2016/09/25

今週の為替相場を考える(9月26~30日)

今週の為替相場を考える(9月26~30日)


日米金融政策も終わり、今週は9月最終週を迎える。今週以下の点に焦点を絞って考えてみたい。

1.米12月の利上げ期待度が高まるも、先のこと。
2.日銀の金融政策が円相場に与える影響は不明。
3.半期・四半期決算の影響が相場に与える影響。

1.21日のFOMCは金利を据え置いた。市場予想は据え置きが主となっていたが、FOMCで3名が利上げを主張していたように、私を含め利上げ期待度も強かったのも事実。

結果は、失望感によるドル売りへと変化してはいるが、FOMC声明プラス経済見通し+イエレンFRB議長発言を見ても、12月に利上げをすることは、予想外の出来事が無ければ、固いと考えている市場参加者は多いと思われる。

結果、市場は強い経済指標を期待しながら、ドル押し目買を考えることになりそうだが、後3か月間待たなければならず、そう簡単にドル買いで突っ走ることはできない。

2.日銀の金融政策発表直後の円相場の変動は、今後の不透明性を示している。USDJPYの水準そのものは、発表前とあまり変わらずとなっているが、20日(発表前)のIMMポジションでは円ロングは微増、オプションRRは円コールが拡大し、短期・中期的な円高期待は続いている。

3.決算要因は、いつもながら不透明な部分はあるが、スポットでは輸出筋の円買需要+日銀に対しての失望感を考えれば、円高方向の可能性が高い。反面、株高が強まれば、株高=円安の方向性は相変わらず強く、週間の円相場は上下でロックされる可能性が高く、サプライズは円高。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY 【予想レンジ99.80~102.00】

日銀の新たな「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は、株高=円安の方向性は残っていが、マイナス金利の終了と、長期金利のゼロ%まで上昇誘導で円安に動くとは考えにくい。相変わらずの日本株にたよる円安期待の相場と言わざるを得ない。

中期的には米利上げ期待が残りドル買いへと動くことも考えやすいが、短期的には措置が為替相場に与える実証を確認する必要があり、期末の特殊要因は、円高圧力がやや強いと思われる。 100円割れの水準を試す動きも終わっていないように考えたいが、100円を割り込みどんどん円高が進むことも考えにくい。


◎EURUSD【予想レンジ 1.1100~1.1350】

ECBの追加緩和に疑問がもたれる中、日米金融政策の影響も大きくは受けず、EURGBPの買の影響が強いのか、比較的安定した値動きとなっている。

ドラギECB総裁の議会証言や発言でサプライズが無ければ、過去3週間に渡り大枠で1.11~1.1350のレンジ相場が続いており、今週も予想外の期末要因が無ければこのレンジを抜け出すことは難しいと考えたい。


◎GBPUSD【予想レンジ 1.2750~1.3150】

ハモンド英財務相の「EUの単一市場へのアクセスを諦めなくてはならない可能性があることを受け入れる用意がある」との発言以降、やや弱気なムードが続き、クロスでもポンドは全面安。

日米金融政策後の変動を見ても、弱気ムードが続いており、8月15日の安値1.2865、7月6日の安値1.2790を試す動きへ。 ただし、注意しなければならないのは、月末要因でポンド買が一時的に強まるリスクを考慮する必要がある。


◎AUDUSD【予想レンジ 0.7550~0.7700】

商品価格の安定や、ロウ豪中銀新総裁は追加緩和の示唆はなく、「インフレ率低水準から労働市場の状況改善に伴い徐々に上昇」との強気発言に、9月14日の安値0.7440台から0.7670台へと続伸しているが、先週末ではやや伸び悩んでいるのが気がかり。AUDJPYは底堅く推移してはいるが、AUDUSDは0.7550~0.7700のレンジで調整の可能性も。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※