2020/06/21

今週の為替相場を考える(6/22~26日)

今週の為替相場を考える(6/22~26日)

新型コロナウイルスによる株安を見込んだ市場参加者も、政府・中銀による超大規模緩和・資金供給により、株価は予想外に早く大幅に反発。「買えていない・持っていないリスク」の回避行動による買い戻しや、流動性に反応して多くの資産が同時に動く相場も、四半期・半期末の決算時期を前にして、そろそろ達成感があり正常軌道に戻っているのではないだろうか?

為替相場も、緊急時のドル需要による大幅なドル高も、FRBを中心とした中銀の積極的な資金供給による短期市場への資金供給による介入も途絶えており、結果として一時ドル売りへと変化したが、6月に入るとドル資産へ移動が強まりドル買いとなっていた。

このドル買いも、米国内での黒人差別抗議デモが激化すると同時に、コロナ第2波の感染拡大と、トランプ政権の失策によるトランプ氏の「支持率低下=大統領選再選不安」のドル売りに対して、トランプ政権の選挙対策とも思われる大盤振る舞いの追加景気刺激策による株高、米経済の回復期待のドル買いと混在している。

また、米中農産物交渉の実施状況、香港・ウイグルをめぐる米中対立や、トランプ氏の独断的な対EU政策の変化にEUと米国の対立も強まり、ドル相場の先行きに対して「ドルブル派=ドルベア派」も決定打を示せず混在しているのが最近の動きではないだろうか!


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USDJPY

市場参加者が言う通り、クジラも外債枠を拡大し円安水準ではサポート材料にされているようである。また、日本の財政赤字急増、景気後退、外債投資の急拡大と円売りの理由(材料)は尽きないものまた事実。

円クロスでは6月5日前後を円安のピークに下落し(EURJPY124.43→119.43)、USDJPYも5日の109.85をピークに一時106.57まで下落と、現時点では5月中旬の水準に逆戻りしている。

当時と異なるのはトランプ政権への不安とトランプ氏の再選への懸念で、JPYがドルにとって代わることは考えてはいないが、106.50~107.80のレンジから、下値を試してもいいのではないだろうか?

直近ではボルトン前米大統領補佐官のトランプ政権の暴露本が予定通り23日に発行される可能性が高いことを考えれば、直近の報道からトランプ氏にとってはマイナス材料となることは必至。結果としてどうしようもないUSDJPY相場も動いてほしいと期待することは無理なのだろうか?



EURUSD

3月9日の高値1.1495、6月10日には超積極的なドイツの財政政策や、EU・ECBの大規模な経済刺激策もあり高値1.1423と、3か月かけて上値を試し失敗しダブルトップとなっている。

EURブルの考えでは1.1150~1.1350のレンジと考えたいが、1.0900から12日間かけて約531.8ポイント(4.88%)上昇した後、20日MA1.1200を割り込んで約256ポイント(-2.24%)近くと半値近く下落している相場がこの水準で下げ止まることができるか?

EURJPYを見ると、21日間かけて約1017ポイント(8.9%)の上昇から、20日MAを割り込み、10日間かけて約500ポイント(-4.03%)近く下落と、大雑把に言えば半値近くまで値を戻し、EURUSDと同じくこの水準で下げ止まることができるのか?

19日にEU首脳は、欧州委員会が提案した7500億ユーロの新型コロナウイルス復興基金案を巡って協議したものの、各国の主張に隔たりが大きく物別れに終わった。相変わらず保守的な北欧諸国と「クラブメッド」と呼ばれる南欧の高債務国の意見が対立しており、EURUSDのダウンサイドリスクも当然ながら選択肢として残る。

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