2018/08/12

最新のIMMポジションから、2018年8月12日(日曜)

最新のIMMポジションから、2018年8月12日(日曜)

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の投機的部門の取り組みで、集計日が8月7日(火)の主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネット・ポジションは、-261,167コントラクトと前週比で-17,002の売り越し増となっています。前週には7週間ぶりに前週比で買い越しに変化していましたがそれも続かず、今回のデータでドルに対しての信認がさらに強まっていることが感じられます。

集計日の7日以降に起きた重要な出来事も多く、今回は特にトルコリラの暴落に新興市場国通貨安、資源関連通貨安を招き、主要通貨でもトルコへのエクスポージャーを意識したユーロ売が目立っています。また、NZ中銀の利上げに関しての弱気な見通しや、サウジとカナダの対立と原油価格の急落、リスク回避の円買いの動きを反映しきれていない点を考慮に入れて、データを読み取る必要があります。

今回の特徴としては、前週比でみるとユーロとポンドの売り越し額の増加で共に1万コントラクト以上の売り越し額の増加と、逆に円とカナダドルが小幅ながら買い越し額が増加している点です。円はリスク回避の円買いが要因と思われますが、カナダドルはポジションの調整による動きと思われますが、こちらに関しても集計日後の世界情勢の変化を考慮して考える必要があります。


【円】前週-68,457→-62,807(5,650)
ネットショートの水準に大きな変化は見られませんが、2週連続し前週比で微増しており市場の円安センチメントがやや変化の兆しも感じられます。もちろん、集計日後のトルコリラ暴落ショックの影響に円買いが加速している可能性が高く、今週はトルコ情勢の変化に合わせ基本円売りポジションの流れがどのように変化するかを考える必要がありそうです。


【ユーロ】前週22,825→10,565(-12,260)
2017年5月9日から66週連続でネットロングを維持していますが、2週間連続で買い越しが減少し今や風前の灯火。集計日後のトルコリラ・ショックによるEURUSDの急落を考えれば、歴史的な買い越しから売り越しへの変化を考える必要がありそうです。


【ポンド】前週-47,386→-58,852(-11,466)
8週連続で売り越しを継続中。特に今回は売り越し額が前週比で拡大しており、ハード・ブレグジットのリスクの意識に合わせ、ユーロ安の影響も加わり弱気な相場見通しが続いていることがわかります。


【カナダドル】前週-31,569→-24,898(6,671)
20週連続で売り越しを継続中。直近では5週連続し前週比で買い越し額が増加しており、米・メキシコとのNAFTA再交渉への期待なのでしょうか? カナダドルに対しての評価が変化している兆しも感じられます。ただし、カナダドル売りへと大きな変化は見られなかったものの、サウジとの対立が気がかりです。


【豪ドル】前週-51,476→-54,540(-3,064)
19週連続で売り越しを継続中。直近でも3週連続し前週比で売り越し額が拡大しており、米中貿易摩擦の影響を危惧してなのか、市場の豪ドル先安センチメントに大きな変化は見られません。





データをご覧ください

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