官」との会談を見守る動きに、米国市場は1.2985~30の狭いレンジで推移。

EURUSDは欧州市場序盤の1.1718を高値に、GBPUSDの下げの影響やユーロ圏景況感指数は前回を下回り、独HICPは前回を下回り1.1675まで下落。一時1.1709まで値を戻すも、米国市場に入るとイタリア格付けの見直しの可能性も残り、前日の安値1.1652を割り込み一時1.1642まで下落してようやく下げ止まり1.1670台へ反発中。

USDJPYはアジア市場の111.75を高値に欧州市場に入り新興国通貨安のリスク回避の円買い、対主要国通貨でも円の買い戻しが強まり111.30台へ下落。米国市場に入ると米国の中国への2000億ドルの関税発動の動きに、主要国の株が軟調に推移しリスク回避の流れが強まり終盤にかけては前日の安値111.10台を割り込み111.00の大台も割り込む。

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18:00    EUR 8月 景況感指数=111.6(予想111.9 前回112.1)、景気の波の段階を示す業況指数=1.22(予想1.28 前回1.29→1.30)、製造業の景況感指数=5.5(予想5.5 前回5.8)、サービス業の景況感指数=14.7(予想15.1 前回15.3)→ 予想を下回る

21:00    GER 8月 消費者物価指数・速報値=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.3%)、前年比2.0%(予想2.0% 前回2.0%)、HICP・前月比0.0%(予想0.2% 前回0.4%)、HICP・前年比1.9%(予想2.1% 前回2.1%)→ HICPは前月比と前年比共に前回と予想を下回わりEUR売りの材料となる

21:30    USD 7月 個人所得=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.4%)、個人支出=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.4%)、個人消費支出・価格指数(PCEデフレーター)=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.1%)、 前年比2.3%(予想2.3% 前回2.2%)、コアPCE価格指数=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比2.0%(予想2.0% 前回1.9%)、雇用コスト指数=前期比予想 前回0.6%→ 個人所得は予想・前回を下回り、個人支出は予想通りで前回と変わらず、コアPCE前年比は前回を上回り予想と変わらず。

21:30    CAD GDP=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.5%)、前期比2.9%(予想3.0% 前回1.3→1.4%)、前年比2.4%(予想2.3% 前回2.6→2.7%)→ 予想を下回り9月利上げ見送りの可能性変わらず、カナダドル売りが強まる

21:30    USD 新規失業保険申請件数=21.3万件(予想21.2万件 前回21.0万件)

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【北米】
トランプ大統領=再度ハイテク企業を「違法の可能性」と批判。「グーグルやフェイスブック、ツイッターは保守派や共和党員を非常に不公平に扱っている」と指摘。「適法でない可能性があるが、どうなるかを見極めよう。われわれは公正さを望んでいるだけだ」

米上院財政委員会のハッチ委員長(共和党)=連邦取引委員会(FTC)に、アルファベット傘下グーグルの検索エンジンやデジタル広告を巡り、反トラスト関連の調査を行うよう要請。

トランプ大統領=自身に関するニュース報道が偏向しているとして改めてCNNを批判、ジェフ・ザッカー社長を解任するよう呼び掛け

トランプ大統領(ブルームバーグ)=側近に中国へ2000億ドルの関税発動の意向を伝えた→ 9月6日の発動期限も意識され、米株は下落、USDCNH上昇、AUDUSD下落、USDJPY下落へ。

フリーランド・カナダ外相=米国とカナダは共に決断する用意が整いつつある。NAFTA再交渉でカナダと米国で3日目の協議が実施、協議は友好的で、多くの問題で集中的に作業が行われている→ 31日に合意する期待感が広まるが、カナダGDPが予想外に弱く、カナダドルロングの巻き戻しにカナダ買は鈍い。

【欧州】
バルニエEU主席交渉官(独ラジオ)=合意なき離脱は依然あり得ると警告→ EUは合意なき離脱にも備えるべきと、前日の超楽観的な観測に冷や水を浴びせる報道

イタリア債下落し利回り上昇=10年債利回りは3.24%近くへ上昇し、イタリアと独10年債利回り格差は288bpで2013年7月以来の水準へ拡大、→ 格付けの見直しを懸念

マルムストローム欧州委員=米国が同様の措置を取るなら、EUは自動車関税をゼロにまで下げることもやぶさかではない

【アジア・その他】
中国国務院=減税策を公表。減税とコスト低減は、積極的な財政政策を実行し、景気安定を確実にする上で主要なイニシアチブ。海外投資家にたいして国内債券市場で得られた金利所得に対する事業税、付加価値税の支払いを3年間免除

アルゼンチン中銀=ペソ防衛で政策金利を60%に引き上げた。

原油価格70ドル台へ上昇=イラン・ベネズエラの供給減と原油在庫減に70ドル台へ上昇、

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