2016/09/18

今週の為替相場を考える(9月19~23日)

今週の為替相場を考える(9月19~23日)

21日の日米金融政策が全て。

市場の期待値は「日本の利下げ+米国の据え置き」と思われるも、考え方は複雑でどちらに転んでも短期的な大変動は避けられず。

先週の動きをみると、FOMCの金利据え置きを織り込みドルは全面高(除く円)。特に先週はGBPUSDの下落(-2.0%)が目立ち、AUDUSDは2週連続(-0.41、-0.68%)で弱く、逆に、USDJPYは2週連続(-1.18、-0.39%)、で円高となっている。

過去2週間の円クロスの動きは、日銀の追加緩和を織り込み円全面高、EURJPY(-0.6、-1.02%)、GBPJPY(-1.4%、-2.39%)、AUDJPY(-1.64、-0.97%)と、USDJPYの鈍い動きのイメージとは別で、実は円高が続いている。

CFTCのIMM投機的ポジションを見ても、円のロング・ポジションは先週小幅減少しているが、ロングは引き続き他を圧倒しており、オプションでもUSDJPYのリスクリバーサルはJPYコールオーバーで、クロスを含め市場の円先高へのリスクをヘッジしていると思われる。

現状の為替相場の水準は、日銀の「金利深堀(-0.1%→-0.2%へ)+ETF枠拡大」を織り込んだ結果とも言え、この決定以外では円相場が変動する可能性が高いが、105円を超えて円高期待が裏切られる可能性までは考えにくい。それと、黒田日銀総裁の記者会見で、今後の追加緩和の可能性を判断することになる。

FOMCでは直近の弱い米経済指標もあり、利上げ期待度は大幅に低下し、年内の利上げ期待度も弱まっていることを織り込んでいる。この決定以外ではドル相場が変動する可能性が高い。また、イエレンFRB議長の記者会見で今後の見通しをどう判断できるかも重要。

優柔不断ではあるが、どちらに転んでも、金利+株の影響からくる相場変動を避けられず、短期的な大変動に見舞われことになる。特に、日本は19日と22日が祭日で、機動的に動きにくい実需や資本筋も多と思われ、円は投機筋の独断場になりやすい。

個人的には、いまさら、日本の何らかの追加緩和は避けて通れず、米大統領選を前にして最後のチャンスとなる米国の利上げの可能性も無視はできず。

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今週の通貨ペア別の予想レンジは、日米金融政策の決定による、不透明要素が多いため、ワイドなレンジ予想と簡単なコメントになり、USDJPY以外の予想レンジは割愛いたします。

◎USDJPY 【予想レンジ 100.00~105.00】
日本の追加緩和と米国の据え置きは、すでに相場に織り込み済みで、仮に米国が利上げすれば円安は避けられないが、株安や新興国市場へのリスクを考えれば、円はクロスで円高方向へと動き、105円超の円安が定着することは難しいのでは?