2020/02/01

2020年2月1日(土)昨日1月31日、海外市場の動き

2020年2月1日(土)昨日1月31日、海外市場の動き

新型肺炎の感染拡大は止まらず+リスクオフの流れ止まらず。WHOは緊急事態宣言するも、事務局長はよくやったとなぜか中国政府を擁護。

日本は感染拡大阻止に向け河北省滞在の外国人の入国を拒否。米航空3社は中国行きの直行日を休止、米国は中国への渡航禁止を勧告し中国は反発。感染は欧州内を含め世界的に拡大。

株安・債券利回り上昇、資源価格下落、為替相場はリスク回避通貨のJPYとCHFは強く、EUR+GBPも選好され、中国経済リスクと資源価格の低下にAUD+NZD+CADは弱い。

WTIは51ドル割れまで続落。アジア・欧州株は弱く、米株は続落しダウは2%、NasdaqとS&P500 も1.6~1.8%近くの下落へ。米債利回りは軟化、10年債は1.5%台まで続落。CRB指数も0.5%近く下落、VIXは一時20近くまで上昇へ。ドルインデックスは97.30台まで続落し主要国通貨に対して弱い。

今日は月末で経済指標の発表も多数。特に欧州発は弱く第4四半期GDP速報値の弱さが目立っており、CPIも予想を下回る数字が目立ち欧州経済は懸念材料に。特に独小売売上高は前期比-3.3%と予想外に弱く、個人消費の失速を懸念しドイツ経済への不安は残る。

米国発も弱く、個人所得は弱く、個人支出は予想通りながら前回から低下。個人消費の鈍化で設備投資も低迷し2020年は成長が鈍る可能性を指摘する声も。PCEデフレーター前年比1.6%(予想1.6% 前回1.6→1.5%)と変わらないが、インフレ調整後の実質消費支出(前月比0.1% 前回0.3%)と弱い。シカゴPMIは42.9と50割れを抜け出せず、予想と前回を大幅に下回り4年ぶりの低水準。ミシガンは99.8と予想外に強いのが慰め。

カナダ月次GDPは予想外のプラス0.1%と強く出るも、CAD買いは一時的でUSDCADは1.3218をボトムに原油価格の低迷や、ここ数日で承認され発行となった新NAFTA(USMCA)にもカナダ経済の低迷を意識してなのかCADの強さは見られず、1.3253までCAD安が強まる。

USDJPYは、ご存じの通りアジア市場の109.13を高値に欧州・米国市場と新型肺炎の感染拡大を嫌気した株安と安全資産の債券の買いへと動き、リスクヘッジ通貨のJPYがCHFと共に選択され、米国市場に入りフィキシングで目先のポイントとなっていた108.50を割り込み、108.31まで続落。

終盤にかけても反発力は限定的で108.50の上値が重くなっており108.30台で終了している。水準的にはボトム感もあるが、週末の新型肺炎の感染度合いが週明けのJPY相場にとって重要。リスク拡大時のJPY高は今のところ止められず。

EURUSDは弱さが目立つ欧州発の経済指標にも関わらうず1.1000を割り込む動きは見られず。アジア・欧州市場の1.1017をボトムに続伸。米国市場に入り新型肺炎の感染拡大やWHOは緊急事態宣言を発動するなどのリスクを意識したのと、フィキシング需要の拡大なのか、このタイミングで急伸し1.1090まで上昇。そこ後も1.1070台をボトムに買いが強く1.1095を高値引け状態。

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15:30    FRN 第4四半期 GDP・速報値=前期比-0.1%(予想0.2% 前回0.3%)、前年比0.8%(予想1.2% 前回1.4%)→ 前期比は弱く予想外のマイナスで、前年比も予想と前回を大幅に下回る、ルメール経済・財務相は「昨年12月に始まった年金改革を巡る抗議デモが第4・四半期の成長にブレーキをかけたが、一時的」と発言。

16:00    GER 12月 小売売上高指数=前月比-3.3%(予想-0.5% 前回2.1→1.6%)、前年比0.8%(予想4.5% 前回2.8→2.7%)→ 前月比、前年比ともに弱く、前月分は下方修正で、ドイツの個人消費の失速が強まる

16:30    CHF 12月 小売売上高=前年比0.1% (予想 前回0.0→0.5%)

16:45    FRN 1月 消費者物価指数・速報値=前月比-0.4%(予想-0.5% 前回0.4%)、前年比1.5%(予想1.5% 前回1.5%)、HICP前月比-0.5%(予想0.1 前回0.5%)、HICP前年比1.6%(予想1.7 前回1.6%)→ HICP前年比はマイナスへ、前年比は前回と変わらないが予想を上回る。

18:00    ITL 第4四半期・速報値=前期比-0.3%(予想0.1% 前回0.1%) 前期比は2013年第1四半期以降で最大のマイナス幅。

19:00    EUR 1月 消費者物価指数・速報値=HICP前月比-1.0%(予想-0.9 前回0.3%)、HICP前年比1.4%(予想1.4% 前回1.3%)、コアHICP=除くエネルギー前年比1.4%(予想 前回1.4%)、コアHICP=前年比1.1%(予想1.2% 前回1.3%)、

19:00    EUR 第4四半期GDP・速報値=前期比0.1%(予想0.2% 前回0.2→0.3%)、前年比1.0%(予想1.1% 前回1.2%)→ 予想と前回を下回る

22:30    CAD 12月 原材料価格指数=前月比2.8%(予想 前回1.5%)、鉱工業製品価格=前月比0.1%(予想 0.0% 前回0.1%)

22:30    CAD 11月 月次GDP=前月比0.1%(予想0.0% 前回-0.1%)、前年比1.5%(予想 前回1.2%)→ 前月比はパイプライン停止や鉄道スト、天候など成長を抑制するとみられた一時的要因にもかかわらず、予想外の増加にとなり一時CAD買いが強まるも限定的で、その後はCAD安へ。

22:30    USD 12月 個人所得=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.5→0.4%)、個人支出=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.4%、PCEデフレーター=前月比0.3%(予想0.2%  前回0.2→0.1%)、前年比1.6%(予想1.6% 前回1.5→1.4%)、。個人消費の鈍化で設備投資も低迷、20年は成長が鈍る可能性も。=前月比0.2%(予想0.1% 前回0.1%)、前年比1.6%(予想1.6% 前回1.6→1.5%)、インフレ調整後の実質消費支出(前月比0.1% 前回0.3%)→ 個人所得は農家へ補助金の減少を反映、個人支出は予想通りで穏やかな伸びにとどまる。個人消費の鈍化で設備投資も低迷、20年は成長が鈍る可能性も。

22:30    USD 第4四半期 雇用コスト指数=前年比0.7%(予想0.7% 前回0.7%)

22:45    USD 1月 シカゴ購買部協会景気指数=42.9(予想48.9 前回48.9)→ 50割れを抜け出せず、予想と前回を大幅に下回り4年ぶりの低水準

0:00    USD 1月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=99.8(予想99.1 前回99.1)、景気現況指数=114.4 (予想 前回115.8)、消費者期待指数=90.5(予想 前回88.3)、インフレ期待=1年2.5%(予想 前回2.5%)、インフレ期待5年2.5%(予想 前回2.5%)→ 予想を上回る

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クラリダFRB副議長
①新型肺炎はワイルドカードで、専門家でさえ判断は時期尚早と強調している。中国や世界の成長、また米国にどのように影響するのか注視
②経済が1ー2四半期の減速にとどまるのであれば、全般的な見通しを修正する必要はないが状況が厳しいことは間違いなく、引き続き警戒していく。

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