2020/02/09

今週の為替相場を考える(2月10~14日)

今週の為替相場を考える(2月10~14日)

春節以降、新型肺炎の感染拡大に止まっていた中国の企業活動は、10日から多くの企業は再開する予定とのこ。とりあえず中国株にとってプラス要因では?

米中共に14日から一部追加関税を引き下げるが米中貿易摩擦に続き、中国発の新型肺炎の感染拡大の悪影響の中でも、株価の上昇は止まらず米株は歴史的高値圏で推移。一体米国が先導する株高はいつまで続くのだろうか? 

米大統領選を意識したトランプ政権が株高を演じることは当然ながら、株と為替相場への連動性も高く、最近はドル高けん制発言も影を潜め「ドルの安定を望む」に切り替えたのかドル高の流れは変わらず。

その中で米債利回りは軟化し、10年債は1.5%をボトムに下げ止まっているが、最安値は目の前。2年債は先週何とか下げ止まり若干反発しているが最安値を更新中で、資金が安全資産の債券相場に戻っていることも確か。対米国との金利差が縮小はドル売り要因となりえるが、現状はドルの信認の証?

好調な米経済に対して、英国はEUから離脱し今後の不透明感はぬぐい切れず緩和策の維持や経済刺激策も必至だが、すでに織り込み済みとも思われる。ユーロ圏経済(特にドイツ)の経済の回復は弱く、マイナス金利の弊害が指摘される中で財政支出の拡大を望む声も大きい。EURは相変わらずボトム感がつかめず、GBPは底堅い動きが予想される。

豪州、カナダは、追加緩和の見通しが修正されたと思われたが、カナダ・豪中銀から景気回復の足取りは弱く直近では逆に成長見通しの下方修正が目立し、追加の緩和を示唆する発言に通貨の売りが強まっている。もちろんAUDは新型肺炎の感染拡大による中国経済への悪影響のリスクをもろにかぶっている。

日本ではマイナス金利の弊害が顕在化し、かつ消費税増税の影響もあり成長拡大は見込めず、GDPがマイナス成長に陥る観測が強い。1月20にIMFが唯一経済成長見通しを上方修正した国ではあるが、肌感覚では日銀は打つ手なしで外需や海外の成長拡大を願うだけでだが、新型肺炎の感染拡大にインバウンドも大幅減少し、国内での感染拡大も気になる。円は、今までのリスク回避通貨としての立ち位置の変化を指摘する声も目立つが、それでも他の主要国通貨に対して健闘していることは間違いなく、攻めは円クロス相場。


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USDJPY
株価が急落しないとの前提となるが、1月17日の高値110.29に接近するも今回のステージでは110の壁を超えられず。流れは107.65~108.30をボトムに円売り傾向あり、110.30の壁をトライする流れは変わらず。

EURUSD
2019年11月29日の1.0981、11月14日の1.09891を割り込み、2019年10月8日の安値まで下落し、2019年10月1日の1.0879が視野に。短期的はボトム感がつかめず。

GBPUSD
1.29~1.32のレンジ下限近くで下げ止まり推移。11月22日の1.2823、11月8日の1.2869が下値のポイントとなるが底値も限定的。

AUDUSD
Daily終値ベースで安値を更新、日中ベースでも最安付近まで下落している。底値を試す動きは変わりそうにないが、0.6650
~70台を割り込むことができるか? 失敗すれば反発も。

NZDUSD
12月2日から始まった上昇を全戻し、昨年11月来の低水準。12月から始まった上昇のスタート地点に逆戻りし0.6400割れまで下落。0.6400が大きなポイントに。

USDCAD
一時1.3320台と、2019年9月以降のサポートラインとなっている1.3320~50の上限に接近中。引き続きレンジ相場に陥る可能性を意識。

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