2020/02/16

今週の為替相場を考える(2月17~21日)

今週の為替相場を考える(2月17~21日)

新型コロナウイルスの感染は終息するのか、それとも拡大を続けるのか? その答えにより主要国の金融政策やさらには財政政策まで影響を与えかねず、為替相場にも当然ながら影響を及ぼすことになる。

先週までの動きを振り返ると、日経平均は23600~24000のレンジで伸び悩むが、中国株は春節前の水準近くまで値を戻し、米株は高値を更新、独DAX、豪S&P/ASX200も目先高値を更新し、リスクを危惧した動きには程遠い。

一方、米10年債利回りは1.5%で何とか下げ止まり、1.5~1.7%のレンジで推移、2年債は2017年9月の上昇スタート地点となる1.30で何とか下げ止まっているが、FRBの緩和姿勢を意識しているのか? リスク回避の安全資産として買いが強いのか(利回り低下)? ただし、利回りの上昇を指摘する声もぼちぼち聞こえてくる。

余談ながらミュンヘン安全保障会議の報道も流れてくる。
米国は中国の軍事的拡大を危惧、2040年台までにアジアを支配する考えとあり、ファーウェーの危険性を指摘。中国は「西側は制度の異なる中国への偏見を捨てるべき」と反論するなど、米国対中国の対立は変わらず。2月14日にやっと、米中双方で一部の関税引き下げを実施したが、根本は何も変わっていないのでは?

USDJPYは、新型コロナウイルスの感染拡大が国内で広まる中、2月17日(月)の日本第4四半期GDP・第一次速報値=前期比予想-0.9% 前回0.4%、前年比予想-3.7% 前回1.8%とあり、また2月21日(金)のCPIは前年比0.7%に低下が予想され、材料としてはJPY売りながら、株安=JPY高、リスク回避のヘッジ通貨のJPYがどこまで有効なのか、それとも無効なのかを試す週になりそう。

Dailyチャートでは、109.50~110.20の70ポイントレンジ、中期的にも108.30~110.30の200ポイントレンジ。110.30をクリアに上抜けできなければ上値トライも時間切れ。Weeklyチャートでも110円110.30がJPY安に向かうかを占う重要なポイントで、余裕を見れば110.50を超えられるかが勝負。失敗なら下落のJPY高が見えてくる。

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EURUSDは、14日の独GDPは前期比0.0%(前回0.2%)と何とかマイナス成長を回避したが、今年の第1四半期でリセッション入りの可能性を指摘する声も。また、レーンECB専務理事は「ECBは政策の限界には達していないが近づいている」と指摘、ラガルド総裁も政府に財政支出を求める声は強く、ECBの債券購入枠の拡大も視野に。

2月10日、メルケル独首相の有力な後継者のクランプカレンバウアー氏は次期首相候補になることを諦め、党首も退任すると表明(ドイツ東部チューリンゲン州の首相選出で指導力を発揮できなかったことが要因とある)。12日にドイツ社会民主党(SPD)はメルケル首相が退陣したら、与党キリスト教民主同盟(CDU)との連立を離脱することを示唆する中で、ちょっと先になるが23日の独ハンブルグ州議会選挙は気になる。

EURUSDは、続落傾向止まらず。12月31日の1.1239から1.0830まで下落し、1.1239までの上昇スタート地点の2017年4月の水準に逆戻り。悪材料をすべて織り込み済みでこの水準でボトムアウするのだろうか? 底値は見えず底値を試す動きへ。

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GBPUSDは、退陣間際のカーニーBOE総裁は「総裁在任中に金利をゼロ以下に引き下げなくてすんだことは幸運」とあり、「金利をマイナスにしていれば、英経済に打撃を及ぼしていただろう」とある。2月13日にジョンソン政権発足から2か月を待たずに、財務規律を目指したジャビド英財務相が自信の政治顧問全員の交代を求められたことで、突然辞任を表明。代って財政拡大路線を支持するナスク氏を新財務長官に指名され、財政拡大期待にGBP買いが強まっていたことは記憶に新しい。

GBPUSDは、2月に入り1.2900割れも一時的で、今のところ1.2870~1.3200のレンジ相場を継続中。直近では1.2870~1.3070の200ポイントのレンジでこの継続と底堅い動きが予想され上値を期待したくなる。

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