2020/06/28

今週の為替相場を考える(6月29~7月3日)

今週の為替相場を考える(6月29~7月3日)

今週もそうですが為替相場の動きを考えるときに連動性の高い株価の動きをどうしても意識してしまいます。世界的な株高傾向はいつまでどこまで続くのでしょうか? 

IMFは25日に公表した報告書で、日米などの株価上昇に対し「実体経済と乖離しており、割高感がある」とし、主要中銀が金融緩和で6兆ドル(約640兆円)規模の資産購入に踏み切り、投資家が過大にリスクをとっている可能性を指摘していました。

この警鐘は正しいか否かは将来の株価が判断してくれることでしょう。新型コロナウイルスの経済対策で中銀はゼロ金利に近い水準やマイナスまで引き下げ量的緩和も実施し、政府は膨大な経済刺激策を実施し、主要国の政府や中銀はさらなる対策を講じる構えでいることは間違いありません。

結果として資金は株式相場に向かっていると思われていますが、実体経済が伴わないこの動きはどう考えたらいいんでしょうか? 

今まで株価の下落を予想した市場参加者は思惑が外れ大損をし、逆に現在は買いに転じていることは間違いなさそうです。ただ、最近になって日経平均2万円でのプットの買いの増加しており下げを狙う動きに一部変化、米株の下落や米債利回りの上昇を予想するコメントも目立っています。

このような市場の動きを危惧するコメントがマスコミにでることは今に始まったことではありませんが、①米国で拡大傾向にある新型コロナウイルスの再感染、②米大統領選の混迷、③米国と中国との対立はいざことが起これば大相場になりかねません。 また、④米国と EU との不調和音、⑤英国と EU の離脱に向けた通商協議の行方。 ⑥新型コロナウイルス復興基金を巡るEU 内部での意見相違、などのリスクが混在していることも間違いありません。

もし大相場の前兆が発生した場合にはその方向に一斉にポジションを大きく傾けることは容易に想像できますが、それまでは、ドルに対してどの通貨が強いのか? と考えるよりも、どの通貨が強く・どの通貨が弱いかの組み合わせで考える必要がありそうです。

例えば、EURUSDは大枠で1.1150~1.1400のレンジにとどまっていますが、ブレグジット交渉を巡る不透明感から、GBPは弱くEURGBPは上昇を続けており、この傾向が続く可能性があります。

USDJPYは、大枠105~110円の大きなレンジから最近では106~107.50のレンジで膠着状態ですが、最近は特にEURJPY相場とパラレルに動いています。つまり、USDJPYはリスク回避の通貨として地位は弱まりUSDCHFより評価は弱くなる反面、EURJPYがリードする円クロス相場に左右されており、この傾向はしばらく続きそうな気配です。

EURAUDは1.60台で下げ止まり1.6220台から1.6580台のレンジで推移しています。豪州国内の新型コロナウイルスの感染拡大や、中国の新型コロナウイルスの感染情報巡る豪中対立で、対中貿易が急減しAUDの売り材料とされ現在に至っています。AUDUSDは0.70台で頭打ちとなり、大枠0.68~0.70のレンジ、EURAUDも大枠1.6~1.66のレンジ入りとなっていますが、対中問題が解決できない限りAUD売りの流れが続きそうです。

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